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原発のおかげで「毎日遊んでいられた」− 民意に敵対して再稼働を進め、リプレースを狙うのはカネのため

2014-12-18 | いとすぎの見るこの社会−地球環境を考える
衆院選が終わった直後に、経産省の総合資源エネルギー調査会が
原発のリプレースが必要との議論をこっそり始めている。
国民の敵意を避けながらじりじりと失地を回復する利権勢力の、予定通りの行動である。

『原発ホワイトアウト』の若杉冽氏が的確に今日の事態を予言しており、
こうした経産省の調査会が国民の目の届かない密室で行われる謀議に等しく、
既得権益側が国会議員を使って圧力をかけ、
法制度や事業内容を我田引水に変更する場

であると明言している。まさに「民主主義の敵」と言えよう。

▽ こちらに詳述

『原発ホワイトアウト』(若杉冽,講談社)


彼らが社会的に正しいのであれば堂々と公開できる筈だが、
それができないのは彼らの動機と行いがともに汚れているからだ。

当ウェブログが指摘した通りの状況である。
お蔭で2015年はまた経済低迷の年となろう。

「経産省は電力自由化で不利になる「お荷物」の原子力を保護し、
 事業者を優遇する策動を始めている。
 また、廃炉に国民から搾取したカネを投入する仕組みも着々と進めている」

「国民の反感を受けないように隠れて議論を誘導し
 国民を裏切り業界の利益のために暗躍する以前の状態に戻っている」

「その番犬のような「忠勤」ぶりを愛でられて、
 さぞ利権勢力や癒着企業に天下りで優遇されるのだろう。
 民主主義に敵対するのだから、それなりのカネを貰わないと割に合わないという訳だ」

「原子力が一部の連中だけ稼がせる「利権」であり、
 「安くて安全」と偽って国民のカネを搾り取る
 モラルハザードの固まりであるのはこれで立証されたと言える。
 当然、日本経済の健全な発展にとっても害になる」

「だから、原子力比率が過去最高になった90年代後半に成長率が大きく落ち込んだのであり、
 利権勢力が「原子力ルネッサンス」などと与太話を喚いている2000年代に日本経済は低迷を続けた。
 彼らの利益が日本社会の利益と真っ向から相反しているのは明白だ」

「これまで省エネや再生可能エネや電力自由化に対して強硬に反対し、
 エネルギー分野での新規投資への妨害を続けた悪辣な「実績」は疑いようがない」

「これまで散々補助金を食い物にして稼いできた原子力関係者は、
 少しは良心を目覚めさせて廃炉費用ぐらい一般国民より多く出すがいい。
 「カネを出すのは国民、俺は特別な存在だから関係ない」とでも思っているのか」

「彼らを殲滅しない限り、日本のエネルギー効率が改善することはなく、
 国内投資もろくに増えず日本経済の復活もあり得ない。
 「原子力の赤い貴族」は碌に反省せず、これまでの行動様式を改めてもいないからだ」

利権勢力に媚びる歪んだエネルギー政策を進める自民党に期待できないのは勿論だが、
他の政党も電力利権を撃滅しエネルギー効率を高める政策を打ち出せていない惨状である。
だから次元の低い選挙で次元の低い自民に負けるのだ。

 ↓ 参考

自由化でも廃炉でも国民のカネにたかる原子力利権勢力は「国家のシロアリ」− 経産省も尻尾を振る有様
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d564730e952cc67a46c55395d3d94837

「原発を再稼働したらカネをやる」と経産省 − 完全に利権勢力の手先になり下がり、電力大手を全力支援
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d431aa67a744b3be085f12ed7663005e

電力各社「事故の賠償は無理、原発費用は消費者に転嫁させろ」−証明された「原子力は高リスクでコスト高」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d121c9b7403f1918e88f81a7dfd7cf43

▽ 国民に隠れてカネをバラ撒くのは、利権勢力が安定的に儲けるためである

『原発利権を追う 電力をめぐるカネと権力の構造』(朝日新聞出版)


経産省:原発建て替え検討 有識者会合の中間整理案(毎日新聞)
http://mainichi.jp/shimen/news/20141218ddm001010150000c.html
”◇建て替えは「老朽原発廃炉と同時に新たな原発建設する手法」
 経済産業省は17日、原子力政策の方向性を議論している有識者会合で年末にまとめる中間整理の中に、原発の建て替え(リプレース)を検討事項として盛り込む方向で調整に入った。安倍政権は原発再稼働を推進する一方、国民の批判を懸念して、14日投開票の衆院選公約でも原発の新増設や建て替えの可否について明言を避けてきた。総選挙直後に突然、原発建て替えの検討を始めることで「選挙での争点隠し」との批判を浴びる可能性がある。
 中間整理をまとめるのは経産省の総合資源エネルギー調査会原子力小委員会。中間整理案では、安倍政権が掲げる「原発依存度を可能な限り低減する」方針を達成するためには、「廃炉に見合う供給能力の取り扱いを含めた原子力の将来像が明らかでなければ、電力会社や立地自治体が廃炉を判断しにくい」と建て替え了承の必要性を指摘
〔中略〕
 建て替えは、老朽原発の廃炉と同時に新たな原発を建設する手法で、中間整理案は「廃炉に見合う供給能力」と直接的な表現を避けつつ、原発の建て替えに触れた。再稼働手続きで先頭を走る九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)では原子力規制委員会による工事計画の審査が続いており、「原発が1基も再稼働していない中、原子力規制委の頭越しに直接的な表現では建て替えの話を持ち出しにくい」(関係者)との判断があったとみられる。
 政権は原発依存度の低減に向け、2016年7月に運転開始40年超となる関西電力美浜原発1、2号機(福井県)など7基の廃炉の早期判断を促している。しかし廃炉になると立地自治体に支払われる「電源3法交付金」が打ち切られ、立地自治体などから廃炉後の経済支援や原発建て替えを求める声が上がっていた。
 原発建て替えを巡っては、中部電力が08年に浜岡原発1、2号機の廃炉とともに決定した6号機の新設計画が中断。また、福島第1原発事故以前は、関電美浜1号機の建て替えや、日本原電敦賀原発3、4号機(福井県)の新増設が検討されていた。政府が建て替えを認めれば、こうした原発の建設計画が動き出すとみられる。【中井正裕】”

『原発ホワイトアウト』で若杉冽氏が書いた通りになっている。
利権勢力が跋扈する以前のような状態にはすぐに戻らないにしても、
戦線縮小しつつ利権を確保し、徐々に再稼働を進めるという利権勢力の予定通りの行動だ。

経産省の調査会は、民主主義に反し事務局が牛耳る密室会議により
利害関係者が思い通りに議論を誘導することのできる利権勢力の巣窟なのである。


衆院選、語られぬ原子力の未来 議論願う原発の街、福井県敦賀市(福井新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141210-00010001-fukui-l18
”福井県敦賀市郊外にある原子力プラント関連企業の単身寮の駐車スペースが、隣接する病院の駐車場として使われるようになって、もう2年になる。人の絶えた建物内は、ずらり数十室が並ぶ部屋にそれぞれ、マットレスが残る二段ベッド。
〔中略〕
 畳が上げられた大広間には表彰状が10枚以上掲げられ、敦賀原発やふげんでの無事故の定検作業をたたえていた。
 「市民をあおって原発を建てておきながら、今度は止めたまま選挙。政治は無責任だ」。近所の男性(84)は声を荒らげる。原発ができ活況だったころ敦賀に移り住んだという。「当時は毎日飲んで遊んでいられた。今は年金暮らしで物価上昇がこたえる」
 政治家は国民のことを考えず、自分たちの都合で選挙をしているように感じる。「労働者は急には変われない。原発を止めるなら代わりを何とかしないと、誰だって怒る」とまた、声を荒らげた。
  ■   ■   ■
 政府は今年4月、エネルギー基本計画で原発を「重要なベースロード電源」と定め、安全性が確認された原発は活用していく方針を示した。ただ従来「2030 年度に原子力53%、再生可能エネルギー21%」などとしていた将来の具体的な電源比率は、いまだ示していない。このため、例えば高経年化(老朽化)の進む敦賀原発で3、4号機を新増設する計画や、美浜原発1号機のリプレース(置き換え)は、不透明なままだ。
 敦賀市の河瀬一治市長ら立地首長は、繰り返し電源比率を示すよう国に求めてきた。「原子力の比率が一定程度維持されるなら、3、4号がないと賄えない。増設は『地方創生』につながる」(河瀬市長)といった思いからだ。
 だが安倍首相が「アベノミクス解散」と呼んだ今回衆院選にあって、日本全体でエネルギー施策の議論が深まる気配はない。自民党の政権公約要約版にはそもそも「原子力」の文字がない。
〔中略〕
 美浜町のある幹部は「重要なベースロード電源というのなら、堂々と争点に掲げるべきではないか」と、国民に問いかける姿勢が希薄な選挙戦に疑問を呈する。山口治太郎町長は公示翌日の記者会見で「争点のない選挙と言われるが、自分は原発を廃止するか活用するか、判断する選挙だと考えている」と述べ、事態の進展に期待を示した。
  ■   ■   ■
 敦賀市の気比神宮の南、国道8号沿いに位置する本町1丁目は、特に飲食店が集まる商店街だ。原発が止まる前、安定した電力事業の社員、作業員に支えられ「リーマン・ショックでも空き店舗が埋まらないことはなかった」と、市内随一の老舗そば店を営む塩田和己・振興組合理事長は言う。その繁華街に最近、空きが目立つようになった。
 「危機感は強い。古株の経営者の中には、原発で景気が良かった時代を懐かしむ人もいる」と塩田理事長。ただ原発事故後、国民の意識が変わってしまったことも、肌で感じている。「たとえ原発推進でなくても、まず方向性を示してほしい」。最新の火力発電所を建設するなどの方向もあると考えている。「原発と共生してきた市民には、エネルギー施策に寄与したい思いがある」と、議論を深めるよう求めた。”

