みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

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『週刊エコノミスト』1月27日号 − 役立たずで不評のNISA、非課税額や期間など制度の根本に欠陥

2015-01-23 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』はロボット特集だったが、
メイン特集以外の部分で見逃せない記事がある。
(ロボット特集は「産業用以外はまだ夢物語」と判断している)

P98で富国生命の市岡繁男氏がまたしても重大な指摘を行っており、

東証の不動産セクターがTOPIXの先行指標となっていること、
1985年以降は景気先行指数がピークを付けると株価が調整しており、
いずれの面からも反落が近い
と結論付けている。
指摘を裏付ける図表もあるので必見である。

『週刊エコノミスト』2015年 1/27号


P80「少額投資NISAの期待外れ」が良記事だ。
(エントリーのサブタイトルはこちらから)
投資家からは非課税投資額の制限や非課税期間への不満が強い。
記事では「いずれもNISA発足前から指摘されていた点」と批判されている。

また、根本的には非課税口座がどれほど増えても
日本経済の成長につながる訳がないという点も加えておきたい。
(日本では減税が経済成長につながったことは一度もなく、そもそも投資家は消費性向が著しく低い)

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の『週刊ダイヤモンド』は孫正義氏の特集、
これまでで最も本質に迫った内容と評価して良いと思う。
氏の投資眼と財務戦略の名人芸は、本当に感服する以外にない。
連載コラムで登場している堀江氏と矢張り「格が違う」。

個人的には電力自由化で日本に「革命」を起こすことに期待している。
ネガワット取引を飛躍的に伸ばす潜在力がある筈だ。

『週刊ダイヤモンド』2014年1/24号特集1 孫正義 世界を買う/独占インタビュー 元グーグル最高幹部ニケシュ・アローラが明かす電撃移籍の全内幕/米ヤフー5兆円買収で完成する「世界M&Aパズル」の野望/米通信スプリント単独再建の苦難/特集2 インド事業の突破口


P26のコラムが良い。一橋大学院の川口大司教授が
重税負担の北欧が豊かさと高生産性を実現できた理由を分析している。

納税者番号・広い課税ベース・公共サービス提供(保育や介護)により
租税の資源配分の歪みを最小化したことが原因との見立てである。

逆進的税制で国民が実質的に勤労を強制されること、長時間労働への規制が厳しいこと、
公務員の賃金カーブがフラットで公共部門でのリストラクチャリングが容易という
重要な3つの要素が抜けているのは残念だが、概ね同意である。

    ◇     ◇     ◇     ◇

『東洋経済』については「紛れもない警戒信号、逆指標である可能性が高い」と先週書いたが、
内容を見て確信した。これはうぶな素人を魑魅魍魎だらけの市場に駆り立てる特集である。

特集の内容としてはミクロでは妥当な指摘も確かにある。
しかし、日銀の自滅的な緩和とGPIFによる株価操作で既に東証は割高圏にある。
(事実、昨年も日銀の追加緩和がなければマイナスで終わる可能性が高かった)

この特集では多くの銘柄が上昇してしまって欲に取り憑かれ、
まだ他に儲けられる分野がないか目先ばかり追いかける焦りの心理が映し出されている。
…市場においては常に、素人が大挙して買い始める時期が「売り」であることを忘れてはならない。

『週刊東洋経済』2015年1/24号


唯一、多田自然農場の多田克彦氏へのインタビューは良かった。
生産コストが高く平地の少ない日本の場合、
規模拡大ではなく多品種生産が解であるのは自明の理である。

但しこうした驚異的な事例を幾ら挙げても日本の農業が変わる訳ではないが。
(卓越した経営者を幾ら褒めても他の日本企業に影響が殆ど及ばないのと同じ)

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はエコノミストの本格派特集に注目、原油安を楽観視する衆愚論に鋭く斬り込んで欲しい。

▽ ただ、原油安の影響を受けるのはサウジではなくロシアだと思うが。。

『週刊エコノミスト』2015年 2/3号


▽ ダイヤモンド特集は自社本のプロモーションを兼ねている?

『週刊ダイヤモンド』2015年1/31号特集1 統計学 自由自在!/最強の統計家 西内啓氏が特別指導!クロス集計から重回帰分析まで/課題1 訪問1回当たりの売上を増やす/ 課題2 できる営業マンを見極める/ 課題3 適切な余裕在庫を定める/実習 エクセル駆使で差を付けろ!/特集2 MRJ、ホンダジェットが離陸!/乱気流へ突入する「日の丸航空機」


▽ 東洋経済は流行りのピケティ特集、問題は内容があるかどうか

『週刊東洋経済』2015年1/31号

「G(グローバル)型・L(ローカル)型大学論争の深層」が面白そうだが、
下村大臣は新設大学への認可を乱発した文科省が問題の根源にあることをまだ分かっていない。
コメント

原発停止で立地自治体の経済は約40%縮小、証明された「原発利権」−原子力による恐怖のヴァンパイア効果

2015-01-22 | いとすぎの見るこの社会−地球環境を考える
福島原発事故後、我が国で原子力比率が大幅に低下し、
稼働する原発がない「原発ゼロ」状態となったが
我が国の経済成長率に大きな変化はない。

原子力は経済に貢献していないという歴然たる事実が明らかになった訳だが、
(寧ろ、利権と癒着した自民党政権の態度が経済低迷を招いていると言った方が正しい)
洗脳された原子力利権勢力にとっては「不都合な真実」もまた明らかになった。

原発停止で多大な打撃を受けたのは「原子力関連業界」だけだった。
(電力多消費産業も打撃を受けたが、省エネ投資不足と甘いリスク管理による自業自得)
日本経済には殆ど打撃が与えられていないのと好対照である。

論より証拠、原発立地自治体である新潟県柏崎市では
総生産がおよそ40%も減少したと報じられている。

つまり電力大手や原発立地自治体、原発関連事業者にとっては、
原発停止は「死刑宣告」と同じであり、
いかなる重大リスクがあろうが、どれほど国民が原子力に反対していようが、
日本国民に敵対してでも原発を再稼働して貰わなければ
自分の生存が危うい、ということなのである。

