みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

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注目中の新刊 -『理科系冷遇社会』『大学破綻 合併、身売り、倒産の内幕』『武器なき“環境”戦争』

2010-10-10 | こんな本を読んでいます
連休ですので、最近注目している新刊を紹介します。





『理科系冷遇社会―沈没する日本の科学技術』(林幸秀,中央公論新社)


 → ありがちな視野狭窄の「俺たち理系を優遇しろ!」系ではありません。
   かなり冷静な視点だと思います。
   終身叙任権をバラ撒き過ぎて若い研究者が育たない現状も
   著者はよく理解されているようです。

   ただ、「選択と集中」がうまくいくと思っているのは誤りです。
   研究開発の現場では簡単に成功しないのが普通です。
   著者はそれを知っている筈だと思いますが。。

   私は、日本で理系が冷遇されているとするならば
   実社会へ広く関心を持とうとせず自分の専門に閉じ籠る傾向も
   大きな要因として挙げられると思います。
   (文系人間を理解して巧みに使いこなせる人が少ない)






『大学破綻 合併、身売り、倒産の内幕』(諸星裕,角川グループパブリッシング)


 → 見覚えがあると思っていたら、あの「国際交渉人」諸星さんでした。
   それだけでもう内容に期待してしまいます。

   今の大学経営の惨憺たる内情が分かって素晴らしい。
   もはや年功序列の素人の手には負えないようです。

   大学運営もアメリカのようにプロフェッショナルが
   組織改革やファインドレイズなど個人のキャリアを磨き
   活躍する時代が訪れたのでしょう。






『売れ続ける理由~一回のお客を一生の顧客にする非常識な経営法』(佐藤啓二,ダイヤモンド社)


 → 東北の過疎地の家族経営スーパーに、
   なぜ小売大企業の経営者が研修に訪れるのか??
   今の日本にも凄い企業が隠れているものです。

   「ライバルが進出してくるほど売上が増える」
   という実績が凄いです。






『武器なき“環境”戦争』(池上彰/手嶋龍一,角川SSコミュニケーションズ)


今や環境政策は産業政策で、「経済戦争と同じ」
であることが漸く理解されてきたようです。

でもどうも現状に対する見方が甘いと思う。

日本がセクトラルアプローチのような
自国だけ一方的に有利な提案を持ち出しても通用する筈がない。

ドイツ・スウェーデン・台湾・韓国のような
製造業の強い国と組んで利害の一致するスキームを構築しないと
原則的に多数決で動く国際社会には通用しません。
国際政治のリアリズム感覚と多数派工作が絶対に必要です。
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