福井新聞は、自分達の懐しか考えていない原発立地自治体の本性を報じている。
「自分たちの都合で」選挙を進める自民党と、自分の利害しか考えない原発立地は瓜二つでよく似ている。

もし自ら進んで新しいエネルギーの地平を切り拓く意志と能力があるなら、
強風の吹く敦賀半島で風力発電を拡大させるのが当然であり、
天然ガス輸入拠点を設けて近畿圏にパイプラインを伸ばす計画を進める筈である。
原発立地自治体の動きは余りに遅過ぎて、原発再稼働でカネを貰えば楽だという本音が露骨に出ている。
コメント

若者が投票に行くよう促すのは「おめでたいファンタジー」− 吉田浩教授など大学教員も見落とした「真実」

2014-12-17 | いとすぎから見るこの社会−格差の拡大
今回の衆院選も次元の低い安倍政権に相応しい歴史的な低投票率で、
特に若年層の低投票率が批判的に語られている。

中には頭脳停止した馬鹿げた言説として、
「若者が投票に行かないと●●万円も損する」などと
今日の醜く歪んだ社会保障制度の偏りを投票に行かない若年層のせいにする
意図的に問題を矮小化しようと試みる悪質な説も出てくる始末だ。

はっきり言っておくが、若年層が100%投票したところで
現下の社会保障の歪みは殆ど変わらないし、
日本の政治が改善することもあり得ない。

私は成人してから毎回投票に行ってきたし、
これからも行くつもりであるが、だからと言って
若年層が大挙して選挙に行くことで何かが良くなると
馬鹿馬鹿しい妄言妄説に賛成する気には全くならない。

先週の週刊ダイヤモンドの特集を見ても分かるように、
投票率以前に有権者の数が余りにも違い過ぎて、
若者が高齢層に対等に対抗するためには
200%以上の投票率にでもならないと無理
なのである。
(つまり、最初から破綻している程度の低い論理)

▽ この号は本当に素晴らしいので、是非熟読されたい。

『週刊ダイヤモンド』2014年12/13号特集1 選挙の経済学 決められない政(まつりごと)の正体/本当の「日本の論点」はこれだ! /特別対談 ジム・ロジャーズ vs 竹中平蔵 「人口減と借金まみれの日本に未来はない」/特集2 新日本プロレス 年間観客動員28万人! どん底から奇跡の復活劇の舞台裏


確かに若年層や育児中の親に投票権を複数付与すれば状況は飛躍的に変わるが、
そのような制度変更を日本の高齢層が許す訳がない。
当ウェブログの言う「コラテラル・ダメージ」を受ける迄は
永遠に目が覚めず、高齢者三経費のバラ撒きを続けさせるであろう。

「高齢者三経費には約30兆円もの凄まじい額の公費が投入されているのだから、
 困窮している高齢層以外に税金をバラ撒いてはいけない。
 ごく当たり前の理屈である。児孫に美田を残さずどころか、
 「児孫に巨額の借金を残して自分が貯め込む」というのが
 我が国の情けない、余りにも情けない実態なのである」

「所得や資産の乏しい層に公費を投入するのは当然だ。
 だから個人番号を付与するのと引き換えに給付を維持すれば良い」

「我が国には、巨額の資産を持ちながら弱者のふりをして政府にたかる嘘つきが大勢いる。
 公費給付には個人番号制で口座を捕捉し、彼らの大嘘を打破しなければならない。
 それは自己申告と個人番号制の組み合わせで充分に可能である」

と当ウェブログは主張してきた。

この問題に関しては、次元の低い安倍政権や自民党が放置しているだけでなく
(彼らは怯懦で社会的公平より権力を好むから、選挙に負けるのが恐ろしいのだ)
日本の政党の殆ど全てが致命的に甘い認識を持っている。
次世代を必死に育て、投資することのない社会は滅びることが全く分かっていないのだ。

▽ 世代間格差の大きい国は、低成長に陥ると実証されている

『世代間格差:人口減少社会を問いなおす』(加藤久和,筑摩書房)


おまけに当ウェブログで取り上げたように、嘆かわしい傾向も見られる。

「日本生命の調査で、愕然とする結果が出ている。
 「ゆとりある老後に必要な生活費」が幾らか質問したところ、
 前年調査より急増した。増加率は消費税3%分よりも多いのだ」

「更に、若年層と比較すると、月30万円以上を必要とする60代の割合は、
 月30万円以上を必要とする30代の割合の2倍近い」

「高齢者三経費に年間30兆円以上もバラ撒かれている現状を
 全く理解していないと言わざるを得ない」

「強欲な政治圧力に負け小金持ちにも公費をバラまく現状は
 破局へと一直線に進むことに他ならないことがまだ分からないのだ。
 彼らの行動原理は「後は野となれ山となれ」に他ならない」

「今の受給世代は給付水準の3分の2程度しか保険料を払っていない。
 年金給付減額は「適正化」であり、削減などではない」

「我が国の年金制度の劣化の最大の原因は、
 少子高齢化を放置し問題を先送りした厚労省の事勿れ主義と、
 上の世代よりも育てた子供の数が少なかったにも関わらず、
 若者に負担させ同等の給付を受けようとする受給世代の自己欺瞞である」

もはや溜息しか出ない。
ただ気づいていないだけだ、良識はあるのだと信じたいが。。

 ↓ 参考

年をとると強欲になる? −「老後に必要な生活費」が増加、若年層より高齢層の方が高額との調査結果
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/03a985b3c136167d456e3a0e7ff05c87‎‎‎

国民年金の実納付率は40%以下、厚労省が必死に数字を操作している −「粉飾・問題先送り」の悪しき因習
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/1c52cb1127be26506f88a47f6fbb00c3‎‎‎

株高でも日本の年金に未来なし、田村厚労相は制度を理解していない − OECDは支給年齢引き上げを勧告
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/da56727d3885056089e7d79ff6f6500f‎‎

▽ 我が国の福祉は完全に「利権化」していて、関係者がそれにたかっている醜悪な構図

『社会保障亡国論』(鈴木亘,講談社)


衆院選:前回の投票者数60代は20代の倍以上(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20141214k0000m010206000c.html
”第47回衆院選は14日、投開票される。若い世代の投票率低下で、選挙の正統性が揺らぎかねない事態となっている。少子高齢化や若者に広がる政治的無関心で、2012年衆院選で60代の投票者数は20代の2.5倍に拡大。政治が若年層の声を聞かず、高齢世代偏重に陥る「シルバー民主主義」の懸念が広がっている。
 「高齢者と若者の経済格差は拡大するばかりだ」。学生たちのそんな意見を踏まえ、高齢化の経済への影響を研究する吉田浩・東北大経済学部教授は、新規国債発行額や公費負担額と過去の国政選挙投票率の相関を調べ、「投票棄権のコスト」を求めようと試みた。
 その結果、1度の国政選挙で「若年世代」(50歳未満)の投票率が1%下がると、「高齢世代」(50歳以上)に比べ、1人当たり年13万5000円の負担増−−とはじき出された。「議会制民主主義で、政治家が投票率の高い世代を優遇する可能性は否定できない」と吉田氏は指摘。「一種の政治不参加へのペナルティー(罰金)だ」と警告する。
 若い有権者の絶対数を増やそうと、選挙権年齢を20歳から18歳に引き下げる公職選挙法改正案が先月、国会に提案された。解散で廃案となったが、来年の通常国会で再提出される可能性がある。
 日本学術会議の研究では、衆院選の全体の投票率と20代投票率の差は広がり続け、1967年の7ポイントから12年は21ポイントに拡大し、60代の投票者数は20代の2.5倍に膨らんだ。
 一方、投票者の平均年齢は今は推定50代後半だが、30年には60歳に達するとの試算もあり、18歳に引き下げるだけでは投票率の世代間格差は埋まりそうにない
 「もはや投票啓発では世代間の公平性を保てない」として、選挙制度を改革すべきだとの声も出ている。
 経済学者の青木玲子・九州大副学長は、親に子供の数だけ投票権を与える選挙制度が必要だと訴える。
〔中略〕
 制度を実施する国はないが、急速な高齢化に苦しむ欧州で注目され、ドイツは2度、実施の可否を国民投票に諮った。青木氏は「移民も受け入れず高齢化率世界一の日本こそ、子供たちの声を反映させる仕組みを検討すべきだ。次世代に向き合う政策がなければ、出生率が増えるはずがない」と話す。【本多健】

