みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

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近年の地方の投資増は殆どが「再生可能エネ」、実は民主党の功績だった − 自民党政権で寧ろ投資減の危機

2015-04-16 | いとすぎの見るこの社会−地球環境を考える
当ウェブログは真の意味での「地方創生」のためには
再生可能エネ・省エネ分野が不可欠であると主張してきた。

しかし相変わらず愚かな自民党政権は原子力利権勢力と癒着し、
一部利権層と土建と民宿しか儲からない原発再稼働に邁進している。

投機的かつ無駄垂れ流しの劣等エネルギーを甘やかしているからこそ、
地方においてイノベーションや競争力の高い中小企業が生まれないのである。

地方の優秀な企業は、国民のカネで電力コストを下げようと企む薄汚い大企業と違い、
着々と再生可能エネ・省エネ投資を進めているのである。

再春館製薬所:本社事務所・工場で1年間に使う電力をすべて太陽光発電で賄える
星野リゾート「星のや」:燃料費の80%コストダウンに成功、1年8カ月で初期投資費用を回収

例えば当ウェブログでは以上のような例を挙げてきた。

しかし次元の低い安倍政権の利権優遇エネルギー政策のために、
北海道では早くも工場立地件数が減少に転じている。
膨大な風力発電・バイオマス熱利用・コージェネの潜在力のある地域なのに、
自民党政権の失態のために投資減退の危機にあるのだ。

▽ 再生可能エネ・省エネは非常に大きい地域経済活性化効果がある

『エネルギーを選びなおす』(小澤祥司,岩波書店)


▽ エネルギー多消費産業は、雇用を実際に生み出す効果が極めて低い

『グリーン経済最前線』(末吉竹二郎/井田徹治,岩波書店)


別に民主党政権を評価している訳ではないが、
(特に菅内閣は、「脱原発解散」を敢行し自民党を叩き潰さなかった罪は重い)
自民党は口先で「地方創生」を騙りながら実際には買票的バラ撒きしか行っていない癖に
自分の力で投資が増えたように許し難い大嘘をついている点で民主党以上に罪が重い。

「星野リゾートはエネルギーを実によく研究しており、
 立地に適合した再生可能エネと省エネを巧みに組み合わせて
 コスト合理化とエネルギー自給率向上を両立させている」

「石川氏は残念ながら再生可能エネと省エネの研究がかなり足りないので、
 こちらの記事でしっかり勉強して「次元の低い」現状から
 一刻も早く脱却すると良いだろう。それが当人のためでもある」

「優秀な企業は着々とエネルギー分野で投資を進め、
 再生可能エネルギーの活用と省エネを進めており
 コストの大幅な合理化とエネルギー自給率向上を両立させているのだ」

「また、現在の固定価格買取制度では太陽光発電の買い取り価格が急低下している。
 この推移から見れば、2020年頃には太陽光発電のコストが1kWhで20円台前半となり、
 特に小口顧客は電力会社に払う電気代を大幅に削減できる


「賢い企業は原発再稼働をただ待っているような愚かな真似はしない。
 積極的に再生可能エネや省エネを進めている」

「我が国の輸入する燃料も大幅に削減されるばかりか
 投資増で経済成長にも寄与することとなり、
 省エネと併せて新しい経済成長へと日本を導くことができる」

大企業の収益に貢献するのが得意な自民党政権は、
所詮は献金をたっぷり貰い「取引」をして権力に齧り付いているだけの老害である。
だから日本経済の成長率が低迷するのだ。

 ↓ 参考

賢い企業はエネルギー投資を着々と進める、再春館も星野リゾートも収益向上 − エネルギー自給率も高い
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/2e3b20b11ccefbe713e2fe7129cfc732

三井不動産が太陽光発電で電気料金を約25%削減、地域内での電力融通を開始 − パネルのコストも着々と低下
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/107071bf6f5c5c1f0a217b030370867c

昭和シェル「補助金なしで太陽光発電が拡大する」− パネル製造コストを半減、中国企業に勝つ自信を示す
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/11e0d6174039ae71edec2876bbc97ced

▽ ドイツの再生可能エネで最も雇用を生んでいるのは、実はバイオマス熱利用とコージェネである

『日本林業はよみがえる―森林再生のビジネスモデルを描く』(梶山恵司,日本経済新聞出版社)


14年の工場立地件数33%増 メガソーラー設置高水準(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201503/CN2015032701001762.html
”経済産業省が27日発表した2014年の工場立地動向調査(速報)によると、全国の立地件数は前年比33.0%増の2491件で、4年連続で増加した。立地面積は2.4%増の7710ヘクタールだった。大規模太陽光発電所(メガソーラー)の設置が高水準で続いていることが寄与した。
 メガソーラーが含まれる電気業を除いても立地件数は22.9%増の1021件、立地面積は16.3%増の1253ヘクタールとそれぞれ増えており、企業の投資意欲の回復を裏付けた。
 業種別の立地件数では、電気業が13年の1042件から1470件に急増した。〔以下略〕”

この通り、工場立地は2011年から増加を続けており、主力は再生可能エネだ。
製造業の国内復帰はないことはないが、所詮は限定的なものにとどまる。

自民党が馬鹿でなければ無駄の多いメガソーラーを抑止し
コスト優位性の高いコージェネ・風力・バイオマス熱利用・地中熱に注力しだろう。
その程度の知恵もなく原子力と癒着して利益誘導に精を出しているのだから話にもならない。


道内工場立地20%減、2014年、太陽光発電所の減少で(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO84945830X20C15A3L41000/
北海道経済産業局が27日発表した2014年1〜12月の工場立地動向調査(速報)によると、道内の立地件数は13年比で20%減の87件となった。太陽光発電施設が大部分を占める「電気業」が減った影響が大きい。電気業を除いた立地件数は26件と7%減ったものの、化学品などで大型案件が目立ったことから、立地面積は46万2000平方メートルと34%伸びた。
 業種別では太陽光発電設備のための土地取得が減った電気業が25%減の61件。14年10月に北海道電力が再生エネルギーの固定価格買い取りを制限したことも響いたもようだ。
 「食料品」は石屋製菓(札幌市)が北広島市に用地を取得するといった動きがあったが、業種全体では8件と47%減少した。〔以下略〕”

あれだけ膨大な潜在風力資源・潜在バイオマス資源を持つ北海道でこの有様だ。
原発停止で電力会社と一部大企業ばかりにカネが回るように策動しているから
投資が増えないのである。分かり切った話である。

