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待機児童の元凶である自治体首長、育休に責任転嫁する -「保育利権」がある限り問題は絶対に解決しない

2016-09-28 | いとすぎから見るこの社会-少子化問題
首都圏の自治体首長が待機児童問題の深刻化に悲鳴を上げ、
育休延長や育休義務化を叫んでいるようだ。

補助金を特定保育所に集中させ、不動産価格や人件費の高い首都圏で
高コストの保育所で待機児童をなくそうとする愚行を棚に上げ、
よくも他人のせいにできるものである。

あのフランスですら保育所に通う子供が半数以下という現実すら知らず、
己の大失態を理解できない「次元の低さ」は安倍政権と並んで末期的状態である。

保育バウチャーを発行し、小規模にも保育ママにも平等に補助を行えば
たちどころに待機児童問題は解決する。何も難しい問題などない。

首都圏で園庭付きの保育所に預けたければ、本来は適正なコストを払うべきである。
認可外保育所の月7〜10万という保育料こそ「真のコスト」であり、
アメリカも同水準の保育料なのだから、市場価格は日米とも同じである。

ところが、日本では歪んだ「保育利権」が温存されているからおかしな現象が起きる。
認可保育所とその利用者にばかり巨額の補助金が集中しているのである。
親が認可保育所に入れたがるのは当たり前である。

だから低年齢から子供を預けようとする動機は単純明瞭だ。
早く認可保育所に入れれば、異常に安い保育料で預けられる。
巨額の公費を貰っているも同然なのだから、皆が「シロアリ」になりたがる。

待機児童をなくしたければ、希望者全員に平等に同額の補助を与えれば良い。
公平な保育バウチャーを発行し、公費補助を貰っている認可保育所の料金は引き上げるべきである。
高コストの保育所で需要を吸収できる訳がないのだから、
保育ママと小規模保育所で待機児童をなくさなければならない。

特に保育ママなら初期投資も殆ど必要なく、すぐに待機児童はなくなる。
首都圏の女性の就業率は先進国と思えないほど低く、保育ママになれば自宅かその近くで働ける。
自治体の仕事は質の担保と監督、研修だけになるから一石二鳥、三鳥だ。

▽ 認可保育所は異常な高コストで、利用者は30%程度しか負担していない「既得権層」である

『社会保障亡国論』(鈴木亘,講談社)


当ウェブログは、待機児童の責任は自治体にもあると厳しく批判してきた。

「全国知事会議が「少子化非常事態宣言」を採択したとのことで、
 それはそれで遅きに失したものではあるものの評価できる」

「本当に「思い切った政策」が実行できるのかは甚だ疑問である。
 これまでの地方自治体の「実績」から見て期待する方が間違っている」

「そもそも地方自治体は、他所の優れた施策から学ぶ謙虚さが全くない。
 もし本気で出生率を引き上げたければ、長野県下條に倣う筈である。
 即ち、人件費と公共事業を徹底的に合理化し、育児世帯への現物給付を強化するのである」

「既に素晴らしい結果を出している自治体の模倣すらできずに
 「思い切った政策」など実行できるとでも言うのか」

「日本の少子化の原因は「政策の失敗」と「シルバーデモクラシー」である。
 それを直視しない限り、必ずコラテラル・ダメージの直撃を受けることになる」

「全国知事会では、少子化対策において劣等の自治体を厳しく批判することはできない。
 有効な施策を自ら出せず、国に予算を要求する手段に堕してしまうであろう」

「日経新聞では「高齢者から若年世代への資産移転」という決定的な施策に言及されている。
 退職金への税優遇を大幅に縮小すれば容易に予算が出てくるし、
 地方税も若干引き上げて育児支援の現物給付に充当すれば確実に効果が出るが、
 多くの横並びで凡庸、官公労からの圧力に弱い地方自治体には
 そういった「思い切った政策」で率先垂範する能力が決定的に欠けている」

「全国知事会が人口減少対策に提案した内容を知って、
 案の定ではあるが強烈な脱力感に襲われた。
 幼児に何度も言い聞かせても全く理解していないのとよく似ている」

「この程度で「思い切った政策」と認識しているとすれば、
 地方自治体の人口減少は因果応報と言わざるを得ない」

「事もあろうに「贈与税の非課税対象を教育資金や結婚資金に」だそうだ。
 政策提案のセンスが悪いにも程がある。
 これは事実上、公務や公益企業、医師といった一部の豊かな層だけ優遇する
 卑劣な差別政策に他ならない。「貧乏人など知ったことか」という訳である」

「しかも、欧州国の事例から見れば現金給付よりも
 現物給付の方が出生率向上の効果が大きい。
 知事会が提案した非課税は実質的な現金給付であり、
 少子化対策としては効果が低いのである。
 (加えて、相続税非課税は資産家層にしか機能しないのではっきり言って最悪の政策である)」

「貧困率が高い根本原因は、日本の社会保障が大きく歪んでいて
 現役世代・育児世帯に冷淡であるからだ。(金額を比較すれば一目瞭然)」

「どうも強烈に嫌な予感がする。
 人口減少対策など所詮はいつも通りの口実に過ぎず、
 少しでも多く予算の原資を獲得するための方便に利用される危険性が高まっている」

「日本が高齢層にバラ撒いている20兆円の10%だけでも育児支援に使えば、
 日本の出生率はたちどころに上昇するであろう」

「我が国で「奇跡の村」と呼ばれ「出生率2.0」を実現した長野県下條は、
 公務員人件費を削減して育児世帯の現物給付を手厚くしたために出生率が上昇したのである」

「大阪府池田市が、賞賛すべき施策を行っている。
 公務員人件費を1億円削減して、その分を認可外保育所の設置と
 保育士の人件費に回して育児支援を強化するようだ。
 (公費を盛大に浪費する認可ではなく、認可外としたのが評価できる)」

「選挙目当てに育児世帯へカネをバラ撒いて誤摩化そうとしている安倍政権よりも、
 現物給付に注力する池田市の方が遥かに賢明で、少子化対策として優れているのは間違いない」

「育児支援で最も大切なことは、口だけで済ます偽善ではなく、
 実際に費用を負担し現物給付を充実させること。
 子供相手につべこべ偉そうに説教するより遥かに効果がある」

「池田市の公務員人件費総額は50億円強のようだから、
 その削減で1億円を工面するのは賞賛に値するものの、
 総額の5%~10%(つまり約5~10億円)分の所得移転がないと
 「奇跡の村」長野県下條の偉業には届かない可能性が高い」

「日本では家族政策が間違っているだけでなく
 それを正そうとせず我が身しか考えない住民や国民が多いことも大問題である」

「杉並区の住民は、区の恥となる利己主義者を追放すべきだ。
 周知の通り杉並区で公園を保育所にするかどうかで騒動になっているが、
 一部の住民からとんでもない発言が出ている」

「50代の男性は保育所に入れたいなら出て行けばという趣旨の暴言を吐き、
 高齢女性は保育所に対し「環境破壊」と形容している」

「ともに、杉並区の恥さらしであり、日本国民としても許し難い。
 その50代男性は、他人の苦境への配慮が皆無なのだから自分こそ引っ越せば良い。
 国外に出て行けば日本社会がより良いものになるだろう」

「この二人のとんでもない発言から、
 日本の少子化問題の元凶が中高年層の利己主義であり、
 そこから今日の絶望的な人口動態の劣化が生じたと
 断定してもあながち間違いではあるまい」

「日本の子供の貧困率が国際的に見て異常に高いのも
 こうした利己主義のせいであろう」

「マナーが悪いのはどう見ても説明会で住民エゴを曝け出し、
 日本人としてあり得ない暴言を吐く利己的な一部住民の方である」

「大都市圏においては園庭に制約があろうと駅前・駅ナカ・駅近に保育所を設けるべきである。
 杉並区も、駅前・駅ナカ・駅近での保育所計画を立てれば
 これほど住民の反対で問題が紛糾することはなかった筈である」

次世代への投資を怠り、文句ばかり言って高齢層バラ撒きは続けるという酷い状況だ。

▽ 東京都の自治体は、「奇跡の村」下條よりも職員の給与が遥かに多いのに出生率は大幅に悪い

『奇跡の村 地方は「人」で再生する』(相川俊英,集英社)


待機児童を他人事のように語る劣等自治体は、
幹部を長野県下條や岡山県奈義で研修させるべきである。

「東京23区の区長が、待機児童問題の深刻化に困り果てているらしく、
 何を血迷ったのか「1歳児までの育児休業を原則義務化」などと
 ふざけた差別制度を提言してきたらしい」

「自治体の保育政策そのものが間違っているのを棚に上げ、
 よくもとんでもない責任転嫁ができるものである」

「税金で産休育休を取得できる正規公務員の立場を当然視した、
 思い上がった言い分に他ならない」

「そもそもお前の自治体で非正規公務員全員に育休を認めているのか。
 民間の中小企業が育休を取得できるような環境下にあるかどうか分かっているのか。
 その程度にも考えが及ばないで、まるで育休制度を整備していない
 政府に責任があるかのような、典型的な責任転嫁の話法である」

