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『週刊エコノミスト』3月10日号 - S&Pケース・シラー住宅先物指数、2010年の市況回復を織込む

2009-03-02 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』の特集は「米国 二番底」でした。
ここまで一直線に下落してきた米経済が、
どうやら岐路に差し掛かっているようです。

『週刊エコノミスト』の内容案内

最新号の内容の確認は、こちらの毎日新聞のサイトの方が正確で早いです。
(定期購読は方式によりディスカウント率が複雑なので御注意下さい)
http://www.mainichi.co.jp/syuppan/economist/

今週号で絶対見ておかなければならない記事はP34、
ドイチェ・アセット・マネジメントの松尾健治ストラテジストの
「早期の米国回復はありうる」です。

「ありうる」なので、あくまでも可能性に過ぎませんが、
景況反転は針の落ちるようなかすかな音しかたてません。

私が昨年1月に「世界経済のリセッションは確定」と書いた時も、
昨年8月最初に「資源国通貨の時代は終わった」と書いた時も、
多数派意見は全く逆でした。微小な音を聞かなければならないのです。

さて松尾氏の挙げた好材料ですが、

・米住宅ローン申請指数の回復
・CMO(モーゲージ担保証券)の発行額の回復
・米住宅価格先行指数の下落幅が劇的に縮小している
・米住宅価格が調整し、長期上昇トレンドに収斂しつつある
・S&P500住宅建設株価指数が逆行高になっている

非常に興味深く、有力な視点だと思います。
不良債権処理の必要性など他にもかなり有用な
分析も綴られており、投資家は熟読すべき記事です。

    ◇     ◇     ◇     ◇

他には、P66以降の特集「逆境の外国人労働者」が
優れていたと思います。
相変わらず坂中氏が熱弁を振るっておられるようです。




『移民国家ニッポン―1000万人の移民が日本を救う』(坂中英徳,浅川晃広)

P72に長崎県立大の河野健一教授の寄稿があるのですが、
多文化主義と寛容の国オランダが揺れている状況が
生々しくリポートされています。

(オランダは、一部の浅はかな国内論者が極端に理想化する国)

この記事によれば、オランダの識者や移民問題の当事者たちは
「選択的移民受け入れ」を日本にアドバイスしています。
(私の当ウェブログでの主張と不思議に一致します)

優秀な人材を惹き付けることのできない国内の事業経営者は
とかく単純労働だけをカネで買おうとしますが、
彼らの言い分だけを聞いてはいけません。

彼らの大多数は利己的で視野が狭く、
自分にとって都合の良い人手確保策しか考えていません。
その社会的コストを払わされるのは日本社会なのです。

    ◇     ◇     ◇     ◇

最後になりますが、今週の『週刊ダイヤモンド』で
東南アジアの人口5.8億人市場の特集が
巻末に掲載されています。





『週刊ダイヤモンド』2009年 3/7号

半年くらい前の『エコノミスト』の特集をヒントに
ミクロ面で掘り下げたダイヤモンド誌らしい特集です。

エースコックやクボタの浸透ぶりが分かり、
こちらも興味深く読めました。

厄介なチャイナよりも妙な大国意識のないアセアンの方が、
日本としては浸透しやすい市場だと思います。
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2 Comments

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するどいご指摘 (なおと)
2009-03-04 00:57:55
はじめまして。
住宅建設株価指数で検索してたらこのブログにたどり着きました。
今週のエコノミスト誌の注目記事、当方も同感です。
ただ、遅行指標とはいえ、雇用の悪化速度が未だ凄まじい状況なので一息ついたと思ったら、また急落というこれまでのパターンが繰り返される可能性も小さくはないのでしょう。
現状、世界を見渡しても株式に買い余力のある投資主体が多くないでしょうし、あまり慌てないほうが賢明という気がします、今のとこ。

外国人労働者に対する考え方も全く同感ですね。 平均的日本人より優秀な外国人のみ入れるようにしなければ、受け入れコストのほうがかさむことになりますし、そのマイナス分は結局、日本国民全体の負担になるのでしょう。

優秀な外国人のみを入れて帰化を促進するのが良いと思いますが、中国人、韓国人の場合は注意が必要でしょうね。 (そう遠くない)将来的には在住中国系or韓国系住民保護名目で内政干渉される危険がありますから。
返信する
なおと様、初めまして (いとすぎ)
2009-03-05 02:50:42
> 現状、世界を見渡しても株式に買い余力のある投資主体が多くないでしょうし、あまり慌てないほうが賢明という気がします

「2010年」ですので、勿論今すぐに
回復すると云う訳ではありません。

> 優秀な外国人のみを入れて帰化を促進するのが良いと思いますが、中国人、韓国人の場合は注意が必要でしょうね。

同じ中国でもチベットや新疆、雲南、広西、
東北、四川など歴史的に中央部との距離がある
地方の人材に集中的に働きかける、という
イギリス的な戦略もあります。
図体の大きい相手は分裂させるのが基本です。

移民受け入れは選択的実施が可能ですから、
地政学的に中国の脅威を受け易いベトナムが
最右翼で、他の東南アジア国と南アジア、
市場としてはインドネシアが重要でしょう。
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