ぶくぶく膨れた公共事業費の一部でも送電網整備はかなり進展させられ、
風力発電の新規開発で確実に北海道の雇用が増える。
札幌でコージェネを推進すれば膨大な燃料コストも節減できる。
従って、この投資減退が全て安倍政権の責任であるのは明白だ。


日本企業の「生産拠点」、海外からの「大規模撤退」は起きない?=中国メディア(サーチナ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150413-00000006-scn-bus_all
”中国メディアの騰訊財経は9日、円安を背景に日本企業が海外の生産拠点を国内に回帰させているとの報道があることを紹介し、米国の投資銀行であるゴールドマン・サックスが「大規模な国内回帰は起きない」と分析していると報じた。
 中国メディアの騰訊財経は9日、円安を背景に日本企業が海外の生産拠点を国内に回帰させているとの報道があることを紹介し、米国の投資銀行であるゴールドマン・サックスが「大規模な国内回帰は起きない」と分析していると報じた。
 記事は、日本のメーカーがこれまで海外に生産拠点を置くことを重視してきたと伝え、その目的は「グローバルな規模で生産および販売を最適化し、企業価値を最大化すること」にあったと指摘。
 さらに、日本のメーカーが生産拠点を海外に置く動機となったのは「海外に大きな需要」があったことも要因の1つだとし、日本国内の需要が拡大し続けたのであれば企業もリスクを背負ってまで海外に生産拠点を移さなかったと主張した。
 続けて、長期にわたる円高が日本のメーカーの海外移転を促進したとし、ゴールドマン・サックスが「今後数年にわたって円安が続く」と予測していることを紹介する一方、「メーカーが海外に工場を移転する速度は鈍化するが、それでもメーカーの海外生産比率は今後も上昇を続ける」と予測していると紹介。
 さらに、その理由として、多くの日本企業が今後5−10年で現在の円安傾向が終わると見ていることを挙げたほか、日本は生産年齢人口が減少を続けており、労働市場の需給バランスが崩れているため、海外に比べて労働者の確保が困難であることを挙げた。(編集担当:村山健二)”

「円安で生産拠点の国内回帰が増える」などと
リフレ・カルトのような世迷い言を吐く者もいるが、
ゴールドマンの冷静な分析の方が遥かに正しい。

次元の低い安倍政権が内需を抑圧しているため、工場の国内回帰も所詮は数が知れている。
そもそも近年の我が国の製造業は一貫して雇用を減らしており、期待する方がおかしい。
コメント

安倍首相の貧困支援基金はただの言い訳、再分配の手抜きを隠す目的 − 反貧困派と同レヴェルの低次元

2015-04-15 | いとすぎから見るこの社会−格差の拡大
安倍首相は貧困世帯の子供のために基金を設立するようだ。
安倍政権より政策面で遥かに優れている「先進国」北欧では、
子供関連の社会保障給付が日本より充実しているため、そもそも基金の必要すらない。

従って、この基金の設立自体が安倍政権の「次元の低さ」を証明するものである。
「やらないよりはまし」という意見もあろうが、そうではない。
我が国では歴代の自民党政権が高齢層の票を事実上「買収」するため
高齢層に巨額のバラ撒きを敢行し、育児や教育の予算をケチってきた。
それが我が国の絶望的な少子高齢化、並びに先進国として恥ずかしい子供の貧困の元凶となったのである。
(子供の貧困を後目に自民の世襲議員は、相続非課税の特権を握りしめて離さない無恥厚顔ぶり)

ただ、安倍政権の「次元の低さ」は今日に始まった話ではなく、最初からだ。
口だけの利益誘導政策で日本の経済成長率は低空飛行を続けているので、
安倍政権下で子供の貧困対策も「口だけ」で終わるのは間違いない。
しかもこの貧困対策の基金も、裏の狙いは「天下りポスト確保」の疑いもある。
(事実、安倍政権下で官僚の優良天下りポストである政府系金融機関の民営化がとりやめになった)

日本では更に深刻な問題があり、リベラルや反貧困派が
貧困率の低い欧州における重い国民負担の問題を無視し、
このひどい財政赤字の国で更なるバラ撒きを要求している。
そのようないい加減な社会保障が持続可能な筈はない。

安倍政権も反貧困派(若しくは無責任なリベラル)も自己欺瞞ばかり得意で、
貧困対策を真面目に行う気がなく、問題を却って深刻化させている始末だ。

▽ 福祉には必ずモラルハザードが発生するため、北欧は厳しい制度と監視システムを構築してきた

『福祉国家の闘い―スウェーデンからの教訓』


▽ 生活保護は、現役世代の受給者を脱却できなくする欠陥制度

『NHKスペシャル 生活保護3兆円の衝撃』


当ウェブログは救いようもなく経済リテラシーに欠ける反貧困派を批判してきた。

「我が国の生活保護制度はもはや欠陥だらけで、
 「貧困の罠」とも言われる脱却がほぼ不可能な制度であるだけでなく、
 高い確率での世代間継承(親子で生活保護受給が続く)が確認されている」

「反貧困派は無視を決め込んでいるが、医療扶助は
 1兆円を超える異常な水準に達しており不正とモラルハザードの温床である。
 サンプル調査でも続々問題が見つかっている」

「高齢化が進んでいる現在、受給者の増加は不可避であり、
 高齢貧困の最大の原因は「無年金」なので
 非正規労働者に大量の「予備軍」が控えており、今後も給付増は確実である」

「また、リーマンショック以降に稼働層が生活保護へなだれ込み、
 無策な政府と官庁が彼らを別枠にしなかったため、
 制度依存を増やし就労への復帰を妨害することになった」

「しかし原理主義的な反貧困派は困難な制度改革を避けて無責任な政府・行政批判を繰り返し、
 受給者を「貧困の罠」に陥らせたままにしている自らの行為に気づかないのである。
 彼らが独善的・非妥協的な態度で給付を求めることこそがスティグマを強化している。
 (大多数の有権者の目には「自分がカネを出さないのに他人に払わせようとしている」と映る)」

「事実、景況が回復しても生活保護給付額は増えている。
 中間就労のシステム構築など制度改善を怠けていながら
 不毛な神学論争に熱中している連中ばかりだから当然である」

今回の安倍政権のなんちゃって貧困対策と相俟って、
貧困問題の改善はますます遠ざかる一方である。

 ↓ 参考

NHKが安易な生活保護受給を勧めないのは当然、反貧困派は自分の首を絞めている − 制度的欠陥を無視
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/840d5379e29a4c56ea01ad758ecede61