◇小黒一正・法政大准教授(公共経済学)の話
 安倍晋三首相は解散の大義名分について、米独立戦争の有名なスローガン「代表なくして課税なし」を引き、消費増税の延期を問うためとした。本国の英議会に代表を送れなかった米植民地の「増税するなら、議会に参加させよ」という主張が本来の意味で、引用自体が誤りだ。代表者を国会に出せず、過重な負担を押し付けられる選挙権のない将来世代のことを言うのなら分かる。生涯を通じた受益総額と負担総額の差を調べると、今の祖父世代に比べ孫世代は1億円も損をする。こんな世代間格差を放置してはならない。”

この毎日新聞の記事の視点は悪くないが、
決定的な「有権者数」の問題を忘れている。

政治に参加しようが参加しまいがペナルティーは既に課せられており、
(若年層と高齢層の一人当たり社会保障給付額や保険料負担を比較するがいい)
絶望的な状況になっているのを大学教員が認識していないのだから末期的である。


「ネット世論」を分析しても、選挙の結果は“逆”になる理由(bizmakoto.jp)
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1412/16/news025.html
”12月14日に衆議院選挙の投票があり、ご存じのとおり、与党(自民党・公明党)の大勝という結果に終わった。私にとっては予想通りだった。多少勝ちすぎじゃないかと思うほど獲得議席が多いことを除けば、まあこんなものだろうと事前に考えた通りだ。なぜかというと、私が見ている「ネット世論」がその反対(自民党の退潮あるいは敗北)を希望あるいは予測していたからである。
 私は「国政や都道府県政選挙など規模の大きな選挙では、結果はネット世論とは反対の結果になる」と考えている。あるいは、少なくともネット世論とは違う結果になる。いずれにせよ、ネット世論は選挙結果の予測には当てにならないし、使えない。なぜなら、選挙は老人(高齢者)層の意見表出のマスメディアであり、ネットは非老人層のメディアだからである。もっとはっきり言ってしまえば、ネットは「非老人」「都市部」「中高層所得者」のためのマスメディアである。身も蓋(ふた)もない話で恐縮だが、今回はそんな話を書こうと思う。
 私が「ネット世論は選挙結果にまったく反映しないどころか、むしろネット世論の逆が選挙結果になるのではないか」と考え始めたのは、2012年12月の総選挙である。安倍晋三率いる自民党が大勝して政権を奪回し、民主党を下野させたあの選挙である。その年の6月に民主党・野田内閣が大飯原発(福井県)の再稼働を発表したのを契機に、国会・首相官邸前には毎週金曜日のデモが盛り上がっていた。
 TwitterやFacebookなどSNSには「官邸前デモに行こう」という誘いや呼びかけが飛び交い、普段はデモなど縁のないサラリーマンや主婦も「俺も行った」「私も行った」と表明が相次いでいた。チュニジアからリビア、エジプトなどで長期独裁政権を倒してジャスミン革命をまねた「あじさい革命」という言葉まで流れていた。ネットだけ見ていると、明日にも日本には民衆蜂起か革命が起きて政権が崩壊するんじゃないかという騒ぎだった。
 同じ2012年の12月に野田内閣が「近いうち解散」をした衆議院選挙の投票日、東京都心の投票所に行ってみた。いつもガラガラの投票所に、長蛇の列ができていた。その列から人々がスマホで行列の写真を撮り、またTwitterやFacebookに流していた。携帯電話で「すごい行列だぞ。お前も投票に来い」と友だちや家族に呼びかけていた。
〔中略〕
●流入する情報をパーソナライズ
 しかし、結果は真逆だった。自民党は大勝して与党に返り咲いた。民主党の大物や有名議員がコテンパンに敗北して消えた。反原発を唱えた政党(社民党など)に至っては消滅寸前になった。私もびっくりした。ネット内の言論や温度と、あまりに反対になったからだ。
 驚いたのは私一人ではなかったようだ。ネットにはその落差を何とか説明しようとしたのか「得票集計が操作されている」「マスコミが自民党に買収されている」「マスコミ報道が偏向している」と各種の陰謀説が飛び交った。
 ネット(特にSNS)ユーザーには「似たような意見や価値観の持ち主との交流や意見交換を好む」「その結果、意見や行動は均質化・急進化する」傾向があることは、前回、前々回の本欄で書いた。私がそう確信したのも、この2012年12月の総選挙の時だ。
 私が「もしかすると原発推進の流れが変わるかもしれない」と錯覚したのは、「たまたま、そういう意見の持ち主ばかりをネット上で見ていたから」だと気づいたからだ。特にTwitterやFacebookといったSNSでは「誰の情報が流れてくるか」を自分で選ぶ、つまり流入する情報をパーソナライズすることができる。いくらランダムに選んでいるつもりでも、似た価値観の人たちからの言論がSNSのタイムライン上に流れる「傾向」ができていたのだ。
 そもそもネットは、日本の全社会を代表できるマスメディアではない。使用者にはっきりとした「偏り」がまだ残っている。1998年から2008年の10 年間で普及率2〜30%の「少数派」から70〜80%の「多数派」に転じたとはいえ、注意しないと、この普及の伸びの急激さに目を奪われ、非ネットユーザーの巨大さを忘れがちになる。

●有権者数だけで2.95倍の開き
 論より証拠。まずは単純な数字をお見せしよう。そもそも、ネットはどの年齢層に普及しているのか。総務省の統計(2011年末)から引用する。

20−29歳 97.9%
30−39歳 95.8%
40−49歳 94.9%
50−59歳 86.1%
60−64歳 73.9%
65−69歳 60.9%
70−79歳 42.6%

 大方の予想通り、20〜49歳で普及率はほぼ飽和している。が、60歳を過ぎるとがくんと下がる。ネットは「20〜50歳代のマスメディア」と考えられる。非老人のメディアと呼ぼう。
 一方、投票率となると、この年齢との相関関係が反転してしまう。やはり総務省の統計から(2012年衆議院選挙、PDF)。

20−29歳 37.89%
30−39歳 50.10%
40−49歳 59.38%
50−59歳 68.02%
60−69歳 74.93%
70歳以上 63.30%
〔中略〕
 これだけでも大差なのだが、さらに選挙では大差が開く。日本は「若者が少なくなり、高齢者が多い」という「少子高齢化」の人口ピラミッド構造を持っているからだ。話を単純化するために、例として公益法人「明るい選挙推進協会」が全国の186選挙区(2012年衆議院選挙。総有権者数41万3368人)を抽出した調査を使おう。最も投票率が高い60歳代と、最も低い20歳代を比較してみると、有権者数だけですでに2.95倍の開きがある(ちなみに、選挙区の有権者数による一票の格差では2.3倍で最高裁が違憲判決を出している)。

20−29歳 2万4881人
60−69歳 7万3329人

 これに投票率をかけてみる。つまり「実際に投票に行った人数」である。約5倍と、さらに差が開く。
〔中略〕
●選挙は老人のマスメディア
 つまり、まとめていうと「老人は選挙は行くが、ネットはやらない」「非老人はネットはやるが、選挙は行かない」とうことになる。さらにもっと単純化していうと「老人はネットではなく選挙で政治意志を表明する」「非老人は選挙ではなくネットで政治意志を表明する」ということになるだろうか。
〔中略〕
 こうして精査すると「ネットを使う人たち」と「投票に行く人たち」はまったく別のグループと考えたほうが賢明だという結論になる。少なくとも、選挙に行く人たちの大半は、ネットの外にいると考えるべきだろう。これも乱暴な数字だが、比較のために先ほどの「明るい選挙推進協会」の数字を使って比較すると、有権者数の比率は

20〜59歳:60歳以上=3:2=24万9313人:16万4055人

である。「ネットを使う人が少数派である年齢層」のほうが有権者の40%を占めている、というのが現実なのだ。
 蛇足だが、政治家からすれば「投票に行かない若者の利益になる政策を実行するより、投票に行く老人の利益になる政策を実行したほうが集票上は能率がよい」ということになる。先ほどの協会の数字でいえば、若者のために「20歳代の賃金を1万円アップします」という政策を作って20歳代の有権者の得票を全部得たとしても、1万1024票にしかならない。
 一方、老人のために「年金を1万円アップします」という政策を作って60歳代全員の票を得ると5万4949票が稼げる。つまり5倍効率がよい。裏返していうと、選挙にかける資源(金銭や時間、労力など)や候補者の人的資質がまったく同じであると仮定するなら、老人の利益になる公約を掲げると、若者の利益になる公約を掲げるより、5倍当選しやすいということになる。「投票に行かない若者にウケる政策を掲げても、票にならない」という政治家の話は実際に聞いたことがあるので、あながち当て推量でもない

