みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

「地方創生」は「ふるさと創生」の劣化焼き直し版、ただの選挙対策 − 多くの住民は地域衰退と予想

2014-08-19 | いとすぎの見るこの社会−コミュニティ関連
「地方創生」と聞いてすぐ思い浮かべるのは、
バブル期に自民党政権が行なった愚劣な「ふるさと創生」である。
1億円をバラまいて今は寧ろ不良債権のようになっている自治体も多い。
まともな使い道と言えるのは小笠原のエコツーリズム、
山形県庄内の風力発電あたりしかないだろう。
(因に、例によって自民党も総務省も何一つ事後検証していないという始末)

今回の「地方創生」も所詮は同じである。
支持率が下がっている安倍内閣の人気取り、姑息な地方選挙対策が本質である。
ふるさと納税の税制優遇拡大や地方企業の税負担軽減などが挙がっているが、
これまでの「ふるさと創生」や地方振興策がことごとく失敗に終わったという
「不都合な事実」を直視し真摯に反省することなしに成果が出る筈はない。

本気で地域経済の梃入れを行なおうと考えるなら、
大企業正社員や公務員の退職金の税控除を大幅縮小し、
その全額を育児世帯への現物給付に移転するのが最も効果的である。

出生率の高い地方の内需が大いに潤い、
育児関連産業で膨大な雇用が新規に生まれる。
母親は働きに出ることができ、出生率が上昇して消費が確実に増える。

また、原子力発電を半永久的に凍結し、環境税を引き上げて
税収を全額コージェネ推進と木質バイオマス熱利用に投入すべきである。
エネルギー需要地では一気に熱利用が進み、
化石燃料の輸入は大幅減少、その分は内需に還流する。

農業では日本版AOC(原産地呼称)の導入、
漁業では漁獲枠の大規模導入、林業では国産材建築の推進、
木質バイオマス・コージェネの発電分の固定価格買い取り、
食産業ではMOF(国家最優秀職人章)の導入、
我が国の政府も官庁もこうした必要な施策を全く実行していない。

重要なのは予算消化やくだらない選挙向けアピールではない。
真に効果を発揮する施策を探り当て、衆愚的抵抗を打破して断行することだ。

…下の著書では、政府や官庁のトップダウン型の行政を厳しく批判し、
先駆的な町並み保存で有名になった著者が、
「公共事業は金をドブに捨てるようなもので、やってもやっても地域はよくならない」
「行政マンの心を入れかえない限り、行政改革はできない」

と言い切っている。硬直化した他者依存の自治体への強烈な皮肉となっている。

▽ 地方自治体の抱える根深い問題が分かり、非常に参考になる

『反骨の公務員、町をみがく---内子町・岡田文淑の町並み、村並み保存』(森まゆみ,亜紀書房)


少なくとも全国で下條村と同様の施策が行なわれ、
出生率がV字回復すれば確実にGDPも税収も伸びるが、
次元の低い安倍政権と馴れ合いの知事会には無理であろう。

「全国知事会議が「少子化非常事態宣言」を採択したとのことで、
 それはそれで遅きに失したものではあるものの評価できる」

「しかし、本当に「思い切った政策」が実行できるのかは甚だ疑問である。
 これまでの地方自治体の「実績」から見て期待する方が間違っている」

「全国知事会では、少子化対策において劣等の自治体を厳しく批判することはできない。
 有効な施策を自ら出せず、国に予算を要求する手段に堕してしまうであろう」

「そもそも地方自治体は、他所の優れた施策から学ぶ謙虚さが全くない。
 もし本気で出生率を引き上げたければ、長野県下條に倣う筈である。
 即ち、人件費と公共事業を徹底的に合理化し、育児世帯への現物給付を強化するのである」

「既に素晴らしい結果を出している自治体の模倣すらできずに
 「思い切った政策」など実行できるとでも言うのか」

「日経新聞では「高齢者から若年世代への資産移転」という決定的な施策に言及されている。
 退職金への税優遇を大幅に縮小すれば容易に予算が出てくるし、
 地方税も若干引き上げて育児支援の現物給付に充当すれば確実に効果が出るが、
 多くの横並びで凡庸、官公労からの圧力に弱い地方自治体には
 そういった「思い切った政策」で率先垂範する能力が決定的に欠けている」

「また、横並びで新幹線や空港や箱ものを建設して赤字を拵えている間に
 地方から都市部へ若年人口は流出し続けており、
 その「戦犯」は間違いなく地方自治体である。
 (交通網を整備すると魅力の少ない地域からは人材が出ていくのだ)」

選挙目当てから始まった「地方創生」も、最初から失敗が約束されている。

 ↓ 参考

地方自治体にも絶望的な少子化への責任、自己批判できるのか −「思い切った政策」を行わない自治体
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/3ebec4a7e6fe9475b0895adc3b5a1abb‎‎

「奇跡の村」下條の出生率回復は住宅等の現物給付が主因、行政改革でも卓越 − 低次元の安倍政権と大違い
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/08bd9d382dd2624bd567b845d473189

▽ このような卓越した企業を抱えている自治体でも、人口は減っている

『スノーピーク「好きなことだけ! 」を仕事にする経営』(山井太,日経BP社)


▽ 熱供給を主軸とする小規模エネルギー産業は有望だが、施策の巧拙に大きく左右される

『エネルギーを選びなおす』(小澤祥司,岩波書店)


農山漁村、約4割が「衰退する」=都市住民は定住願望も―内閣府世論調査(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201408/2014080900216
内閣府が9日発表した「農山漁村に関する世論調査」の結果によると、農山漁村地域住民700人に地域の将来を聞いたところ「衰退する」と答えた人が37.6%に上り、「活性化する」と答えた人の13.6%を大きく上回った。
〔中略〕
 農山漁村地域の住民に対し、生活する上で困っていることを複数回答で尋ねたところ、「仕事がない」(32.7%)、「交通手段が不便」(31.7%)、「買い物、娯楽の施設が少ない」(30.9%)などの順になった。都市住民が定住する際の問題点についての質問でも、これらの回答が上位を占めた。
 一方、都市住民1147人に対して農山漁村地域への定住願望の有無を聞いたところ、「ある」「どちらかというとある」と答えた人の合計が31.6%となり、2005年11月の調査に比べて11.0ポイント増えた。こうした人の定住を実現するために必要なこととしては、「医療機関の存在」(68.0%)、「仕事がある」(61.6%)、「家屋、土地を安く購入できる」(47.2%)などが多かった。

日本の地方の一番悪いところは、地域の良さを理解せず、
それを上手に売り出そうとせず政治や中央官庁に泣きつくことだ。
丁度、災害や貧困を過大にアピールして援助増額を求める破綻国とよく似ている。

非常に豊かな田舎がある欧州では地域資源の磨き方が巧みだし、
自らの地域の良さをよく理解しているし活用法も優れている。


「地方創生法」で地方は活性化するのか?(THE PAGE)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140726-00000002-wordleaf-pol
”安倍首相が、地方の人口減少に歯止めをかけ、地方を活性化させるための「地方創生」関連法案を提出する方針を明らかにしました。
 法案の具体的な内容はまだ明らかにされていませんが、安倍氏が、ふるさと納税制度を使って地元の名産品の売上げを伸ばした事例を引き合いに出していることから、地方の特色を生かした製品やサービスの開発などを後押しする内容が盛り込まれると考えられています。
 日本における東京一極集中に対する批判はかなり以前から存在していました。補助金行政のほとんどは、地方と都市部の格差を縮小することを大義名分としていますし、官主導で地方経済を活性化する方策は形を変えて何度も実施されてきました。特に有名なのは1988年に竹下内閣が実施した「ふるさと創生1億円事業」でしょう。
 これは各市町村に対して使い道を指定せず、一律に1億円を支給するというかなり大胆な政策でした。しかし現実に1億円を交付された自治体の多くは、お金をどのように使えば良いのか分からず、ほとんどがムダな施設の建設に消えてしまいました。これ以外にも、中央官庁が主導する地域振興策は、地域の実情に合わないなど、うまく機能しないケースが少なくありません。
 こうした事例の存在は、官主導で地方経済を活性化させようという考え方には、そもそも無理があるという現実を示しています。熊本県のキャラクターである「くまモン」は大成功したケースといえますが、くまモンが話題になると、各自治体がこぞって同じような企画を始めてしまい、どの自治体を見ても似たようなキャラクターばかりという状況になっています。また、ある商店街の活性化策がうまくいったという話になると、無条件に同じものを導入しようと、各地域から視察者が殺到するというのもよくあるパターンです。
 各地域の人が、自分達の手で真剣に検討したやり方でなければ、本当の意味での地域活性化策にはなりません。単純に補助金を付けるといった方法では、以前のようにハコモノが出来て終わりという結果になってしまうでしょう。
 地方は人口減少が著しい状況となっていますが、それでも、志と能力を持った人たちは大勢います。本当の意味での「地方創生」策は、こうした人たちの行動を既存の制度が邪魔しないための基盤整備にあります。
〔中略〕
 「地方創生」関連法案が、従来のハコモノ行政型とは一線を画した内容であることが強く期待されます。 (The Capital Tribune Japan)”

THE PAGEでうまくこの問題を纏めている。
欧州の豊かな地域と比較すると更に良かっただろう。

付け加えると、うまくいった活性化策に「視察者が殺到」するのは結構だが、
視察した後、何らかの成功に結びつけた事例が皆無に等しい。
公費を使った視察に明確な成果がなければ、行政訴訟の対象とすべきである。
税金で物見遊山に来ているような連中に大改革を実行できる訳がない。
コメント

7月の売上高が前年割れの企業が半数以上、上振れと見る企業はたった11% − これがアベノミクスの現実

2014-08-18 | いとすぎから見るこの社会−全般
露骨な安倍政権擁護の姿勢を隠さないフジサンケイグループが、
「政府の対策は想定以上に効果が薄かった」と事実上認める報道を出している。
流石に現下の景況停滞を無視することができなくなった訳である。

…昨年、感度の鈍い多くのメディアは気付かなかったが、
吉本佳生氏が今日の状況を的確に予言した本を出している。

識者に高く評価された吉川教授の『デフレーション』よりも優れた点が幾つかあり、
例えば「円安により中小企業はコスト高で寧ろ苦しくなる」、
「若者・女性・非正規労働者の賃金が上がることが内需には重要」、
「相対的に高所得の大企業労働者・公務の賃金が上がっても消費増は限定的」、
「アベノミクスはこのままでは成功しない」
と指摘している。
まさに今、日本経済が直面している現実を昨年の段階で見通していた訳である。

