○マーラー 交響曲第９番 マゼール／ウィーン・フィル １９８４年４月１３、１４、１６日
マゼールはこの時期、ウィーン・フィルとマーラーの交響曲全曲録音を行っています。なぜマゼールなのかという疑問もありますが、アバドは色々なオケとすでに録音が進んでいたし、シノポリはフィルハーモニアと始まっていたし、・・・やはりマゼールしかなかったのかなと思います。
１楽章はゆったりしたテンポで始まり、盛り上がったところでヴァイオリンが勢いよく弾いていて、あっけにとられます。その後もティンパニが活躍したり、騒がしかったりと思えば、しっとりと聴かせるところもあり、中々、面白いです。
２楽章は出だしあっさりし過ぎていて、あまり好きではありませんでしたが、今日あらためて聴いてみたら、途中からティンパニも大活躍し、中々楽しめました。３楽章もあっさり気味ですがティンパニだけは目立ちます。
４楽章は少し平板かなと思うところもありますが、ゆったりしたテンポでしっとりと聴かせてくれます。
マゼールは、１９５６年、ベルリン放送交響楽団の指揮者になり、フリッチャイが１９５４年に辞任した後のこのオーケストラを立て直したと言われており、また同オケに返り咲いたフリッチャイが１９６３年に亡くなった後は、彼の後を継いで同オケの首席指揮者とベルリン・ドイツ・オペラの音楽監督に就任しています。
