あるお大師様信者の話です。
「私は和歌山県西牟田郡に生れました。小学校の時はおばあちゃんに連れられて三里の道を田辺のお大師様のお参りにっておりました。
その後結婚して岸和田に住みましたがこのころ如何しても書き残しておきたいことが起こりました。
そのころは天然痘がはやっておりました。毎日のように友人が入院し、近所を消毒しておりました。そんな中、主人も天然痘にかかってしまったのです。腫れ物が出来、熱があがって苦しみ始めました。近所の天然痘の経験のあるおじいさんが「これは天然痘やな」というのです。医者に天然痘とわれたら近所の7件は消毒されます。わたしは必死で河内の石切様と弘法様に御参りしました。お酒を供えて「ご無理なお願いでしょうがどうか3日で不思議を見せてください」とお願いしました。そして暇さえあれば般若心経をとなえて主人の体をなでてあげました。すると3日目の朝、熱は下がり、できていた腫れ物がしぼんでしわができているのです。主人は楽になったと大喜びです。
それからすぐお大師様におまいりしてさきのお神酒の蓋をとりましたところふしぎなことにお酒が真っ青に変っているのです。お大師様に天然痘の膿をとっていただいたと感謝感謝至極です。お礼を申し、河に流させていただきました。本当に有難うございました。それからはすべてお大師様におすがりして毎日を過ごさせていただいております。
その後、3男が1歳のとき脱腸になったことがございます。このときも医者は2歳になったら手術をしないと治らないといったのですが小さい体で痛い目をさせるのはかわいそうとおもいお大師様に、「6歳になったらお礼参りをさせますのでどうか治してください」と必死に拝みました。医者は、神仏に頼んでも脱腸は治らない、といったのですが2ヶ月目にはすっかり治りました。医者も不思議がるばかりでした。勿論約束どおり6歳の時高野山へお礼参りに連れて行きました。
この3男も今は50歳ですが元気に働かせていただいております。
こうしてお大師様のおかげを何度もいただいて過ごさせていただいております。
南無大師遍照金剛
南無大師遍照金剛
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