加えて言えば、当ウェブログが指摘したように、
消費税引き上げ分をスウェーデンのように育児支援・雇用政策に投入すべきであったのに、
育児関連はたった1000億ちょっと(しかも族議員への利益誘導予算)しかなく、
自民党お得意の高齢者三経費の「買票」に近い巨額バラマキは維持されている。
(最近では選挙に勝ちたいがために新手の地方バラ撒きを始めると報じられている)
これでは政策先進国スウェーデンの3%近い成長に追いつける訳がない。

「口だけは巧みになった安倍内閣の馬脚ぶりも明白になりつつある。
 異次元緩和など所詮、欧米の景況回復と海外投資家に助けられた僥倖に過ぎず、
 国土強靭化などという粉飾されたバラマキで実体経済を欺くことはできない。
 次は「第三の矢」の「次元の低さ」が発覚する局面に入る」

とした当ウェブログの想定通りに事態が進んでいる。

2004〜2007年の円安期に日本経済がどうなっていたかを振り返れば、
直近の日本経済の失速は容易に予想することができた筈である。
日本の多くの識者やメディアは余りにも健忘症がひどい。
下の吉本氏の予言的な著書を読み自らの不明を反省すべきである。

▽ 処方箋は非常に弱いが、分析は極めて優れている

『日本の景気は賃金が決める』(吉本佳生,講談社)


以下が当ウェブログの従前よりの主張である。

「強気の安倍内閣・日銀に対し、民間の予測は下振れしている。
 97年よりも落ち込みが大きいというのは大変なことだ」

「マクロ経済環境は97年より遥かにましだが、
 日本の少子高齢化と高齢者三経費バラマキは深刻化している。
 能天気な楽観が許される局面では全くない」

「人口老化の著しい日本社会の場合、折角の間接税の税収増も
 政治的圧力および自民党の迎合政策により高齢者三経費に蕩尽されてしまう」

「日本経済の成長に資する政策を提案・断行する能力が
 自民党に全くない以上、日本経済の近未来は絶望的である」

「「経済最重視の姿勢」を示しても
 そもそも安倍内閣の政策は「次元が低い」ので意味がない」

「本当に若者の雇用と子供の育成に重きを置くなら「地方創生」など唱える筈がない。
 これでは高齢化率の概念と各地域の実態を全く理解してないことになる。
 社会保障政策とフレキシキュリティへの理解度が低い証拠であろう」

「アベノミクス効果かどうかは疑わしいが、株主や経営層は別世界にいる。
 今の景気回復局面では恩恵が一部に集中しているのである。
 彼らは自己利益のためにアベノミクスを賞賛し利益誘導策の実現に必死になっている」

「そろそろ世論もアベノミクスの虚妄を見抜いてきた。
 もう少し早く気付くべきだったとは思うが、
 壮大な社会実験の失敗という点では他山の石となるであろう」

世論調査では安倍内閣不支持の大きな理由として「政策が悪い」が入っている。
最初から分かり切っていた話であるが、愈々誤摩化せなくなってきている。

 ↓ 参考

あの1997年より大幅に悪い、14年4〜6月期のGDPがマイナス7%台へ − 民間予測は大幅下方修正
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/fd1ccc62a524c0c0f49cf16f77c22a3a

法人減税分の資金の使い道、1位は「内部留保」− 次元の低い「成長戦略」は所詮この程度
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/b05cdada9cec55a50f2d43ab46a65b79

▽ 日銀内では「インフレがオーバーシュートするまで異次元緩和をやめられないのでは」との声が出ている

『日銀、「出口」なし! 異次元緩和の次に来る危機』(加藤出,朝日新聞出版)


消費税率10%、難しい決断 GDP6.8%減…内外需とも牽引役不在(sankeibiz)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/140814/mca1408140500001-n1.htm
”4〜6月期の国内総生産(GDP)は東日本大震災の発生時以来の下げ幅となり、景気の先行きに懸念をもたらす結果となった。消費税増税前の駆け込み需要の反動で過去最大の落ち込みとなり、GDPの足を引っ張った個人消費は、反動減が和らぐ夏場から盛り返し、景気は持ち直すとの見方も強い。ただ、ガソリンや食品の値上がりで家計は圧迫され、実際には回復の足取りは鈍い。2015年10月に消費税率を10%に再増税するかを安倍晋三首相は7〜9月期の景気動向を基に年末に決めるが、難しい決断を迫られそうだ。
 「増税後の消費の落ち込みの見通しが甘かった」。GDPの速報値を知り、多くのエコノミストはこう漏らした。民間の各シンクタンクは1〜2カ月前、4〜6月期の実質GDPは年率4〜5%減程度にとどまるとの見通しを示していた。しかし、その後に発表された経済指標で改善の遅れが明らかとなり、7%前後の減少に相次いで修正。結果は6.8%の減少だった。
 読み違いの背景には、消費税率を8%に引き上げる際に政府が講じた対策が、想定ほど効果を発揮しなかったことがある。増税前の駆け込み需要の反動減が景気を冷やした1997年の消費税増税時を教訓に、今回の増税にあたって政府は住宅ローン減税を拡充し、自動車の取得税の税率も4月に普通自動車で5%から3%に下げるといった駆け込み対策を矢継ぎ早に講じた。
 しかし、内閣府の試算によれば増税前の駆け込み需要は97年の約2兆円に対し、今回は2兆5000億〜3兆円に膨らんだ。
 反動減も大きく、4〜6月の住宅投資は前期比10.3%減、自動車や家電などの耐久消費財は18.9%減。SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは「政府の対策は想定以上に効果が薄かった」と指摘する。
 本来は消費の落ち込みを補うはずの公共投資も伸びを欠き、設備投資も低調なまま。円安で回復が見込まれた輸出も減少し「内外需ともに牽引(けんいん)役が見当たらない状況」(明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミスト)も回復の足かせとなった。

 今後の焦点は、4〜6月期の落ち込みを7〜9月期でどれだけ回復させられるかに移る。日本経済研究センターが民間エコノミスト42人に聞いた7〜9月期のGDP予測は平均で実質年率4.08%。消費税増税の反動減が薄れるほか、総額5兆5000億円の補正予算の効果で、公共投資を中心に回復が見込めるというシナリオだ。
〔中略〕
 ただ、足元の公共投資は人手不足による入札不調も相次ぎ、想定通りの効果を生み出せるかは見通せない。さらに、百貨店売上高の減少基調が続くなど個人消費も回復の動きは鈍い。消費不振が長引けば企業の生産や設備投資の下振れ懸念から、一段の金融緩和や追加の経済対策を求める声も高まりかねない。
 安倍政権は増税後の景気減速を乗り越え、経済を回復軌道に乗せられるか。アベノミクスは試練の時を迎えている。”

政治的なバイアスの強いフジサンケイグループのメディアですら、
安倍内閣の経済対策が「想定以上に効果が薄かった」と認めざるを得なくなっている。
元々「次元が低い」のだから当然であり、何ら驚くべきことではない。

しかし、この期に及んでもなお「人手不足による入札不調」の元凶が
安倍政権の「国土強靭化」と称したバラマキにあることに気付かない。
乗数効果の低下した古臭い政策のお粗末さは小渕内閣で実証済みなのに気の毒なことだ。


売上高7〜9月「下振れ」 10月以降は回復 主要企業調査(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ16H0F_W4A810C1MM8000/
”日本経済新聞社が消費の現状と先行きを主要企業に聞いたところ、23%が7〜9月の売上高が期初の計画から「下振れする」と答えた。7月の売上高は半数を超える企業が前年実績を下回り、7〜9月が「上振れする」と答えた企業は11%にとどまった。力強さを欠く個人消費の現状が明らかになった。
 調査は全国の小売りやサービス、消費財メーカーなど主要140社を対象に8月上旬に実施。106社から回答を得た。〔以下略〕”

日経新聞は、消費の先行きが下振れしていることを報じている。
GDPの6割前後を占める消費の活性化なくして成長率向上はあり得ない。
愚かな安倍内閣が税収を選挙目当てのバラ撒きにしか使わないから経済停滞は当然の話だ。
7〜9月期のGDP下振れの可能性が刻々と高まっていると言えよう。
コメント

外国人が2005年以来の巨額売り越し、モメンタムなき東証 − ポンドは意想外の賃金見通し悪化で急落

2014-08-17 | 注目投資対象・株価の推移
              ↑ USD/JPY(ZAI) また下向きに頭を押さえられる展開か?

金曜日のウクライナ問題再燃は市場へは限定的な影響しか与えないように見えるが、
為替市場では必ずしもそうではない。ユーロ円が久々に反発しかけていたが
大きく押し戻されてダウントレンドの軌道に回帰してしまった。
そうなれば当然、ロングポジションを諦める投資家、
ショートポジションを新規に構築する投資家がともに増えることになる。

欧州経済の急回復が到底望めない局面なだけに、
このままずるずる後退する流れになりかねない。
当ウェブログの想定内の展開ではあるが。

「矢張り欧州経済が失速してきた。
 EUもロシアも簡単に妥協できる筈がない。
 またユーロの水準を切り下げて一時凌ぎをするしかあるまい」

さて問題は、米中間選挙前にグローバルマクロが
ひと動きして市場を攪乱するかどうかだ。
折しも外国人投資家が10年ぶりの規模で東証を売り越すという不吉な兆しもある。

「グローバルマクロがまた動き始めた模様とか。
 気を見るに敏な彼らのことだから、いかにもありそうな話だ」

「当ウェブログの市況観は彼らと屢々重なっている。
 あとひと月の内に彼らが大きく動くと確信している」

「ひと相場つくるには、米中間選挙の円高アノマリーがあり、
 欧州経済悪化の気配が濃厚で、ユーロが大きく下げそうな今が最適である」

「特に日本市場は、GPIFの確実な買いが9月以降に期待できるので
 (手の内を見せる愚かな安倍内閣が、彼らにまた儲けの機会を提供している)
 売り崩すなら多くの外国人がヴァカンス中の今である。往復で20%以上は取れる」