これを当ウェブログは
「原子力のヴァンパイア効果」と呼ぼう。
「ヴァンパイア効果」とは、アメリカ医療界で起きている現象で、
悪質な事業者の運営する病院が阿漕な手法で収益を上げてゆき、
良識があり質の高い医療を提供する低収益の病院を駆逐してゆくことである。

原子力でも全く同じことが起きている。
一度原子力を受け入れてしまえば、それによって特定層が多大な恩恵を受けるため、
世論の強硬な反対があっても、たとえどのような汚い手段を用いても、
国民に隠れて議員を買収し、要所にカネをバラ撒いてでも、
何が何でも原子力を維持しようとするような「症状」に陥るからである。

「原子力が一部の連中だけ稼がせる「利権」であり、
 「安くて安全」と偽って国民のカネを搾り取る
 モラルハザードの固まりであるのはこれで立証されたと言える。
 当然、日本経済の健全な発展にとっても害になる」

「だから、原子力比率が過去最高になった90年代後半に成長率が大きく落ち込んだのであり、
 利権勢力が「原子力ルネッサンス」などと与太話を喚いている2000年代に日本経済は低迷を続けた。
 彼らの利益が日本社会の利益と真っ向から相反しているのは明白だ」

「これまで省エネや再生可能エネや電力自由化に対して強硬に反対し、
 エネルギー分野での新規投資への妨害を続けた悪辣な「実績」は疑いようがない」

「これまで散々補助金を食い物にして稼いできた原子力関係者は、
 少しは良心を目覚めさせて廃炉費用ぐらい一般国民より多く出すがいい。
 「カネを出すのは国民、俺は特別な存在だから関係ない」とでも思っているのか」

「彼らを殲滅しない限り、日本のエネルギー効率が改善することはなく、
 国内投資もろくに増えず日本経済の復活もあり得ない。
 「原子力の赤い貴族」は碌に反省せず、これまでの行動様式を改めてもいないからだ」

とした当ウェブログの指摘は、基本的に立証されたと言って良い。
彼ら自身の行動が、何よりも彼らの本質を露骨に示している。

▽ こそこそと自民党の大物政治家にカネをバラ撒いてきた利権勢力

『原発利権を追う 電力をめぐるカネと権力の構造』(朝日新聞出版)


原発立地自治体は早く目を覚まして、
風力発電所やガス火力発電所、或いはガス輸入基地とパイプラインを整備し、
原子力のもたらす投機性と巨大リスクを低減しなければならない。

「『原発ホワイトアウト』で若杉冽氏が書いた通りになっている。
 利権勢力が跋扈する以前のような状態にはすぐに戻らないにしても、
 戦線縮小しつつ利権を確保し、徐々に再稼働を進めるという利権勢力の予定通りの行動だ」

「経産省の調査会は、民主主義に反し事務局が牛耳る密室会議により
 利害関係者が思い通りに議論を誘導することのできる利権勢力の巣窟なのである」

「彼らが社会的に正しいのであれば堂々と公開できる筈だが、
 それができないのは彼らの動機と行いがともに汚れているからだ」

「当ウェブログが指摘した通りの状況である。
 お蔭で2015年はまた経済低迷の年となろう」

「もし自ら進んで新しいエネルギーの地平を切り拓く意志と能力があるなら、
 強風の吹く敦賀半島で風力発電を拡大させるのが当然であり、
 天然ガス輸入拠点を設けて近畿圏にパイプラインを伸ばす計画を進める筈である。
 原発立地自治体の動きは余りに遅過ぎて、原発再稼働でカネを貰えば楽だという本音が露骨に出ている」

当ウェブログが主張してきたように、まだ道は残っている。
しかし残念ながら「滅びに至る門は大きく、そこから入る者が多い」のである。

 ↓ 参考

原発のおかげで「毎日遊んでいられた」− 民意に敵対して再稼働を進め、リプレースを狙うのはカネのため
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/8aa569efe7d53715a6422b243bc82688

「原発を再稼働したらカネをやる」と経産省 − 完全に利権勢力の手先になり下がり、電力大手を全力支援
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d431aa67a744b3be085f12ed7663005e

電力各社「事故の賠償は無理、原発費用は消費者に転嫁させろ」−証明された「原子力は高リスクでコスト高」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d121c9b7403f1918e88f81a7dfd7cf43

▽ 族議員や官庁、立地自治体にとって原発再稼働は利権確保のため不可欠な存在に(「公益」はただの口実)

『原発ホワイトアウト』(若杉冽,講談社)


柏崎市の総生産、原発停止で4割減少 商議所など試算(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO81731910Y5A100C1L21000/
東京電力柏崎刈羽原子力発電所の停止で地元の柏崎市の総生産が4割(1908億円)目減りしたとの試算を、柏崎商工会議所などがこのほどまとめた。原発の運転や点検で働く人が減ると買い物や飲食、タクシーなどで使うお金や取引先の売上高も減る。それらを合わせた影響は3394億円。全原子炉が止まり3月に3年となるなか、地域経済が縮小している。
 柏崎商議所の依頼を受け、新潟産業大学の宇都宮仁講師が試算した。〔以下略〕”

10年以上前に、ある原発立地自治体の議員関係者から、
「原発が立ったから、ここはもうおしまいだ」と言われたことがある。
一度原発に依存してしまうと、よく言われるように麻薬と同じく抜け出せなくなる。
こうなることは遅かれ早かれ決まっていたのである。