「杉並区が保育所を増やそうとしているのは悪いことではないが、
 高コストの認可が多過ぎるので結局は待機児童問題が深刻化するだろう」

「そもそも問題の元凶は、認可にばかり湯水のような補助金を投入する
 差別的な保育政策を展開する自治体なのである」

「自治体の長が屢々、社会福祉法人と深い関係を持っていて、
 自治体職員の天下りを受け入れて貰っているのは公然の事実である」

「今の自治体の在り方そのものが待機児童の元凶となっており、
 認可保育所にばかり公費補助を集中させるために
 ソビエト連邦のような「行列」ができるのである。
 (認証保育所も似たようなバラ撒きで、高コストであることに変わりはない)」

「あの出生率の高い「育児支援先進国」のフランスですら
 コストの高い保育所に通う子供は少数派である」

「まして日本は重税フランス程の潤沢な財源を持たないのだから、
 都市部では保育ママや小規模保育所を重視しなければならないのは明白だ」

「地価や人件費の高い大都市部で充実した保育環境が欲しいなら、
 相応のコストを負担しなければただの「利権」でしかない」

「自治体は、愚劣で非効率的な特定保育所の優遇をやめなければならない。
 保育バウチャーで公平平等な育児支援に舵を切らなければ
 潜在待機児童が次々と増えてきて問題が深刻化するだけだ」

東京都をはじめ大都市部の待機児童問題は、自治体に大きな責任がある。

 ↓ 参考

待機児童問題を全く理解していない東京23区の区長、育休で目先の誤摩化し - 企業保育所も「焼石に水」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/e25d97ff803073afabb4bc363aaf87ef

大阪府池田市が公務員人件費を削減して育児支援に、口だけの元校長と大違い - バラ撒き安倍政権も反省せよ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/0279c66935359d9c63c72876c45a6d97‎‎

既得権を擁護する全国知事会、金持ち優遇の差別政策を提案 -「結婚や子育て資金も贈与税の非課税対象に」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/5802b0de36f8e8bdd68313959dab75f9

「奇跡の村」下條の出生率回復は住宅等の現物給付が主因、行政改革でも卓越 - 低次元の安倍政権と大違い
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/08bd9d382dd2624bd567b845d473189

▽ そもそも高齢層にばかりバラ撒いて育児支援をケチる、根本的な問題も依然として残る

『中間層消滅』(駒村康平,KADOKAWA/角川マガジンズ)


待機児童解消へ育休支援を 自治体、厚労省会議で意見(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF27H02_X20C16A9EAF000/
”厚生労働省は27日、全国の自治体と待機児童の解消策を話し合う対策会議を開いた。待機児童を多く抱える全国14市区から首長などが出席、自治体からは「育児休業の延長や労働者が積極的に育休を取得するための支援が必要」といった意見が出た
〔中略〕
 塩崎恭久厚労相は会議で「働き方改革に合わせ、育休(の改革)も大胆にやらないと待機児童対策は前に進まない」と語った。
 東京都調布市の長友貴樹市長は最長1年半まで取れる育休期間を「3年に延ばすべきだ」と指摘。東京都世田谷区の保坂展人区長は保育所を建てやすくするため、国有地活用の手続き簡素化を求めた。「中小企業は育児休業を義務化すべきだ」(田中良杉並区長)との意見も出た。
 厚労省は保育所に入れないなど特別な場合に限って育休を「子どもが2歳になるまで」に延長する方向で検討中。労働組合など民間に対応を求めている。自治体の要望と歩調を合わせてはいるが、自治体が十分に満足する改革案になるかは見通せない状況だ。”

首都圏の自治体の長ばかりか、塩崎厚労相も欧州の家族政策を全く理解していない。
日本のような低負担でしかも非正規労働者の多い国で育休を増やすなど、馬鹿馬鹿しいにも程がある。

また、育休期間が長いドイツは出生率が低い「劣等生」、成長率も日本よりましな程度だ。
根本的に次元の低過ぎる議論は本当に情けない限りで、
保育ママを活用する高出生率・高就業率のデンマークにでも研修に行かせる必要がある。


認可外保育施設:利用補助広がる 43自治体中33で実施(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20160611/k00/00m/040/160000c.html
”国の基準を満たした認可保育所ではない認可外保育施設の利用者への補助制度に関し、毎日新聞が東京23区と20政令指定都市の計43自治体を調べたところ、33自治体が実施していることが分かった。このうち26自治体は東京都の認証保育所など自治体独自の保育施設の利用者を対象としている。一方、7自治体はベビーホテルなど幅広い施設を補助対象とし、うち4自治体は2015~16年度に開始。待機児童解消が進まない中、保護者の負担軽減策が広がりを見せている。
 調査した43自治体のうち独自の保育施設があるのは23区と10政令指定都市。例えば、東京都は、国の設置基準より保育士の配置や1人当たりの面積などを緩和した独自基準を設けて適合した施設を「認証保育所」と位置づけている。
〔中略〕
 待機児童が特に多い東京23区では、唯一補助制度のなかった江戸川区も今年度から始めた。目黒区など6区と福岡市は、自治体独自ではない施設の利用者にも補助しており、保育サービスの質に課題があると指摘されることもあるベビーホテルも対象に含まれる。
 国などが運営費を出している認可施設に比べ、公的支援が少ない認可外施設は保育料が高いのが一般的だ。東京都の認証保育所は施設ごとに保育料を設定しており、台東区内では所得に関係なく0歳児で月6万円前後。一方、認可保育所の保育料は世帯所得に応じて決まり、同区によると2万~4万円の世帯が多い。認証保育所利用者には、認可保育所に入れた場合の保育料との差額を月最大2万円まで支給している。
 ほかの自治体も、認可保育所との差額を縮める補助が多いが、中には「認可保育所より2割程度安くする」(東京都千代田区)や「認可保育所との差額をほぼ全額補助」(同港区)など手厚いところもある。
〔中略〕
 認可外施設の中には保育料が月十数万円になるところもあり、認可に入れなかった保護者に大きな負担となっている。一方、補助制度は、保育サービスの質にばらつきのある認可外施設の利用を行政側が推奨しているとも受け止められかねない。自治体側は補助するだけではなく、保育サービスの質が確保されているかをチェックしていくことが求められそうだ。
 補助の実施は市区町村が主体だが、広島県は15年度から県事業として直接利用者に補助している。秋田県は以前から市町村が補助する場合に補助額の2分の1を負担している
 昨年4月1日現在の全国の待機児童数は2万3167人で、東京都全体で7814人、20政令市で計2081人に上る。【堀井恵里子】
【ことば】認可外保育施設
 保育士の数や保育室の面積などで国の基準を満たした上で都道府県などの認可を受けた施設以外の保育施設。中には自治体が独自の基準で認定するなどした施設がある一方、認可施設を大幅に下回る水準の施設もあり、保育環境の質には大きな差があると指摘されている。”

毎日はオブラートに包んで書いているが、
待機児童問題の元凶がこの認可保育所に集中する巨額補助金にあることは明白だ。

認可保育所と、認可外保育所と、保育ママが相互に質を高める公平な競争を行っておらず、
政府と自治体が事実上、新規参入の妨害をしているのだから問題の深刻化は当たり前だ。


東京・中央区:公園を立体化、銀座に保育所(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20160827/k00/00e/040/240000c.html
”◇17年度着工 買い物客向けに一時預かりも
 東京・銀座の中央区立水谷橋公園に保育所を建て、屋上部分を公園にする立体化計画が進んでいる。区は「全国でも初めてではないか」としている。待機児童問題の解消に向けて保育所増設の必要性が高まる一方、都心に新たな保育所用地の確保は難しいため、中央区が公園の立体化でニーズに応えようと編み出した。
 水谷橋公園は銀座のオフィス街にある約760平方メートルの長方形の公園。首都高速の高架そばで、周囲はオフィスビルが建ち並ぶ。
〔中略〕
 詳細な計画は今後詰めるが、鉄筋コンクリートの平屋を建設し、認可保育所を開設して屋上に遊具を設置したり、園内に記念樹を植えたりする構想だ。保育所は80人規模で、週末に区外から集まる買い物客のため一時預かり所も併設する。
 今年度の補正予算に保育所整備の調査費用として約1120万円を計上している。17年度に着工し、19年4月の開設を目指す。
 中央区によると、4月1日現在の区内の待機児童は263人に上り、昨年の119人に比べて144人増加した。区子育て支援課によると、湾岸のタワーマンションを中心に30、40代夫婦の共働き世帯の転入が増え、1歳児がいる区内の約1700世帯のうち、半数以上が保育園入園を希望しているという。
 子育て支援課の山崎健順課長は「待機児童が少しでも減るように、区有地を有効活用する手段として考えた」と話している。【柳澤一男】”

この通り、補助金の出し方が根本的に間違っているのだから、
高いコストをかけて保育所を増やしてもあっと言う間に希望者が増える。
今の首都圏の自治体の待機児童対策は、ザルで水をすくっているようなお粗末なものだ。
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アノマリーではトランプ大統領誕生の可能性大、ダウ暴落も想定すべき - アメリカ社会に横溢する不満

2016-09-27 | いとすぎから見るこの社会-対アジア・世界
碌な結果も出せないで民主党政権以下の低成長、言い訳ばかり達者な安倍政権。
権力欲だけは「異次元」の業突く張りなので、来年初めの衆院選も囁かれている。