生活保護の就労支援、1億2000万円が無駄に − 40万人もの「稼働層」が給付依存で立ち直れない恐れ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/60c05a8a10c8122f9d7408d2ed312a35‎

矢張り乱用されていた医療扶助、「1年間に20回近く転院する受給者」も存在 − 日医会長の強弁も覆る
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/78902cb301828c8a9264eb1782e27484‎

▽ スウェーデンの充実した貧困対策や育児支援は、凄まじい逆進税があるからこそ実施できる

『スウェーデン・パラドックス』(湯元健治/佐藤吉宗,日本経済新聞出版社)


「貧困の子供支援」国民運動…寄付募り基金創設(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150403-OYT1T50019.html
”政府は2日、官民一体で貧困家庭の子供を支援する「子供の未来応援国民運動」の発起人集会を首相官邸で開き、企業や個人に寄付を呼びかけて基金を創設することを確認した。
 金銭的な理由で塾に通えなかったり、スポーツ・芸術分野の活動が続けられなかったりする子供を支援するのが目的だ

 基金事業のほか、各種の支援情報を検索、閲覧できるポータルサイトの開設、優れた支援事業を行った団体に対し、総理大臣表彰などを実施することも申し合わせた。
〔中略〕
 この日は、安倍首相、日本経済団体連合会審議員会の伊藤一郎副議長(旭化成会長)、日本新聞協会の白石興二郎会長(読売新聞グループ本社社長)ら幅広い分野の代表者が発起人として出席した。首相は「子供たちの未来が家庭の経済事情によって左右されることがないように社会をあげて取り組んでいきたい」と強調。また、今夏をメドに政府の支援策を取りまとめる考えも示した。”

基金自体は別に悪くないが、金額が圧倒的に不足するのは明白だ。
安倍政権が始めた最悪の格差拡大政策である孫への贈与非課税の方が
遥かに金額が大きくなると容易に予想できる。

今からはっきり言っておくが、我が国の政治家や経営者の多くは
自分の子や孫にはたっぷり過ぎるほどのカネを注ぎ込みながら、
貧しい子供達には申し訳程度の金額しか出そうとしないであろう。
(良心や社会的正義を重視する人々はあくまでも少数派である)

しかし、悲しい話だが大きな成果は一つあるかもしれない。
寄付金が大して集まらず、ごく一部の優れた資質を持つ子供だけが支援されることで、
日本国民がいかに貧困問題に対して冷淡かが実証される
可能性はかなりある。。


児童手当受給世帯、低所得者・子育て支援 3000円を追加支給(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS09H1O_Z00C15A4PP8000/
”9日成立した2015年度予算には、子育て世代や低所得者向けの支援策が盛り込まれた。子育て世帯を対象に子ども1人当たり3000円を配るほか保育所の整備を通じ待機児童の解消を急ぐ
 政府は児童手当を受け取る世帯を対象に、3000円を追加支給する。受給資格は6月に自治体に届け出る14年の所得などで決まるため、支給は夏以降になる。10月に支給する児童手当に上乗せする自治体が多いとみられる。〔以下略〕”

安倍政権が貧困対策も少子化対策も真面目にやる気がないのは明白だ。
3000円など、笑わせるのもいい加減にしろ。
自民の世襲議員が幾ら相続でき、幾ら税を安くさせたか公表するがいい。
世襲政党の議員が口では正義を騙り、裏では自己の利益を図っているのは明白。

▽ 安倍政権の成立以来、高所得層は自分達の声が政策に反映されているとの実感を急速に強めている

『中間層消滅』(駒村康平,KADOKAWA/角川マガジンズ)


実家は「出たくても出られない、檻のない牢獄」 低所得の若者の厳しい「住宅環境」(弁護士ドットコム)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150211-00002660-bengocom-soci
”年収が200万円に満たないような「低所得の若者たち」の住環境を議論するシンポジウム「市民が考える若者の住宅問題」が2月8日、東京都内で開かれた。パネリストが若者たちの実家を「出たくても出られない、檻のない牢獄」と表現するなど、厳しい実態を指摘する意見があいついだ。
 主催したのは、ホームレスへの支援を行うNPO法人ビッグイシューと、研究者らでつくる住宅政策提案・検討委員会。住宅問題にくわしい大学教授や、生活保護受給者の自立支援を行うNPO法人の代表らが登壇し、200人以上の参加者とともに議論した。
 シンポジウムの冒頭、低収入の若者の「居住実態調査」の結果が報告された。これは、NPO法人や研究者などが昨年8月、首都圏と関西圏に住む年収200万円未満の未婚の若者(20〜39歳で学生を除く)を対象に、インターネットを通じて実施したものだ。1767人が回答した調査結果によると「親と同居している」と答えた人が77.4%にのぼった。
●家賃負担が「収入の3割」を超えると苦しくなる
 続いて、調査結果を受けておこなわれたパネルディスカッションでは、生活困窮者支援を行うNPO法人「ほっとプラス」の代表理事をつとめる藤田孝典さんが「親と同居する若者には、家から出たいストレスがあり、親には子どもを家から出したいストレスがあります。お互いのストレスが積み重なって、家庭内暴力や精神疾患発症のきっかけになる場合も少なくありません」と指摘した。
〔中略〕
 藤田さんはこのように述べ、ほっとプラスに実際に寄せられた相談事例を紹介した。
「印刷製本会社でアルバイトをしている20代前半の男性は、埼玉県内の実家で、60代の両親と高校生の弟と同居しています。アルバイトで得る収入は月15万円ほどです。
 両親は月25万円の厚生年金で生活していますが、弟の学費もかかるため、男性を養っていくのは厳しい状態です。両親からは自立してほしいと言われますが、家を出たくても、埼玉県内でワンルームを借りるとなれば、家賃5〜8万円はかかります。
 収入のうち家賃の負担率が3割を超えると、生活はかなり苦しくなります。家から出たくても、家賃負担が重くて踏み出せず、実家にとどまっているケースがあります」
●実家に住み続けるストレスが「家庭内暴力」に
 藤田さんは、収入面以外の問題として、実家に住み続けるストレスが家庭内暴力を引き起こす事例をあげた。
「30代の男性は、東京都内の賃貸住宅で80代の母親と暮らしています。男性は誰もが知っている有名大学を卒業後、IT企業数社で働いてきました。
 しかし長時間労働で過労になり退職し、今は治療をしながら、働いていたときの預貯金300万円と母親の遺族年金8万円(月額)に頼って生活しています。
 この男性は、もどかしくて実家から出たい、病気はあるけど再就職したいというストレスが、暴力となって母親に向いてしまう状態です
●家賃5万円未満の「低家賃住居」が決定的に不足
 一方、「居住実態調査」に携わった神戸大学の平山洋介教授は「親と同居することが良いか悪いかという話ではなくて、そうする以外に選択肢がないのが問題です」と語った。
 日本の住宅政策は「結婚して家族を持った人が家を買う」という前提のもとに実施されてきたため、低所得者や単身者に対する住宅政策がとても弱いという。平山教授は、特に首都圏などで、家賃5万円未満の低家賃の住居が足りないことを指摘する。
「低所得の世帯が増えているのに、低家賃の住居が決定的に不足しています。また、日本は諸外国に比べて公営住宅が少ないうえに入居条件が厳しい。都営住宅で親と同居していた若者が、親が亡くなって家を承継できず、住み続けることができなくなったケースもあります。
 生涯未婚率が上がり、家を買う人が少なくなった今も、政府は住宅ローン減税など『家を買う』ための政策に重点を置いています。〔中略〕」
 平山教授はこのように語っていた。 (弁護士ドットコムニュース)”

