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信越線住民の好きなもの~フリッチャイ、鉄道・・・

電車と列車?

2022-10-05 17:16:45 | その他
先日、ある旅行番組で、旅人が非電化路線に乗る場面があり、「これは電車でなく列車なんです」といった趣旨の説明をされていました。
一概に間違ってるというわけではありませんが、適切かというとそうは言えません。
「電車ではない」そのとおりです。
「列車です」そのとおりです。
でも「電車」と「列車」という言葉は、状態の違う言葉なのです。

これを説明するには、まず「車両」と「列車」という言葉から説明しないとなりません。
「車両」とは、簡単に言えば鉄道線路上で動かす(自分で動くものもあれば、他の車両に引かれるものもあります)ことができる車輪を持った物で、大きさとかブレーキの性能とか必要要件が決められています。また、次に説明する「列車」になっていない状態の車両も「車両」と呼んで(こちらはルールに書いてないような気がする。ちょっとややこしい。)います。
「列車」とは、停車場(駅、信号場、操車場のことです)の外を運転するために連結(1両の場合もあります)して準備された車両をいいます。そして、その準備とは、例えば、停車場に収まる長さ以上にならないよう連結する、全体に連動してブレーキが動作する、もし連結が外れたら自動的にブレーキがかかる、ブレーキの能力は定められた距離に止まれる・・・などです。

・・・と、決まり事を書いてもピンとこないかも知れません。
そこで、あるたとえをしましょう。(ここは私が鉄道の運転のルールを習ったとき、神様と呼ばれた先生から教わったことを思い出して書きます)
駅を家としましょう。車両なり列車は人(例えばあなた)としましょう。
外出するときは、それなりに準備するでしょう。例えば会社に行くならスーツに着替えカバンを持って・・・それが列車です。
列車は駅の外を運転するため準備された連結した車両ですが、駅の中にいることもあります。それは外出する準備をしてスーツを着て家の中にいるのと同じです。
一方、家にいるときは、くつろいでパジャマでいることもあるでしょう。その状態が車両です。パジャマのままでは外出しないでしょう。車両も駅の外で運転することはできません。

話をもとに戻します。
車両には色々な分類の仕方がありますが、動力別で分類すると電気機関車、ディーゼル機関車、蒸気機関車、電車、気動車、客車、貨車などがあります。
列車の分類の仕方も色々(普通列車・特急列車、旅客列車・貨物列車・・・)ありますが、動力別で分類すると、例えば電車を連結(1両の場合もあります)した列車を電車列車、気動車を連結(前に同じ)した列車を気動車列車と言います。
最初の「これは電車でなく列車なんです」は、正確には「これは電車列車ではなく気動車列車なんです」と言うのが適切でしょう。また、車両に注目すれば「これ(もっと正確に言えば「この車両」)は電車でなく気動車なんです」と言ってもよいでしょう。
(車両、列車に関する決まりは、「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」に書かれています。ここでは平易な言葉で説明しています。)
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