と当ウェブログでは見ている。

「マレーシア航空機の悲劇によってロシア制裁強化は不可避となった。
 ロシアとの取引の多い欧州経済にとっては重大な打撃となる」

「気になったのはポンド円の急落だ。先月初旬までの強さが失われている。
 ロシア制裁の影響を予言しているのかもしれない」

という当ウェブログの見通しも的中している。
先週書いたように、まだ「影響が出始めているステージ」である。

一方、ムンバイの対香港での優位は定着したものと見える。

「通常なら続伸する筈の指標好転で、逆に反落や停滞が生じるのは警戒信号だ。
 敏感な投資家が警戒レベルを引き上げ、ポジションを手仕舞う契機となるからだ。
 だから、こうした際に市場に過剰期待があると大きく崩れ易くなる」

「矢張り市場は雇用統計の好転を既に織り込んでいたようだ。
 景況回復を見込んで上昇してきたため、所謂「事実で売る」形である」

「南欧国債の利回りは異様に低い水準になっており、
 何か想定外が起きると脱兎のようにマネーが逃避すると容易に予想できる。
 これは突発的な円高を招く強力な要因である」

「ポルトガル以外にも銀行セクターが痛んでいる南欧国は複数存在しており、
 「延焼」に敏感に反応する可能性が充分にある」

「当ウェブログは、グローバルマクロが大きく動くのは
 米中間選挙まで控えられる可能性が高いと見ている」

これまでの当ウェブログの見方も修正の必要はないと判断している。
グローバルマクロが大きく動く時機が近いと感じる。
過剰期待の存在はNY市場において証明されたが、東証でも証明された。

「ここ暫く為替との連動性が薄れ、SP500指数に連動していた東証だが、
 再び為替との連動を強め、NYに劣後し易い局面に入りつつあると判断する」

と書いた当ウェブログの見方も依然として維持する。

「通常の底打ちではガツン! と巨額の外国人買いが突然入ってきて、
 驚いた売り手が急激な買い戻しを強いられる。
 その後も継続的な資金が海外から入ってきてチャートに局面転換が刻印される。
 具体的には下げ基調が反転して異なる角度のラインが形成される。
 今回は買い戻しだけである。個別銘柄でも底打ち確認は多数派ではない」

「2005年の東証は米中間選挙をものともしなかったが、
 当時は住宅ブームと中国経済の成長に助けられていた。
 今年2014年はそのいずれも欠けている上に年頭は過剰期待だった。
 外国人は見かけ倒しのアベノミクスの非力を見抜いている。
 あらゆる面で2005年よりも状況が悪い」

「東証は1万5000円台を回復したが、半信半疑といった感じだ。
 明確な底打ちをもたらす海外勢の巨額の買いではない。
 上がっているから仕方なく買う、というスタンスである」

「ユーロはECBが手の内を見透かされ反転したが、
 ECBの危機感が強く注視しておいた方が良い」

「ドルは米金利の反発が鈍く、依然として良い状況ではない」

「米利上げはまだまだ先のことだから、油断は禁物である。
 需給が好転する秋冬まで大人しくしてくれるような市場ではない。
 必ずひと波乱、ふた波乱ある筈だ」

「今月、来月と加速度的上昇トレンドを維持できれば話は別だが、
 この可能性は今のところ低いと見ている」

と当ウェブログは書いてきたが、これらの見方も変わらない。

「佐々木融氏がロイターのコラムで「ドル96円説」を唱えている。
 詳しくはそちらを参考にされたいが(熟読を強力に薦めておく)、
 QEを巡り投資家が大挙してFRBの金融政策を先取りして動くため、
 QE開始で金利が上昇し、QE終了で金利が低下するという
 一見すると逆転した現象が起きてしまうとの見解だ」

「極めて合理的で、説得力のある説である。
 氏の主張に従えば、米金利は2%近くにまで低下することになる」

「ユーロ高で欧州の対外購買力が増している筈なのに、
 中国の欧州向け輸出は低迷している」

「東証は今年大きく下げてきた不動産が底打ちかと思える状況だが、
 もう一段の下げを想定しなければならない可能性が高まってきた」

「内閣府が景況判断を引き下げている。
 落ち込みは一時的ですぐ回復すると思い込んでいる向きが多いため、
 もしそれが裏切られたら衝撃は大きい」

「アベノミクスの成長政策は「口先だけ」だと海外投資家には見抜かれている。
 法人減税は株主を潤すので効果はあろうが所詮、成長性を高めない限定的なものに過ぎない。
 再び米経済が加速してドル円が再上昇するまで大きな期待はできないと見ている」

「日本の個人投資家がユーロ買いを膨らませている一方で、
 円高を見込む大口オプションの存在が指摘されているのも懸念材料だ。
 (こうした場合、一般的に情報の精度と質に優るプロが勝つことが多い)」

という当ウェブログの想定を依然として維持している。
ドル円は3月下旬の103円台に戻る推進力が足りない。

「低金利の環境下で米国株が伸びる一方で、
 ドル円が停滞するため東証は劣後することになろう。
 次元の低いアベノミクスで日本経済は着々と成長率予想が低下しており、
 人口動態が健全な米経済と差が開きつつある点も痛い」

「ドル急落の衝撃は大きく、チャート上では強い下方圧力の発生が見える。
 市場心理の悪化で悪材料に対しセンシティブになり易い局面である」

「連動している中国経済と豪州経済はすっかり停滞している。
 2009年の際の力強さは完全に消滅しており別の経済圏のようだ。
 こちらも東証の反発力を抑える要因である」

「ウクライナ問題がすっかり長期化の様相を見せているため、
 ロシアとの取引が多いユーロ圏経済にじわじわ問題が波及し、
 それが米経済にも影を落とすシナリオも懸念される」

「シリアに似た状況に見えるが、
 ユーロ圏経済への悪影響はシリアの比ではない。
 特にロシアに多額の投資を行っているドイツ経済への懸念が強まろう」

「ドルもダウも下落している場合、東証を支えるものは何もない。
 スペックの売り仕掛けも鈍重な投資家の投げ売りも重なり易くなる」

「所詮、東証は外国人によって「作られた」相場に甘んじるしかなく、
 彼らの集団心理や仕掛けによって振り回される運命にある」

「追加緩和は「単発」なのでスペックの売り崩しに対するカウンターとならなければ
 たちまち寄ってたかって好餌にされてしまうのが目に見えている。
 もっと市場センチメントが悪化してからでないと空砲になるから
 いま追加緩和に期待するのは市場の駆け引きを分かっていない人間だろう」

「香港インデックスがムンバイに遂にキャッチアップされた。
 市場を見る限りでは、中国の高成長は「終わった」と言えよう。
 この市場の動きが、中印の成長率逆転を予言するものかどうか、注視したい」

「シリアには化学兵器の放棄という落とし所があったが、クリミアにはない。
 従って、シリアのように急激に危機前の状況に復帰する可能性は極めて低い。
 今回、米露とも大規模軍事介入は不可能である。
 米軍はウクライナでロシア軍に対抗することは地政学的に不可能だし、
 ロシア軍が大規模軍事加入を行えば米欧から強烈な経済制裁を受けて自国経済に大打撃だ。
 だからロシアは口では平和を唱え、裏では覆面軍事介入を続けるだろう。
 一方アメリカも妥協できない。オバマは弱腰として批判されており、
 クリミア独立編入を座視したら欧州に批判されるだけでなく国内で袋叩きになる。
 また、ウクライナ東部でロシアの影響を受ける勢力が一斉に蜂起し
 次々と「クリミア化」を進めてウクライナを二分してゆくだろう」

「米露とも決め手を欠き相手の出方と国内世論を窺いながら
 威丈高かつ慎重に度胸試しを続けることになろう。
 経済制裁もブラッフをかませながら小出しにして
 決定的対立をぎりぎりで回避しようとするだろう」

「ウクライナではクリミアの分離がほぼ既定事実となっており、
 そうなるとウクライナの穀倉地帯や資源関連も分離工作の対象となるのは避けられず、
 米欧露のパワーゲームと小競り合いの継続は必至である」

「緊急性が何一つない集団的自衛権の行使容認に血道をあげるという、
 だらしなく弛緩し切った安倍政権の政治ゴッコが続く間に、
 外国人投資家はアベノミクスを小馬鹿にし足蹴にし始めている」

「早くて今年、遅くともあと2年でアベノミクスなどという「次元の低い」バズワードが
 ただの幸運に恵まれたキャッチフレーズに過ぎないことが発覚する」

「バフェットは「潮が引いて初めて、誰が裸だったか分かる」と言っていたが、
 景気停滞や後退が起きて初めて、鈍い有権者は安倍政権の無力を悟るであろう」

「日本企業の決算数値を見て、今期の見通しの低さに懸念を持った投資家は多かろう。
 昨年の増益を見て安心している愚か者は、根本的にリテラシーがないと考えてよい。
 今の東証の沈滞は、必ず数ヵ月後の経済指標の悪化となって反映されることになる」

以上が、これまでの当ウェブログの見解である。
東証が今の堅調を維持できるかどうかには今のところ懐疑的である。
ウクライナは改善傾向だが、推移を見極める必要がある。

下の見通しも依然として維持している。
香港市場はムンバイから抜き去られてしまった。

「年初は1万3000円台までの調整は充分あり得ると考えていたが、
 1月、2月と余りにも市況が悪くモメンタムが完全消滅したので、
 今はその弱気すら修正せざるを得ないと考えている」

「市況悪化で、1万2000円台までの下落が視野に入ったと判断する。
 東証ロングもドルロングも円ショートも刻々と状況が悪化している。
 能天気で市場の怖さを侮った金融関係者の言葉を真に受けるからそうなるのだ。
 最も動きの遅い投資家が恐怖に襲われた時、下落幅は予想外の大きさになる」

「今年はショートを適切に使わないとパフォーマンスが大きく低下する、
 それが当ウェブログの見方である」

「株価は代表的な先行指標の一つであり、実体経済を先取りして動くものだ。
 景況が持続的に改善している時期にこのような下落が起きる訳はない」

「世界経済の回復が緩慢である以上、2006年のような外需成長は期待薄であり、
 内需落ち込みが予告されている以上、日本経済への急ブレーキと、
 今迄は幸運に恵まれてきた安倍政権の転落は不可避である」