電力4社:老朽原発5基、廃炉へ 月内にも地元協議(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20150103k0000m020090000c.html
”関西電力、中国電力、九州電力、日本原子力発電は、2016年7月時点で40年の運転期限を超える原発5基の廃炉に向け、月内にも立地自治体の理解を得るための協議に入る。多額の費用がかかる運転延長は採算が合わないと判断、3月末までに廃炉を正式に決定し、老朽原発以外の早期再稼働を優先する。廃炉になれば、立地地域の経済が打撃を受けかねないため、政府は補助金の拡充などで立地自治体を支援する。
 13年7月施行の改正原子炉等規制法で原発の運転期間が40年に制限されたが、原子力規制委員会の認可を得れば、最長20年の延長ができる。施行から3年間の猶予期間が設けられており、16年7月時点で40年を超える7基が最初に運転期限を迎える。
〔中略〕
 7基のうち、廃炉に向けた地元協議に入るのは、関電美浜原発1、2号機(福井県)▽中国電島根1号機(島根県)▽九電玄海1号機(佐賀県)▽日本原電敦賀1号機(福井県)−−の5基。関電高浜原発1、2号機(福井県)は運転延長を目指し、昨年12月から特別点検を始めている。
 5基は日本の原子力開発の先駆けで、1970年に営業運転を開始した日本原電敦賀1号機は、普通の水を冷却材などに使う軽水炉としては国内初の商業用原発。しかし、5基の発電能力は34万〜56万キロワットで、現在主流の100万キロワット級より小さい。運転延長に必要な安全対策には1000億円規模の費用がかかる見込みで、再稼働してももとが取れるかわからない。審査も厳しくなりそうで、「期限の16年7月までにクリアするのは困難」(電力大手幹部)との見方が強まった。
 原発依存度低減を掲げる政府も、老朽原発の廃炉の早期判断を促している。ただ、廃炉になって原発の資産価値がゼロになると、1基当たり210億円程度の損失が発生し、電力会社の財務が悪化する。このため政府は、損失を10年程度に分割し、電気料金で回収する会計制度を導入する
 一方、営業運転が終了すれば、原発立地自治体は、、国からの「電源立地地域対策交付金」や、電力会社からの固定資産税収入、原発の定期検査などに携わる雇用を失う。政府は15年度予算で、原発立地地域の産業を育成するための補助金を拡充し、地域経済の原発依存からの脱却を支援する方針。
〔中略〕
 廃炉方針が決まった場合、代替電源の確保などに向け、原発を建て替える議論が進む可能性もある。【中井正裕、浜中慎哉、寺田剛、加藤小夜】”

原子力が一部の者の利益に直結しており、
「利権」以外の何ものでもないことは事実が証明している。

必死に再稼働を叫ぶのは「業界」の利益のためでしかなく、
基本的に日本社会のためなどではない。


他の学会参加は誤解招くと訂正 原子力学会の断層専門委(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201501/CN2015010901002182.html
日本原子力学会が7日の記者会見で原発直下の断層のリスク評価を目指す専門委員会の設置を発表した際、「日本第四紀学会」など多くの学会や団体が参加すると誤解を招く資料を配布したとの指摘を受け、訂正することが9日分かった。
 原子力学会によると、他の学会に委員の推薦などは求めず、委員は個人として参加。同委員会主査の奈良林直北海道大教授は「個人の意思に基づく活動で学会間の手続きは経ていなかった。誤解を招く表現を訂正し、速やかに学会としてウェブサイトに公表したい」と釈明した。〔以下略〕”

学会も「業界の利益」のために働くのが原子力分野の顕著な特徴である。
だから他の学会では殆ど考えられない、このような怪しい動きが生じるのだ。
かつて中曽根康弘が「札束で顔をはたいた」とされた体質は全く変わっていない。
コメント

官公労がまた顰蹙発言、フランスを範とするなら年功賃金の削減を−1人当たり純所得にも触れないご都合主義

2015-01-21 | いとすぎから見るこの社会−雇用と労働
基本的に組合は社会正義の追求者でもなければ、社会正義の実現者でもない。
露骨に言えば所謂「三百代言」であり、
組合費を払ってくれる特定集団の利害のために働く代弁者に過ぎず、
本質的には雇われたエージェントである。

今も相変わらず国民から冷ややかな目を浴びているのにも気づかず
ご都合主義の情報操作を垂れ流している惨状である。

例えば日本の正規公務員1人当たりの年功賃金の高額さを無視して
「日本の公務員数は少ない」「日本は小さな政府」と喚いているのは醜悪だ。

正規の厚待遇のしわ寄せを受けている非正規公務員への差別待遇も大して気にせず
挙げ句の果ては復興のための特例法による給与削減に怒って提訴し、完敗している始末。
彼らの退職金の税控除を即時全廃して非正規労働者への給付付き税額控除や現物給付に充当すべきだろう。
彼ら自身がそうした社会正義に叶う行動を自ら選択することは考え難いから。

…因にマイナビ調査によれば、子供を持つ公務員は
我が子を「公務員にしたい」とする意見が60%を超えており、
医師や弁護士と同じような高率になっている

こちらの方が「本音」なのである。
官公労のプロパガンダは利害関係を裏に隠した「建て前」に過ぎない。

「公務員・医師・看護師・弁護士といった安定職に就いた大人は、
 その安定高収入をよく知っており、その厚待遇を子供に受け継がせたいと願っているのだ。
 (この中で看護師は賃金水準でやや不利だが、公立病院であれば話は違ってくる)」

「自称庶民でありながら、税負担の重い欧州人より
 明らかに可処分所得の高い中高所得層こそ、
 現下の日本の雇用問題を悪化させ「家族格差」を拡大させる利己主義の根源である」

とした当ウェブログの指摘は、残念ながら当たっていたようだ。

 ↓ 参考

「子は公務員にしたい」「自分と同じ医師・公務員になって欲しい」− 安定志向は若者ではなく、大人が元凶
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/9bc9282983d90a3bd51e8bc50dbfe0d6

▽ 日本の正規公務員の年功賃金カーブは、意図的に大企業に近い高額なものとなっている





『公務員の給与はなぜ民間より4割高いのか』(北見昌朗,幻冬舎)


事実を見れば結論は明白である。
官公労から発せられるプロパガンダは、
「国富流出を防ぐために原発再稼働を」とほざく
腐敗した原子力ムラの利己的な情報操作と実によく似ている。

「広島県の自治体の職員採用試験で、口利きの謝礼として
 300万円を受け取った元市議会議員が逮捕された」

「問題の根本にあるものを考えると根は深い。
 300万円を口利きの謝礼として出すということは、
 300万円を払ってもそれ以上の利得がある、ということだ」

「民間企業で採用の口利きで謝礼を出した例など聞いたことがない。
 自治体職員でこうした恥ずべき事件が発生した事実は、
 民間企業よりも得られる利得が大きいということを意味する」