●自民党支持者はネットに縁遠い
 だからと言って「若者が投票に行かないのが悪い」というのは結論を急ぎすぎである。ゆえに「投票に行くよう意識を変えよう」「若者が政治に関心を持つようにしよう」というのも、おめでたいファンタジーにすぎない。元々の有権者数が3倍も違うのである。もし「若者VS. 老人多数決決戦」というのを日本でやったら、若者は完敗するのだ。これは少子高齢化という「先進国病」(欧米など経済発展が円熟した国はどこも少子高齢化した)の症状であって、人口ピラミッドだけは大規模な移民を認めない限り修正ができない
 かくして「老人受けする政策ばかり実行」→「若者は見捨てられ、経済的・精神的に疲弊」→「選挙に行かない」→「政治家は選挙では能率のよい老人を狙う」→最初に戻る。「老人大国化」の単純再生産のサイクルに入ってしまうと、国政はますます停滞するだろう。
 なお、念のために付け加えておくと、ネットユーザーには「非老人」「都市住民」「非低所得者」という3つの大きな特徴がある(本稿では議論を単純にするため年齢だけを考察した)。これを裏返して「老人」「非都市住民」「低所得者」とすると、自民党の支持層になる。すなわち自民党支持者はネットに縁遠いとざっぱくに考えておいたほうがよいだろう。つまりネット世論だけ見ていると、自民党支持の動きはまるごと外側になり、視野から落ちてしまう。
〔中略〕
 現在の65歳あたりを境界にネット普及率が崖を落ちるように急減する事実から推測すると、65歳以上の諸先輩方がご逝去されるころ、あと10〜20年でネット世論と選挙結果が近似してくる。そのころになれば、ネット選挙ももう少し進んでいるかもしれない。日本の社会変革が起きるとするならば、このへんが起点になるのではないか。これでも楽観的なシナリオだが。 [烏賀陽弘道,Business Media 誠]”

この記事は元々ネット世論と選挙結果の齟齬を取り上げたものだが、
若年層が選挙でもう高齢層に永遠に勝てないという「不都合な真実」を
はっきり言明している点で高く評価できる。

先程紹介したダイヤモンド誌を上回り、本質をダイレクトに衝いており
本当に素晴らしいので、強くお薦めする次第である。
コメント

それでも、日本国民は円の崩壊と経済危機を選んだ − 2015年は「景気悪化」と見込む日本企業が急増

2014-12-16 | いとすぎから見るこの社会−全般
今回の衆院選は、日本国民が自滅への道を加速させた選挙として
後世の歴史家に規定されることとなろう。

急激な円安を拒否するのであれば、マイナス成長を招いた無能な政権を
蠅のように叩き落とすべきであった。

日本経済を再生させる能力は今の野党にもないが、勿論のこと
既得権と癒着しバラ撒きの悪癖が治らない自民党にも不可能である。

しかし、グロテスクな財政赤字を抱えた日本が
異常な金融緩和を続けて自らを貧しくするのは自己破壊に他ならず、
安倍政権の今の政策は日本経済の危機を自ら招き寄せる自殺的行為である。

金融緩和も公共事業の積み増しも所詮、過去に失敗している一時的な対症療法でしかなく、
我が国の成長率を向上させ国民を救う政策などでは全くない。
実質賃金とGDP成長率が現政権の低能ぶりをはっきりと証明している。

「自滅への道を加速しているのに気づくのは数年後だろう」

と当ウェブログは指摘した。

今の状況はかつて日本国民が愚かしい太平洋戦争開戦時に
一時的に浮かれた心情に浸っていた亡国の時期によく似ている。
あの時も、自滅への道を歩み始めていながら国民はそれを認識していなかった。

▽ かつて、日本を亡国の淵に突き落とした軍部の無謀な冒険主義は世論に支持されていた

『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(加藤陽子,朝日出版社)


あの時と酷似した現象が起きるだろう。
つまり、この衆院選で自民党に投票した定見なき有権者が掌を返し、
安倍政権こそが日本経済を破滅に突き落とした犯人だと口汚く罵り、
投票した自分は「騙された」と称して全て安倍政権と自民党の責任にする。
敗戦後に展開された喜劇がまたしても再現される可能性が高い。

▽ 河野龍太郎氏は「日銀は政府のキャッシングマシーン」と痛烈に皮肉っている

『週刊ダイヤモンド』2014年12/13号特集1 選挙の経済学 決められない政(まつりごと)の正体/本当の「日本の論点」はこれだ! /特別対談 ジム・ロジャーズ vs 竹中平蔵 「人口減と借金まみれの日本に未来はない」/特集2 新日本プロレス 年間観客動員28万人! どん底から奇跡の復活劇の舞台裏


2015年以降は、安倍政権が悲惨な滅亡へ向かって行進する年となろう。

「安倍政権の基本姿勢は、見栄えだけはよいが内容のない空虚なスローガンを
 ただ何度も繰り返すという芸のないものである。
 それに対抗できる野党がいないのもそれに増して情けない話だが」

「2015年にはエコノミストの見通しが更に下方修正され、
 またしても醜態を晒すことになろう」

「リセッション(景気後退)と指摘した海外メディアが正しく、
 安倍政権が目指すと称していた「2%成長」が大嘘であるのは明白だ」
「安倍政権の見せかけの経済浮揚効果の多くは公共事業によるものなので、
 早くも馬脚があらわれた形である」

「外需の寄与度の小ささを見ても、
 輸出主導で日本経済が回復する筈がないと確認できる」

「愚かな自民党の愚かな減税でカネを貯め込んだ富裕高齢者に課税して
 一生懸命働く現役世代に所得移転を行うのが正しい政策である」

「今回の消費税引き上げ分を全額、給付付き税額控除のような雇用政策、
 育児世帯へのバウチャー発行に全額移転すれば確実に成長率は上がったであろう。
 ただ政策リテラシーの「次元が低い」自民党には高度過ぎる注文であるし、
 保育業界と癒着している自民の族議員が全力で妨害してくるのは必至だ」

マイナス成長でも目が覚めなければ、あとは破局しかない。

 ↓ 参考

「2014年のマイナス成長は不可避」− アベノミクスで経済低迷、指標悪化に沈黙する無様な安倍首相
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/7b43d485ce2f91f9890c0798dc981529‎

日銀が日本の経済成長率を下方修正、中小企業は減益の憂き目に −「異次元緩和」のお粗末過ぎる結末
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/8f1d6792706e4dd9519d8dd666f244c8

「六重苦」は日本企業の醜悪な二枚舌 − 円安でも進む海外生産、内部留保は1年で6兆円も急増
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/9cf3dc1afa84673f7b3a99479d771008‎

▽ 事実が証明しているように、円安は実質賃金を低下させ一般国民を貧しくする

『日本の景気は賃金が決める』(吉本佳生,講談社)


本社世論調査:「政権維持を」52% 「思わない」40%(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20141201k0000m010071000c.html
”毎日新聞が29、30両日に行った世論調査で、安倍晋三首相が衆院選の勝敗ラインとして言及した「自民、公明両党で過半数」について聞いたところ、自公の与党で過半数をとって政権を維持した方がよいと「思う」と答えた人が52%と半数を超えた。一方で「思わない」も40%に上り、2年間の政権運営に対する有権者の不満ものぞかせた。【松尾良】
 自公が政権を維持したほうがよいと思わない層のうち、衆院選比例代表で野党に投票すると答えた人は計51%どまり。内訳は民主党26%、共産党11%、維新の党10%などで、「無回答」が18%いた。自公政権の維持を望まない層が、対抗勢力としての既成野党に必ずしも期待していない、という実態が浮かぶ。
 逆に、自公過半数を望む層の中で「自民党に投票する」は66%、公明党は10%で計76%に上る。無回答は4%と1ケタで、態度を決めかねている人は少ない。
 衆院選で最も重視する争点は「年金・医療・介護・子育て」が36%で最多。アベノミクスに関連する「景気対策」が24%で続き、九州電力川内原発の再稼働問題で揺れる「原発・エネルギー政策」は6%だった。また「外交・安全保障」と「憲法改正」はそれぞれ5%。第2次安倍政権は集団的自衛権の行使容認や特定秘密保護法の制定などで世論の批判を浴びた。有権者は、より当面の生活に密着した政策を重視していると言える。
〔中略〕
 2017年4月の消費税率10%への引き上げと同時に、生活必需品の税率を軽くする「軽減税率」の導入を目指すとした自民、公明両党の合意については「評価する」が70%と大勢だった。”