「市場の女神が微かに囁いているのを感じる。「Sell their Abenomics」と」

以下の当ウェブログの見解も維持している。

「ドル円やクロス円の年初の高値を奪回する
 モメンタムが残っているようには到底見えない」

「ドル円もクロス円も頭打ちで上昇力が弱い。
 特に問題はユーロだ。理由不明だが明らかに弱い。
 何かユーロ圏に問題が発生しているのか注視したい」

「どうせドル高方向だろうと油断すること自体がリスク要因である」

「実際、ユーロ圏の指標が良い割にユーロは上昇していない。
 市場参加者の考える水準が市場の現実から乖離し始めているのである」

「堅調すぎるほど堅調な市況、しかしそれだからこそ却って嫌な予感がする。
 2014年は暢気な楽観論者がいきなり横っ面を張られるような
 大波乱の年になるかもしれない」

「円安急伸は東証にとって強力な追い風であるが
 その分、2014年の日本株のパフォーマンスが削られる可能性を見ておきたい」

「1月最初の週の暗雲漂う市況は、矢張り純朴で単純過ぎるリフレ派が
 恥辱とともに滅ぶ前兆であると考えざるをえない」

「力を誇る者は力に滅び、富を誇る者は富に滅び、
 市場を侮る者は市場に滅ぶ。これが万古不変の定理である」

「昨年末の先物主導の上昇と、記録的な円売りポジション残高のもたらした
 「脆弱な高値」が急落をもたらしたのだ。市場の論理から言えばそうなる」

「市場心理の面においては、東証の活況を能天気に信じ込んでいた外国人投資家が
 想定外の下落に慌てふためいて続々と悲観派に鞍替えしているのが現状である。
 従って年初の日経平均1万6000円台の奪回には相当の時間を要する」

「この期に及んで強がって「年末に日経平均は1万8000円」と強弁する論者は
 市場を全く理解していない。市場は愚かな人間よりも遥かに的確に未来を予見する。
 年初からこの急落に襲われたという事実は、今年の景況が予想よりも悪いことを示唆する」

「それ以前の二次曲線的落下も事実だった訳で、
 ひとまず市場心理悪化は食い止められたが
 いつでも問題は再燃する可能性があると思われる」

以上が当ウェブログの直近の見通しである。
「悪い円安」は暫く遠ざかったが、いずれにせよ
大勢の低所得者が苦しみ、じわじわと不満が安倍政権に向かうだろう。

「外国人にとって日本市場はいまだに「新興国」の部類である。
 米市場と違って金融政策の効果は限定的で、
 (幻覚を見ている日本人が多いが、真実は必ず明らかになる)
 外乱要因による影響を受け易くボラティリティが高い」

「国内投資家のプレゼンスも大幅低下しており
 回転が速く動きの俊敏な海外スペックに翻弄され易い」

「日本株下落や円高の時は口を極めて外国人を諸悪の根源のように罵った低能なメディアは
 彼らが東証を大幅に押し上げると「アベノミクスのおかげ」と大本営発表の片棒を担ぐ。
 健忘症の連中は、数年後にまた「外国人の日本売り」「投機」と批判するだろう。
 お前達の言説の方が遥かに風見鶏であり投機的である」

「「悪い円安」の黒い影が刻々と接近していることを認識していない者が非常に多く、
 2014年は前半でピークを付ける「二日酔い状態」になりかねない」

「ドル高円安が進行することで日本の輸入物価高・CPI上昇を招き、
 スペックの仕掛けによる自己実現的な円安トレンド定着の可能性も見えてきた。
 2013年前半にジョージ・ソロスが不吉な予言を行ったように、
 「円安が止まらなくなる可能性」を見ておくべきである」

「財務省の法人統計で衝撃的な数字が出た。
 米経済回復でドル高円安が進み輸出業に大きな恩恵が及んだにも関わらず、
 日本企業の自己資本比率は過去最高の水準となったのである。
 投資増の勢いは依然として弱く、人件費に至っては前年比で5%も減少している。
 自民党政権と経済界が結託して労働者の実質所得を減らしていると考えざるを得ない」

「このような内向きの日本企業を優遇したところで、
 日本経済が強く回復する筈がないのは火を見るよりも明らかである。

「成長率が低下しているにも関わらず政策に嘴を挟む大企業と癒着し、
 経営層や株主ばかりに恩恵を及ぼす自民党の旧態依然の体質が露見する。
 2014年に急落するのは間違いなく安倍政権の支持率である。
 2015年にはリフレ派への評価は地に墜ち、アベノミクスは嘲笑の対象となろう」

当ウェブログの以上の見解も変更しない。
消費税引き上げの前迄は概ね変わらないだろう。

「機を見るに敏なエコノミストは、所謂アベノミクス効果と見えた現象が
 米経済好転に支えられた偶然であることを示唆し始めている」

「東証急騰は、機を窺っていた海外ファンド勢の一斉突撃によるもので、
 日米経済回復を当て込んだ「思惑」による作られた相場であるのは明白だ」

「ドルが100円に達するスピードが速過ぎたため、
 今後は梯子を外される反落の可能性を見ておくべきである。
 IMM通貨先物では再び円ショートポジションが積み上がってきており、
 海外ファンド勢には相場を吊り上げて売り浴びせるだけの力がある」

と書いてきた当ウェブログの見解は今週も維持する。
…2014年は紛れもない「失望の年」になりかけている。

「市況を見れば分かるようにアベノミクスはもう既に過去の材料になった。
 投資家の目はアメリカに集中している。
 米経済指標を睨みながら前のめりな姿勢を強めるだろう」

「米経済が回復し日米金利差が拡大すれば
 民主党だろうが自民党だろうが円安ドル高の恩恵で東証は上がるに決まっている。
 所詮はアベノミクスの3本の矢など誤差の範囲に過ぎない」

「たとえ民主党政権が続いていたとしても円安に転換し、東証は上がったであろう。
 しかしアベクロコンビがスタンドプレーに走ったせいで上昇が先食いされてしまい、
 来年、再来年の株式のパフォーマンスは総じて低下せざるを得まい」

「上昇を先食いしたために東証の足元は脆弱になっている。
 2014年、2015年には無理をした今年前半の報いで
 相当厳しい市況になることは容易に予想される」

「論より証拠、IMFは今年の日本の成長率を2%程度、
 2014年の成長率は鈍化して1%程度と予想している。
 まさに「馬脚をあらわす」である」

「2015年以降は、安倍政権や黒田日銀が何と言おうが
 マーケットはそれを嘲笑し完全無視して動くであろう」

「来年度、再来年度は上値が重い展開になると予想されるので、
 今年度の内に打つべき手は打っておかなければならない」

「ドルへの資金回帰の奔流はドルを押し上げ円を沈ませる。
 回り回って東証に資金を導く強力な援護射撃となろう」

「円安の援護のない東証は「片肺飛行」で
 モメンタムが著しく失われることがはっきりした」

「中国があのベア・スターンズ破綻の段階に近いとバロンズが書いているそうだが、
 個人的にはまだ2007年のパリバショックの前あたりだと考えている。
 まだ市場に強い恐怖感は漂っておらず、警報は弱い」

「「VaRショック」の10年ぶりの再来も警戒される。
 不動産セクターは安易に買ってはいけない。
 安直な黒田バズーカが国債市場を壊してしまっているので
 そのマグニチュードは予想外の域に達する可能性がある」

「IMFのブランシャール氏が所謂アベノリスクを事実上認め、
 財政再建や構造改革を実現できなかった場合、投資家の信認が失墜し
 世界経済のリスクとなる恐れがあると指摘した」

「参院選での野党の自滅で自民党の古い体質が墓場から蘇るだろうから
 今後警戒すべきは「ねじれ解消リスク」である」

「自民党は歴史的に利益誘導・分配型の政党であり、
 80年代以降の自民党政権の実績が証明しているように、
 経済政策を成功させる力量に欠けることは明らかだ。
 自民が参院選で盛大に勝てば勝つほど、次回の選挙は惨敗することになる」

「マーケットはねじれ解消で政治が安定すると見ているがそれは甘い。
 ねじれを解消させてしまったために電力利権や道路利権等の抵抗勢力が続々と蘇り、
 財政悪化と人口動態の劣化が容赦なく進むであろう」

「東京オリンピックは結構なことだが既に政治の道具にされている。
 数値から見て成長率改善効果は殆どないに等しく、
 歴史的教訓から考えて景況の落ち込みは必至である。
 今の喜びが大きければ大きいほど、かつがれたと知った時の怒りは大きくなる」

当ウェブログは以上の見解を依然として維持している。
VaRショック再来は当面遠ざかったが、
輸入物価高、自動車関連ひとり勝ちの懸念が強まっている。

一方、長期金利の動きから見て「事実上のマネタイズ」との見方は的中しつつある。

「目先の円安に幻惑され、日本の将来に不吉な影がかかっている」

「当ウェブログが予測していた「悪い円安」が、異様な速度で到来することになる。
 安倍・黒田コンビが市場を軽視したために、財政危機もほぼ確実に接近する。
 「剣によって立つ者は剣によって滅びる」との箴言と同じく、
 金融政策によって立つ者は金融政策によって滅びるのであろう」

「黒田総裁の「次元の違う」量的・質的緩和は、事実上のマネタイズである」

「日本の国債市場は再起不能になり、財政再建を果たす可能性はほぼ失われた」

「黒田バブルに便乗して億単位の稼ぎを得る者が続出するだろうが、
 今から警告しておく。決して調子に乗って騒いではならない。
 ツケを回された国民の強い怒りは決してそのような輩を許さないであろう」

一方、以下の当ウェブログの見解はほぼ的中と言えるだろう。
ユーロ大反転は確定した。

ここで言うゴールドはドル建ての想定であり円建てでは高値だが、
金利も配当も付かないゴールドを持つ理由は全くないので修正する必要は感じない。
FRBの緩和縮小観測で更なる下落の可能性が高い。

「ゴールドは「完全に終わった」と断言して良い」

「香港や上海市場を見ても分かるように、
 今の中国では内需主導で高成長を持続するのは不可能である」

「円安は明確に日本経済にとってポジティブである」

「ユーロ圏は深刻な経済悪化ではないだろうが停滞は必至」

今年は苦難の始まりの年となるだろう。
危険な「悪い円安」の時代がもうすぐそこまで迫っている。

↓ EUR/JPY(ZAI) 上方突破に失敗、依然としてダウントレンド継続


↓ GBP/JPY(ZAI) 利上げ予想は後退、クロス円の中でも極めて弱い展開


ドル円に隠れて目立たなかったが、
BOEのインフレ報告がネガティブ・サプライズでポンドが急落している。
英利上げ期待は急速に萎み、GDPが堅調でもまだ油断はできない。


