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信越線住民の好きなもの~フリッチャイ、鉄道・・・

今日聴いた曲

2010-04-05 18:13:06 | 他の音楽

○ヤナーチェク カーチャ・カバノヴァー マッケラス/ウィーン・フィル他 1976年12月


マッケラスがウィーン・フィルと録音した一連のヤナーチェクのオペラの最初の録音。

マッケラスがこの曲を録音した当時の評判は覚えていますが、もう30年以上前のことと、改めて驚かされました。ウィーン・フィルや声楽陣の素晴らしい演奏、そして優秀な録音と、今でもその輝きを失わないと思います。


物語の主人公カーチャは「弱い夫ティーホンとの愛のない結婚に閉じこめられ、いばりちらす姑カバニハに服従している。」そんな家庭環境で起きた悲しい物語です。


あらすじは、極めて簡略にすると次のようなものです。

1幕は、仕事で家を空けることになった夫について行きたいカーチャが、姑に止められ、悲嘆にくれるというもの。しかし2幕では、夫の留守中、密かに惹かれていた男と逢引きをしてしまう。そして3幕では、嵐の中、雷鳴に怯え、人前で不義を告白してしまい、最後はヴォルガ川に身を投げてしまうというものです。ちなみに嵐は、このオペラの台本となった戯曲の題名です。


私は、1幕の場面転換に使われている間奏曲とそれに続く、カーチャがカバノフ家の養女ヴァルヴァラに娘時代の思い出を語る部分が好きです。間奏曲は、足をふみならすような、まさに場面転換だけの音楽と思いきや、中間部でとても短いが暗い深い音楽が挟み込まれています。一転次の場面では、あこがれに満ちた音楽が魅力的です。

終幕の嵐の場面は、まさにヤナーチェクの表現力の凄さを実感させられます。まさに嵐を音楽で描写しているのです。雷鳴の音は何を使っているかわかりませんが、もう雷鳴そのものです。

最後、カーチャが身投げして、周囲が騒然となっているときに、カーチャを引き上げてくれた人たちに、姑がたんたんと礼を述べるところは、なんでこんなときに、こんな対応ができるのかと思います。かんじからめになっている古い因習を感じます。


ヤナーチェクのオペラは、イェヌーファ、女狐と日本初演の模様のFM放送で初めて知り、カーチャは3番目に知った曲ですが、今では、この深遠なオペラが一番好きです。

Janacekkata

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