日銀が事実上国債を引き受けているから、歳出の野放図な拡大ができる。
思考停止に陥った愚かな国民が、巨大なリスクを無視して
麻酔状態に陥った現状が続いてくれるものと思い込んでいるのである。
何のことはない、近視眼な政党を支えているのは近視眼な有権者という構図だ。


日本の経済成長は緩慢な伸び 16年1%、先進国最低(共同)
http://www.47news.jp/CN/201411/CN2014112501001694.html
”【ロンドン共同】経済協力開発機構(OECD)は25日、世界経済見通しを発表し、日本の実質国内総生産(GDP)成長率が2014年の0.4%から15年は0.8%、16年は1.0%と緩慢な伸びにとどまるとの見通しを示した。16年の成長率は「先進国クラブ」とされるOECD加盟34カ国の中でイタリアと並び最も低い
 OECDは「競争力と潜在成長力を引き上げるため、大胆な構造改革を優先すべきだ」と提言している。
 消費税の再増税延期にも言及。20年までの基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化させる政府目標の達成が難しくなると批判した。”

しかし成長率は嘘をつかない。
「次元の低い」アベノミクスのお粗末さを雄弁に語っている。
OECDは「大胆な構造改革」の具体策を明らかにしていないが、
その内容がどうであれ、安倍政権や自民党には到底その構造改革の能力はない。
(勿論、農業や医療で企業寄りの拝金主義改革を行っても成長率が上がらないのは言う迄もない)


2015年の企業の景気見通し、懸念材料は「円安」最多--"景気回復"見込13.4%(mynavi.jp)
http://news.mynavi.jp/news/2014/12/12/079/
”帝国データバンクは11日、2015年の景気見通しに対する企業の意識調査結果を発表した。
〔中略〕
 調査期間は2014年11月14日〜30日、有効回答企業数は1万516社。
 2014年の景気動向について聞くと、「回復」局面だったと回答した企業は7.8%となり、2013年の26.2%から18.4ポイント減少した。さらに、「悪化」局面だったとした企業は28.9%に達し、前年の8.0%から3.6倍に拡大した。
 2015 年の景気見通しは、「回復」見込とした企業は13.4%で、2014年見通し(2013年11月調査)の23.7%から半減。一方、「踊り場」見込みは 35.5%(前年34.6%)、「悪化」見込みは26.8%(同16.5%)と、ともに前年より増加した。また、「悪化」見込みは小規模企業の方が大企業より7.3ポイント高く、規模の小さい企業ほど厳しい見通しを示していることが明らかになった。
 2015年の景気への懸念材料は、「円安」が前年比28.6ポイント増の50.6%で最も多く、急激に進む円安を懸念する企業が大幅に増えていることが判明。以下、「原油・素材価格(上昇)」が47.7%、「消費税制」が36.5%、「人手不足」が25.0%と続いた。
 景気回復のために必要な政策を尋ねると、「個人消費拡大策」が47.4%、「所得の増加」が43.1%、「個人向け減税」が34.9%と、個人消費関連が前年より大幅に増え、上位3位を占めた。”

OECDが信じられなくとも、民間企業の見通しなら信じるだろう。
巷間言われる人手不足よりも遥かに円安リスクへの懸念が強く、
2015年は、暗鬱で不愉快な年になるのは間違いないと言えよう。
因に、減税が経済成長に結びつかないのは90年代以降の「失われた20年」が実証している。
コメント

企業からも「株価上昇や円安によるメリットはほとんどない」「2年経つが、トリクルダウンは見られない」と

2014-12-15 | 注目対象…譲渡益税分は寄付に廻して下さい
元々アベノミクスの「三本の矢」は、黴のはえた笑止千万の「自称」成長政策である。
ただ人件費を外貨建てで大幅カットして安売りしているので
失業率が低下しただけに過ぎない。

ネーミングで誤摩化される底の浅い人々も漸く騙されなくなり、
最近ではアベノミクスの「次元の低さ」を実感し始めた観がある。

当ウェブログは、安倍政権は経済失政、経済危機のA級戦犯として
経済史の教科書に載ることになると予言してきた。

民主党以上に日本の借金を増やしてマイナス成長という情けない始末だから
何ら不思議はなく、理の当然である。事実が安倍政権のお粗末さを証明している。

ライバルが自滅したに過ぎない衆院選で偉そうに勝利宣言をした直後に、
日銀短観が企業規模にかかわらず押し並べて悪化した。
政権の増長ぶりに対し天誅が下った形である。
東証を買ってもらうためには、もはや円安しか残っていないのは明白だ。

▽ 外国人投資家は、設備投資と賃上げ状況を注視している

『週刊ダイヤモンド』2014年12/13号特集1 選挙の経済学 決められない政(まつりごと)の正体/本当の「日本の論点」はこれだ! /特別対談 ジム・ロジャーズ vs 竹中平蔵 「人口減と借金まみれの日本に未来はない」/特集2 新日本プロレス 年間観客動員28万人! どん底から奇跡の復活劇の舞台裏


焦点:アベノミクスへ不安漂う短観、成長戦略と賃上げで真贋見極め(Bloomberg)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0JT0VT20141215
”今朝発表された日銀短観は企業の先行きへの不安を映しだし、アベノミクスの実体経済への浸透が2年経っても広がっていない実情が浮き彫りになった。当初は起爆剤となった円安も、さらなる進行はデフレ的状況を再現させかねないとの懸念も浮上。
〔中略〕
 15日に発表された12月日銀短観では、自動車をはじめとした大企業製造業の景況感が2四半期ぶりに悪化した。「先行きは中小企業も含めて軒並み悪化が示され、急速な円安進行によるコスト上昇が、先行き懸念に大きく表れた」(SMBCフレンド証券・チーフマーケットエコノミストの岩下真理氏)とみられている。
 「このまま130円に円安が進めば、再びデフレ的状況を作りかねない」──。政府関係者の中でも、急速な円安進行がコスト高・物価高を招き、安倍政権の最優先課題であるデフレ脱却をかえって阻害しかねないとの懸念も浮上している。
 半年で3割超の原油安という交易利得は企業にとってコスト安となり、賃金や設備投資など様々な形で還流するまたとないチャンスだが、円安が原油安を部分的に相殺し、その効果を削いでしまう悪影響が懸念されている。 
 企業からも「株価上昇や円安によるメリットはほとんどない」との声が目立ち始めている。日銀による10月末の追加緩和後に円安が進行したが、ロイター調査では、追加緩和はもはや経営に影響しないとの回答が6割以上にのぼり、1割程度が悪影響があると回答した。

  <実体経済への浸透少なく>
 アベノミクスが始まって2年、円安や株高の効果は、1年目こそ消費税率引き上げ前の駆け込み需要も手伝って実体経済を押し上げたが、2年目は増税の反動減を乗り越えるほどの力は見られない。 
 12月のロイター調査では7割以上がアベノミクスのデフレ脱却効果を評価しているが、細部をみると「国民全体がデフレ脱却を意識しているとは思えず、2極化している」などと、恩恵が一部の層に偏っていると指摘するコメントが多い。効果は金融市場にとどまっているとの指摘もあり、実質国内総生産(GDP)の規模はアベノミクスが始まった2013年第1・四半期と比べ、今年7─9月期にはむしろやや縮小している。
 政府内でも、アベノミクスの浸透が限定的になっているとの懸念がある。ある政策当局幹部は「問題は、名目所得増加から消費へ、あるいは企業収益増加から設備投資へという流れが目詰まりしていることにある」と指摘。こうした事態を打開するため、消費刺激策を中心とした経済対策の検討が進められている。
 バークレイズ証券・チーフエコノミストの森田京平氏は「アベノミクスが始まって2年経つが、トリクルダウンは見られない」と指摘。今後の課題は、成長戦略の実行によって、金融政策や財政政策の効果を賃金などを含めた幅広い裾野に広げる枠組みにあるとみている。しかし、15年前半は3月末まで予算関連、4月以降は安全保障法制の国会審議が待ち受ける。アベノミクスは空白期に入り、トリクルダウンを遅らせると懸念する。

  <すそ野広がるか、円安の恩恵>
 一方、12月短観では全規模全産業でみた14年度の事業計画は増収・増益が見込まれており、設備投資計画も非製造業を中心に上方修正された。日銀では、しっかりした事業計画から企業の前向きな支出活動は維持されているとみている。
〔中略〕
 もっとも、足元で企業や家計のマインドが慎重化している背景には、日銀内でも円安進行に伴う原材料価格や食料品など輸入コストの上昇が影響しているとの見方は少なくない。
 短観における大企業製造業の14年度の想定為替レートは103.36円となり、足元で118円台で推移する市場実勢と比べて保守的な見通しが示された。急速に円高が進行しない限り、先行きの企業収益は上振れする可能性が大きい。
 安倍晋三首相は14日の衆院選後、テレビ各局とのインタビューで「実感が得られない人々にアベノミクスの成果を届けることが使命だ」とし、「近々政労使会議を開き、来年の賃上げに向けて合意形成をしていきたい」と表明した。好調な収益をあげる企業から家計に恩恵のすそ野が広がるのか。安倍政権が掲げるデフレ脱却と経済の好循環の実現に向け、政府・日銀は年明けから本格化する春闘の行方を注視している。 (中川泉、伊藤純夫 編集:石田仁志)”