貧困対策は非常に難しい面があって、成果に見合わないコストが膨大にかかる。
「ストレスが暴力となって母親に向いてしまう」ような層を就労に復帰させるのは
特に日本のような人件費の高い国では凄まじい労力と費用がかかる。

日本国民は、就労に復帰できる層への効率的な支援には同意しても、
手が焼ける層への給付には強烈に反発するだろう。

特に、中・低所得で必死に働いて自分の家賃を頑張って払っている層が
こうした「役得」に激怒して壮烈なバッシングを繰り広げるのである。

そうした面倒な状況がある上に、経済リテラシーのない反貧困派が
北欧のような峻厳さのないバラ撒きを要求するから益々事態が悪化するのである。

「他人に金を払わせようとする」反貧困派は、自分達が正しいと信じているなら
まず自らがカネを出して住居を工面して貧困層を支援してから言うべきである。
(そうすれば問題は容易に解決しないという現実がやっと見えてくる)
そして、欧州諸国並みの重税を自分が払ってから言うべきである。
北欧がなぜ日本より法人税が軽く、間接税が重いのか。彼らはそれすら全く理解していない。
コメント

「育休世代のカリスマ」はただの強欲、自分のやり甲斐だけ追求し他人を完全無視 − 利己主義の典型

2015-04-15 | いとすぎから見るこの社会−雇用と労働
中野円佳女史が東洋経済オンラインで連載を持っているが、
内容を見るとその視野の狭さに愕然とするばかりだ。

言い分も自己の置かれた状況によってくるくる変わっている訳だから、
企業の人事の観点から言えば、「矢張り女性はいつ辞めるか分からない」となる。
ひたすら働くしか選択肢がない男性の方が使いやすいと考えるのは当然である。

日本企業の中にいる女性が仕事と育児の両立に苦労するのは
トレンダーズ創業者である経沢元社長が何年も前に指摘したことであり、
今更取り立てて言うものではない陳腐な話である。

多忙な夫を選んだなら妻が育児しながら仕事にフルコミットするのは極めて困難であると考えねばならない。
長時間労働にフルコミットしたいなら家事育児の大半をカバーできる夫を選ぶべきだ。
また、やり甲斐のある仕事を求めるなら起業の道を選ぶのが理の当然である。

多忙でも社会的地位の高い夫と結婚したい、育児にも時間をかけたい、
やり甲斐のある仕事も貰って当然、というのは単なる強欲に過ぎない。
それ以外の何だと言うのだろうか?
(関係者から反論があるなら是非コメント欄にお願いしたい)

学歴もなければ夫にも恵まれない大勢の女性達にとってこの強欲は不快極まりなく、
憎悪の対象にすらなることを全く理解していない訳である。

あのアメリカですら、経営・管理層の女性の出生率が低いという事実は重い。
ましてや北欧のように育児・雇用支援のため重税負担に耐えていない日本では、
仕事と育児の両立が困難なのは当たり前で、所詮は自業自得でしかない。

さらに、中野女史は自身のような「注文の多い」タイプがごく少数派であることも理解していない。
女性は高学歴層ですら他国に比べ専業主婦志向の者が異常に多く、
しかも大多数が「上方婚」なので仕事を捨てざるを得ない選択肢を自ら選んでいるのだ。
(女性医師が高所得な同業と結婚して、仕事を自ら辞めるのと似ている)

「育休世代のカリスマ」などと軽々しく持ち上げているのは
東洋経済オンラインの若いチームの仕業だろうが、
タイトルと見出しで釣ろうとする小技の多用は自己の言論の価値を下げるものだ。
例えば本当のカリスマの名に相応しいサンドバーグに対して余りにも恥ずかしい呼称と言えよう。

▽ 率直に言って、自分の周囲しか見えない中野女史との視野の違いが歴然としている

『LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲』(シェリル・サンドバーグ,日本経済新聞出版社)


当ウェブログの懸念が的中したことになる。

「日本の女性の就業状況についてOECDが興味深い報告をしており、
 先進国中でも日本女性は高度の教育を受けているにも関わらず
 就業率が「著しく」低いという事実が分かっている」

「今、日本では配偶者控除廃止に対しヒステリー気味の反発が多いのは、
 高度な教育を受けた分を就業にではなく配偶者控除による利得を死守するために
 フル活用しているためではないのだろうか」

「よく知られているように、配偶者控除は高所得層にとって有利な仕組みで、
 最も恩恵を受けるのは高所得層の専業主婦なのである」

「配偶者控除は、ただでさえ苦しい母子家庭や失業世帯を切り捨てる最低の政策である」

と当ウェブログは書いた。こうした利己主義が日本の特徴である。
高学歴版に変換すれば、「私にはやりたい仕事も育休も高所得の夫もあって当然」となる。

 ↓ 参考

高い教育を受けても就業率が著しく低い日本女性、先進国比で明確 − 配偶者控除 廃止への批判が多い理由か
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/5a5b865d08ad919c9fe0115b89a4ac3b