「都や府以外の道県の官民格差は20%以上はあるとされるので
 充分「元が取れる」口利き代だと言えよう」

としてきた当ウェブログの指摘通りであろう。

 ↓ 参考

公務員採用の口利きで300万円の謝礼、元市議会議員を逮捕 − 生涯給与の多さが問題の根本に
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/03669da14eee1d550263a959b08a0a88

公務員の賃金フラット化は当然である − 退職金2000万円超でも不満顔、「質」も北欧に遠く及ばない
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/404569ae1c83f2ca18a6294dfeafc868

地方公務員に毎年3兆円超の退職金給付、なぜ課税強化しないのか − 今後20年間で62兆円以上に達する
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/ae4eaf97d3de716d5616acc0aacc8d8c

▽ 日本の公務員の年功賃金カーブは、先進国の中で英国と並んで世界最高水準である

『ドロボー公務員』(若林亜紀,ベストセラーズ)


▽ 日本より成長率も生産性も高いスウェーデンは、公務員の賃金がフラットで退職金も手当も碌にない





『スウェーデン・パラドックス』(湯元健治/佐藤吉宗,日本経済新聞出版社)


北欧諸国と比較して、日本の公共部門は明らかに「効率性」「透明性」の評価が低い。
国際評価や世界ランキングを継続的に見ていれば明らかである。
1人当たり所得が高いのに非効率的で透明性に欠けるのでは話にならない。

「先進国」北欧に倣って平等でフラットな賃金体系に改め、
公共部門でも合理的なビルド&スクラップを断行すべきである。
(成長率も労働生産性も高い北欧では、公務員でもリストラ・転職が常識)


公務員って何のために存在しているの?(井上伸 | 国家公務員一般労働組合執行委員、国公労連書記、雑誌編集者)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/inoueshin/20141230-00041926/
”2014年も残すところあと2日。今年もいろいろなことがありましたが、やはりいちばん大きな出来事は突然の総選挙でした。その総選挙の中でもいくつかの政党が公約にしていた「公務員人件費2割削減」や「公務員制度改革」。あわせてこの間、「政治主導」「官邸主導」や「政官関係の見直しが必要」などという論調も政治の世界でずっと強まっています。
 とりわけ公務員人件費削減の急先鋒になっている維新の党の国会議員の質問を傍聴したことがありますが、維新の党の国会議員でさえ、すでに日本は「小さな政府」であることは認識していて、笑ってしまいましたが、「日本は『小さな政府』から世界でどの国も経験したことがない『極小の政府』にチャレンジする必要がある」というような趣旨の質問を政府にしていました。

▲上のグラフのとおり、維新の党の国会議員さえ認識しているように、すでに日本は世界で最も「小さな政府」です。しかし、ここからさらに公務員を減らさなければいけないという政治の流れが続くのはどうしてなんでしょうか? そうした問題を考える際にも、そもそも公務員の役割は何なのか?をおさえておく必要があります。また、「政治主導」「官邸主導」というのは、「一部の奉仕者」だった戦前の公務員と同じような状況にもなる問題ではないでしょうか? 「公務員削減」や「政治主導」という政治の流れの中で、削減し政治に従わせなければいけないとされる公務員とはいったいどういう存在で、そもそも本来の公務員の役割は何なのでしょうか? そうした問題を考えるために、私が企画・編集した晴山一穂専修大学教授のインタビューの一部を紹介します。

公務員の役割と権利を考える 晴山一穂 専修大学教授インタビュー

――きょうは晴山先生に「公務労働者の役割と権利」についてお話をうかがいます。最初に公務員の役割についてお聞かせください。(聞き手=国公労連調査政策部・井上伸)

重要な憲法の視点から考える公務員の役割 国民主権など憲法3原則ふまえ「全体の奉仕者」へ
 公務員の役割を考える場合、常に2つの基本的な視点を持つことが重要です。1つは、日本国憲法の視点で、もう1つは、公務員制度の歴史から見た現代国家における公務員の役割という視点です。
 まず、憲法の視点から公務員の役割を考えることの重要性についてです。日本国憲法が直接公務員のことを規定した条文としては憲法15条の1項と2項があります。ただし、15条の意味を考えるにあたっては、憲法の基本原理である国民主権と基本的人権の保障、そして平和主義という憲法3原則を踏まえた上で、行政の担い手である公務員の位置づけについて、15条で規定していると捉えることが大事になります。国民主権など憲法3原則を除いた形で15条だけ単独で取り出して公務員の役割を考えるということは適切ではないわけです。
 この点を踏まえた上で憲法15条をみていきましょう。15条1項では「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」とし、2項では「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と規定しています。この1項と2項はいずれも憲法の基本原理である国民主権の表れなのですが、この規定の意味をより深く知るためには、戦前の官吏制度を振り返ってみる必要があります。

「一部の奉仕者」だった戦前の公務員
 戦前の官吏(現在の国家公務員の中核部分に当たる人)は、大日本帝国憲法(明治憲法)のもとで、「天皇の官吏」として天皇に身分的に隷従し、天皇とその政府にだけ奉仕する存在でした。国民から見れば、絶対的な主権者であり統治権を総攬する天皇に奉仕し、国民を支配する特権階級だったわけです。そして、官吏の任命は、議会も関与できない天皇だけの権限であるといういわゆる「任官大権」が憲法で定められていました。こうした強大な官吏集団と軍部に支えられた絶対主義的天皇制、天皇主権のもとで、日本は軍国主義国家としてアジア諸国への侵略戦争へと突き進み、太平洋戦争を経て敗戦を迎えることになります。
 こうした歴史への反省に立って、戦後の日本は、天皇主権に立つ大日本帝国憲法から国民主権に立つ日本国憲法へと転換を遂げることになります。戦前の「天皇の官吏」のあり方は全面的に否定され、公務員は国民全体の奉仕者になるとともに、「任官大権」も否定され、公務員を選ぶのは国民固有の権利であることを15条1項で明記させることになります。
〔中略〕
公務員が「全体の奉仕者」であることを確保する仕組み

