福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

福聚講 今日の言葉 

2011-09-22 | 法話
貧女以兩錢布施即獲報(貧女が二銭を布施して即座にお蔭をえた話)

昔晝闇山中。多諸賢聖。隱居眾僧。諸方國土。聞彼山名。供養者眾。有一長者。將諸眷屬。往送供養。(多くの供養するものの中に一人の長者があった)
有一貧窮乞索女人。作是念言。今諸長者。送供詣山。必欲作會。我當往乞。(一人の貧女が長者が晝闇山におまいりするのでいって物乞いをしようとおもった)
便向山中。既到山已。見向長者。設種種饌。供養眾僧。(いってみると長者が衆僧に諸の贈り物をしている)
私自思惟。彼人先世修福。今日富貴。今復重作功將勝。我先世不作。今世貧苦。今若不作。未來轉劇。思惟此已。啼哭不樂。(長者は前世に福徳を修して今日富貴となっていてさらに今かさねて功徳を積もうとしている、自分は前世で福徳を積まなかったのでいま貧苦にあえいでいる。今ここで功徳をつまなければ復未来においてみじめな人生を送ることになるであろうと思い悲しみ泣いた)。

又自念言。我曾糞中。拾得兩錢。恒常寶惜。以俟乞索不如意時。當貿飲食用自存活。今當持以布施眾僧。分一二日不得飲食。終不能死。伺僧食訖捉此兩錢即便布施(また自分はかって二銭をごみのなかで拾って大切にしているが少しぐらい食べなくても死ぬことはなかろうと思いこれを衆僧に供養した)。

彼山僧法。人有施者。維那僧前立為呪願。當於爾時。上座不聽維那呪願。自為呪願。諸下坐等。深生慊心。而作此念。得彼乞女兩枚小錢。上座自輕。為其呪願。如常見錢。何以不爾。上座尋時。留半分食。與此女人。諸人見上座多與人。人多與此。女時得重擔飲食。極大歡喜。我適布施。今以得報。即擔飲食還出山去到一樹下。眠臥止息(上座は此の貧女のために呪願してやり食をあたえ貧女は報があったと喜び山を去り一樹のもとに至り休んでいた)。

會王大夫人亡來七日。王遣使者。按行國界。誰有福。應為夫人。相師占言此雲蓋下。必有賢人。即共相將。至彼樹下。見彼女人。顏色潤澤。有福相。樹為曲蔭。光影不移。相師言。此女人福。堪為夫人。(王の妃がなくなって七日たっており使者が占い師とともに徳のあるものを妃にしようと探していたが樹の下でこの貧女をみつけ顔色が潤沢で福徳相であり、樹の陰が移らないのを見てこの女を夫人にしようと占い師がいった。)

即以香湯沐浴。與夫人衣服。不大不小與身相稱。千乘萬騎。左右導從。將來至宮。王見歡喜。心生敬重。(香油で沐浴させ夫人の衣服を着せ千乗の騎馬をつけて王宮に至った。王は此の女をみて歓喜し大切にしようと思った)。

如是數時。私自念言。我所以得是富 福以施錢故。令彼眾僧。便為於我有大重恩。即白王言。我先斯賤。王見拔擢。得為人次。聽我報彼眾僧之恩。王言隨意。夫人即時。車載飲食及以珍寶。往到彼山施僧食訖以寶布施。上座不起遣維那呪願。不自呪願。王夫人言。我昔兩錢。為我呪願。今車載珍寶。不為我呪願。諸年少比丘。皆慊上坐。先貧女人。以兩錢布施。為其呪願。今王夫人。車載珍寶。不為呪願。為老耄耶。(王妃となった貧女はお礼に先の山の上座に贈り物をもっていくが上座はこんどは呪願してくれない。なぜですかと王妃となった貧女が問う)。

爾時上座。即為王夫人。演正法語言。夫人。心念慊我。先以兩錢施時。為我呪願。今車載珍寶。不為呪願。我佛法中。不貴珍寶。唯貴善心。夫人。先施兩錢之時。善心極勝。後施珍寶。吾我貢高。是以我今不與呪願。年少道人。亦莫慊我。汝當深解出家之心。諸年少道人。各自慚愧。皆得須陀洹道。(上座は王妃のに先に貧女のときは善心があったので呪願した。こんどはいくら珍宝をもってきても善心がなければならない。仏法とは珍宝を尊ぶのでなくそのものの善心を尊ぶのであると説いたので諸年少道人は悟りを開いた)。

王夫人聽法。慚愧歡喜。亦得須陀洹道。聽法已訖。作禮而去。(王妃も慚愧歡喜し悟りをひらき礼をなして帰った)
(雑宝雑経)
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