しかし、そうしたあさましい打算を軽く吹き飛ばすようなシナリオも出てきた。
トランプ大統領の誕生とダウ暴落が本当に起きるかもしれないのである。

市場ではアノマリーと呼ばれる合理性では説明できない事象があることが知られる。
米大統領選ではインディアナ州VIGO郡での勝利者が大統領になる確率が極めて高いとか。
今回、そのアノマリーに当てはまるのが何と、トランプ候補なのである。

夏の失言で勝負あったかに見えた米大統領選であったが、
暴言トランプの支持率がまたしてもひたひたとクリントンに迫ってきており
もし激烈なイエレン批判で知られるトランプが逆転勝利したら
米金融界の恐怖感は想像を絶するものとなろう。
「何が起きるか全く分からない」からだ。

アメリカの保守派の大物は、今回の大統領選を
癌か心筋梗塞かの選択」と形容したそうだが言い得て妙だ。
それ程の毒舌に相応しい展開が予想されるからだ。

ダウ暴落は必ず狂ったような日本株売り・円買いを招く。
安倍政権のインチキ・アベノミクスが思考停止した大衆の支持を集めているのは、
ひとえに米経済の回復と米利上げ期待で円安株高が進んできたからだ。

そうした「偽りの活況」に騙されているB層も、
株安円高の急伸でGPIFが10数兆円の赤字を抱え、
失業増と訪日観光急減に見舞われたら掌を返すに決まっている。

70年前に「鬼畜米英」が「マッカーサー万歳」になった時と同様、
定見のないB層は騙された怒りで安倍政権を罵倒し始めるだろう。

ただの偶然を己の手柄と勘違いしている安倍政権が、
北方領土問題でB層向けの小賢しいパフォーマンスを狙っていても
トランプ・ショックが襲来すれば哀れな「裸の王様」でしかないことが露呈してしまう。

▽ 北方領土問題では、安倍・プーチンで誤摩化しだらけの妥協が成立する可能性が出てきた(佐藤優氏の分析)

『週刊東洋経済』2016年9/24号 (納得のいく死に方 医者との付き合い方)


日本国民は、安倍政権の馬脚が完全に露呈する瞬間を目撃することになろう。

「安倍政権の言い分を鵜呑みにして報じたり、碌に批判をしないメディアは、
 官邸の買収工作を受けているものと見て間違いない。
 漏れ聞こえる話では、菅官房長官・萩生田補佐官・世耕副長官が
 メディアを監視する一方、「懇親会」と称して記者を連日接待しているということだ。
 (事実上、官房機密費で彼らを「買収」している訳である)」

「首相の名誉心の発露とはいえ、中東和平を唱えるのは悪いことではないが
 中東諸国の目当ては日本のカネであり、カネを貰えるのだから歓迎するのは当然だ。
 和平の方は実効性において大きな疑問があり、イスラエルにしっかり釘を刺される始末である」

「イスラエルとしては軍需関連分野で日本への輸出を狙っており、
 日本からの観光客を受け入れたいとの思惑があるため
 言辞を抑制しているがメッセージは疑いようがない」

「エジプトにせよ今は観光産業が壊滅的な打撃を受けており
 日本のようにカネをくれるパトロンは喉から手が出るほど必要な状況だ」

「安倍政権の言う「テロ対策支援」が軍事的裏付けを伴っておらず、
 実質的には国益(=安定したエネルギー供給)護持と
 日本企業のビジネス拡大の修辞に過ぎないことは明らかだ。
 そうしたリアリズムが認識されないことこそ重大な問題である」

「安倍首相はせいぜい外務大臣の器でしかないので、
 軽々しくリップサービスを振りまく悪い癖がある」

「今回の米議会での演説も「戦術的勝利だが戦略的に微妙」な形に終わり、
 日本の国益にとって何が重要かを理解していない内容であった」

「政見寄りの御用メディアはスタンディングオベーションの回数や
 拍手の回数で成功だの評価が高いだのと論じているが
 狭い議会でウケたかどうかなど大した問題ではない。
 (来年か再来年には大統領選挙の騒ぎでこの演説など忘れ去られる)」

「米国は東アジアの安全保障政戦略で日本を必要としている。
 (場合によっては中国のミサイル攻撃の「盾」として利用される可能性もある)
 日本の協力を「高く売りつける」ことが正しい目的であった筈だ」

「集団的自衛権容認で忠犬ぶってアメリカに尻尾を振る以外にも
 日米同盟を強化する方法は幾らでもあるという事実を全く理解してないものと見える。
 今回の安倍演説は、集団的自衛権が日本のためではなく米国のためであることを
 図らずも明らかにしたのである。日本国民が疑いの目を向けるのも当然だ」

「そもそも集団的自衛権を認めるかどうかは、中国の脅威に対抗するための必須条件では全くない。
 台湾海峡周辺での有事では、米軍と同時に日本も攻撃を受ける可能性が極めて高いからだ」

「いま北方領土交渉などしている場合ではないことが、どうして分からないのか。
 根本的にリアルポリティークが分かっていないとしか言いようがない。
 本来はアメリカに釘を刺される前に、自ら自制するのが当然だったのだ」

「プーチンは完全に安倍政権を嘲笑し、北方領土の開発を進めている。
 これだけ馬鹿にされているのにプーチン訪日を働きかけるというのは、
 もはや国辱的とも言える範疇に入る。
 外交が分かる者にとって、安倍首相のウクライナ訪問は「自爆」或いは「自滅」行為でしかない」

「ドナルド・トランプに最も近いのはロナルド・レーガンである。
 今の大統領候補の中で、ドナルドだけがロナルドになり得るのだ」

「レーガンは、よく知られるように政治のプロや専門家や馬鹿にされていた。
 キッシンジャーは、「このような人物がなぜカリフォルニア州を統治できたのか」と
 自著の中で痛烈にこき下ろしている。余程の私怨があったのかと訝るほどだ」

「メディアに注目される著名人・軽妙なトーク・問題発言・政策への無知。
 アメリカの「敵」への攻撃性・ミスをしても致命傷にならない・「強いアメリカ」志向。
 「スターウォーズ計画」のような空想的計画のぶち上げ・原油安の時代。
 挙げてゆくと、いかにトランプとレーガンに共通点が多いかが分かる」

「日本が安全保障でも経済でもアンフェアだと言わんばかりの、
 トランプが大統領になる日が近付いているかもしれない。
 これは日本にとっては重大な問題である」

「外交力の低い安倍政権は、この新しい厄介な相手に対処できるのだろうか。
 レイムダックになっていいように振り回される可能性もかなりある」

「更に悪いことに、レーガンの頃よりもアメリカの国力は衰えている。
 (「社会主義者」サンダーズ人気がその証左)
 つまり、トランプは国力の衰退と内向きの民意を受け、
 モンロー主義への回帰を行うかもしれないのだ」

「トランプにTPPをひっくり返され、為替操作を牽制されたら
 安倍外交は一気に窮地に陥ってしまう」

「冷泉氏はトランプが共和党候補になったらヒラリーが勝つと見ているようだが、
 当ウェブログはそうは思わない。トランプ候補はそもそもの評価が低かったから、
 有権者の評価を急上昇させるようなきっかけがあれば、ヒラリーが大敗する可能性すらある。
 (トランプには政治家として「化ける」可能性があるが、ヒラリーには全くない)」

「トランプは、強い不満を抱える米国の有権者にとって唯一の選択肢になりつつある」

と当ウェブログが警告した通りの展開だ。
底の浅い安倍外交など一発で吹っ飛ばされるリスクシナリオが姿を現しつつある。

▽ 米外交公電では、民主党政権と同じように自民党政権の外交も小馬鹿にされている

『全貌ウィキリークス』(早川書房)


トランプ大統領の誕生で安倍政権は崩壊するかもしれない。

「経済政策でも安全保障でも、外交でも次元の低い安倍政権が、
 またしても口だけ政策を展開して大失敗に驀進している」

「北朝鮮交渉が全くうまくいかないどころか
 ミサイル発射や核実験で安倍政権は顔に泥を塗られた訳だが、
 (あのような異形の独裁国とまともに交渉できると思うのは愚か者だけ)
 今度は対ロシアで同じような失敗を繰り返そうとしている」

「つまり、目の前に「エサ」をぶら下げられて、
 安倍政権は小躍りし釣り針に食いついてしまったのだ」

「この学習能力の欠如にはもはや呆れるしかない。
 北朝鮮に煮え湯を飲まされ、ロシアが平然と北方領土開発を進めて
 日本は面子を潰されているのにまた凝りもせずまた同じ罠にかかっている始末だ」

「ロシアは常に国益(ロシアの利益)のために行動しているのだから、
 対ロ外交で点数を稼ごうとプーチンに媚び諂う安倍政権のスタンスそのものが愚行である」

「北方領土の開発を進めるロシアに対して
 へらへら笑って取り入ろうとする醜態はもはや末期的だ」

「北方領土交渉をエサにして日本からカネを引き出すのが目的である。
 愚かな安倍政権は北朝鮮に騙された時と同じく、完全にプーチンの術中に嵌っている。
 (しかも対ロシアでは日本に経済制裁などの強力なカードが全くない)」