ドルが米株高支えに買い優勢、ポンドは英中銀報告で下落=NY市場(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GD24620140813
”13日終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対円で一時1週間ぶりの高値に上昇し、ユーロに対しても朝方の軟調から持ち直すなど、買い優勢の展開になった。地政学問題が比較的落ち着いていた中で、米国株の上昇に支えられた。
 イングランド銀行(英中央銀行、BOE)が13日公表した四半期インフレ報告で賃金伸び率の見通しを大幅に引き下げ、市場の利上げ予想時期が後ずれしたことから、ポンドは下落した。
 ドル/円は102.54円と1週間ぶりの高水準をつけた後、直近は0.2%高の102.41円だった。
〔中略〕
 米小売売上高は、自動車が2カ月連続で減少したほか、家具や家電などが不振だったことが響き、予想の前月比0.2%増を下回った。
 ただ市場関係者の間からは、この数字は必ずしも今後のドルにとって悪材料にはならないとの声も聞かれた。

 USフォレックスのコーポレートFXディーラー、レノン・スイーティング氏は「7月の小売売上高の影響は長続きしないだろう。8月はある程度の改善が見込まれ、米経済が全般的に強くなり続けていることを示す」と指摘。「わたしは依然としてドルに強気であり、主要通貨の中では現時点でドルが最も値上がりする余地がある」と述べた。
 この日、円が売られたのは、日本の4─6月期国内総生産(GDP)の実質成長率が前期比年率6.8%減と、東日本大震災以降で最大のマイナスを記録したことも一因だった。予想の7.1%減よりはややマイナス幅が小さかったとはいえ、日銀には引き続き金融緩和圧力がかかり続けるとみられている。〔以下略〕”

これがポンド急落の背景を伝える報道。
英国もどうやら「賃上げなき弱々しい景気回復」になりつつある。

一方、ドルに強気な投資家は依然として多い。
対ユーロでは確かにそうだろうし、中期的には対円もそうだろう。
しかし問題は短期的に対円でどうなるか、ということだ。
今の米金利は円安ドル高の急伸を否定し、一時的な円高ドル安の可能性すら漂わせている。


海外投資家が8月第1週に日本株を1兆2702億円売り越し、今年最高(reuters)
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0GE0PU20140814
”8月第1週(8月4日─8月8日)の海外投資家による日本の現物株と先物合計の売買は、1兆2702億円と今年最高の売り越しとなった。売り越しは4週ぶり。ウクライナ情勢の悪化などで世界的にリスク回避の動きが広がったためとみられている。
 東京証券取引所がまとめた同期間の2市場投資部門別売買状況によると、現物株は、海外投資家が4571億円の売り越し(前週は1342億円の買い越し)となった。売り越しは4週ぶり。今年3月第2週の9752億円以来の売り越しとなった。
 一方、個人は4週ぶり買い越し。信託銀行は2週連続買い越した。
 大阪取引所がまとめた同期間の先物・オプションの投資部門別取引状況では、指数先物(日経平均先物・TOPIX先物のラージ・ミニ累計)で、海外投資家が8131億円の売り越し(前週は529億円の買い越し)となった。
〔中略〕
 野村証券によると、2005年の統計開始以来、過去最高の売り越し額という。”

よく知られているように、外国人投資家は
一度買いか売りを始めると、一方的な取引傾向を続けがちである。
がんがん上値を買っていくモメンタムは、今はない。


NY外為市場=ドル下落、ウクライナ危機受け円・スイスフランに安全買い(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/CRBKBN0GF23T.html
”15日のニューヨーク外為市場では、ウクライナ情勢をめぐる緊張が一段と高まったことで、ドルが安全通貨とみなされる円とスイスフランに対して売られた。
 終盤の取引で、ドル/円は0.1%安の102.33円で推移。
〔中略〕
 ドル指数は0.2%低下の81.44。
 ウクライナ大統領府はこの日、前夜にかけてウクライナ領内に入ったロシア軍の装甲車両をウクライナ軍が攻撃したことを、ポロシェンコ大統領が英国のキャメロン首相に報告したと発表。これに対しロシアは、ロシア軍は越境していないと主張。米国主導の北大西洋条約機構(NATO)による勢力拡大を非難するなど、対立は深まっている。
 コモンウエルス・フォーリン・エクスチェンジの首席市場アナリスト、オマー・エジナー氏は、ウクライナ大統領府の発表を受け円とスイスフランに逃避買いが入ったとしている。
 今週発表の米経済指標が全般的に軟調だったこともドル売り要因となっていた。ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は、「経済済指標が軟調だったことで、連邦準備理事会(FRB)が当面はゼロ金利政策を解除しないとの観測が裏づけられた」としている。
 来週は、20日にFRBが7月29─30日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を発表、21─23日にはワイオミング州ジャクソンホールでカンザスシティー地区連銀主催のシンポジウムが開催されるなど、FRB関連のイベントが焦点となる。〔以下略〕”

金曜は周知のようにウクライナ問題の再燃でダウが急落した。
100ドルを超える下落から切り返しているので
NYへの悪影響は今のところ限定的だろう。

しかしこの急落はユーロをダウントレンドに押し戻しており、
ドル円の上値の重さと相俟って、東証に不吉な影を落としている。

    ◇     ◇     ◇     ◇

注目銘柄、買い戻しを受けて先週からのショートポジションを縮小したが
新たにマツダ、富士重工のショートが必要と判断した。
日経平均やドル円と逆行している値の重さは明らかにおかしい。
マツダは「好決算だが、材料出てから買っても大して利益は出ない」と書いたのが的中した。

 ↓ 輸出関連(Yahoo.finance) 森精機の反発が弱い、自動車関連は総じて下向き



 富士重工(東証一部 7270) 467 → 670 / 573 → 1,283 / 1,938 → 2,563
               2,267 → 2,947     

 マツダ(東証一部 7261)  232 → 306 / 178 → 275 / 87 → 217 / 130
               298 → 314 / 332 → 425 / 380 → 522

 竹内製作所(JASDAQ 6432) 636 → 1593 / 743 → 1,672 / 1,678 → 2,200 /
                2,250 → 2,286 / 1,924 → 2,878 / 1,995 → 2,878
                3,020

 ユナイテッドアローズ(東証一部 7606) 1,044 → 1,215 / 1,087 → 1,284
                     1,146 → 1,526 / 1,341 → 1,752
                     1,906 → 3,160 / 3,410 → 3,650
                     4,025 → 3,345 / 3,780(ショート)

 ユナイテッド(東証マザーズ 2497)   2,800 / 1,696

 サンフロンティア(東証一部 8934) 61,600 → 114,600 / 77,700 → 154,100 / 88,300 → 154,100

 トーセイ(東証一部 8923) 25,170 → 59,300 / 83,600 → 102,100 / 67,200 → 79,100 / 82,100 → 64,200

 マネックスG(東証一部 8698) 455 / 393 → 455 / 343(ショート)

 丸紅(東証一部 8002) 404 → 437 / 453 → 587 / 450 → 587 / 542 → 608
             494 → 577 / 540 → 577 / 541 → 602 / 529 → 602
             489 → 706 / 518 → 706 / 705 → 752

 東京建物(東証一部 8804) 298 → 312 / 277 → 413 / 541 → 615 / 857 → 923
              1,128 / 932(ショート)

 昭和シェル石油(東証一部 5002) 987 → 1059 / 966 → 1008
                  716 → 723 / 688 → 1008

不動産は漸く反発した。ショート縮小して売り戻しを狙う局面。
マネックスは不動産より反発力が弱く、UAは想定通り軟調な展開。

 ↓ 不動産関連(Yahoo.finance) 大手不動産が明らかに弱い




ロシア軍用車両、有刺鉄線通り抜け越境…英紙(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/20140816-OYT1T50088.html
”【キエフ=田村雄、ワシントン=今井隆】ウクライナのポロシェンコ大統領は15日、キャメロン英首相との電話会談で、ロシアの軍用車両がウクライナに越境したことを確認し、「多くをウクライナ軍の砲撃で破壊した」と述べた。
 ロシアは越境を否定している。
 英紙ガーディアン(15日付電子版)は記者の目撃情報として、装甲兵員輸送車やロシア軍のナンバーを付けた燃料輸送トラックなど23台が14日夜、ウクライナに越境したと報じた。
〔中略〕
 北大西洋条約機構(NATO)のラスムセン事務総長は15日、「ロシアが侵入した」と述べた上で、「ロシアからウクライナに継続的に武器や戦闘員が流入している。ロシアがウクライナの不安定化に継続的に関与している」と批判した。メルケル独首相も同日、ロシアのプーチン大統領に電話し、武器や戦闘員の流入を止めるよう強く求めた。”

英メディアがロシア軍の覆面介入の目撃談を伝えている。
プーチンとしては表立っては停戦・平和を謳い、
裏ではロシア世論に配慮し親ロ派へのあらゆる支援を継続するつもりだろう。

『日経会社情報』2014年夏号 2014年 07月号


    ◇     ◇     ◇     ◇

  【 いとすぎの為替ポジション 】

ポンドショートに転換するのが早過ぎてロスカットするなど、
ばたばた売買してしまったが水曜の急落で確信を持ってショートに。

 2014/08/13 171.45 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)

    現在 > 137.13 ユーロ/円(損益110%)← 今年の損益率
         170.82 ポンド/円
         102.34 米ドル/円

 ◎ 2013年の損益率(手数料等除外)> 164%
 ◎ 2012年の損益率(手数料等除外)> 142%
 ◎ 2011年の損益率(手数料等除外)> 138%
 ◎ 2010年の損益率(手数料等除外)> 147%
 ◎ 2008年秋〜09年末の損益率(手数料等除外)> 353%