女性役員比率が10%増加すれば、企業価値は10%以上減る − 安倍政権の低レヴェルがまた証明された
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/b4408120495f8f129365cb6545c6bf3b

女性の就業率向上で経済波及効果6兆円超、TPPを遥かに超える − 妨害するのは安倍政権の「育休三年」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/e51d931755e618e1d3181911b7b29773

▽ 女性就業率の引き上げには、税負担の引き上げが絶対に必要(女性自身の自立も必要)





『スウェーデン・パラドックス』(湯元健治/佐藤吉宗,日本経済新聞出版社)


育休世代のカリスマが、会社を"降りた"ワケ(東洋経済オンライン)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150402-00064492-toyo-soci
”昨年、『「育休世代」のジレンマ』(光文社新書)を発表し、ワーキングマザー界に鮮烈にデビューした中野円佳氏。その中野氏による新連載を始めます。 第1回目は、会社員ママのパイオニアを目指して両立に奮闘してきた筆者が、この3月に決断した重要な”方向転換”とその背景について。日々、頑張っているのにモヤモヤするママたち、ママ社員の心境がわからない管理職の方々、必見です。

 はじめまして。中野円佳と申します。『「育休世代」のジレンマ』という本を昨年9月に出版し、今回、このような連載を持たせていただくことになりました。この連載では、私自身の経験や育休世代前後の声を基に、日本の企業社会の課題や原因を探っていきたいと思います。
 『「育休世代」のジレンマ』という本は私が育児休職中の2012〜2013年に書いた修士論文を基にしたものです。
 この本は、15人の総合職女性へのインタビューから構成したものです。分析を通じて浮かび上がってくるのが、「男女平等に競争し、勝ち上がっていく意欲があった女性ほど、子どもができるとかえって辞めている。辞めずに続けやすいのは、ある程度仕事への意欲を引き下げて、ゆっくり働ける人」という事実です。
 先輩女性たちの苦労と努力により、今、30代前後の高学歴女性は子どもを産むまでは、男女平等をある程度、当たり前に享受することができます。そうして、男性並みに働いて成果を出すのが当然と信じるようになった「マッチョ志向」の女性たちは、出産すると、次のようなジレンマに陥ります。
 ‘きやすさよりもやりがいを重視してハードな職場を選び、⊆分と同じくらいハードワークな夫と出会って結婚するために、育児と仕事の両立が回らなくなってしまう――。
 彼女たちは、世帯収入などの面ではある意味で恵まれた層でもあります。そのため、出産後に長時間働けなくなったなどの理由で、やりがいのない業務に異動させられてしまうと、「子どもを預けてまで」必死で働く意味がわからなくなります。そうなると、いっそ“競争”自体から降りてしまおうと、その会社を退出するか、管理職にはならなくていいというふうにモチベーションをうまく下げて残る人に分かれていきやすいのです。
 本では、この世代がやりがい重視で仕事選びをする「自己実現プレッシャー」と少子化対策などによる「産め・働け・育てろプレッシャー」の板挟みとなっている背景や、この二極化の何が問題か、どうしたらいいかという点も描いています。

■ パイオニアになれませんでした
 最初に懺悔をさせていただきますが、本の最終章で、私は女性たちに向けて「パイオニアとなって声を上げ、入ってしまった会社を変えていくことも重要」と書きました。
 それは今も本心ですし、私自身、自分がいた会社で育休世代のパイオニアになりたかった面もあります。でも、そうやって残って頑張ろうとする女子をたきつけておいて、ごめんなさい。私はこの3月末で勤めていた新聞社を辞めることにしてしまい、したがって「会社に残って頑張るパイオニア」にはなれませんでした。
〔中略〕
 理由はいろいろあります。今日はそのうちのひとつ、私自身が直面したワーキングマザー(ファザー)にとってのわなについて考えてみたいと思います。
 それは、ワーキングマザーが会社組織の中で価値を発揮していることを主張できるひとつの有力な戦略、「生産性モデル」に限界があるということです。
 私は本の中では、復職後、女性の処遇として「仕事の内容は変えず、量が変化(減少)した分は報酬面で反映させる。昇進させて高付加価値の仕事を任せるかどうかは、生産性など能力で評価する」ことをひとつの解決策として提示しました。
 ただ、自分が復帰してみて、この「生産性」の部分で新たなジレンマがあることを発見することになります。
 私は育休から復帰して辞めるまで1年半ほど働きました。かなり自分の裁量で動くことができる部署にいたので、育児との両立にはあまり苦労せずに済みました。日々の小さな仕事のほか、興味のあることを取材・提案し、紙面化することに関しては人並み以上にやってきたつもりです。
 所属部署とは関係ないチームにも手を上げて入れてもらい、少なくとも女性活躍、ダイバーシティ、働き方改革などの分野においては、それなりに評価を得てきたと思います。
 その時期に本を出したので、よく、「どうやって、子育てしながら、仕事も出版準備もやっていたのですか」と聞かれます。もちろん、育児を親に手伝ってもらって時間を捻出できたことは大きかったと思います。でも、基本的には17時に退社し、子どものお迎えに行き、それ以降は平日あまり仕事はしていません。
 では、いったいどうやって生産性を上げていたのか。

■ 当初は順調だった、「生産性向上」
 時短術にはいろいろあります。復帰当初は1分1秒が惜しくて、朝、自分の席に着いたらPCを起動させている間にトイレに行って、うがい手洗い。前日までに書き上げてあるTODOリストを基に、PCがICを読み込んで、ネットに接続している間に2〜3カ所電話。私語はいっさいしない。
 脇目も振らずに仕事して、直行直帰でできるだけアポの移動時間は削減。17時に職場を出て、走ってお迎え! ……ということをしていました。それだけでもそうとう、生産性は上がります。
 でも、復帰から半年くらいすると、息切れのするような日々に心が折れそうになりました。あまりにも余分なものをそぎ落としてきてしまった気もして、このままでいいのだろうかと不安にもなります。
 そこで、効率化のやりすぎをやめて、同僚との雑談、時に記事化の予定がなくても人と会うことなどを再開してみました。すると、やはり仕事上の新たなアイデアは沸いてくる気がします。視野も広がります。
 こうなると再び、ある意味で「無駄」な時間が増えているはずですが、なぜか仕事のクオリティも効率も落ちていない気がします。
 どうやってこれを実現していたのか。どうやら、育休から復帰後、私は、自分が圧倒的に強みを発揮できる分野でしか勝負をしなくなっていたようです。
〔中略〕
 自信を持って記事を出すには、きちんと予習して、気が済むまで徹底的に各方面に取材をしたい。それには、ものすごく時間がかかります。
 一方、強い分野は、普段から趣味の延長で本も読んでいて、知識も仕入れてあるし、自分の中で論点マップがある程度できているので、予習も取材も執筆も、とにかく早いわけです。なので、ある程度詳しいテーマばかり選んでいれば、生産性は上がります。
 必ずしも、意図的に苦手な分野を避けていたわけではありません。会議に企画案をかける際、自分が強い分野と、ちょっと弱いかなと思う分野の提案も一緒に書いて出してはみます。ところが、かなり時間をかけて作った企画でも、「弱い分野」のものは通らず、ほんの5分で書いた「強い分野」の提案が、「こっちでいこう」「これ、来月書ける?」とすんなり通ってしまうのです。