「安倍政権は不利な条件を呑まされるのが関の山で、
 「北方領土交渉を形だけ行うのと引き換えに経済協力させられる」
 といった無様な結末を迎えるだろう」

「中東やウクライナ訪問では無益なスタンドプレーばかりで
 カネをバラ撒くのを外交と勘違いしているのだから話にもならない」

と当ウェブログが指摘してきたように、安倍政権の外交力は元々低いから、
トランプ・ショックで株安円高が襲来すればGPIFが10数兆円以上の損失を出すのは必定、
失業増と訪日観光の急減で安倍政権が口だけで実際は無力であることが誰の目にもバレる。

 ↓ 参考

北方領土というエサに釣られる安倍政権、プーチンに嘲笑されるばかり - 見え透いたお世辞に騙される政府
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/4979e5c15b8e4b7aed0349b629cd6627

ドナルド・トランプがロナルド(レーガン)になる日 - しかし、日本外交が見下される現実は変わらず
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/0af2944e0ad22db671571aaaadb94ab5

プーチンに面子を潰され、アメリカに叱られた安倍外交 - 愚劣なウクライナ訪問で自業自得の失敗だった
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/9017cd2a1e623087cbc9ef90c4d990bc

米外交公電、日本政府の外交を酷評 -「外務官僚は世間知らず」「無計画で実行力がない」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/ac95bcd20a6bcb0fb2d637efd01486af

▽ 冷酷なロシアのリアルポリティークは、認識の甘い安倍政権とは「次元が違う」のである

『コーカサス国際関係の十字路』(廣瀬陽子,集英社)


大統領選ヒラリー敗北で「ダウ暴落」の真実味(東洋経済オンライン)
http://toyokeizai.net/articles/-/135745
”いきなり歴史の話から入って恐縮だが、関ヶ原の合戦(1600年)では西軍に大義があり、その点では徳川方は不利だったはずだ。しかし正義が勝つとは限らない。同じような雰囲気が漂いだしたのが、米国の大統領選だ。
 今回共和党は、常識派には信じられない非常識なトランプ氏。そこで過去は中立的だった主要メディアも、今回は躊躇なく、民主党のヒラリーの応援に回った。ところが最新の調査では、再び支持率は拮抗している。そしてオハイオやフロリダの最重要州でトランプに逆転されている状態が伝わった木曜日、ヒラリーはトランプ支持者の半分は「deplorable」と言ってしまった。

■米株急落は、利上げ云々の単純なストーリーではない
 deplorableは、米国在住が長くなった筆者でも、普段はあまり聞かない言葉だが、嘆かわしい、哀れ、情けないなどという意味らしい。ヒラリーは、知性を出したかったのかもしれない。
 だがメディアは、トランプ本人を攻撃するのではなく、国民・有権者を馬鹿にしたヒラリーという見出しで一斉に報道した。トランプはこれまでヒラリーとオバマを徹底的に攻撃しているが有権者を批判したことはない。そんな中、ついに切れた? ヒラリーは、トランプより過激な行動にでてしまった。この大失態で、ヒラリーを応援してきた主要メディアも、フォローが出来ない状態に陥った。
 さらに筆者が驚いたのは、オバマ政権がプーチンとシリア問題で妥協すると報道されたことだ。IS撲滅のためとはいえ、ヒラリーはプーチンを褒める、トランプの非常識を攻撃材料としたばかりではないか。
そのプーチンとの妥協を、こともあろうにオバマ政権が発表したのは、ヒラリーからすればオバマに裏切られた思いだろう。ただし個人的には、これはレームダックのオバマ政権のやむをえない優先順位を表していると考えている。
NYダウ394ドル急落と、オバマ政権との「関係」とは?
 本題からややずれるが、9日の米株の下落(NYダウは前日比394ドル安)にも関係するので、ここで触れておきたいのが、任期わずかのオバマ政権の緊急課題だ。それは「二人のミレニアル主導者」への対応である。特に切迫しているのは度を越した北朝鮮の党委員長・金正恩だ。核実験は400ドル下落の一つの理由だ。そして、その先にあるのが、議会がテロ遺族の賠償金請求を可能にする法案を可決したサウジアラビアである。
 金正恩もサウジの皇太子も、アメリカ文化に憧れる? ミレニアル世代である。オバマはミレニアル世代にも近いジェネレーションXの世代。だが、これから米国は非戦的なオバマの世代から、古い世代へ大統領が逆戻りする。これに焦る金正恩に中国がどう出るか。先のG20をみても、ここぞとばかりに各国が動き始めた様子である。
 力を持つブーマー世代と、若いミレニアル世代の間で悩み続けたオバマ。彼が最後に北朝鮮をどうするか。もし北朝鮮に日本株が反応しないなら、個人的には安心というより、日銀の買い支えで、政治リスクへの感覚が麻痺する副作用の方が心配だ。
〔中略〕
■ヒラリーの支持率は、なぜ落ちてきたのか
 金融市場関係者をみると、元々ヘッジファンドの一部には熱烈なトランプ支持者がいる。一方で、一般的な順張り中長期バリュー投資(いわゆるパッシブ型)運用者は、ヒラリー勝利を前提にしてきた。
 昨年来、高い手数料(利益の20%)なのにパフォーマンスが悪いヘッジファンドからパッシブ運用への資金移動が顕著になった。そんななか、民主党大会が終わり、支持率でヒラリーがトランプを引き離した頃から相場は上昇。ここではパッシブ型運用者が、大統領選の不透明感が和らいだことで(ヒラリー勝利へ)いよいよ新しい相場に向け動き出したといわれている。
 では、選挙戦の形勢が変わればどうなるのか。大統領になったトランプが、予告どおりイエレン議長をクビにすることを想定するのは早いだろう(そのときのダウは2000ドル程度下落? )が、政治的思惑は、これまで以上にマーケットに影響を与える。ただし初動はヘッドラインに反応する電子取引が支配する。我々はその値動きに慌てるのではなく、背景の政治情勢を理解することが、より重要になっている。
 ここでもう一度選挙戦を整理すると、金銭面で共和党を支えているといわれるのは、石油化学大手Koch industries のコック兄弟。その一人、デービット・コック氏は、自身の応援した候補者がことごとくトランプに敗れ去った後、ヒラリーとトランプの対決を”癌か、心筋梗塞かの選択“と表現した。また中立的な評論のなかにはevil(邪悪)とstupid(愚か)の争いと 揶揄するものさえあった

トランプがヒラリーに勝つ3つのポイントとは?
 今、支持率は、ここにきてトランプの愚かさより、ヒラリーの邪悪さが目立ってきたからだ。ただしサプライズではない。以前このコラムで紹介したDモリス氏は、トランプがヒラリーに勝つ手段として、以下の重要争点を挙げていた。
 ①ヒラリーの政治的な過去は変えられないが、ビジネスマンのトランプの過去は政治家よりも軽い。さらに破天荒な態度は徐々に変えていくことが出来る。
 ②ヒラリーが勝つと空席の9人目の最高裁判所判事をヒラリーが任命する。最高裁判事に任期はなく、本人が自分で辞めるまで、亡くなるか、弾劾されるまで、延々と続く。現在最高裁のバランスはリベラルが4人保守4人。ヒラリーがリベラルな判事を選ぶと、ヒスパニックや不法移民が大量にアメリカ人になり、アメリカはアメリカでなくなる。
 ③このまま民主党政権が続いてサンダース化が加速すると、アメリカは欧州のような「社会主義国家」へ移行する

■ヒラリーが嫌われている本当の理由とは? 
 7月の党大会でヒラリーがトランプを引き離したのは、イラクで戦死したイスラム兵士の両親を利用したからだが、圧倒的数の白人戦死者の親にとっては、なぜアメリカはこんな愚かな戦争へ突き進んだのかの方が本当は重要である。そこでは保守派を代表したブッシュ大統領に、反対すべき民主党の上院議員たちまでもが、なぜ賛成したのか。
 ヒラリーは、トランプの発言の非常識を攻撃することで自分の過去を隠してきたが、トランプがメキシコを電撃訪問し、敵対しているはずのメキシコ大統領からも受け入れられたことで、今度は自分の過去の弁明をする羽目になった(2003年のイラク決議への賛成)。これからは討論会など②と③が焦点になる。討論となれば、あの共和党の激戦を勝ち抜いたトランプは手強い。
 そして彼女が嫌われている最大の理由は、民主党のピラミッドの頂点に立つビル・クリントンの邪悪なイメージを、ヒラリー自身が背負ってしまっているからだと思う。
〔中略〕
 男としては気の毒なのだか、クリントン時代の好景気を知らないミレニアルからすれば、ヒラリーは何回も浮気をした夫を赦してしまった古い世代の女性に写る。
 一方のトランプは、本業とは裏腹に自分は酒も飲まず、大麻などにも否定的。ビル・クリントンが、1992年の大統領選で、学生時代の大麻問題を追及された際、「臭いはかいだが肺まで吸い込んでいない」という情けない言い逃れをしたこととは対照的だ。トランプは非カソリック系の白人キリスト教信者から強い支持を受けているが、彼の離婚回数は正直さの表れであり、リベラルなクリントンの浮気の回数は、正直ではない証明ということになるのだろう。