――公務員が「全体の奉仕者」であることの意味はわかりましたが、そのことを確保するためにはどのような仕組みが必要になるのでしょうか。

 指摘してきたように、憲法の視点と公務員制度の歴史という2つの視点から、現在の公務員は、一党一派に奉仕するのではなくて、自らの専門的能力を踏まえて、公正中立の観点に立って国民全体に奉仕すべきものということになります。
 しかし、それを現実的に保障する制度なりシステムが存在しないと、時の政権の意向で「政権に従うことこそ全体に奉仕することなんだ」などという政治的な支配を受けかねないことになります。ですので、それを防いで、公務員が全体の奉仕者として国民全体のために職務を遂行することを確保する仕組みが必要となります。そのための制度上の原則が、いわゆる「公正中立性」といわれるものです。この公正中立性という言葉を悪用して、公務員そのものが公正中立でなければならないとして公務員の政治活動の自由を制限し正当化するケースがありますが、これは間違った使い方です。本来の正しい意味での公正中立性とは、人事行政の公正中立性を指し、政治が公務員に対して様々な支配や関与をすることを防ぎ、公正中立な人事行政のもとで公務員が国民全体のための奉仕者として職務を遂行できるようにするという意味での公正中立性ということになります。
 その最も重要なものが、公務員の身分保障です。簡単にいえば、法令の定める事由によらなければ免職や降任されないということで、その免職や降任の理由も法律で厳格に制限し、客観的にそれを解釈していくことによって恣意的な免職等によって公務員の身分が脅かされないということが一つです。
 もう一つは、今でいえば人事院制度ということになるわけですが、もう少し一般化して言えば人事行政全体を担う政府から独立した公正中立な第三者機関の存在が必要になってくるということです。これは、国でいえば人事院、自治体でいえば人事委員会ということに今はなるわけですが、こういう話をすると、組合活動を一生懸命やっている人は「そんなこと言ったって今人事院は給与制度の総合的な見直しで酷いことをやっているじゃないか」「人事委員会はもっと酷いじゃないか」という意見がかなり出るのですね。それは確かにそうなので、そこは正していかなければいけない課題として踏まえておく必要があるのですが、公正中立の第三者機関の存在によって公務員の全体の奉仕者性を支えるという、本来の第三者機関の役割がすごく重要だということは常に意識しておいて欲しいのです。その点を踏まえずに「人事院はいらない」ということにしてしまうと、今の政府の動きから考えても非常に危ういことになりますので、そこは常に意識すべきだと強調しておきたいと思います。

人口比で日本の2倍近くの公務員がいるフランス

――諸外国の公務員の権利の状況はどうなっているのでしょうか?

 とりわけフランスの公務員制度に関心があって、現地にも調査に行っているのですが、あまりに日本と違い過ぎるので、「フランスの公務員はこうだ」と言ってもなかなか日本で参考にしていくというふうにつながらない難しさを感じています。
 一つは、公務員の数が圧倒的に違います。公共部門が非常に厚く、準公務員的なものも含めると、人口比で日本の2倍近くになります。フランスでも民営化の動きがもちろんありますが、日本に比べると公共サービスを社会全体が大事にしていて、公務員によって公共サービスを行うことが国民にとって重要だという観念が、公務員だけじゃなく国民の中にも根付いているわけです。日本と同じように「公務員は働かない」というような批判もありますが、最後はやはり公務員は非常に重要だと言います。もし、政府が公務員を大幅に減らすようなことがあったら絶対に革命が起きるだろうとまで普通の市民が言うわけです。革命という言葉まで使って言うお国柄ですので、フランスは日本とは対照的ですね。
〔中略〕
 フランスでは公務員がストライキでたたかうわけですが、私がいた時はゼネストもやっていました。国民はストライキで公共交通機関も止まるし生活に非常に不便を強いられて、いろいろ批判もするんですけど、それでも世論調査をすると常に公務員のストライキを支持する国民が6〜7割にものぼる。自分たち民間労働者はストライキもできない状況にあるけれど、公務員は自分たちの分も頑張ってストライキでたたかってくれという声が出てくるお国柄です。
 本当に違いが大き過ぎて、日本もフランスに見習えばと言うのですが、結局国家のあり方というのか、長い歴史の中で国民がつくってきたものがあるわけで、そこを抜きに簡単にフランスを見習えばいいというふうにはならない気がしています。

実質的に労使交渉で勤務条件を決定

――フランスの国家公務員は、ストライキ権はあるけれど協約締結権はないのですよね。

 そうです。協約締結権はありません。日本だといわゆる勤務条件法定主義がかなり強くあって、法律だけじゃなく人事院規則や政令も含めてかなり詳細に規定されていますよね。
 この点はフランスでも基本的に変わらないのですが、フランスでは勤務条件法定主義は労働基本権を制限する正当化理由にはならないのです。スト権は憲法上保障されていますから、ストライキをやって、政府交渉もやって、政府と合意したら政府がその法令を変えるわけです。ですから実質、労使交渉によって法令自体を変えていく、そして勤務条件を変えていく。労使で協約を結んで協約が法的効力を持つという仕組みにはなっていませんが、事実上それに等しいというか、ある意味ではそれを上回ることが実現されているわけです。その点では特殊なんですよね。協約締結権がないから遅れているというような日本的発想ではいかないところがあるのです。【晴山一穂専修大学教授談】 ”

この通り、自らの特権を無邪気に信じ込んで
全く気づかない程までになっていることが分かる。

フランスの公務員は日本の正規公務員より全般的に賃金水準が低いし、
税負担・社会保険料負担が非常に重くその分を育児政策や貧困対策に拠出している。
税負担が著しく低い日本の正規公務員よりも明確に手取りは低いのである。
そうした「不都合な事実」を隠蔽して姑息な情報操作に必死になっているから
国民から冷淡な目で見られるのである。

尚、インタビュー対象の大学教員は、
「異常な公務員バッシングの横行」「公務員への不当な攻撃との闘い」
などという歪んだ表現を掲げた本を出しているから
何を語っても「お里が知れる」というものである。