■ 生産性戦略のワナ
 そうやって、自分のわかる分野+わかる分野のちょっと延長、くらいを扱って仕事が回っているうちは、労働時間が短くても成果が出せます。
 でも、だんだん同じ角度から記事を書くのはネタ切れもするし、自分としても新しい挑戦をしたくなってきます。また、会社は基本的に若手に対しては「さまざまな分野を担当しながら、成長していく」ことを求めています。
 ところが、まだ子どもが小さく、残業を毎日しますというふうにはしたくない。2人目を産むことも考えたい。でも、仕事のクオリティは落としたくない。恥ずかしい仕事をしたくない。
 「でも、でも、でも」。そんな逡巡の下で仕事をしていた育休後の1年間。部署にいる年数はそれなりに長くなりつつありましたが、上司との面談で、私の口から「次は新しい部署で、新しいチャレンジをしたい」という言葉はついぞ出てきませんでした。
〔中略〕
 「あー、ちょっとごまかしちゃったな」「ここ確認甘いんだけどな」と思いながら記事を出すのは、耐えられない。同じ時間的資源があれば絶対勝てるような試合で、「この程度のレベルなのね」と思われるのも不本意。
 そういう性格上、もし新しい仕事に異動したら、おそらく子どもとの時間を削って、頑張ってしまいそうです。そうすると、親である自分に対して、「それでいいの?  子どもと夜、会えなくなるかも?  2人目は先延ばし? ?」という疑問がふつふつと湧いてくる。
 だから、自分で手を上げて積極的に新しいチャレンジをする気が起らない。本の中などで、女性たちに「ちゃんと会社の中で声を上げて!」「上司とコミュニケーションし、やりがいを確保すべし」と言っている私なのに、気がつくと「当面は、この部署でいいです」などと口にしている。
 そう、結局、自分がさんざん分析してきた「ジレンマ」に見事にはまっていたのです。
 「当面」とは言っても、これで、「これから2人目産んで……」「子どもが小学校にあがったら小1の壁にぶつかって……」などとやっていたら、向こう10 年くらい、新たな挑戦はしにくくなっていきます。見事に「本人の希望どおり」「自分で選択したこと」によるマミートラックに塩漬けの出来上がりです。
 こうして、私はサラリーマン記者としてのキャリアに展望が描けず、退職を決意しました。自分がいた会社を変えることはあきらめてしまいましたが、企業に伴走しながら変革を促すChangeWAVEという会社に参加することにしました。ダイバーシティ推進などの分野で専門性を生かして発信ができたらと思っています。

■ 長時間総合職の前提では無理
 子どもができると、生産性は上がる。これは多くのワーキングマザー(ファザー)が実感していることだと思います。でも、生産性モデルによる生存戦略は、まず「生産性高く、かつ長い時間働ける」というサイボーグ的な人には勝てないという難点があります。
 そして、上で書いたような、新しい領域に挑戦しにくくなるという問題点がある。
 専門職や職務採用の外資系企業、あるいは残業がない会社では、これは問題にはならないかもしれません。でも、ザ・日本のカイシャの総合職で、まだ畑も定まっていない若手社員には、この点はけっこう致命的です。
 少なくとも、「致命的だろうなぁ」と思わせる構造はある。40〜50代の先輩方からは「もっとキャリアを長い目で見て、焦るな」とも言われますが、長い目で見るからこそ、展望が描けなくなってしまうのです。
 「仕事で負けたくない」「子どもの時間も確保したい」なんて、そりゃ両方望むのは無理だろうと思われるかもしれません。でも、この2つの両立が難しくなってしまうのは、以下のような前提条件があるからではないでしょうか。

ヾ覿箸料躪膺Δ部署異動をしながらジェネラリストとして育ち、評価されるという前提
⊆卞癲業界内の競争相手は長時間で働いているという競争条件

 この前提条件の下で、時間制約があっても、ある意味、公平に評価されるだろうという予測がたつ中で、「キャリアは本人の希望を重視した自己選択であり、それゆえに伴う結果も自己責任である」となれば、チャレンジングなキャリア形成はしにくくなります。
 もちろん、会社や上司の側がうまく期待をかけて挑戦させていく風土、そしてそのためのバックアップ態勢、サポートの仕組みがあればこの限りではありません。でも今は、企業側も育児中社員にどこまで負荷をかけたらいいか試行錯誤をしていますよね。
 まあ、そんな使いにくいやつは勝手に辞めていったらいいじゃないかと思われるかもしれませんね。そうしてパイオニアは増えず、「女性活用は失敗する」(『「育休世代」のジレンマ』の副題)わけです
 では、育休世代が会社を変えるパイオニアになっていくのは不可能なのでしょうか。「生産性モデル」以外の生存戦略の話は、追って書いていきたいと思っています。また、パイオニアが増えず、女性活用が失敗するとカイシャとして何が問題なのかについても、今後、考えていきます。”

このような「強欲」、自分の望みを会社が叶えてくれるのが当然とする感覚は、
新聞社という明確な既得権を持った、急激な業績悪化と大規模リストラとほぼ無縁な
極めて安定的な雇用環境から生まれたものと思われる。
(日本の大手メディア正社員の賃金が国際比較で見て非常に高いのは有名な事実である)
前職の会社で働く大勢の低賃金非正規の女性労働者の立場にも恐らく無関心な筈だ。

経営層や管理層の見方も全く理解できておらず、
企業経営がどのようなメカニズムで行われているかもよく知らず、
もしかすると自己評価も過大である(自己相対化が不充分な)可能性がある。
著者はいずれ「若気の至り」としてこの原稿を振り返る可能性が高いのではないだろうか。