結局、大統領選にはトランプが勝利する?
 イリノイとミズーリの州境に近いインディアナ州の小さな行政区であるVIGO(ヴィーゴ)郡は、以前より一部の選挙分析のプロの間で注目された町だ。理由は過去100年、本選に突入する前の予備選の段階で、その町で一番人気になった候補者が大統領になるケースが「神がかり的数値」だからである。
 VIGO郡では1888年から2014年までの大統領選挙で外したのは、わずか2回だけ。1908年のタフト大統領と1952年のアイゼンハワー大統領である。筆者がこの記事を読んだのは昨年の12月5日だった。正直驚いた。なぜなら、その段階でこの町が示唆していた2016年の大統領選の勝者はトランプだったからだ。

 その後、ずっとトランプが勝つ可能性を冷静に見てきたつもりだ。もちろん3回目の“外れ”の可能性はある。トランプは1970年代、危険だとして父親が反対した荒廃したマンハッタンの再開発に成功。1980年代は誰もやらなかった春のプロフットボールリーグ開設にも成功した。
 しかしその成功の後、不動産からカジノ経営に拡大して失敗(タージマハール)。また春のプロフットボールリーグ(USFL)が軌道に乗ったのに、本家のNFLとの合併を強引に画策して失敗した(独占禁止法で告訴したが敗訴)。結局、春のフットボールリーグも3年で消えた。
 つまり、トランプは「against all odds」 の逆境には強い。しかし、自分が優位になった後オーバーステップをしている。ならば支持率でヒラリーを抜き、勝利を確信した後が興味深い(まだそこまでなっていないが…)。

■「常識が非常識に負ける」ことを想定せよ
 いずれにしても、トランプショックへの対応は、もう少し先として、問題はトランプショックの本質を今のうちに理解することが重要だろう。なぜならトランプが負けても、必ずアメリカでは次のトランプ現象が待っているからだ
 冷戦後のグローバル化の軸となったリベラル的知性。ほとんどの市場関係者はこの時代しか知らない。今はその時代に神になった中央銀行のヘッドラインに完全に市場は支配されている。
 ところが時間とともに、それでは解決できない停滞期を迎えると、今度は強烈な個性が停滞をぶち壊しにくるサイクルである。アメリカではそれをwisdom of crowdとbrilliance of greatness として、歴史的には両方を尊重してきた。よって常識が非常識に負けることは、米国ではそれほど驚くことでもない。一方で、常識が負けることがほとんど想定されていない日本は、それをイメージしておくことがそろそろ必要だろう。
滝澤 伯文”

この執筆者の文章は初めて見たが、日本語の間違いはあっても素晴らしい。
特に気になるのはこの米大統領選のアノマリーだ。
ざっと計算してもトランプ大統領になる確率はすさまじく高い。

今、「ダウ暴落が起きる」と言っても殆どだれも信じないだろうが、
LTCMの時も、米ITバブル崩壊の時も、リーマンショックの時も、
金融のプロも含め圧倒的多数の人々が暴落するなどとは思っていなかった。
市場は人智を超えた動きをするという歴史的事実を再び想起すべき時がきたのだ。


トランプ当選の可能性はもうゼロではない - 冷泉彰彦 プリンストン発 日本/アメリカ 新時代(newsweekjapan)
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2016/09/post-864.php
<本選を直前に控えてヒラリーとトランプの支持率が拮抗してきている。景気、雇用の低迷感がジワジワと広がる中で、トランプという「ガラガラポン」への期待が徐々に高まる可能性が>
 米大統領選は、投票日まで残り50日を切り、最後のストレッチ(追い込み)に入りました。ですが、相変わらず選挙戦の内容は深まることはなく、品のない中傷合戦が続いています。
 そんななか、ドナルド・トランプ候補とヒラリー・クリントン候補の支持率は拮抗してきています。いつの間にか、全国規模の世論調査の数字も拮抗しているのです。
 政治情報サイト「リアル・クリアー・ポリティクス」によれば、最新の「世論調査の全国平均」では、まず支持率の単純平均値で、

■ヒラリー・クリントン・・・46.0%
■ドナルド・トランプ・・・・43.4%

 と僅差になっています。一方で、実際の選挙制度である「州ごとの選挙人数予測」では、

■ヒラリー・クリントン・・・272人
■ドナルド・トランプ・・・・266人

 とほとんど拮抗しているという集計が出ています。また非常に稀なケースとして、「ネブラスカ州で、特殊ルールにより選挙人数が割れる」などの現象によって、最終的な獲得選挙人数が「269対269」で同数になる可能性を指摘する専門家もあります。
 その場合は「大統領は下院が、副大統領は上院が選ぶ(但し議員1人1票ではなく、両院の各州議員団で1票)」ことになります。そんな可能性が取り沙汰されるぐらい、拮抗してきているというのです。
 8月の中旬、両党の党大会が終わり、トランプがイスラム教徒米兵の戦没者の両親を中傷して大炎上した時には、「ヒラリー楽勝」というムードが濃厚だったのですが、ジリジリと支持を落とし、国際社会としてはまったく受け入れられないこととは思いますが「トランプ大統領」誕生の可能性が、現時点では否定できない情勢となってきました。
 ちなみに、9月11日の慰霊式典で体調を崩したという「ヒラリーの健康問題」は解決済みで、特に波紋は広がっていません。問題は他にあります。
 その理由は4点挙げられると思います。
 まずは景気です。今週、FRBのイエレン議長は「9月の利上げは見送り」という判断を表明しました。妥当な判断だと思いますし、市場も当然のこととして受け止めています。ですが、この判断は、「景気がそれほどの勢いではない」と示したことに他なりません。
 これは、アメリカ社会全体としては決して「今は良い時代ではない」という感覚に重なるわけです。そして、失業率は下がっているものの「自分は再就職したが希望年収にはまったく届かない」とか「今は職があるが、今度失業したらもう後がない」あるいは「自分の周囲に職のない若者が多い」といった「雇用に関するネガティブな生活実感」が濃厚だということもあります。
 そんな中で「こんなはずはない」とか「この世の中で成功している人間は妬ましい」あるいは「自分は特に失うものはないので、世の中を思い切りひっくり返して欲しい」という感情を持つ人たちが確実に増えていると言えるでしょう

 2点目はテロと安全保障です。欧州のようなテロの横行する社会とは距離を置きたい、イラク戦争のような犠牲を伴う「介入」は二度とやりたくない、先週のニューヨーク、ニュージャージー州の爆弾テロのような単独犯も怖いので予備軍も含めて入国規制して欲しい......つまりトランプ的な「文明の隔離主義」「孤立・非介入・隔離」という考え方が不気味なまでに広がっています
 シリア情勢にいたっては「複雑すぎて理解する気もない、従って興味はない、だが怖いから距離を置きたい」というアパシー(無気力・無関心)が広まっているように感じられます。こうなると、デマゴーグ的な煽り方をしてきたトランプだけでなく、「どうせ理解してもらえない」からと、国民に対して「複雑な中東情勢とアメリカの姿勢」を説明してこなかったオバマ=ヒラリーにも相当非があると言わざるを得ません。
 3点目はヒラリーの選挙戦です。本来やらなければならない、複雑なシリア情勢でも「国民に平易に真実を説明でき、その上で最適解を提案する」ことができていません。経済もそうです。ヒラリーの政策ハンドブックには「アメリカは先進国型経済を極め、知的労働で生きていく。その代わり、巨大な人口が知的労働に足りるだけの職業教育が受けられるように具体的な施策を整える」と書いてあるのです。
 しかし、その具体策を誠実に訴えることはできていません。「トランプ叩き」ばかりに走っているのです。これでは、「次期大統領はあの程度なのか」という、失望感と無関心が拡大するだけです。
〔中略〕
 4点目はトランプの選挙戦です。8月に発足した選対の新体制では「コアのファンを裏切らないために、過去の暴言は否定せずに言い続ける」「ただし、新規の暴言ネタは控える」「基本的に以前よりは少しだけ上品に戦う」という「微妙な軌道修正」を行っています。これが戦術的には成果を挙げています。
 ヒラリーの選挙戦の低迷が大きいため、トランプ側は「自分に対して否定的な中道層」を取り込むための「本格候補らしい印象を与えるイメチェン」をしないまま、ジワジワと支持を伸ばしているのです。
 これまで筆者は、「大きな景気後退」「深刻なテロ」が起きた場合、トランプに票が流れる危険性を予測してきました。ですがそうではなくて、ドロドロとうごめいていた「曖昧な不安感」が増幅するだけでも、トランプには相当な追い風になっている。つまり「ブレグジット(英EU離脱)」に似た「ガラガラポンへの期待」からの投票行動が伸びてくる危険が高くなってきたということです。

冷泉氏もトランプ大統領の可能性を認めざるを得なくなってきた。
先見の明としてはいま一つだが、指摘は的確で内容もよく整理されている。

しかも恐らく冷泉氏の指摘よりも事態は深刻である可能性が高い。
アメリカでは白人男性の死亡率上昇という不吉な現象が起きており、
社会的・経済的な病弊が深刻化している事実を示唆している。


クリントン氏、大口献金者に便宜供与か…米報道(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/20160811-OYT1T50084.html
”【ワシントン=尾関航也】CNNなど米メディアは10日、大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン前国務長官(68)が長官在任中、クリントン一家の財団の大口献金者に便宜供与を図った疑いが浮上したと一斉に報じた。
 クリントン氏は有権者の信頼感が低く、大統領選に悪影響を及ぼす可能性がある。

