○ストラビンスキー エディプス王 フリッチャイ/ベルリン放送交響楽団他 1960年9月29日(ライヴ)
ギリシャ三大悲劇の一つ、エディプス王をストラビンスキーがオペラ・オラトリオとして作曲した曲。
テーバイの王ライオスは、子供を作るとその子供に殺されるとの神託を受けていたが、子供を作ってしまう。そこで、その子供を山中に捨てたが、別の王のもとで育てられる。
大人となったその子供、エディプスは神託で両親を殺すであろうと告げられ、旅に出た。その途中、出会った老人をトラブルで殺してしまう。それが実の父、ライオスであったわけである。エディプス自身はまだ気づいていないが、これで神託が実現してしまった。
その頃、スフィンクスに悩まされていたテーバイでは、謎を解けば王にするという布告を出した。エディプスはスフィンクスに挑み、見事、謎を解き、王となり前王妃、実は実母と結婚し、子供を設ける。
テーバイでは、スフィンクスはいなくなったが、不作と疫病に悩まされるようになる。
ここから物語が始まります。
神託は、不作と疫病は、前王を殺害した者の穢れが原因であり、その者を捕えて追放せよというものでした。
エディプスは、その者の推理を重ねていくうちに、それは自分であることに気付き、妻は自殺、エディプスは自らの目をくりぬくという結末になるわけです。
フリッチャイは、引き締まった活き活きとしたテンポで、この悲劇を見通し良く演奏しています。特にティンパニが効果的に鳴り響きます。
2幕から妻イオカステ役のテッパーが出演しますが、非常に色っぽくこの曲一番の聴きものと思います。