  ▼ ポジション解消済み
 2014/08/08 171.08 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/07/04 138.87 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/06/20 138.77 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/06/13 139.26 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/06/02 171.59 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/05/09 140.47 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/05/02 173.03 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/04/23 171.60 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/04/16 171.02 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/04/04 171.81 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/03/28 170.28 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/03/07 172.55 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/02/28 170.77 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/02/21 170.50 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/02/07 167.91 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/01/24 168.75 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/01/17 141.12 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/12/18 167.10 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/12/05 167.32 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/11/01 157.27 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/10/25 157.54 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/08/27 151.16 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/08/14 150.89 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/08/09 128.68 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/07/31 149.01 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/07/26 150.88 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/07/17 151.30 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/06/21  97.89 USD/JPY Lev ×2.0
 2013/06/11 152.83 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/06/07 150.87 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/05/24 153.41 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/05/16 101.94 USD/JPY Lev ×1.5
 2013/05/10 154.46 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/05/03 130.01 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/04/26 129.02 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/04/16 150.10 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/04/12 129.73 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/04/04 145.91 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/03/21 144.80 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/03/15 144.46 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/03/07 142.28 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/03/01 120.89 EUR/JPY Lev ×1.5
 2013/02/13 124.85 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/02/08 125.97 EUR/JPY Lev ×1.5
 2013/01/24 120.99 EUR/JPY Lev ×1.5
 2012/12/26 136.78 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/12/21 136.36 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/12/12 132.76 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/11/29 131.44 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/11/09 126.37 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/11/02 83.12 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/10/25 128.91 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/10/18 127.47 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/08/29 81.23 AUD/JPY Lev ×1.5
 2012/09/12 125.27 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/07/27 81.86 AUD/JPY Lev ×1.5
 2012/08/15 123.83 GBP/JPY Lev ×1.5

 …以下省略…

「ドルは米金利の反発が鈍く、依然として良い状況ではない」

「あれほど米雇用指標が良くてもドル円は後退、
 相当強い下方圧力があると考えざるを得ない」

というスタンスを維持。
ユーロは上抜けに失敗し、下を見ておく必要あり。
ポンドも下方向だが深追いには注意。

今週も引き続き「米金利や株式の反発が弱いので、ドル円クロス円とも売られ易い展開と見ている」。
引き続きドル円100円割れの可能性あり。

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
  収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
  (当ウェブログのこちらのカテゴリーも御覧下さい。)
コメント

『週刊エコノミスト』8月19日合併号 − 日本ではピケティ説に齟齬、長期停滞の中で資本収益率は下落

2014-08-15 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』は資本主義特集、
ピケティ特集と言った方が適切かもしれない。

少し前の東洋経済のピケティ特集では、
高齢化要因に決まっている生活保護受給増までどさくさに紛れて「利用」して
日本での格差拡大の危機を煽っていたが、
エコノミストでは期待通り本格的かつ冷静な議論がなされている。
(P33の「上位0.1シェア」を見れば日本と英米との相違は一目瞭然)

P37の「資本分配率の上昇は日本には当てはまらない」と題する
深尾京司・一橋大教授による分析が非常に参考になる。
資本分配率が挙がらない日本経済の現状が分かる。

恐らく、不動産の資本収益率が低下しているため
金融資本の収益率が向上しても恩恵は一部に集中し、
相対的に潤っていない富裕層が多いのであろう。

P39では日本総研の湯元健治氏がTFP(全要素生産性)の向上を説いているが、
これは大きな誤りである。我が国のTFPは先進国中でトップ水準だ。
女性就労率を引き上げて労働投入を増加させることこそ成長政策である。
湯元氏は成長率の高い北欧の女性就労率の水準を知っている筈なのに、おかしな話だ。

P31の森口千晶・一橋大教授の図表(実質GDPの長期推移)を見れば、
格差が英米並みだった戦前と比べ高度成長期の成長率の強いモメンタムは明白で、
生産年齢人口が減少に転じた90年代半ばから成長率が急激に下方屈曲している点からも、
我が国の成長率に人口動態が決定的な影響を与えているのは歴然としている。

『エコノミスト』2014年 8/19号


他にぎょっとしたのはP101の「ガウディを支えたパトロンの正体」で、
あの壮麗なサグラダ・ファミリア建設のパトロンとなったグエイ家は
違法な奴隷密輸で儲けていたとか。
スペインの文化遺産の異様な豪華さにはこうした醜悪な裏面が隠されていたのだ!

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はエコノミストに注目、水素より現実的なシェールガスと太陽光発電の現状はどうか?

▽ ドラクエのスライムかと思った表紙

『エコノミスト』2014年 8/26号


▽ ダイヤモンドは「鉄板」の英語特集、「TOEIC偏重の功罪」に注目

『週刊ダイヤモンド』2014年8/23号特集1ビジネスに勝つ英語/実録! 英語が必須の時代がやってきた/楽天の今/TOEIC偏重の功罪/非ネイティブのための伝わる英語/グロービッシュのルールと実践法/キャタル/バイリンガルFM/GABA/グーグル翻訳での英文メール作成術/特集2ウェブサイト価値ランキング2014/企業・産業「任天堂」「キリンビール」


▽ 東洋経済はこの空き家特集を合併号に持ってくるべきだったと思う

『週刊東洋経済』2014年 8/23号

「議会の運営費用は住民1人10万円超えも」と題したサブ特集に強く期待している。
コメント

『永遠のゼロ』の歴史的評価は「永遠にゼロ」、近現代史への根本的無知 − 安直なナショナリズムへの諂い

2014-08-15 | いとすぎから見るこの社会−全般
或る作品が爆発的に売れるのは、その作品に価値があるためではない。
その時代の空気に絶妙に合致したから実力を越え「持ち上げられる」のだ。

更に問題なのは、売れる理由が「その社会の大衆心理に媚び、欠点を助長する」ケースである。
実例として真っ先に挙げられるのは、バブル期に売れた日本経済ヨイショ本だ。
この手の本が粗製濫造されるのは明白な「売りサイン」でしかない。

最近の例では2005年に売れた(今では誰も取り上げない)『国家の品格』である。
企業のM&Aを否定する噴飯ものの主張を、産業史を全く知らない数学者が臆面もなく展開していた。
(当時、世界的なカネ余りで成長性や経営面で劣る日本企業が買収の標的になっていた)
そして直近の例は、既に陳腐になり腐臭を放ち始めているアベノミクス太鼓持ち本だ。

『永遠のゼロ』が売れたのも、今の時代の特殊性なくして考えられない。
まず実際の戦争を知っている世代が次々と亡くなってゆき、
太平洋戦争の本当の悲惨さを知る世代がいなくなってきて
小説家が捏造した「ストーリー」を真に受ける者が増えてきた。

宮崎駿氏が『永遠のゼロ』を「嘘八百を書いた架空戦記」と批判したのは当然であるが、
なぜそう言われるのか分からない輩が大勢いること自体が憂うべきことである。
(聞くところによると、情けないことに作者自身がいまだにそれを理解できていないらしい)
個人の矮小な願いや思いを一瞬で粉々に吹き飛ばす戦争の不条理性と暴力性を知らない
戦後生まれが増えてしまったからこそ「嘘八百の架空戦記」が安易にウケるのだ。

また、中国と韓国の国内要因による日本批判が喧しくなり、
戦時中の日本を道徳的に弁護したい欲望が強くなってきていることも一要因だ。
(だから、『永遠のゼロ』が売れたのは中韓のおかげであり作者は感謝すべきである)

そして、長い経済停滞が続いて「経済大国」を語れなくなり、
自らの歴史の真実に向き合うのを避け「修正」を図りたい「自慰史観」のもとに
ミクロの事象でマクロの恥辱を遠ざけるありがちな印象操作を求める性向も根強くある。

「自慰史観」による心理バイアスは軍事的な無知によって増幅される。
特攻は完全に劣勢になり制海権も制空権を奪われた後の
止むに止まれぬ抵抗から出発したが、
米軍に警戒され戦艦や空母の厚い装甲を破ることもできず、
死を賭した攻撃も成果は限定的で、未熟な若いパイロットが練習でも迎撃でもばたばた死ぬ、
不条理で悲惨な作戦だったのである。

愚かな者はインパールやニューギニアの山奥で、何らの名誉もなく
虫けらのように扱われ亡くなっていった日本人と
特攻隊の若者がどう違うかすら考えることができない。


尚、下の作品には、米軍が撮影した特攻機突入の有様が収録されている。
テレビ業界の出身で演出が得意な小説家の妄想のいい加減さが
ありありと分かるので参考にされたい。

▽ 付録映像を見ると、小説家の空想とは完全に迫力の違う現実を知ることができる

『TOKKO-特攻-』(リサ・モリモト監督)


当ウェブログはスポーツの分野におけるナショナリズムが
大衆の動員に政治利用され易いことを警告した。

「よく知られるように、スポーツは愛国心を動員する社会装置であり、
 国内の不満を逸らすために政治家が喜んで用いる安直かつ便利な武器である。
 (韓国大統領がよくやる対日批判と非常に似ている)
 だから、野心の強い政治家はオリンピックや国際大会を利用して
 己の政治力の増大やスタンドプレーに一生懸命になるのである」

「今回のW杯でも保守系メディアは好機到来とばかりに
 国歌斉唱や愛国心の発露を大写しにして、日本国民も見倣えと
 マインドコントロールに精を出し、己の贔屓する政治勢力に大声援を送っている」

「これは、結果的に、ただでさえまともでない議論を更に劣化させかねない」

「そもそも日本の保守派の最大の問題は、議論の質が極めて低いことである。
 加えてお粗末なリベラルも手垢のついた反論を行うので
 いつまで経ってもまともな議論にならない」

これは、広く文化面でも同様である。
強硬な対日批判を続ける中国韓国の双子のような日本国内のナショナリズム原理主義が勢いづくと
それに媚びた小説や映画がウケることになる。所詮は「時代の徒花」であることも知らずに。

 ↓ 参考

フランスの英雄は国歌を歌わず、ドイツの教員は国歌1番を歌うとクビ − 日本の保守論者が語らない現実
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/df28d76a69d85e4c61fe550c985c0b39

首相の靖国参拝への賛意は「ゆとり教育」の悪影響、単なる無知と敵愾心 − まず近代史の理解が足りない
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/048d33b0c60b40732c69e1cd59104e77‎

▽ 因にレイテ戦記では、「中国戦線で戦っていた師団は上陸してすぐ略奪を始めた」とも明記している

『レイテ戦記 (上巻) 』(大岡昇平,中央公論新社)