 保守派団体の情報公開請求に応じ、国務省が9日に新たに公表したメールの中にやり取りが含まれていた。クリントン陣営は「長官在任中、財団への献金のために行動をとったことは一度もない」と不正行為を否定している。”

不評なクリントンには次々と怪しげな噂が持ち上がっている。
トランプが負けたところでクリントンがましだという保証はないのだ。

▽ クリントンなら日本は安心かと言えば、全くそうではない

『クリントン・キャッシュ』(ピーター・シュヴァイツァー,LUFTメディアコミュニケーション)


チャイナマネーの影響も囁かれるクリントン。
今回の米大統領選は、トランプでもクリントンでも日本にとっては凶だ。
経済停滞の元凶である安倍政権を葬り去る以外のメリットはない。
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「日本では乗数効果はなく、財政大幅拡張でも債務が膨らんだだけ」- フィッチが宣告、安倍政権は末期症状

2016-09-26 | いとすぎから見るこの社会-全般
フィッチ・レーティングのソブリン担当者が、アベノミクスの失敗を宣告した。
日本の公共事業の乗数効果は認められず、財政悪化が進むという指摘である。

今、日米欧の金融当局が必死に金融緩和を行なっても経済回復は緩慢であり、
一部では財政出動を叫ぶ愚か者も出没するようになってきた。

日本では既に小渕政権で財政出動は失敗し、愚かな安倍政権が土建バラ撒きを繰り返して
恥の上塗りをしている状況なので、貴重な日本の経験に学ぶ者が誰もいないのだ。

安倍政権が国土強靭化とオリンピックという二つの利権を業界に与えたために、
とんでもない非効率が日本社会を蝕んでいることが漸く報じられるようになった。

豊洲市場の施設建設は落札率99%以上という談合に限りなく近い状況、
オリンピック関連施設建設でもとんでもない費用膨張が問題になっている。

愚かで騙されやすい日本国民のB層が偽りの失業率低下に幻惑され、
労働者の賃金切り下げと生産年齢人口減という真因に気付かない限り、
成長率低下と経済の非効率膨張の悪しき流れは止まらないのである。

当ウェブログが予言したように、日本の2016年の経済成長率は下方修正されるであろう。
次元の低い政権が展開する次元の低い政策の、必然の帰結である。

「当ウェブログは2015年の日本の成長率が下方修正されると言明し、実際に的中している。
 2016年も今の政府の見通しである0.9%を更に下回るであろう。
 安倍政権の経済政策が根底から誤っているのだから、当然である」

と前々から書いているように、経済成長を引き下げる安倍政権を選挙で叩き潰さない限り、
日本経済の未来は暗黒である。これまでの「口だけ」アベノミクスの実態を見れば明白だ。

▽ 土建バラ撒きの公共事業の経済効果は低く、文化財修復の方が遥かに経済効果が大きい

『デービッド・アトキンソン 新・観光立国論』(東洋経済新報社)


当ウェブログの予見通りの陰惨な未来がくるであろう。

「災害対策としても、経済対策としても効果の低い公共事業はやめるべきであるが、
 「国土強靭化」と称して利害関係者と癒着している自民党は盲目同然である」

「広島の災害で保守メディアの産経も読売も「国土強靭化」を叫ばないのは、
 砂防ダムを全ての必要箇所に建設することはできず、無駄が多いと分かっているからである」

「更に言えば、311の際に事態を深刻化させた福島第一も自民党政権時に建設されたものであり、
 巨大津波に対し殆ど無力に近かった防波堤も自民党政権時に巨費を投じて作られた。
 自民党の責任の大きさを否定するのは相当な厚顔無恥と言われても仕方がない」

「数多くのインフラプロジェクトに関わった橋山禮次郎氏は
 巨大プロジェクトの失敗例としてアクアラインを挙げているが、
 これがまたリニア計画と寒気がするほど酷似しているのである」

「保守政権、口だけの民間活用、いい加減で出鱈目な需要予測。
 偶然とは言えないほど共通点がある」

「何しろ計画段階でも費用推計が恐ろしい速度で膨れ上がり、
 杜撰さと費用対効果の低さが今の段階でもすぐ分かるような幼稚な計画なのだ。
 最初は3兆円と言っていたのが、その三倍の9兆円にまで膨れ上がっている。
 だからこそドイツとアメリカがリニアはペイしないとかなり前の段階で判断したのである」

「毎日赤字を垂れ流しているアクアラインも「民間活用」であったが、
 余りにも杜撰なプロジェクトだったので会社が責任を放り投げたのである。
 (愚劣な「新しいチャレンジ」は今、国民の税金で尻拭いされている)」

「採算性が重要なのは、官でも民でも同じだ。
 巨大プロジェクトだと取り返しがつかないので尚更である」

「費用対効果を考えずに青天井で予算を投入することや、
 自民党の「国土強靭化」の発想は根本的に間違っているのである。
 ただでさえ少子高齢化が進む日本で場違いに立派な堤防と借金だけが残ってしまう。
 採算性を考慮した防災・減災計画が絶対に必要である」

「学習能力がない癒着政党に投票すると、間違いなく
 老人大国にコンクリートばかり残って過疎がひどくなる惨状に陥る」

「自民党は矢張り骨の髄から「バラ撒き政党」であり、
 我が国の経済を再生させる能力に欠けることが実証された」

「参院選が近付き、権力の亡者である安倍政権はおのれの経済失政を誤摩化そうと
 公共事業を増額し、高齢層へのバラ撒きを強化している」

「大企業には政治献金と引き換えに政策による利益供与を行っているから、
 あらゆる利権層にカネを配って権力の座にしがみつこうという算段である」

「大言壮語してアベノミクスと称するインチキ政策を始め、
 大企業と株主と外国人だけを大いに儲けさせて
 国民の実質所得を低迷させた上に低成長に終わった「戦犯」なのだから
 国民に謝罪して辞任するのが理の当然であろう」

「唯一の失業率低下も労働者の賃金を切り下げたためでしかなく、
 真に「デフレ脱却」しなければならないのは政治家の知的能力である。
 知的に衰退状況にあるからこそ我が国の実態を理解できず、
 かつての「大本営発表」と同様に僅かな戦果を針小棒大に宣伝するのである」

「安倍政権は偽りの活況を装って日本経済に打撃を与えるだけでなく、
 リニアを初めとする巨大な「負の遺産」をも残すであろう」

「朝日新聞の記事のグラフを見ても分かるように、
 公共事業費が国民所得とも経済成長率とも乖離しているのは明白だ」

「日本人は真面目な国民なので東京五輪のためにあらゆる資源を使い尽くし、
 オリンピック自体は華々しく成功裏に終わるであろうが、
 後には債務の山と高齢化した国だけが残るであろう」

「日銀は東京五輪にはGDPを1%押し上げる効果があると吹聴しているが、
 絶対に騙されてはならない。反動で1%はマイナスの効果を及ぼすであろう。
 日銀には、消費税増税の際に能天気な試算を出して悪影響を否定したお粗末な「実績」がある」

「ギリシャもブラジルも、経済危機に直面した。中国は北京五輪後に成長率が落ちた。
 先進国として最も日本に近いイギリスは、ロンドン五輪の前後ではゼロ成長でしかなかった。
 オリンピックの経済効果が愕然とするほど低いのは事実に照らして明白である。
 日銀はどうしてこのように非現実的な試算しかできないのだろうか」

「シロアリどものせいで東京五輪に必要な公費は当初の6倍、
 1兆8千億円にものぼるとの報道が出ている」

「新国立競技場と同様、バカ高い値を吹っかけて国民を脅し、
 少々割引して目先しか見えない人々を騙し、がっぽり稼ぐ算段である」

「ブルームバーグによれば、夏季五輪の予算超過は平均250%に達すると言う。
 シロアリ連中は火事場の荒稼ぎで1兆円は国民からふんだくるつもりであろう。
 こうした輩を放置することこそ亡国への道である」

「五輪は利権の山であり、自民党は骨の髄から利権癒着政党である。
 予算超過が相当な額にのぼり、利権勢力がうまい汁を吸って国民負担を増やすのは確実だ。
 東京五輪の後にそうした魑魅魍魎どもが次々と槍玉にあげられることになろう」

「五輪は貪欲な国家のシロアリにとって「荒稼ぎの好機」である。
 北京五輪の後で中国経済は成長率を高めたか? ロンドン五輪でイギリス経済は一気に回復したか?
 アテネ五輪でギリシャ経済はどうなった? そして何より、長野五輪の開催で地域経済は復活したか?
 これら全ての結果が、2020年へ向けての警戒心を高めざるを得ないのである」

「相当厳しくコストコントロールに気を遣い、シロアリどもを殲滅しないと
 五輪の宴の後に「財政の焼け野原」が残ることになりかねない」

「今回の熊本震災でもはっきり証明されたのは、
 安倍政権が数年前に掲げた「国土強靭化」が嘘八百だったということだ。
 未知の断層が動いたり想定外の震災が起きた場合に、国土強靭化など全く役に立たない。
 人間の予想や想定など簡単に打ち砕かれてしまうからだ」

「だからこそ安倍政権自身も「国土強靭化」の「こ」の字も言わなくなったのである。
 自党が平然と嘘をついてきたことなど知らん顔で、防災や復興を掲げて
 また支持層に公費をバラ撒く算段であるのは間違いない」