このように、トリクルダウンは生じていない。
「あと少しで一般国民に恩恵が及ぶ」と騙るペテン師たちが出現した
2006〜2007年の状況によく似てきている。

「東証の輸出関連はショートが必要と考える(ヘッジだけでも良いだろう)」と書いたが、
輸出関連だけでなくショートを拡大させる必要があると判断する。


 マネックス  272   


この通り、追加緩和の恩恵はほぼ消え、下抜けの形に。

 UA     


UAはこちら。前回のピークを付けた2006年後半のチャートに似てきている。
信用買い残りが急増しており、これは下方圧力の急拡大を意味する。

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
  収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
  (当ウェブログの こちらのカテゴリーも御覧下さい。)
コメント

今回のFOMCは「円高要因」か、原油安でECB追加緩和の観測も − 原油安だけがリスクオフの原因ではない

2014-12-14 | 注目投資対象・株価の推移
              ↑ USD/JPY(ZAI) この鋭角での急落による衝撃は大きい

広瀬隆雄氏が、現在の状況はあのLTCM危機の前夜に似ていると、
非常に興味深い説を述べている。

原油急落でリスクオフ、世界経済への懸念が強まったと解説されている状況だが、
ただそれだけでは今の急激な市況悪化は説明できないように思える。

焦点はエネルギー価格に景況が大きく左右されるロシアだ。
ロシア経済のエネルギー依存体質は全く変わっていない。
これほど急激かつ大幅に原油価格が下落すると、
ロシア経済に甚大な打撃が与えられるのは間違いない。

衆院選は実につまらない結果になり、
有権者が中長期的な円の崩壊を選択するという愚行に出たことが明白になったが
東証や為替の反応は正直だ。安倍政権の愚かさと底の浅さを見抜いている。

「経済悪化が鮮明になっているだけに
 特に内需関連の急反落を警戒しておかなければならない。
 (輸出関連は結局ドル円次第なので日本経済の好不況とはまた別である)」

「最悪の場合、鼠のレミングのように
 自滅的な集団行動へと向かっているとも考えられよう」

「当ウェブログは黒田総裁が異例の辞任に追い込まれると予想しているが、
 その見通しを補強する会合内容と言えよう。
 ここまで理のある反対意見を押し切って追加緩和を決断したからには、
 これから確実に生じる甚大な副作用の責は全て総裁に帰する以外にない」

「ここ数年、見たことのないような原油価格急落だった。
 OPECの減産見送りの背景には、OPEC内での多極化の進展だけでなく、
 サウジ等の大産出国がアメリカのシェールオイル採掘を牽制し、
 体力勝負に出た側面もあろう。
 それがもって回ってロシアを直撃しつつある状況、
 場合によってはロシア発の危機や地政学リスクの再燃もあり得る」

「今は恩恵が大きいように見える原油大幅安だが、
 デフレ脱却という愚かな宗教に感染した黒田日銀の追加緩和を招くだけでなく、
 コージェネをはじめとする省エネの努力を怠らせて電力利権を延命させる副作用もある。
 決して良い話ばかりではない」

と当ウェブログは先週書いた。矢張り現下の焦点はロシアだ。

「衆院解散を受けて早速、安倍内閣の支持率が低下したとの報道が伝えられた。
 当ウェブログの予想通りの展開である。
 一部報道ではアベノミクスそれ自体にも否定的な意見が多数を占めていると言う」

「小泉解散と今回の衆院選は似て非なるものと指摘した当ウェブログの見方は正しかったようだ。
 「本物」の勝負師だった小泉元首相に、ただ模倣しただけの安倍首相は所詮、遠く及ばないのだ」

「日本の首都圏不動産はバブルに入りつつある。
 利回り低下はその何よりの証左である。
 前回は不動産ファンドだったが、今度の主役は外資だ。
 2007年のダヴィンチの役割を新興アジアマネーが果たしているという訳だ」

と先週に当ウェブログは書いた。
原油大幅安を受けて東証の高値見通しは1万8000円前後へと修正したが、
年末は寧ろ大幅に下落して終わってしまうかもしれない。

「経済指標が語っているのは、アベノミクスの大言壮語は大嘘で
 効果が極めて限定的だった上に、恩恵が資産家層と大企業のみに偏り、
 実質賃金低下で国民を貧しくしたという事実である」

「おまけに内閣延命のための迷惑な解散だから支持率低下は必至である。
 小泉解散とは似て非なる保身選挙で権力にしがみつく醜態でしかなく、
 投票日までには与党議席の大幅減が明確になる」

「つまり今年中に「売り」を迎える可能性が極めて高い。
 当ウェブログは1万9000円に届く可能性があると見ていたが、
 愚かな安倍内閣の自滅選挙受け、矢張り念頭に見込んでいたように 
 1万7000円程度の高値で終わってしまう可能性が高まったと見る」

というのが衆院解散を受けた当ウェブログの見解だった。
尚、追加緩和の時点では以下のように想定していた。

「追加緩和の決定は天災と同じような緊急速報で伝えられたが、
 日本国民に甚大な被害をもたらす点でも天災と似ている」

「黒田日銀総裁は市場の裏をかいて追加緩和を行った訳ではなく、
 異次元緩和の効果が出ていない失策を糊塗するために決断したようだ。
 これで任期途中の辞任の可能性が高まったと言える」

「勿論、「悪い円安」は確定である。
 1日で3%以上も円が急落することは、日本のGDPに換算すると
 ドル建てで15兆円以上も日本が貧しくなっていることになる」

「黒田バズーカ第2弾の害悪は、第1弾と比較にならないほど破滅的である。
 このように「発散」と呼ぶに相応しい急激な勢いで円が暴落している。
 120円に達する速度は予想できないほど速いと見ておいた方が良い」

「70年代や80年代の教訓から正しく学んでいれば、
 デフレ脱却で日本経済が好転するなどというカルト宗教の虚妄は明白である。
 資産価格バブルが健全な経済をもたらさないことも言う迄もない」

「実質的な円の切り下げは資産家を急速に豊かにし、
 ミドルクラスには資源・エネルギー・食料の悪性インフレをもたらす。
 アンダークラスにとっては最悪の状況で、エンゲル係数の高い家計が行き詰まる。
 軽犯罪が増え、日本の治安は悪化する可能性が高い」

「これから円安倒産が急増し「クロダ倒産」と呼ばれるようになり、
 愚劣な黒田バズーカ第2弾が、庶民の生活を破壊することが明らかになろう。
 昭和恐慌時の団琢磨と同様に、テロの標的とされる恐れすらある」

「投資家の稼ぎは日本が貧しくなった分の付け替えであり、特に為替は所得移転に過ぎない。
 人々の暮らしが苦しくなるのと引き換えに、一部の者に富が転がり込んだのである」

「2015年は安倍内閣が破滅の淵に叩き込まれるだけでなく、激動の修羅場となる。
 「円安=日本株高」という今世紀の常識がどこかで通用しなくなるだろう」

「当ウェブログは、これほど粗暴で破壊的な緩和策を全く予想していなかった。
 今迄の見方を全て転換し、「悪い円安」が急速に接近していると判断した。

「東証は年末までに1万9000円を超える可能性があるが、
 それは国民の生活とは殆ど関係のないバブルである。
 (事実、日銀は日本の成長率見通しを引き下げている)」

「日本経済は危険な激動期に突入しつつある。
 マーケットのボラティリティが急激に拡大するなかで
 一部の者だけが豊かになり、足蹴にされた国民が憎しみの目で彼らを見る」

……当ウェブログが予想した事態は、より速く、より深刻な形で実現しつつある。

「ドル高円安が進行することで日本の輸入物価高・CPI上昇を招き、
 スペックの仕掛けによる自己実現的な円安トレンド定着の可能性も見えてきた。
 2013年前半にジョージ・ソロスが不吉な予言を行ったように、
 「円安が止まらなくなる可能性」を見ておくべきである」

「財務省の法人統計で衝撃的な数字が出た。
 米経済回復でドル高円安が進み輸出業に大きな恩恵が及んだにも関わらず、
 日本企業の自己資本比率は過去最高の水準となったのである。
 投資増の勢いは依然として弱く、人件費に至っては前年比で5%も減少している。
 自民党政権と経済界が結託して労働者の実質所得を減らしていると考えざるを得ない」