フィリピン戦で特攻攻撃を行い、「軍神」として祭り上げられた関行雄大尉は、
生前に「自分のようなパイロットを死なせるようでは日本は終わりだ」と語っている。

事実から虚心に学ぶことが重要なのであり、小説の捏造話に熱中している暇があれば
こざかしい人間によって「加工」されていないありのままの歴史を知るべきである。
そうすれば、『永遠のゼロ』が意図的に歴史を「加工」し「編集」した模造品だとすぐ分かる。


元特攻隊員だけど何か質問ある? 【第2回】江副隆愛さんの場合(週プレNEWS)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140808-00033685-playboyz-soci
”上智大学在学中に学徒動員で海軍に入隊した江副さん。最終階級は海軍中尉
 今年も終戦記念日の暑い夏がやってきた。来年にはあの苦難の記憶から70年ーー。
 ゼロ戦、そしてカミカゼ。現在では神格化されたキーワードだけど、その真っ只中にいた若者たちはちょっとリア充で、ユーモアもあり、いまの若者と変わらない男たちだった。元特攻隊員の生き残りの男たちがリアルな人生を語る、好評シリーズ第二弾!
***
「小さい頃から海軍が好きだった」。そう語る江副隆愛(たかよし)さん(90歳)は、上智大学の1年生だった昭和18(1943)年10月、学徒出陣で土砂降りの東京・明治神宮外苑競技場にいた。祖父はたばこの輸入で財を成し、父親はアメリカへ留学。自宅は現在も高級住宅地である東京・白金三光町。当時、超ド級のセレブだった江副さんの少年時代とは?

〔中略〕

―お父さんは留学やたばこの貿易で海外生活が長かったと聞いています。小さい頃から欧米文化に触れる機会は多かったのですか?

江副 物心ついたときには、東京の家にはアメリカのレコードや雑誌がいっぱいありましたね。

―小さい頃に衝撃的だった海外の文化は?

江副 文化というか、おやじが僕に言ってたことが衝撃的だった。うちのおやじはね、16歳からアメリカに行って、ニューヨークにあった私立の陸軍幼年学校(軍人を養成する全寮制の学校)へ7年間も通ってた。そんなおやじが小学生の僕に言ったの。「日本とアメリカが戦争になったら、僕はアメリカの兵隊になって戦う」って。

―映画とかだと憲兵さんにボコボコにされそうな発言かも!?

江副 僕も小学4、5年生のときにこれを言われたもんだから、おやじが何を言ってるのか意味がわからなかった。でも、おやじはニューヨークの高層ビルを見て、幼年学校でアメリカの兵器にも触れてたから、日本が負けるのはわかりきっていたんだろうね

―そんな話を聞かされていた江副さんが、昭和16(1941)年の12月8日の開戦を知ったときは?

江副 自宅のラジオで開戦を聞いて「やったー!!」って(笑)。すごく興奮した。もし、今の若い人たちがあの瞬間にいたとしても、同じように興奮してたと思う。それぐらい大事件だった。

■映画以上の大迫力!! 海軍の鉄拳制裁

―開戦直後から海軍に入りたいと思ったんですか?

江副 僕の場合はね。親戚や同級生に海軍将官の子たちがいたから、海軍好きだった。よく軍艦の絵も描いてたね。観艦式も行った。軍艦・由良(ゆら)に乗りましたよ。だからずっと海軍には憧れてた。

―当時、海軍は女のコにも人気があったんですか?

江副 カッコいいもん。階級が下の水兵でも、吊り床なのに寝押ししてズボンにビシッとラインが入ってたり、飛行機乗りは白いマフラーをしてる。あのマフラーは私物なの。僕、操縦員になったときマフラーを持ってなくて、代わりに腹巻きを首に巻いて写真撮ってもらったよ(笑)。

〔中略〕

―やはり学生さんは海軍に志願する方が多かったんですか?

江副 よく特攻で生き残った連中が「俺は陸軍の訓練が嫌いだから海軍へ行った」なんてのがいるけど、あれは大ぼら(笑)。上から「海軍は人員がいっぱいだから、おまえは陸軍だ!」と言われれば、それで陸軍入りなんだから。

〔中略〕

―横須賀の後はどちらへ?

江副 茨城県の土浦海軍航空隊へ行ったの。基地に到着してみんな格納庫へ集合した。初めて入った格納庫は薄暗くて、こもったオイルのにおいがね、なんとも緊張感を高めるんですよ。そこで点呼があったんだけど、これが大変。声が小さいと上官にブン殴られるの。

―は!? いきなり体罰!?

江副 上官が「足を開け!! 歯を食いしばれ!! いいかーッ! イクぞー!!」ってアゴにボカン!って殴られてた。平手だと鼓膜が破れるからグーで殴るの。いやー、おっかないとこ来たなと(笑)。これが初日ですよ。

―訓練も厳しかったんですか?

江副 訓練がきついから、薬が支給されてた。

―ヒロポンとか?

江副 まさか! 海軍の“居眠り防止薬”ですよ。でも、まったく効かなかったなー(笑)。みんな薬を飲んだくせに寝ちゃってるんだよ。これはおもしろかったよ。

〔中略〕

江副 ゼロ戦とかの戦闘機も選べたけど、僕は九九式艦上爆撃機の操縦員を選択した。

―どうして艦上爆撃機に?

江副 “艦爆乗りは男の中の男”だもん! 高度3000mから800mまで急降下して、爆弾を落とす。そして一気に機体を引き上げる。

―ちょ、それはキケンすぎ!

江副 だから艦爆は男の中の男の乗り物なの。これを操縦したときはうれしかった。「これで戦える!俺も一人前の兵隊になった」って。

―飛行機の操縦がうまい人とかいましたか?

江副 アメリカのパイロットのほうがうまかった(笑)。戦闘機の性能も上だし、小学生のとき、おやじが「アメリカの兵士になって戦う」と言ってた意味がわかりましたよ。

―空戦を経験されたことは?

江副 ないですよ。爆撃機だから。でも基地にいてアメリカの戦闘機に機銃掃射されたことはあった。

〔中略〕

―機銃掃射にはどのように対応したんですか?

江副 小屋でむしろをかぶって震えてた。それを見た戦友が「おい、江副。それじゃ敵の弾丸は防げないぞ!」って。こんなときなのに冗談言ってる。でも、その戦友も念仏を唱えてるの(笑)。笑い話だけど、そのときはお互い必死だった。

―江副さんの特攻はどのように決定したんですか?

江副 上官から「特攻隊に志願するものは、一歩前へ!」ってあるでしょ。あれですよ。

―映画で見たことあります。

江副 映画だと躊躇(ちゅうちょ)したり震えたりするけど、そうじゃない。「一歩前へ!」と言われたら、みんな一斉に前へ出た。まだ、戦争も景気が良かったんだろうね(笑)。

〔中略〕

―出撃前日でもお酒って飲めたんですか?

江副 飲んでも構わない。だいたい3日前に特攻出撃の通達がある。行く連中だけ黒板に張り出されるの。「3日前 飲んで泣くやつ 笑うやつ」。そういう川柳もあった。前の晩に飲みすぎてフラフラで飛行してくのもいたよ。

―先に出撃する戦友の言葉で印象的だったのは?

江副 「ちょっくら行ってきやす!」って、冗談交じりに出撃したのがいた。そんなの普通は言えないよね。そんな彼らを、『海行かば』を歌って見送る。『君が代』じゃなくて、ほとんど『海行かば』だよ。

―出撃する戦友たちを見送るときの気持ちは?

江副 寂しいし、恥ずかしかった。今でもそれは思ってる。

―出撃後にやることは?

江副 遺書や遺髪とか、出撃した戦友たちの私物の整理をするけど、事務的にやってた。泣くこともないですよ。「次は自分だ」と覚悟してたから、特に自分の家族のことも思い出さなかったな。考えるのは戦友のことだけ。前日までバカ話してたヤツが次の日にいなくなる。それが日常だったんだよ。すごい時代だったな。

〔中略〕

―その後、江副さんは茨城県の百里原へ移動することとなった。

江副 東京大空襲の直後の上野を通ったら“ひぃー、ひぃー”って音が聞こえる。風の音なのか人の声なのかわからない音。ただ焼け野原の暗闇から、その音が聞こえてくる。“ひぃー、ひぃー”って音だけは今でも鮮明に覚えてる。

―百里原から爆撃されている東京って見えるんですか?

江副 東京方面の地平線が真っ赤になってる。B29の爆音も聞こえる。でも迎撃する戦闘機もない。誰も何もできない。「戦争は負けちゃいけない!!」と思ったよ。

―玉音放送はどこで?

江副 百里原だったけど、何言ってるかよく聞き取れなくて、わからなかった(笑)。でも、とりあえず戦争終わったみたいだなと。

―それを聞いた感想は?

江副 神妙な顔してたと思うけど、内心は「やったー!!」だった。ホッとしましたよ、緊張感がなくなって飯がうまかったから、1週間で5kgも太った(笑)。

―戦前と戦後で最も変わったことは?

江副 僕の場合は、戦後は戦前に戻っただけ。そんな感じ。

―最後に、もし再び戦争になったら?

江副 敗戦を経験してるとね、“戦争は勝たなきゃいけない!!”となるんですよ。今後、日本から攻めることはないでしょう。でも、相手が攻めてきたらね、老体にムチ打って、また出かけますよ(笑)。

江副隆愛(えぞえ たかよし)
 1923 (大正12 )年9月10 日生まれ、東京都出身。復員後は上智大学へ復学。その後、外国人向けの日本語学校「学校法人江副学園新宿日本語学校」を開校する。「復員するときにもらったのは、このライフジャケットだけでしたよ(笑)」(江副)
(取材・文/直井裕太 構成/篠塚雅也 撮影/村上庄吾)”

週刊誌の記事だが元のインタビューが良いのでお薦めしたい。
特に、パイロットの腕の戦闘機の性能もアメリカの方が上だったと
はっきり認めているのは全くもって正しい。
熟練のパイロットは殆ど戦死しているし、
零戦も含め戦闘機の性能でも数でも日本は劣勢にあった。

特攻はとかく後世の無責任な人間に政治利用されがちであるが、
実態はこのように単純に語れない混沌としたものである。


元特攻隊員だけど何か質問ある? 【第3回】手塚久四さんの場合(週プレNEWS)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140811-00033818-playboyz-soci
”戦時中はゼロ戦乗りだった元帝国海軍中尉の手塚さん
 あの苦難の記憶から来年には70年ーー。終戦記念日がやってくる真夏になると、思い返すのももはや日本人としてのアイデンティティなのだろうか。
 ゼロ戦、そしてカミカゼ。現在では神格化されたキーワードでもあるが、その真っ只中にいた若者たちはちょっとリア充で、ユーモアもあり、いまの若者と変わらない男たちだった。元特攻隊員の生き残りの男たちがリアルな人生を語る、好評シリーズ第三弾!
***
「特攻に指名されないことを祈っていた」。そう語る手塚久四(ひさし)さん(91歳)は、学徒出陣で海軍に入隊し、ゼロ戦乗りとなった。そんな手塚さんは、どのような学生時代を送っていたのか?