給与減額の特例法は合憲=国家公務員側が敗訴―東京地裁(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201410/2014103000665
”人事院勧告に基づかずに国家公務員の給与を平均7.8%引き下げた特例法は違憲だとして、国家公務員370人が国に2年間の減額分計約3億3000万円の支払いなどを求めた訴訟の判決が30日、東京地裁であった。古久保正人裁判長は「特例法に違憲、違法な点は認められない」と述べ、請求を棄却した。原告側は控訴する方針。
 給与減額は、東日本大震災の復興財源確保のため2012、13年度に実施。規模は2年間で計約5800億円に上った。”

組合のプロパガンダよりも、実際の行動を見れば「本音」が分かる。
彼らは自分の待遇のために法律を「利用」しようとする行動様式なのである。
コメント

「農業が成長産業」との論は数字無視の妄想、殆ど宗教に等しい − 農協改革もタクシー規制緩和の二の舞に

2015-01-20 | いとすぎから見るこの社会−全般
まずはっきりと言っておきたいが、農業を「成長産業」などと偽称する連中は
全員が大嘘つきであるか、若しくは単なる無知であるかのいずれかだ。

アメリカが「競争力のない」農産品に巨額の補助金を投入して
実質的なダンピング輸出を行っているのは余りにも有名である。

企業が小規模農家を潰して農業分野で稼ぎたいと考えるのは理解できるが、
(事実、アメリカでは牧場の集約が進み小規模な酪農家は廃業や自殺に追い込まれている)
それは日本全体の利益となるものではなく、大手メディアは騙されてはらない。

もし大手メディアが本当に農業の岩盤規制が問題であり規制改革が必要と思うのなら、
大手メディア自身の存亡に関わる再販制度や参入規制といった「岩盤規制」を打破するがいい。
自分自身でまず実験してから他人に講釈を垂れるべきであろう。
広告主に媚び諂ってその利害を代弁するのは公器ではなく、ただの守銭奴だ。

また、農業が成長分野ではないのは根本的には単純な理屈であり、
「産業規模や成長余地が余りにも小さ過ぎる」ということでしかない。
日本経済全体のGDPと農業の産業規模を比較すれば小中学生でも理解できる話だ。

元ソロモン・GSでパートナーまで上りつめたデービッド・アトキンソン氏は、
日本のGDPの1%程度の農業が成長産業のはずがないとはっきり指摘している。

▽ 「日本の高度成長は人口増加による」「農業は成長産業ではない」と明言

『イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る 雇用400万人、GDP8パーセント成長への提言』(デービッド・アトキンソン,講談社)


ただアトキンソン氏も、圧倒的にボリュームの大きい女性雇用増より
遥かに絶対数の少ない女性管理職・経営層増加の方が有望だと
自己矛盾でしかない奇妙な主張を行っているので、この著書全てが信用できる訳ではない。
  
▽ 因に、産業規模の小さい農業が成長分野とは呼べないことは吉本佳生氏も指摘している

『日本の景気は賃金が決める』(吉本佳生,講談社)


そもそも自民党政権の農業政策など死屍累々の失敗だらけだ。
その代わりに土建で地方を丸め込んで選挙で票を事実上「買って」きたのが実態である。

今回の農協改革も、かつてのタクシー規制緩和と同様に
みっともない失敗に終わり総括も検証もしない無責任で終わることは確実である。

「今日、所謂「規制緩和」で経済成長が可能であるかのように
 プロパガンダを撒き散らしている「政策マフィア」どもを見ると、
 高慢な火遊びによって一般国民に犠牲が出ても何とも思わず、
 無責任の塊のような気色悪い連中が現代でも跋扈していることが分かる」

「小泉内閣の時に始まったタクシー事業の規制緩和が失敗に終わったことが明らかになった。
 それでも単細胞・能天気な規制緩和派は農業や医療が成長分野とほざいている。
 彼らが信用できないのは事実に照らして明らかである」

「彼らは社会保障予算増加と増加と成長率低下の逆相関を無視しているだけでなく、
 アメリカの医療機関の「ヴァンパイア効果」すら知らないのである。
 今の日本のバラマキ医療が成長分野などとふざけるのもいい加減にしろ」

「また、農業の規制緩和を唱える勢力は「規模拡大」を繰り返すだけの無能な連中だ。
 お前が実際に農業で働いて稼いでから言うがいい。
 オーストラリアに行って日本が農地集約で対抗できるかその目で見てくるがいい」

「問題は他にもある。規制緩和推進がドグマに汚染された愚劣な運動であるのは論をまたないが、
 規制緩和の結果や効果を検証・総括していないのは怠惰以外の何ものでもない」

「需要が増えない分野でいくら規制緩和しても意味がない」

「また、閉鎖的な経済界や政界が海外からの対日投資を歓迎しないため、
 日本経済のイノベーションや企業経営層の淘汰が進まないという問題も重要である。
 若者の絶対数が減り、海外からの投資を排除する保守退嬰の社会に未来などあろう筈がない。
 これはショボい規制緩和より遥かに重要で、間違いなく成長率に大きく影響するファクターである」

と当ウェブログは指摘してきたが、
自民党政権は農業政策までもが「次元の低い」話にもならない惨状である。

↓ 参考

無責任極まりない規制緩和派、タクシー規制緩和失敗に沈黙する醜態 − 恥を知るなら失策を認め引退しろ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/6f9fb39e717e5b4485020b3e5c9b261b

企業の海外進出の主因は「現地の需要が旺盛」− 円高でも人件費でも税負担でも電力料金でもない
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/619b49fe849af09f9a6a4ff93219bf23

▽ 高成長・高生産性を実現するのは農業や医療での規制改革ではなく、女性就業増と対内投資増である





『スウェーデン・パラドックス』(湯元健治/佐藤吉宗,日本経済新聞出版社)