転職もどちらかと言えば「後ろ向き転職」の感が強い。
サンドバーグのように新しい世界を後進のために切り拓けるのか
少しは期待したいのではあるが。。

▽ 著者は我が非常に強く、考え方の異なる同性を無視しているような印象を受ける

『「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか?』(中野円佳,光文社)


amazonを見ると、高評価しているレビューはだいたい自分のことしか見えない他責的な不満の強い層である。
逆に厳しい評価をしているレビューに面白いものがある。

>上方婚しといて育休がジレンマって、自己矛盾やないですか?, 2015/2/16
>投稿者 信州ラプソディ (長野県長野市)
>「男なみ」でやってきた優秀な女性さんたちって、「結婚」となるとコロッと態度を変えて、「非男なみ」をやってしまうんですよ。ようするに「上方婚」をやるよね。社会の一線で活躍を続ける男たちは、ほとんど「下方婚」だよね。あるいは「中方婚?」。中方婚ならやっぱし規定路線(女が下りる)に引っ張られるだよね。だから男は育児資源が確保できる。上方婚だと、そら確保できないでしょ。当たり前の話やないですか、と。

>他の人の立場を考えてください, 2015/1/28
>投稿者 みねこ
>仕事には「やりがいのある部分」と「やりがいのない部分」、あるいは「やりたい仕事」と「やりたくない仕事」があるでしょう。「やりがいのある」「やりたい」仕事しかしたくない人には、フリーランスとして働く道もあります。勤め人は「やりがい」がなくても任務をこなしている人が多いことでしょう。ところが著者は、子育て中で時間が限られているのだから「やりがいのある」仕事を回すように、という旨の主張を展開しています。取って付けたように317ページで「賃金で差を付け」ることに触れていますが、直後の318ページでは「出張や転勤を経験しなくても管理職に就ける成長のルート」等、「やりたくないこと」はせずに高評価を求めたいという本心が露呈されています
>子育て中の女性を職場で支えざるを得ず、「やりたくない」「やりがいのない」膨大な量の仕事を回されている他の人のことをも考えるならば、子育て中の女性の「やりがい」より先に、職場での立場の違いを考慮した上での「公正な処遇」を具体的に提案できないでしょうか。


「「やりたくない」「やりがいのない」膨大な量の仕事を回されている他の人」
を考慮するのが多額の税金を投入された国公立大卒の常識だと思うのだが。。
「カリスマ」が忘れている人々の実態を伝える報道があったので、以下を参照されたい。


お嬢様大学卒アラフォー女性の末路「夫の給与減でパートで働く毎日」(DMMニュース)
http://news.livedoor.com/article/detail/10008195/
”「1日パートに出ても日給は8000円くらいしかもらえません。一応、面接ではそういわれましたけど。税金を引かれ、何だかんだで手取りは7000円ちょっと。8時間労働という条件ですが拘束時間は実質9時間半くらい。もっと収入を増やしたいのですが40歳の主婦女性パートの採用はほとんどありません。とても好景気とは思えないです
 こう語るのは、現在、東京都葛飾区に住むパート主婦・渡辺典子さん(仮名・43歳)だ。1995年に関西の名門お嬢様大学・K女子大学を卒業後、地場中堅食品メーカーで総合職として働いていたが27歳で結婚を機に退職。夫の転職による転居で東京に越してきて今年で16年目になる。
 今は週2回、大手運送メーカーで事務補助の派遣パートに出ている。年収は約80万円弱、手取りで約70万円だ。同い年の零細機械メーカーに勤務する夫の稼ぎは数年前の給与カットで今、年収500万円程、景気動向が変わったといわれる今でも昇給はない。
 渡辺さんと夫の収入を合わせた世帯収入は580万円(年収)だ。厚生労働省が実施した国民生活基礎調査(2013年)による40代の世帯平均年収額648万9000円を70万円ほど下回っている。そのため公立校とはいえ、小学校4年生、小学校2年生の2人の子を抱えての東京都内での一家4人の生活はかなり厳しいと渡辺さんは話す。
「マンションの家賃が約8万円、何とか子どもにも自分たちと同じだけの教育は受けさせてあげたい。だから塾や水泳教室といった学費は子どもふたりあわせて合計で10万円ほど。私のパート代はすべて子どもの学費に消えてしまいます。それでも足りないくらいです
〔中略〕
唯一の勝ち組は公務員夫婦で世帯年収1700万円
 渡辺さんがK女子大学に入学した1991年は、バブル崩壊の直前で“失われた20年”と呼ばれ長く続く不況期の始まりとされる年だった。それでもまだ華やかなバブル経済期の残り香があったためか大学時代はとても不況を実感することはなく学生時代を謳歌した。その楽しかったK女子大時代、渡辺さんを含む“仲良し4人組”は、今、見事に「勝ち組」と「負け組」、勝ち組から負け組へと転じた者とその明暗をわけている。
 勝ち組は学生時代、彼氏も作らずというよりも“できなかった”という阿多美佐子さん(仮名・43歳)だ。在学中から教員を目指していた阿多さんは大学4年生で神戸市の教員採用試験に合格。25歳で10歳年上の同僚教員と結婚した。結婚相手の同僚教員は今では校長に昇進、年収はもう1000万円を超えているという。
 教員を続けている阿多さんの年収も700万円程度。世帯収入は1700万円、手取りの世帯収入は低く見積もっても1400万円強はある。子宝には恵まれなかったものの、安定した余裕ある生活は、大学時代の“仲良し4人組”のなかでも群を抜く。
 もう一人の負け組は、先述の渡辺さんと斉藤麻美さん(仮名・43歳)だ。氷河期といわれた1995年の就職活動に失敗した斉藤さんは、派遣社員を経て24 歳の時、合コンで知り合った消費者金融勤務の2つ年上の男性と結婚。生活は安定するかにみえた。だが夫は「金融業界の過酷な勤務に嫌気が指した」ため、人の役に立っていることを実感できる仕事をしたいと福祉業界に転職する。今、夫の年収は45歳で年収300万円、手取りは270万円程度だ。
 妻である齋藤さんも家計を支えるため近所のコンビニで週に3日と、流通店のレジ打ちを週に2日、掛け持ちでしている。1日の収入は深夜勤務をしても1万円に満たない。2014年の年収は190万円で確定申告したが、手取りは170万円くらいだ。夫婦合わせての実質世帯収入は440万円である。
〔中略〕
 「子どもがいないので十分やっていける」と齋藤さんは話すが厳しい生活であることは確かだ。