「熊本では震災が起きてから新しい活断層が発見されたため、
 改めて「中央構造線」や活断層に焦点が当たっている」

「大阪や首都圏にも大きな活断層があることが知られており、
 同規模の震災があれば被害は今回の比ではない」

「今回の震災で大きな被害は生じた原因の一つは、こうした未知の活断層である。
 「堆積物がたまった地層」というのは大阪平野でも濃尾平野でも関東平野でも同じだ。
 人口密集地でも未知の活断層が隠れている可能性が高い」

「「復旧」は得意でも「復興」に失敗してきたのがこれまでの歴史である。
 東日本大震災でも、人口流出によって甚大な打撃を受けた自治体が多い。
 過去の復興の失敗に学び、愚かな公共事業依存に陥ってはならない。
 (事実、三陸沿岸の多くの自治体ではそうなりつつある)」

「正しい震災対策は、公共事業の濫発ではない。
 コスト対効果を厳しく考慮して減災や減震に注力すること、
 深刻な震災が起きても被害を低減できる機動的な対処ができる体制を築くこと、
 (今回の震災でも証明されたように)復興の主役となる若年層人口を維持することである」

「政策リテラシーが果てしなく低い首相の「三本の矢」は完全に失敗した。
 先進国の中でも最低水準のゼロ成長に陥りながら、
 それでもなお権力の座にしがみつくのは醜悪そのものだ」

「最近は事態が更に「喜劇化」しており、
 これだけ円安の恩恵を受けながら売上高を伸ばせない財界も、
 全く学習能力のない財政出動派も同じように「財政出動」の大合唱だ」

「国土強靭化が大失敗して建設コスト高騰と低成長を招き、
 被災地の復興をも妨害したにも関わらず、
 財政出動派は相変わらず亡国の踊りを踊っているようだ」

「我が国の成長率は、財政出動の増加に殆ど反応していないのだが、
 相変わらず「護送船団方式」の経済団体は劣等経営者を庇ってバラ撒きを求めている。
 財政出動派は国土強靭化の大失敗にも反省のカケラすらなく
 公共事業をバラ撒けば経済回復するとカルト宗教に近い教義を妄信する始末」

「財政出動で日本経済が復活するものなら、
 小渕内閣でとっくに日本は回復軌道に乗ったであろう。
 現実にすら学ぶ能力がなければもはや不治の病と言うべきであろう」

「あさはかなB層でもない限り、普通は健全な良識が働く筈なのだが、
 もしそうでなければ、日本経済は恒常的なマイナス成長に陥ることになる」

「利権団体の献金と引き換えに公共事業バラ撒きを続ける
 癒着政党がこの日本にのさばっている限り、
 日本経済が本格回復することはあり得ない」

「保守政権伝統の「大プロジェクト・ポピュリズム」が始まった。
 またしても巨額の借金と数々の不祥事を残して「轟沈」するであろう。
 これまでの「実績」から見て、それ以外にあり得ない」

「レインボーブリッジでも嘘八百の試算数字が並べたてられて有権者が騙された。
 もしリニアを薄汚い政治的思惑で推進すれば、確実に
 レインボーブリッジ以上の巨額赤字を垂れ流すことになる」

国土強靭化+リニア+オリンピック利権という「バラ撒き三兄弟」になってしまった。

▽ 公共事業の乗数効果が大幅に下落していることは、既に明らかになっている事実

『世代間格差:人口減少社会を問いなおす』(加藤久和,筑摩書房)


結局、土建バラ撒き政権が権力を握っていること自体が経済低迷の元凶である。

「1997年以降の日本の経済政策を見れば、
 そして公共事業費と日本の成長率の推移を比較すれば、
 公共事業依存が経済成長の敵であることは明白である」

「藤井聡氏が「15~20兆円の補正」を首相に提言したらしいが、
 もしそれを真に受けてカネを官庁と土建にバラ撒いたら
 近い将来の日本の経済危機は決定的となろう」

「かつて日本海軍が莫大な額を費やして戦艦大和を建造した時とよく似ている。
 結局、最新技術の粋を集めた戦艦大和は46センチ砲の威力を発揮できずに沈没。
 「世界の三バカ」とまで言われた」

「さて現代、過去の歴史に学ぶ能力がない安倍政権は
 同じような「戦艦大和」の愚行を繰り返そうとしている」

「技術は適切なコスト管理と現実に証明された有用性があってこそ意味がある。
 リニア新幹線の大阪延伸は、技術的には余りに高コストでリスクが大きく、
 そして何よりも有用性が著しく低いため現代の「戦艦大和」となるであろう」
 つまり膨大な国費を蕩尽して殆ど活躍できない、ということだ」

「新幹線ですら整備されたことで人口流出に拍車がかかり、寧ろ地盤沈下が進んだ地域は多い。
 (その典型例が、増田寛也元知事による工場誘致と土建依存で寧ろ地域衰退を招いた岩手である)
 ましてリニアは確実に東京集中を促進することになる。
 更に、地下深くでの事故発生により「宝の持ち腐れ」になる危険性もかなりある」

「根本的には、現在の急速に高齢化・生産年齢人口減少が進む日本では、
 公共事業は経済を成長させないどころかマイナス成長の危険性を高める問題がある」

「元々自民党にはバラ撒き政策はあるが成長政策などない。
 奇跡的な高度成長は、急激な人口増加と勤勉な労働者によって達成されたものであり、
 自民党政権はただそれに乗っかって自分の手柄のように吹聴しているだけだ」

「小渕内閣での経験からすら学ばない連中は、
 太平洋戦争の前のような「粉飾」を行おうとしている」

「試算で10倍も差が出るのは、「数字を作った」からである。
 今はまさに「昭和16年の夏」であり、日本経済が決定的な暗転を迎える前夜だ。
 安倍政権には東條内閣の「三奸四愚」のような輩も揃っており、全てが不吉に一致している」

と当ウェブログが警告してきた通りになりつつある。

 ↓ 参考

リニア経済効果はGDPの僅か0.17%、藤井試算が過大なのは明白 -「世界の三バカ」戦艦大和の二の舞に
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/b916de3fe4b505021ba31eb0a64043c9

国土強靭化は愚の骨頂、日本には二千以上の活断層あり -「全国どこでも大きな地震が起こる恐れがある」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/6e72548faca8e81f65bece8a757057d2

夏季五輪の予算超過は平均250%超、日銀は国民を欺いている - 2018年以降の経済落ち込みは破壊的
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/5965f7e08953c2a3c6693b49adeda7bb‎

ホリエモンの知らないリニア計画の惨状、赤字垂れ流しのアクアラインと酷似-デタラメ需要予測+保守政権
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/bd7af5b02a425039daa45361d06c7772‎

▽ 人気取りの巨大プロジェクトを失敗させ巨額の赤字を出すのは、保守政権の悪しき「前例」である

『リニア新幹線 巨大プロジェクトの「真実」』(橋山禮治郎,集英社)


財政出動の効果は長続きせず、日本がよい例=フィッチ(reuters)
http://jp.reuters.com/article/global-ratings-fitch-idJPKCN11J2SA‎
”格付け会社フィッチのソブリン格付け担当責任者、ジェームズ・マコーマック氏は13日、日本の経験を踏まえると、先進国がいくら財政出動に踏み切ってもその効果は長続きせず、借金だけが膨らむ恐れがあるとの見方を示した。
 一部の主要中銀が導入しているマイナス金利や金融緩和について、その効果が弱まっているのではないかとの懸念が広がるなか、各国政府は歴史的な低金利を活用して社会基盤などのインフラ整備を行うべきとの声も聞かれる。
〔中略〕
 日本の事例を挙げ「財政政策による乗数効果を否定する理由はどこにもないが、日本の経験を振り返ると、確かに乗数効果はなかった。財政を大幅に拡張しても結局、債務が膨らんだだけだった」と述べた。”

利権癒着の安倍政権と自民党は、明白な事実に目を瞑って
日本経済を抑圧する反社会的政策を続けている。
バラ撒き政党のDNAは不治の病も同然であり、おまけに学習能力すらないのだ。


豊洲市場主要3施設、落札率は99.9%…各工事応札1企業体のみ、「談合の疑いがある」と共産都議(産経新聞)
http://www.sankei.com/affairs/news/160914/afr1609140003-n1.html
築地市場(東京都中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)で、土壌汚染対策の盛り土が行われていなかった水産卸売場棟など、主要3施設の建設工事の再入札の平均落札率が99.9%だったことが13日、都への取材で分かった。各工事の入札には、それぞれ1つの共同企業体(JV)しか参加しておらず、競争原理が働かなかったことが整備費の膨張を招いたとの指摘もある。
 落札率は、入札の上限となる予定価格に対する落札額の比率。落札率が高いほど、業者にとっては利益が大きいことになる。
 問題となっているのは、豊洲市場のメーン施設となる青果棟▽水産仲卸売場棟▽水産卸売場棟−の建設工事。青果棟(予定価格約259億4500万円)は鹿島など7社JVが約259億3500万円、水産仲卸売場棟(同約436億700万円)は清水など7社JVが約435億5400万円、水産卸売場棟(同約339億8500万円)は大成など7社JVが339億1500万円で落札した。
〔中略〕
 共産党都議団の試算によると、1平方メートル当たりの単価は1回目が15万〜17万円だったのに、予定価格を引き上げて行った再入札では27万〜32万円に高騰。いずれの入札も予定価格は公開で行われていた。共産都議は「談合の疑いがある」などと指摘し、建設工事費の高騰の経緯や妥当性、談合疑惑について「徹底した検証を行い、公表することが急務だ」としている。
 豊洲市場は土壌汚染対策費も当初計画の約1.5倍の858億円に膨張するなど、最終的な総事業費は5884億円に及ぶと見込まれており、事業費について小池氏は「天井知らずに高くなっていいのか。非常に疑問に思う」として、自身が設置する都政改革本部で検証する考えを示している。
 入札に詳しい法政大大学院の武藤博己教授は「今はJVでの入札がほとんど。特定の高い技術が求められる場合をのぞき、1社応札は競争性の観点から問題がある。受注調整が行われていた可能性は高いのではないか」と話している。”