農協改革「JA全中縮小」で攻防 自民作業部会が初会合(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS20H2A_Q5A120C1PP8000/
”自民党は20日、安倍晋三首相が掲げる農業協同組合(農協)改革の法案を検討する作業部会の初会合を開いた。最大の焦点は全国の農協を指導・監査する全国農業協同組合中央会(JA全中)の権限縮小。与党内には統一地方選を前に農業票離れを懸念する慎重論が根強い。同部会がまとめる骨格をもとに政府は関連法案を作成し、3月までの国会提出を目指す。
 自民党本部で開いた初会合には100人以上の党所属議員が出席し、JA全中の改革案に反対意見が相次いだ。
〔中略〕
 「農協には地方創生の核になってもらわないといけない」。稲田朋美政調会長は20日、党本部での役員連絡会で強調した。同氏は「このままでは大切な農業が衰退する」と主張する首相と歩調を合わせる改革推進派だ。JAの組織見直しを通じて農業を成長産業へてこ入れしたい思いがある。
 稲田氏が特に関心を寄せるのが、JA全中による強制的な監査権の廃止だ。JA全中を経団連などと同じ一般社団法人と位置づけ、地域農協の自主性を高める。農協や農家が農産物の価格やサービス、流通経路を自由に競い合えるようになる。
 地方選出議員ら慎重派はJA全中の縮小に反発する。作業部会では「監査をなくせばどうして農家が良くなるか説明できていない」など批判が噴出。「JA全中は農協法で位置づけるべきだ」と一般社団法人化に反対する意見が出た。「地方の切り捨てにつながる。地方創生に逆行する」との声もあった。
 懸念するのは春の統一地方選や来夏の参院選での農業票離れだ。11日の佐賀県知事選では農協改革も争点となり、農協が支援する候補に与党推薦候補が敗北した。一方、官邸は農業政策を岩盤規制と位置づけ、首相も「抵抗勢力との対決」の構図を打ち出している。”

本当に救いようのない次元の低さで、
「農産物の価格やサービス、流通経路を自由に競い合えるように」なったところで
高齢化・人口減少の日本で元々産業規模の小さい農業がどれほど成長すると言うのか。
仮に年に数千億円伸びたところで「雀の涙」である。観光業にも劣る。

また、いささかなりと産業を成長させるためには
地理的条件において決定的に海外優良産地に劣る日本では、
付加価値を高めることが最優先の筈である。
あさっての方角を向いている自称「改革」は今から既に竜頭蛇尾が約束されている。


農協改革:揺れる自民 選挙実動部隊、無視できず(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20141223k0000m010109000c.html
”衆院選で圧勝した自民党で、農協改革を巡る農協との対立が早くも表面化した。来年1月11日投開票の佐賀県知事選で、農協の政治団体「佐賀県農政協議会」は同党推薦の立候補予定者への支援を見送った。全国農業協同組合中央会(JA全中)を「岩盤規制」の象徴と位置付ける安倍晋三首相は、中央会制度の見直しに年明けから着手したい考えだが、農協には選挙の実動部隊の側面もあり、来春の統一地方選を控えた党内は揺れている。
 「(選挙への影響は)かなり出ると思う。あんなに嫌われるとは思わなかった」。佐賀県知事選に自民党推薦で立候補する樋渡啓祐(ひわたし・けいすけ)前武雄市長は22日、党本部で記者団に語った。県農政協議会は「農政そのものが岩盤規制」と首相に同調する樋渡氏を避け、元総務官僚の山口祥義(よしのり)氏を推薦する対抗手段に出た。
 農協改革を成長戦略の目玉の一つに位置付ける首相の意向を踏まえ、自民党は衆院選公約に「農協改革(中央会改革)」と明記しようとした。しかし、党内の族議員を通じて農協側が巻き返し、成文では「農協改革(中央会制度)」に後退した。
 全盛期ほどの力はなくなったものの、なお一定の集票力を持つ農協の政治団体「全国農政連」は衆院選を前に、各地の候補者に対し、農協改革を骨抜きにする政策協定への署名を推薦の条件として突きつけた。あるベテラン議員は「推薦を取り付けるまでに政策協定書を3回書き直した」と明かす。「改革に前向き」だとして農協組織へのポスター掲示を最後まで断られた議員もいたという。農政連が推薦した190人の自民党候補の多くは政策協定に同意した模様だ。
 これに対し、改革推進派の稲田朋美政調会長は16日の講演で、応援演説に行った複数の陣営から「農協改革の話はしないでほしい。話すなら場所を貸さないと言われている」と頼まれたことを暴露。「それ自体がすごくおかしい」と怒りをあらわにした。
〔中略〕
 統一地方選を前に「伝統的な支持組織とあまり事を構えてほしくない」(同党地方議員)という声は根強いが、経済官庁幹部は「今さら先送りはあり得ず、農協との全面戦争は避けられない」と語り、年明けから攻防が激しくなるとの見方を示した。【宮島寛】”

佐賀県知事選でこのように「反旗」を翻されたため、
ただでさえ効果の疑わしい自称「改革」が更に骨抜きになるだろう。
そもそも、他人の言い分を鵜呑みにして自分の頭で考えられない人間は
「改革派」ではなく「扇動者」でしかない。

真の「岩盤規制」で兆円単位の成長余地のある「電力」は
利権勢力と自民党が癒着しているため既に骨抜きになっている。
同様に成長余地の大きい「女性雇用」は政権の無能と怯懦のために放置されている。
遥かに小粒な農業を槍玉に上げるのは、大根役者の下手なスタンドプレーでしかない。
コメント

マイナンバーで公費を貰う受給者の口座捕捉は絶対必要、骨抜きは腐敗を招く−家計保有の現預金は874兆円

2015-01-19 | いとすぎから見るこの社会−格差の拡大
我が国の社会保障の最大の問題は、豊かな者にも貧しい者にも
高齢者であれば見境なくカネをバラ撒くモラルハザードである。

この悪平等が回り回って現役世代の負担を累増させ消費低迷の元凶となり、
我が国の経済低迷と財政悪化、出生率低下をもたらしているのである。

しかも今回、愚劣な制度設計で事態が一層悪化することが予想される。
マイナンバー適用を銀行の預金口座に義務付けることが見送られたのだ。

公費を受給している者の口座にマイナンバーを適用しないなど、とんでもないことだ。
これで日本の社会保障のモラルハザードは一層深刻化するであろう。
何故なら、既に以下のような現実があるからだ。