「このような内向きの日本企業を優遇したところで、
 日本経済が強く回復する筈がないのは火を見るよりも明らかである。

「成長率が低下しているにも関わらず政策に嘴を挟む大企業と癒着し、
 経営層や株主ばかりに恩恵を及ぼす自民党の旧態依然の体質が露見する。
 2014年に急落するのは間違いなく安倍政権の支持率である。
 2015年にはリフレ派への評価は地に墜ち、アベノミクスは嘲笑の対象となろう」

一方、余計な追加緩和によって「事実上のマネタイズ」との見方はほぼ的中した。

「目先の円安に幻惑され、日本の将来に不吉な影がかかっている」

「当ウェブログが予測していた「悪い円安」が、異様な速度で到来することになる。
 安倍・黒田コンビが市場を軽視したために、財政危機もほぼ確実に接近する。
 「剣によって立つ者は剣によって滅びる」との箴言と同じく、
 金融政策によって立つ者は金融政策によって滅びるのであろう」

「黒田総裁の「次元の違う」量的・質的緩和は、事実上のマネタイズである」

「日本の国債市場は再起不能になり、財政再建を果たす可能性はほぼ失われた」

「黒田バブルに便乗して億単位の稼ぎを得る者が続出するだろうが、
 今から警告しておく。決して調子に乗って騒いではならない。
 ツケを回された国民の強い怒りは決してそのような輩を許さないであろう」

「今年は苦難の始まりの年となるだろう」とした予言が、悲しいことに実現しかけている。
危険な「悪い円安」の時代は「もうすぐそこまで迫っている」のではなく、既に「迎えつつある」のだ。

↓ EUR/JPY(ZAI) 弧を描いて反落に向かう形


↓ GBP/JPY(ZAI) ドル円と同様の急角度反転、脆弱な形に


さて衆院選を通過したらFOMCを注視という局面だが、
「FOMCは円高要因」とする見方が急速に台頭している。
意想外の崩落を見せている現下の市況を説明できる説かもしれない。


アングル:ドル一段の調整リスク、FOMCが円買いイベントにも(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0JQ0RS20141212
”ドル/円のもう一段の調整に、警戒感が強まっている。ギリシャ、中国、ロシアなど各地にリスクオフの萌芽が見られるなか、米連邦公開市場委員会(FOMC)がドル売り/円買いイベントとなる可能性も指摘されている。来年は米国の利上げがより現実味を増し、ドルの上昇が見込まれるが、目先は115円台を試す展開もあり得るという。

  <膨張していた円売りポジション>
 追加緩和を決めた10月末の日銀金融政策決定会合以降、ドル/円は、ほぼ一本調子で上昇。8日の東京市場で121.86円と7年5カ月ぶりの高値をつけたが、その後は中国の担保規定厳格化やギリシャの政局懸念などを背景にリスクオフ材料がにわかに浮上し、調整色が強まった。
 直近のドルの下げについて、野村証券の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストは、真正のリスクオフというより、純粋なポジション調整の面が強いとみている。象徴的なのが、対ドルで上昇したユーロの動きだという。「明らかにユーロにマイナス要因となるギリシャ政局の問題が浮上するなか、投機的なユーロ売りポジションの巻き戻しが起きていた」との見方だ。
 池田氏によれば、グローバルな円売りポジションは、昨年5月のピーク時に匹敵する30兆円規模に膨らんでいた。クリスマス休暇を控えており、ヘッジファンド勢が利益確定売りを先行させた面が強いという。
 ドルは11日に117.44円まで下落した後、12日には一時119円前半まで戻し、ひとまず調整局面を脱したかに見えるが、ドル反発の背景は、ドル高や円安への期待感ではなさそうだとの指摘も出ている。クリスマス休暇や年末を控えて流動性が落ちこむなか、買い遅れた実需筋や国内投資家のフローが支えている面が大きいとの見方だ。
 足元では「これまでのところ、調整が想定ほど深くないことが、やや気がかり」(邦銀)との声もある。十分に円売りポジションが解消されなかった可能性があり「もう一段の調整余地があってもおかしくない」(同)との声も多い。

  <米金利上昇による米株安を警戒>
 年末にかけ、ドル/円のもう一段の調整の契機として、来週のFOMC後の金利と株価の動向が焦点になりそうだとの見方が出ている。
 三菱東京UFJ銀行の内田稔チーフアナリストは、FOMCは「どう転んでも、ドル安/円高要因になる可能性がある」とみている。「声明文の『相当な期間』という文言が修正されたり、削除されたりした場合、短期ゾーンを中心に米金利は上がるだろうが、この状況で米金利が上昇すれば、米株式市場の逆風となるおそれがある」と指摘。米金利上昇によるドル高よりも、米株安による円高が勝ってしまう可能性があるという。
 こういった状況を警戒してFOMCが「相当な期間」の文言を残すなど、市場の予想に比べてハト派寄りの姿勢を示した場合は、米国の利上げを期待して進んだドル高に調整が入り、「やはりドル安/円高方向に振れる可能性がある」(内田氏)と予想。
〔中略〕
 年末にかけてこの調整局面をこなせば、年明けには米国の利上げがより現実味を増し始め、ドルの先高観が再び意識されるとの見方も根強い。市場参加者の間では、すでにドル買い/円売り再開のタイミングがいつなのかを探る会話が交わされている。
 きっかけの一つは、日本の税制改正や経済対策だ。時事通信は10日、安倍晋三首相が解散前に策定を表明した経済対策について、12月28日にも決定すると報じている。円安による燃料費高騰の影響緩和策や地域経済活性化策などが柱となる見込みだという。
 「安倍政権は年末に株価をマイナスで終わらせることはしないと思うので、年内にもう一度アクセルを踏み直す感じになるのではないか」(邦銀)との声も出ている。
 他方、欧州中央銀行(ECB)による追加緩和期待も、年末から年明けにかけて盛り上がりそうだ。ロイター調査によると、原油安を背景とするデフレ懸念から、欧州中央銀行(ECB)が来年初めに国債買い入れの開始を余儀なくされるとの見方がエコノミストの間で支配的となっている。
 IG証券の石川順一マーケット・アナリストは「12月後半にも、先取りする動きが盛り上がってくる可能性がある」とみる。〔中略〕 (杉山健太郎、平田紀之 編集:伊賀大記)”

MUFJの内田氏の見解が妥当かどうかは別として、
米金利が妙な動きを見せている点が気になる。
FOMCによって米金利が反転するものだろうか?
判断の難しいところだが、様々な仮説を立てる上で参考になる良い分析である。


ドル/円が3日続落、リスク回避の動き継続(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0JO2DS20141210
”10日のニューヨーク外為市場では、ドルが対円で続落した。下落は3営業日連続で、その幅も約3%に達した。3日間の下落幅としては1年6カ月ぶりの大きさ。ギリシャの政治的混乱や中国景気減速への懸念により、リスク回避の円買いが継続した。
 ドル/円は終盤0.8%安の118.70円。9日には一時2%以上下落し、117.90円を付けていた。
 ドルはユーロに対しても下落した。ギリシャは政府が大統領選を今月17日に前倒しすることを決めた。緊縮財政をめぐって議会での混乱が予想されるものの、最近のドル急騰で利益確定売りのドル売りの勢いが勝った。
〔中略〕
 ドルの主要6通貨に対するドル指数は終盤0.4%安の88.312。
 ここ数日のドルの調整的な動きについて、デイリー・FX・コムの通貨ストラテジストのリヤ・スピバク氏は「執拗に上昇するS&P500に象徴的に表れたリスク選好の高まりと、強調展開となっているドルは、2014年の決定的な市場テーマとなってきた」とし、「2015年に向かうこの時期に利益確保を行うこの動きは、ドルと主要株価指数が同時並行的に下がることを示唆している。両者は正の相関関係にある」との考えを示した。
 また他通貨では、ノルウェー・クローネが対ユーロで5年以上ぶりの安値に落ち込んだ。原油安の中ノルウェー中銀が11日に緩和策を発表する観測が高まった。〔以下略〕”

こちらはリスクオフが決定的になった水曜の市況。
原因はまだ明確になっていないが何かしら出てきそうな気配だ。
ここでショートにできていないとパフォーマンスに歴然と差がつく局面なのだろう。