バラ撒き保守政権と自民党議員の増長が何を生み出すか、
東京都で今まさに立証されつつある。
経済学の知見では落札率99%超というのは間違いなく「クロ」である。

東京都においてこれだけの「シロアリ」がいることが示唆された訳だから、
いま利権癒着政権がのさばっている日本国内でどれほどの「シロアリ」が増殖しているか。
第二、第三、第四の豊洲市場問題がこれから続々と発覚するのは間違いない。


東京五輪の仮設競技場、整備費4倍 招致時の試算甘く(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG29H3Q_Z20C16A4MM8000/
2020年東京五輪・パラリンピックで、競技会場の仮設施設の整備費が当初試算(約723億円)の4倍超の3千億円近くに膨らむ見通しであることが29日、関係者への取材で分かった。招致段階での試算の甘さが大きな要因とみられる。
 新国立競技場は国、大会後も活用する恒久施設は東京都、大会後に撤去する仮設施設と既存施設の改修は組織委が、整備する役割分担だった。しかし仮設施設などの…〔以下略〕”

利権癒着政党が権力の亡者となり、業界にバラ撒いて献金をせしめているからこそ、
こうした醜態を見せるのである。問題の元凶は間違いなく安倍政権だ。
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2016年9月第5週チャート

2016-09-25 | 注目投資対象・株価の推移
日銀の必死の工夫も見事に裏目で、所詮は大勢を変えるに至らない非力。
ドル円は100円割れ常態化が秒読みの段階になってきた。

黒田日銀が市場を驚かそうと小細工を弄しても
「行って来い」どころかドル円が日銀会合前の水準より後退していること自体が、
黒田日銀が市場の神に嘲笑され弄ばれているとの事実を明示している。

UBSの居林氏は、乖離し始めた直近の日経平均とドル円を取り上げて
ドル円が日経平均の動きに収斂するとの見方のようである。
これは、日銀の巨額のETF買いによる需給関係を根拠とするものだ。

一方、当ウェブログの見方は海外ファンド勢と屢々一致するが、今の見立てはこうだ。
日銀のETF買いは午前中に大きく下げた際に午後から発動する可能性が高いから、
役人的で決まりきった行動を取る日銀を利用すれば楽勝で稼げる。

つまり、前夜に何か悪材料が出たら円買い日経先物売りで猛攻撃をかけて売り崩して
日銀が出現する頃合いに買い戻し、日銀に買い上げてもらえば往復で儲かる。

何のことはない、愚劣な日銀の行動で国富が着実に海外ファンド勢の利益となるのである。
当ウェブログは労働者を貧しくして海外投資家を儲けさせるアベノミクスを
「売国」に限りなく近い政策だと厳しく批判してきたが、
黒田日銀も矢張り安倍政権と同類と言うことができるだろう。

また、悪いことに米大統領選でトランプ候補の支持率が盛り返してきた。
市場関係者からは、トランプ優位はリスクオフ・円買い材料との声が増えており、
NYで移民によるテロが起きた直後だけに警戒を要する。


黒田日銀の新スキームは効果なし、ドル円は典型的な下に崩れかけている局面


ユーロはすっかり平和な状況


ポンドは、ロイターによればメイ首相と外相との齟齬が注目され下落



マツダの下落が気になる、輸出関連もバラけてきた


まだ伸びる4776、どこまで行けるのか


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『週刊エコノミスト』9月27日号 - 田中角栄は柏崎刈羽原発で4億円儲けた、原子力の生む汚れたカネ

2016-09-23 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』のよく分からないメイン特集は
どうかなと思いながら見ていたのだが、一箇所の例外を除くと想定内だった。

寧ろ、巻頭の古賀茂明氏のコラムの方が良かった。
「日本より年間300時間以上短い労働時間でもうかる」ドイツと、
「非正規雇用を増やして労働コストを切り下げ」た上に
「円安によって日本人の給料を国際比較で3割切り下げ」た日本の惨状。

古賀氏はいつもの通り鋭い処方箋は出さないが、
問題は根本的におかしい政策と企業経営にあることは明らかだ。
対日投資の促進による保守退嬰の経営層を市場から淘汰することや、
企業に厳しいドイツ並みの労働規制も実行できない安倍政権は日本経済の害悪である。

さて、メイン特集での「一箇所の例外」とは34頁である。
エントリーのサブタイトルに挙げたのがここであるが、
最近奇妙なブームとなっている田中角栄は柏崎刈羽原発用地の土地転がしで
4億円を手に入れたことが判明している。(新潟日報の殊勲の報道である)
いかにもバラ撒き自民党を体現した金権政治家らしい逸話だと言えよう。

『週刊エコノミスト』2016年09月27日号


巻末の、日本依存を強めるアップルのレポートは大きな収穫だろう。
「一本足打法」とはよく言ったもので、アイフォーン依存度が6割だから
お得意様の日本市場に合わせて機能をジャパニフィケーションさせるのは当然なのだろう。

しかし、経営合理性に基づいた日本市場重視の戦略は、
アップルの「成長の壁」となり企業の停滞もしくは後退を予言している

言わば「too big , too change」(大き過ぎて変えられない)である。

    ◇     ◇     ◇     ◇

『週刊ダイヤモンド』の歌舞伎特集は予想通り、落語特集より遥かに良かった。
産業としても文化的価値としても歌舞伎の「圧勝」である。

中でも、38頁以降の革新的な取り組み、
64頁以降の「歌舞伎ビジネスの舞台裏」が非常に素晴らしい。
個人的に歌舞伎のラスベガス公演の成功を祈っているし、確信してもいる。

『週刊ダイヤモンド』2016年9/24号


市場関係者は、ドイツ証券の田中泰輔氏の分析を見ておきたい。
需給関係により、ドル円が100円台を割れると90円台への定着の可能性が高まるとのこと。
これこそまさに今、起きつつある事態なのである。

    ◇     ◇     ◇     ◇

『週刊東洋経済』の高齢者医療特集は、今年最高の出来だった。
苦い真実を伝える内容であるが、高く評価できる。
間違いなく「ストロング・バイ」である。

何より、医療界から現状を憂慮する真摯な提言が出始めている。
証言されている通り、「医者の食い扶持は莫大な医療費を使う高齢者」なのだ。
医療界の利害が絡んでいるからこそ経済停滞でも医療費が拡大し続けて来たのである。

後期高齢者医療制度は現役世代が約4割の負担、
公費が約5割で高齢者自身は殆ど負担していない。
それで不健康な期間が長く「死の質」も他国より低いのだから何をか言わんや、である。

76頁にあるように精神疾患での入院が異常に多かったり、
肩腰の痛みを訴える外来患者が圧倒的に多いという現状は
患者側の問題が極めて大きいことを物語っている。

土居丈郎教授が厳しく指摘するように、これからの
日本の医療は過酷な負担増か国民皆保険の縮小しかない


富裕高齢層への公費給付をばっさりカットし、
育児関連の現物給付を増やして女性の就業を増やすしかないと
当ウェブログは何年も前から繰り返してきたが、このメイン特集を見ても明白であろう。

『週刊東洋経済』2016年9/24号 (納得のいく死に方 医者との付き合い方)


佐藤優氏の連載コラムも非常に良かった。
プーチンが日本に歩み寄る姿勢を見せ始めていること、
しかし情勢は予断を許さず玉虫色の決着の可能性があることが分かる。

ただ当ウェブログとしては、選挙向けのあさましい人気取りに必死の安倍政権が
もっと底の浅い、玉虫色どころかしょうもない小細工を針小棒大にアピールし、
また有権者を誤摩化そうと画策するのは間違いないと見ている。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週は間違いなく注目はエコノミスト、ドイツよりも日本にとって参考になるスウェーデンが出ているかどうか。

▽ ハインゾーンのユース・バルジも紹介されている

『週刊エコノミスト』2016年10月04日号


▽ ネスレ日本の戦略は確かに参考になる、グローバル展開の巧みさを知りたい

『週刊ダイヤモンド』2016年 10/1号 (凄いネスレ)


▽ 中原圭介氏を登場させた方がいいと思う東洋経済特集

『週刊東洋経済』2016年10/1号 (日本経済の今を「総括検証」 経済の新常識)

最近、変調が見えてきたマツダのレポートは見ておきたい。
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