「高齢者三経費には約30兆円もの凄まじい額の公費が投入されているのだから、
 困窮している高齢層以外に税金をバラ撒いてはいけない。
 ごく当たり前の理屈である。児孫に美田を残さずどころか、
 「児孫に巨額の借金を残して自分が貯め込む」というのが
 我が国の情けない、余りにも情けない実態なのである」

「所得や資産の乏しい層に公費を投入するのは当然だ。
 だから個人番号を付与するのと引き換えに給付を維持すれば良い」

「我が国には、巨額の資産を持ちながら弱者のふりをして政府にたかる嘘つきが大勢いる。
 公費給付には個人番号制で口座を捕捉し、彼らの大嘘を打破しなければならない。
 それは自己申告と個人番号制の組み合わせで充分に可能である」

我が国には、たっぷり資産を持っている癖に
日本政府に借金をさせて公費を受け取っている腐敗した有権者が大勢いる。

今回のマイナンバー制度設計の大失策により、
我が国の有権者の中に隠れた大勢の「国家のシロアリ」が日本財政を蝕み、
未来世代のクレジットカードを使いまくって日本社会を塗炭の苦しみに陥れる危険性が高い。

▽ 日本の「タンス預金」は50兆円もの巨額にのぼると推測される

『週刊ダイヤモンド』2015年1/17号特集1 保険激変! /商品・生損保・代理店の様変わり/生保15社・経営健全度ランキング/商品ランキング最新版/保険見直しの?新常識?はこれだ! /直接検査で大型保険ショップにお取り潰し危機/廃業の危機を乗り越えろ! 代理店態勢整備?完全マニュアル?


▽ 公的年金の実態は「老人手当」で、巨額の税金を投入している

『なぜ日本経済はうまくいかないのか』(原田泰,新潮社)


当ウェブログでは厳然たる事実に基づき、以下のように指摘してきた。

「日本生命の調査で、愕然とする結果が出ている。
 「ゆとりある老後に必要な生活費」が幾らか質問したところ、
 前年調査より急増した。増加率は消費税3%分よりも多いのだ」

「更に、若年層と比較すると、月30万円以上を必要とする60代の割合は、
 月30万円以上を必要とする30代の割合の2倍近い」

「年金制度の劣化に注目されないよう必死で、
 世論から叩かれるのがとにかく嫌な厚労省は、
 シルバーデモクラシーの圧力に負けてバラマキを維持している」

「我が国の年金制度の劣化の最大の原因は、
 少子高齢化を放置し問題を先送りした厚労省の事勿れ主義と、
 上の世代よりも育てた子供の数が少なかったにも関わらず、
 若者に負担させ同等の給付を受けようとする受給世代の自己欺瞞である」

「今の受給世代は給付水準の3分の2程度しか保険料を払っていない。
 年金給付減額は「適正化」であり、削減などではない。
 破壊されるのは「下の世代の生活と老後」である。
 (改革すれば破壊度が縮小され、改革をしなければ破壊度が拡大する)」

というのが、我が国の情けない「不都合な事実」なのである。

 ↓ 参考

年をとると強欲になる? −「老後に必要な生活費」が増加、若年層より高齢層の方が高額との調査結果
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/03a985b3c136167d456e3a0e7ff05c87

国民年金の実納付率は40%以下、厚労省が必死に数字を操作している −「粉飾・問題先送り」の悪しき因習
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/1c52cb1127be26506f88a47f6fbb00c3‎‎‎

株高でも日本の年金に未来なし、田村厚労相は制度を理解していない − OECDは支給年齢引き上げを勧告
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/da56727d3885056089e7d79ff6f6500f‎‎

▽ 世代間格差の大きい国は、経済成長率が低いという負の相関性がある

『世代間格差:人口減少社会を問いなおす』(加藤久和,筑摩書房)


マイナンバー、預金口座と任意で連動(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/money/features/69.aspx?g=DGXLASFS30H4Y_30122014PP8000 
”国民一人ひとりに割り当てる税と社会保障の共通番号(マイナンバー)を銀行の預金口座に適用することが30日固まった。与党が同日まとめた税制改正大綱に盛り込んだ。2018年から実施するが、マイナンバーを使うことを預金者に義務付けることは見送った。
 マイナンバー制度は全国民に番号を割り振り、年金などの社会保険料や税務などの情報を管理する仕組みだ。16年1月から運用が始まる。預金口座への適用はその2年後に任意で始め、義務化の是非は21年以降に検討する見通しだ。
 脱税や生活保護の不正受給などの防止に役立てる。

〔中略〕
 新規口座の場合、口座開設の申請用紙にマイナンバーを記入する欄を設ける。既存口座については預金者が金融機関へ来店した際に登録を促すほか、郵送などで呼びかける。”

このように、マイナンバーは骨抜きになっており、
たっぷり資産を持っている癖に政府にたかる輩のモラルハザードを
助長しかねない腐った制度になりかけている。


家計金融資産、過去最高の1645兆円 6月末(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF18H02_Y4A910C1EAF000/
日銀が18日発表した2014年4〜6月期の資金循環統計(速報)で6月末の家計の金融資産残高は1645兆円となり、過去最高を更新した。1年前に比べて2.7%増えた。円安・株高によって保有する株式や投資信託の価格が上昇したほか、投信などへの新規の資金流入も押し上げた。
 内訳を見ると、現金・預金が過去最高の874兆円と全体の大半を占め、引き続き家計の安全志向の強さを示した。一方、資金流入が続いている投信も82兆円と過去最高を更新し、リスク資産へと資産配分を増やす動きも見られた。
 また6月末時点の国債(短期国債を含む)残高は前年比4.5%増の1013兆円となり、初めて1000兆円の大台を超えた
 日銀は金融緩和の一環で毎月7兆円程度の国債を買い入れており、日銀の保有残高は43.8%増の215兆円になった。保有比率も過去最高の21.2%に達し、最大の保有主体になっている。〔以下略〕”

国債残高(=公的債務)と家計金融資産がともに増加しているということは、
政府から個人への所得移転に他ならず、
我が国の愚劣な異次元緩和によるリスク資産価格の増大も
政府の債務に支えられたモラルハザード要因が含まれている訳である。
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