ドル118円後半で底堅い、選挙前に薄商い(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/CRBKBN0JQ0F3.html
”午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてややドル高/円安の118円後半。日経平均株価の上昇に連れて119円前半まで買い進まれたが、その後は衆院選を控えて様子見ムードが強まった。
〔中略〕
 日経平均が前日比200円超の上げ幅となる中、ドルは一時119.21円まで上昇したが、その後は伸び悩み、午後1時にかけて118円後半でこう着した。株価が上げ幅を縮めると117.50円まで下落する場面も見られたが、下がったところでは買いがわいた。
 下値の堅さを確認した一方、上値の重さも意識されている。市場ではドル/円の上昇について「目先はあまり勢いは期待できそうにない」(国内金融機関)との声が出ていた。
 ガソリン価格下落によって米国での消費拡大が期待されるため、原油安に対してはこれまで株高・ドル高の反応だったが「急激な下落を警戒する面が強くなってきているようだ」(別の国内金融機関)との見方が出ていた。原油安のほかにも、中国の景気減速懸念、ギリシャでの政局問題がくすぶっており「本格的なリスクオンムードになり切れない」(同)という。
 東京時間では、週末の衆院選を控え、様子見ムードが徐々に強まっている。選挙戦終盤の情勢調査では、自民党大勝の勢いが伝えられる一方、野党では共産党の躍進が伝えられている。市場では「共産党の大幅議席増は、日本の政情に疎い海外投資家に強烈に映る可能性がある。アベノミクスにノーという意思表示があったと受け止めることもあり得るので、注意が必要だ」との声も聞かれた。

 <中国指標には反応薄>
 中国国家統計局が発表した11月の経済指標は強弱まちまちの内容で、為替市場の反応は限定的だった。
 鉱工業生産は前年比7.2%増となり、市場予想(7.5%増)を下回った一方、小売売上高は前年比11.7%増で、予想(11.5%増)を上回った。1─11月の固定資産投資は前年比15.8%増で予想と一致した。
 発表前の市場では、クリスマス休暇を控えて商いが薄くなる中で「相場は不安定な面がある。指標が悪化するようなら、リスクオフ再燃を警戒する必要がある」(国内金融機関)との声が出ていた。〔中略〕 (杉山健太郎)”

こちらは金曜午後の東京時間の市況。
この段階で先行きが怪しくなっており、
自民大勝で東証続伸というシナリオにはなっていなかったことが分かる。
所詮、衆院選決定だけで思惑で買った連中が「先走った」だけの話である。

    ◇     ◇     ◇     ◇

注目銘柄、富士重工やマツダばかりでなく、竹内を全て売り切った。
円高に振れている限り、「大相場」は来年まで延期と見ている。

PF組み入れ比率は ”抻僚店、⊃浩叉 ↓E豕建物の順で、輸出関連は勿論ショート。
優れた企業だが仕方がない。この状況が続けばショートを拡大させる予定。

 ↓ 輸出関連(Yahoo.finance) 円安軌道に戻らない限り下落であろう



 富士重工(東証一部 7270) 467 → 670 / 573 → 1,283 / 1,938 → 2,563
               2,267 → 2,947 / 3,157 → 4,275 / 4,275(ショート)

 マツダ(東証一部 7261)  232 → 306 / 178 → 275 / 87 → 217 / 130
               298 → 314 / 332 → 425 / 380 → 522
                (以降、5→1の株式併合)
                2,497 → 2,772 / 2,266 → 2,989 / 2,989(ショート)

 森精機製作所(東証一部 6141) 1,335・1,122(ショート)→ 1,289 / 1,550(ショート)

 竹内製作所(JASDAQ 6432) 636 → 1593 / 743 → 1,672 / 1,678 → 2,200 /
                2,250 → 2,286 / 1,924 → 2,878 / 1,995 → 2,878
                4,780 → 5,000 / 4,550 → 5,000

 富士フィルムHD(東証一部 4901) 4,190 

 東京建物(東証一部 8804) 298 → 312 / 277 → 413 / 541 → 615 / 857 → 923
              1,128 / 890 → 801(ショート)/ 945

 ケネディクス(東証一部 4321) 604 →

 マネックスG(東証一部 8698) 455 / 393 → 455 / 343・292・242(ショート)→ 278

 マネースクウェア(東証一部 8728)  1,255 → 1,431

 ユナイテッドアローズ(東証一部 7606) 1,044 → 1,215 / 1,087 → 1,284
                     1,146 → 1,526 / 1,341 → 1,752
                     1,906 → 3,160 / 3,410 → 3,650
                     4,025 → 3,345 / 3,780(ショート) / 3,110(ショート)

 ユナイテッド(東証マザーズ 2497)   2,800 / 1,696

 サンフロンティア(東証一部 8934) 61,600 → 114,600 / 77,700 → 154,100 / 88,300 → 154,100 /
                   132,300 (比較のため分割前の換算)

 トーセイ(東証一部 8923) 25,170 → 59,300 / 83,600 → 102,100 / 67,200 → 79,100 /
              82,100 → 64,200 / 75,600 (比較のため分割前の換算)

 丸紅(東証一部 8002) 404 → 437 / 453 → 587 / 450 → 587 / 542 → 608
             494 → 577 / 540 → 577 / 541 → 602 / 529 → 602
             489 → 706 / 518 → 706 / 705 → 752

UAは信用買い残高が急増しており、ショートとする。
ユナイテッドは動意付いておりロングを狙っていきたい。

 ↓ 不動産+マネースクウェア(Yahoo.finance) 元気のなさ過ぎる不動産、黒田緩和も効果はショボい




中国景気、減速感なお強く 生産など伸び鈍化(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM12H5M_S4A211C1FF1000/
”【北京=大越匡洋】中国国家統計局が12日発表した11月の主要経済統計によると、生産と投資の伸びが一段と鈍った。建材や乗用車の生産の落ち込みが目立ち、雇用情勢にも影が差しつつある。中国人民銀行(中央銀行)は11月、2年4カ月ぶりの利下げに踏み切ったが、当面は減速感が強い景気の下支えに向けて緩めの金融政策を続ける構えだ。
 11月の工業生産は前年同月に比べ7.2%増となり、伸びが前月より0.5ポイント…〔以下略〕”

中国はもはや世界経済の牽引車にはなれない。
上海市場が一時的に急騰したようだが、
問題はその後に続伸できるかだ。
中国は急激な少子高齢化の悪影響が出始める時期に入っているので要注意である。

『日経会社情報』2015年新春号 2015年 01月号


    ◇     ◇     ◇     ◇

  【 いとすぎの為替ポジション 】

火曜、水曜の急落を受け、ショート転換。

 2014/12/10 187.06 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)

    現在 > 147.76 ユーロ/円(損益128%)← 今年の損益率
         186.47 ポンド/円
         118.80 米ドル/円

 ◎ 2013年の損益率(手数料等除外)> 164%
 ◎ 2012年の損益率(手数料等除外)> 142%
 ◎ 2011年の損益率(手数料等除外)> 138%
 ◎ 2010年の損益率(手数料等除外)> 147%
 ◎ 2008年秋〜09年末の損益率(手数料等除外)> 353%

  ▼ ポジション解消済み
 2014/10/30 174.99 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/10/24 136.70 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/10/02 175.54 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/09/26 138.76 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/09/19 177.76 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/09/08 105.51 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/09/04 136.31 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/08/13 171.45 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/08/08 171.08 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/07/04 138.87 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/06/20 138.77 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/06/13 139.26 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/06/02 171.59 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/05/09 140.47 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/05/02 173.03 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/04/23 171.60 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/04/16 171.02 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/04/04 171.81 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/03/28 170.28 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/03/07 172.55 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/02/28 170.77 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/02/21 170.50 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/02/07 167.91 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/01/24 168.75 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/01/17 141.12 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/12/18 167.10 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/12/05 167.32 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/11/01 157.27 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/10/25 157.54 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/08/27 151.16 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/08/14 150.89 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/08/09 128.68 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/07/31 149.01 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/07/26 150.88 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/07/17 151.30 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/06/21  97.89 USD/JPY Lev ×2.0
 2013/06/11 152.83 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/06/07 150.87 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/05/24 153.41 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/05/16 101.94 USD/JPY Lev ×1.5
 2013/05/10 154.46 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/05/03 130.01 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/04/26 129.02 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/04/16 150.10 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/04/12 129.73 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/04/04 145.91 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/03/21 144.80 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/03/15 144.46 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/03/07 142.28 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/03/01 120.89 EUR/JPY Lev ×1.5
 2013/02/13 124.85 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/02/08 125.97 EUR/JPY Lev ×1.5
 2013/01/24 120.99 EUR/JPY Lev ×1.5
 2012/12/26 136.78 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/12/21 136.36 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/12/12 132.76 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/11/29 131.44 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/11/09 126.37 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/11/02 83.12 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/10/25 128.91 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/10/18 127.47 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/08/29 81.23 AUD/JPY Lev ×1.5
 2012/09/12 125.27 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/07/27 81.86 AUD/JPY Lev ×1.5
 2012/08/15 123.83 GBP/JPY Lev ×1.5

 …以下省略…

「ドル100円割れ」はなくなったと判断している。
120円に達する速度が異様に速く、「ドル150円時代」が接近している。
黒い日銀が円を切り下げ、格差が急激に拡大するステージに入った。

市況急変の打撃が大きく、クロス円はリスクオフを警戒すべき局面と見ている。
愚かな黒田日銀の追加緩和による「悪い円安」はひとまず休止の情勢。

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
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  収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
  (当ウェブログのこちらのカテゴリーも御覧下さい。)
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