今週の『週刊東洋経済』は特集の焦点が東大新卒なのかベンチャーなのか分からず、
中途半端で売上に響くだろうなと思いながら走り読みしていた。
(特集は企画の失敗だと見ているがこれは後述)
しかし大竹文雄教授の冒頭コラム「法人減税に不可欠な企業の統治改革」の切れ味が凄まじく、
メイン特集の印象が危うく吹っ飛んでしまうところだった。
「日本では法人税パラドックスは観察されていない」
「1970年代以降、日本企業の投資は企業価値を増やしていない」
「投資よりも株主配当や借金返済、賃上げに使った方がよかった」
経済政策リテラシーが一向に改善しない安倍首相は、あさっての方向へ驀進している訳である。
大企業と癒着した安倍政権の「次元の違う」低レヴェルさがここでも証明されてしまった。
メイン特集は、東大に絞るのではなく
「最優秀の人材を取り逃している体質の古い大企業」
もしくは「新成長企業」と題した方が良かっただろう。
しかしそれにしても新御三家にグリーやサイバーエージェントが入っているのは
業界では失笑を買っているのではないか。
慶應SFCの起業支援の概要などが分かった点では良かったので
次回に期待したい。
◇ ◇ ◇ ◇
『週刊ダイヤモンド』の保険特集は素晴らしい。
東洋経済の同種特集が直前に出ていたので普段より力が入っている印象。
個人的には中小企業の相続対策(井関純二氏の執筆)と、
所得補償保険の分析が良かった。
一度自分でも調べたことがあるのだが、
特集で分かるようにライフネットの所得補償には欠点があると思う。
(詳しくは特集を参照のこと)
今回もまた保険業界でも売れに売れそうな特集。
乱戦模様の保険ショップの「業界マップ」がひと目で分かる図表もあり
実に素晴らしい。(保険会社を受ける就活生にもお薦め)
◇ ◇ ◇ ◇
『週刊エコノミスト』特集は久々の鉄道でした。
大赤字必至のリニアに太鼓持ち記事を書いているのは「らしくない」が、
(藻谷浩介氏に新幹線で衰退した地方都市の話を聞いておけば良いのに)
悪くはないと思う。
ななつ星はハード面もさることながらソフト面でも素晴らしい。
トワイライト・エクスプレスも見習って欲しい。
P45では堀内重人氏が日本の鉄道運賃が割高になる構造を纏めており、
特に外国人観光客には別枠を設けた方が良いのではないだろうか。
(観光庁が国土交通省の下にあるとこういった分野で動きが悪くなってしまう)
P84のエコノミスト・レポートは多摩大学の真野俊樹氏の執筆、
入院から在宅医療への診療報酬による誘導が進んでいない現状を記している。
氏は「在宅シフトに無理がある」との見解のようであるが、
試算によれば在宅と入院ではコストが5倍以上違っており、
財政制約が年々強まっている日本では選択の余地などないと思う。
診療報酬をいじるのではなく
マイナンバーで患者の資産を捕捉し、
豊かな入院患者なら負担を現役並みにすれば良い。
貧しい入院患者は治療よりケアが必要なのだから、
バウチャーを発行して在宅医療支援NPOを健全育成すべきだろう。
◇ ◇ ◇ ◇
次週はダイヤモンドも東洋経済も株式特集、これは明確な「売りサイン」だと思う。
▽ ダイヤモンドは、公開された手口以上にどこまで深く探れるかに注目
▽ 東洋経済はやや眼目に欠ける印象あり
▽ 投資のため実際に最も役立つのは、上の両誌よりエコノミストだろう
ロシアの天然ガス問題、中国の環境問題の記事に注目したい。
中途半端で売上に響くだろうなと思いながら走り読みしていた。
(特集は企画の失敗だと見ているがこれは後述)
しかし大竹文雄教授の冒頭コラム「法人減税に不可欠な企業の統治改革」の切れ味が凄まじく、
メイン特集の印象が危うく吹っ飛んでしまうところだった。
「日本では法人税パラドックスは観察されていない」
「1970年代以降、日本企業の投資は企業価値を増やしていない」
「投資よりも株主配当や借金返済、賃上げに使った方がよかった」
経済政策リテラシーが一向に改善しない安倍首相は、あさっての方向へ驀進している訳である。
大企業と癒着した安倍政権の「次元の違う」低レヴェルさがここでも証明されてしまった。
『週刊東洋経済』2014年 4/5号 | |
メイン特集は、東大に絞るのではなく
「最優秀の人材を取り逃している体質の古い大企業」
もしくは「新成長企業」と題した方が良かっただろう。
しかしそれにしても新御三家にグリーやサイバーエージェントが入っているのは
業界では失笑を買っているのではないか。
慶應SFCの起業支援の概要などが分かった点では良かったので
次回に期待したい。
◇ ◇ ◇ ◇
『週刊ダイヤモンド』の保険特集は素晴らしい。
東洋経済の同種特集が直前に出ていたので普段より力が入っている印象。
個人的には中小企業の相続対策(井関純二氏の執筆)と、
所得補償保険の分析が良かった。
一度自分でも調べたことがあるのだが、
特集で分かるようにライフネットの所得補償には欠点があると思う。
(詳しくは特集を参照のこと)
『週刊ダイヤモンド』2014年 4/5号 | |
今回もまた保険業界でも売れに売れそうな特集。
乱戦模様の保険ショップの「業界マップ」がひと目で分かる図表もあり
実に素晴らしい。(保険会社を受ける就活生にもお薦め)
◇ ◇ ◇ ◇
『週刊エコノミスト』特集は久々の鉄道でした。
大赤字必至のリニアに太鼓持ち記事を書いているのは「らしくない」が、
(藻谷浩介氏に新幹線で衰退した地方都市の話を聞いておけば良いのに)
悪くはないと思う。
ななつ星はハード面もさることながらソフト面でも素晴らしい。
トワイライト・エクスプレスも見習って欲しい。
P45では堀内重人氏が日本の鉄道運賃が割高になる構造を纏めており、
特に外国人観光客には別枠を設けた方が良いのではないだろうか。
(観光庁が国土交通省の下にあるとこういった分野で動きが悪くなってしまう)
『エコノミスト』2014年 4/8号 | |
P84のエコノミスト・レポートは多摩大学の真野俊樹氏の執筆、
入院から在宅医療への診療報酬による誘導が進んでいない現状を記している。
氏は「在宅シフトに無理がある」との見解のようであるが、
試算によれば在宅と入院ではコストが5倍以上違っており、
財政制約が年々強まっている日本では選択の余地などないと思う。
診療報酬をいじるのではなく
マイナンバーで患者の資産を捕捉し、
豊かな入院患者なら負担を現役並みにすれば良い。
貧しい入院患者は治療よりケアが必要なのだから、
バウチャーを発行して在宅医療支援NPOを健全育成すべきだろう。
◇ ◇ ◇ ◇
次週はダイヤモンドも東洋経済も株式特集、これは明確な「売りサイン」だと思う。
▽ ダイヤモンドは、公開された手口以上にどこまで深く探れるかに注目
『週刊ダイヤモンド』2014年 4/12号 | |
▽ 東洋経済はやや眼目に欠ける印象あり
『週刊東洋経済』2014年 4/12号 | |
▽ 投資のため実際に最も役立つのは、上の両誌よりエコノミストだろう
『エコノミスト』2014年 4/15号 | |
ロシアの天然ガス問題、中国の環境問題の記事に注目したい。