手塚 僕は栃木の中学を卒業して、仙台の旧制高校を受験しました。でも、落ちちゃった(笑)。だから、1年浪人して、昭和15(1940)年に静岡の旧制高校に入りました。田舎から来たのは僕ぐらいだった。

〔中略〕

―戦時色が濃くなったのは、いつぐらいからですか?

手塚 やはり昭和16(1941)年12月8日の開戦ですよ。1時間目が終わって食堂に行ったら、「本日、未明。敵米英と戦闘状態に…」ってすごい金切り声のラジオ放送が流れた。これは、びっくりした。

―開戦を聞いた学生たちが歓声を上げたりは?

手塚 全然。“しーん”と静まり返ってた。僕もショックだったよ。高校も半年繰り上げで卒業することになったしね。

―卒業後は東京大学へ進学。大学ではどんな勉強を?

手塚 経済学部で米国経済交通事情を学んでいました。「アメリカは飛行機が発達して、道路も舗装されている」「経済力、工業力、資源もアメリカが圧倒的に上である」などと勉強していましたから、「アメリカと戦争するなんて、こりゃ負けるんじゃないか」と思いましたよ。だから前へ出て勇ましく戦う気にもなれませんでしたね。

―しかし、手塚さんは昭和18(1943)年の10月に学徒出陣で海軍への入隊が決定する。なぜ、海軍を選んだのですか?

手塚 当時は陸軍と海軍、どちらへ入るかを選べました。僕は兄弟がみんな陸軍に入っていて「陸軍はひどいよ。飯もまともに食べさせてもらえない」と聞いていた。何より海軍のほうがカッコいいから、海軍を選びました。

〔中略〕

―海軍では飛行機の操縦員を目指したんですか?

手塚 僕は経済学部だから、主計(経理をはじめ、被服・食糧などの管理を担当する要員)になりたかった。食糧の管理をするからいいことあるんじゃないかと(笑)。でも、操縦員の適性検査に合格したから主計になれなかった。

―操縦員の適性検査はどんなことをするのですか?

手塚 360度方向に回転するイスに座るんですよ。それをグルグルと全力で1分以上も回転されてガッシャーン!と停止したら、バーン!とイスから弾き飛ばされる。この状態から1分以内に立ち上がらないといけないんです。僕もフラフラだったけどなんとか立ち上がれましたね。なかには吐いている人もいましたよ。

〔中略〕

―体罰もあったんですか?

手塚 すごいですよ。ちょっとミスしたら総員修正ですから。

―総員修正とは?

手塚 連帯責任ですから、ひとりがミスしたら全員が殴られるんです。みんなが一列に並んで、2発ずつバーンッ!と殴られる。ヒドい人は奥歯は折れるし、顔はアザだらけ。これが毎日ですよ。

―パンチを避けたりガードしたりできないんですか?

手塚 もっと殴られるだけ(笑)。

〔中略〕

―練習機の次はどんな飛行機に乗ったのですか?

手塚 ゼロ戦に乗りました。

―なぜゼロ戦に?

手塚 運動神経が優れていたからゼロ戦に乗れたんですよ(笑)。ゼロ戦はひとり乗りの戦闘機です。戦闘機は操縦、航法、戦闘、電信すべてを自分ひとりでやる。優秀じゃないと務まらないんですよ。

―映画『風立ちぬ』や『永遠の0(ゼロ)』で、話題になったのゼロ戦ですが、本当に優秀な機体だったのですか?

手塚 練習機とはまったく違う金属の塊です。でも、旋回性や機動力がすごい。宙返りや反転は簡単にできた。馬力を出してクルッと回るだけ(笑)。機体をわざと失速させて敵機の後ろへ回り込んだり、敵機に被弾したふりをして、きりもみ状態で降下したりできる。きりもみ状態で降下すると、地上がグルグル回っているんです(笑)。ゼロ戦は、なんでもできましたよ。

〔中略〕

―よく映画だと、飛行中のゼロ戦の風防を開け飛行していますけど、実際あのようなことを?

手塚 あれは、やりませんよ。スピードが出なくなるし、何より寒いですから。

―では、特攻隊員に選ばれたのはいつだったのですか?

手塚 昭和20(1945)年の2月20日です。全員が講堂に集合して上官から「現下の戦局が厳しい状態にあるので、特攻をもって戦局の大転換を図る!」と訓示があり、その後に身上書を渡されました。身上書には家族構成、学歴などを書く。そしてもう一枚用紙がありました。

―もう一枚の用紙とは?

手塚 特攻希望調査書です。「熱望」「希望」「否」の3つが書いてあって丸をつけろと言うんですよ。

―みんなどうしたんですか?

手塚 勇ましい人は「熱望」に丸をつけて、「やるぞー!! ウォォォー!」って講堂を飛び出していった。彼らはみんな死んじゃったよ。

―手塚さんはどれを選択?

〔中略〕

手塚 「希望」の「希」にバッテンして、ただ「望む」と書いて出しました(笑)。

―「否」を選んだ人は?

手塚 後で聞いた話だけど、いた。「僕はまだ操縦員として未熟で、特攻作戦に参加できません」と理由を書いていたけど、翌日に大修正ですよ。結局ね、どこ丸つけても無駄だったみたい。

―特攻要員になってからはどんな行動を?

手塚 僕の場合、沖縄戦が終わった昭和20年の6月23日、この2日後に本土決戦用の特攻隊が編成されました。それに僕が選ばれ、北海道の千歳海軍航空隊へ向かうことになりました。

―この間、家族には会えたのでしょうか?

手塚 5日間の休暇をもらいました。「家族へ別れのあいさつをしてこい」ということなんですけど、家族に「特攻で死にます」と言えないから実家に帰るのがいやだった。

―実家へは帰らなかった?

手塚 結局帰ったけど、特攻のことは言えなかった。ただ、お酒を飲んで歌っていましたよ。

―千歳ではどんな訓練を?

手塚 飛行場の真ん中に飛行機を模した木の枠を組んで、それを目標に訓練を行ないます。

―目標に向けて急降下ですか?

手塚 上空3000〜4000mぐらいから全速で急降下して、地上400mで一気に機体を引き起こすんです。このような急降下ができるのは、ゼロ戦ならではです。

〔中略〕

手塚 両手で引っ張って、両足も踏ん張るんです。それで、やっと機体の先端が上空を向く。でも、上空を向いた状態のまま、ブワァ〜っと機体が沈んでいく。この地上に吸い込まれる感覚が本当に怖い。失神する人もいますからね。

―事故もあったんですか?

手塚 急降下の訓練中に街に突っ込んだ機体がありました。あと、0.2秒でも早く機体を引き上げれば助かったと思いますが無理だった。操縦員と民間人も亡くなりました。けど、当時は何も報道されなかった。

―なぜ?

手塚 ゼロ戦が事故を起こしたなんて報道できませんよ、当時は。

―特攻出撃の命令は、いつ受けたんですか?

手塚 昭和20年の8月13日です。13日の朝に命令されて、香川県の観音寺航空基地へ移動することになりました。香川の基地に、もう爆装されたゼロ戦があるというんですね。死にたくはなかったけど、いよいよ死ぬしかないのかなぁと思いましたよ。
 でも、なぜか香川へは陸路で行くことになったんです。そうしたら14日に仙台に到着しましたけど、そこで足止めされてた。

―もし、香川県へ飛行機での移動だったら?

手塚 死んでたんでしょうね。この移動が生死の分かれ道になった。

〔中略〕

―玉音放送を聞いた感想は?

手塚 天皇陛下の声を聞くのが初めてだった。「もにょ、ごにょ、もにょ」と、何を言ってるかよくわからないですよ。「一時休戦? 負けたのか!?」。それすらもわからなかったから、仙台の駅長に確認したら「戦争が終わった」と。

―その後は、どちらへ?

手塚 原隊の谷田部海軍航空隊へ戻りました。特攻に参加できなかったから怒られると思っていたけど、上官からは「ごくろうであった!」と言われホッとした。

―谷田部に戻ってから混乱はなかったんですか?

手塚 「あれは陛下の意志じゃない!!」という血気盛んな陸軍航空隊がまず決起して、それに同調する海軍の厚木航空隊から、谷田部の上空に戦争継続を訴えるビラをまきに来ましたよ。でも、谷田部では誰も一緒に飛び立つ者はいなかった(笑)。

―最後に、手塚さんの戦争体験から、今の日本に思うことは?

手塚 今の日本の状況は、開戦前に似ていると思っています。うかうかしていると徴兵制が始まり、また若者が戦争に駆り出されるかもしれないと。「歴史に学ばざれば過ちを繰り返す」。若い人たちには僕らの経験から歴史を学んでくれればと思っています。

手塚久四(てづか ひさし)
 1922 (大正11)年1月9日生まれ。91歳。栃木県出身。東京大学2年生に進級後、学徒出陣で海軍へ入隊。ゼロ戦の飛行訓練を受け、特攻隊員に選別される。終戦後は大豆の製油業を行なうビジネスマンを組織して活動した。”

こちらのインタビューも興味深い。
老化するアジアにおいて日本の徴兵制が復活する可能性はほぼゼロであるが。

両者とも何故か戦前と戦後の共通性を感じているものの、
特攻隊員が100人いれば100の歴史があるのである。

ただ少なくとも、小説になるような単純化されたストーリーは、
他人の心理につけ込もうとする思惑に基づく捏造であることは間違いない。
コメント