資産家と結婚するも一家4人ワンルーム生活へ転落
 最後の一人。勝ち組から負け組へ転落したのは、浜田麻里さん(仮名・43歳)だ。関西の資産家の息子で、アパート家賃収入などで生活していた夫と結婚。2 人の子宝にも恵まれた。家賃収入だけで年間700万円、株や先物、FXといった金融取引での差益も合わせると年収2000万円を超えたこともあったという。
 だが2008年のサブプライムショックで大きな損失を被り資産の大半を手放すことに。今では家賃7万円のワンルームマンションに1家4人で暮らす。
 浜田さんは近所のファミレスのキッチンで週に6日働く。ファミレスを選んだのは賄いの食事が出るという期待からだ。月収は約15万円ほどである。夫は大学時代の友人を頼り、生まれて初めて職についた。月収は手取りで25万円。2人合わせた手取りの世帯収入は480万円ほどだという。
 1995年にK女子大学を卒業した“仲良し4人組”だったかつてのお嬢様たちは、公立校の教員になった1人を除いて今日も厳しい生活と戦っている。
 株価が一時2万円を突破し、好景気といわれるが、はたして彼女たちの生活はよりよいものになるのだろうか。ブラック企業、中高年ブラックバイトといった昨今の労働経済事情を聞くにつれ不安は募るばかりだ。 (取材・文/佐津川遼)”

こちらが「育休世代のカリスマ」が無視している、一般大衆の生活である。
「仕事のやり甲斐」など、そもそも求めても得られないか、代償を払わねばならないものだ。

勝ち組は案の定、公務員夫婦である。
だからこそ、当ウェブログは「所得税を引き上げ、退職金に課税して育児支援に移転せよ」と言ってきたのだ。
日本経済の停滞と人口動態劣化が強力に進んでいるのは、政治の責任だけではない。
「育休世代のカリスマ」を含め、多くの人々の視野が狭く自己中心的だから、である。
日本の女性就労率が歴然と低く、最も効果的な経済回復・所得向上策が実施できないのも同じ理由だ。
コメント

IMF「公共事業の反動や高齢化により停滞続く」−日経2万で喜ぶ安倍政権と金融界、御用メディアは転落へ

2015-04-13 | いとすぎから見るこの社会−全般
全く高揚感のない日経平均2万円で空騒ぎしているのは
政権関係者と一部の大企業だけである。
彼らには一般国民が全く豊かになっておらず、
それどころか実質購買力が低下して不満が蓄積される現状を分かっていないのだ。

当ウェブログは「嫌な事件が増える」と警告したが、
一部の連中だけが公益を騙って自分の懐を肥やしている今の状況は、
豊かになっていない一般国民の目から見れば極めて不快なのである。

アンダークラスや無業の「失うもののない」人々は
自分が割を食っている(と彼らは感じる)のに
景気のいい一部の連中が浮かれ騒いでいるを憎悪の目で見ている。

次元の低い安倍政権が、円安株高により貧しい国民から豊かな層へ所得移転を行っていること、
間接税を引き上げた分を相変わらずお得意の高齢層バラ撒きに浪費していること、
現役世代の雇用や育児分野の支援には「雀の涙」であることから、
現下の「偽りの回復」「蓄積される不満」は必然の結果である。

IMFは公共事業増加の反動と高齢化・労働人口減少で先進国経済の停滞が続くとしている。
まさにアベノミクスの次元の低さを裏付けている訳である。
(権力に諂う御用メディアはこの点を報じていないが)

当ウェブログが引用してきた立花証券の石井久・元社長の警告は以下の通り。
IMFの報告もこの予言の正しさを立証したものと言って良い。

○市場活況はせいぜい1〜3年
○10年後には予想もしないような円安へと進む
○中長期的には少子・高齢化が大きな問題
○一般の人が気づいた時には大きな損失が出ている
○政府が悪いのではなく、国民が愚かなだけ

また、ジム・ロジャーズはより大胆に警告しており、

「安倍晋三首相は最後に放った矢が自分の背中に突き刺さって命取りとなり、
 日本を破綻させた人物として歴史に名を残すことになる」

「円はここ数年で45〜50%も下落していますが、これは先進国の通貨の動きとしては異常です。
 このようなことが起きると国家は崩壊し、時には戦争に発展します」

「短期的には株が上がりますから、投資家にとっては喜ばしいこと」

「インフレは国のためにならないことは歴史が証明しています」

「「少しくらいは大丈夫」とインフレを容認した結果、どの国も失敗」

そして制御不能なインフレは真面目に働く人達の生活を破壊し、
外国人・金融業・メディアが攻撃のターゲットとなると氏は語っている。

そして国際決済銀行(BIS)の最新の調査報告書は以下の通り。

・デフレと経済成長率の関連性は薄い
・デフレが債務問題の悪化につながったという証拠はない
・経済成長率は資産価格デフレとの関連性のほうが強い
・日本では人口の伸び悩みと急速な高齢化が経済成長の重しになった
・デフレと経済成長の関係を分析する際には人口要因を考慮する必要がある
・日本の実質国内総生産(GDP)は2000〜13年の累計で労働人口1人当たりでは20%もの成長
 (米国の労働人口1人当たり成長は約11%でしかなかった)

これらは皆、至極当たり前の話であるが、
安倍政権や御用メディアは盲目で論外の状況だ。

▽ 日本の労働人口1人当たりの成長率は先進国でも最高水準であり、停滞の主因が高齢化であるのは明白

『日銀、「出口」なし! 異次元緩和の次に来る危機』(加藤出,朝日新聞出版)


アベノミクスもリフレ派もそもそも根本において誤っているのだから、
低成長の現実に幻想を打破され、永遠に断罪されるのは不可避である。

「日本経済でこれまで起きてきたことを数値に基づいて見れば、
 「デフレ脱却」などという馬鹿馬鹿しい目標に全く意味がないことは明白だ」

「CPIと経済成長率は殆ど関係がなく、
 GDPに金融政策が中長期的な影響を与えたこともない」

「何故ならGDPに決定的な影響を与えるのは人口・資本・イノベーションであり、
 一時的な効果しかない金融政策もCPIも、所詮は脇役に過ぎないからだ」

「最近BIS(国際決済銀行)が非常に興味深い調査結果を発表しており、
 予想通りにリフレ派の視野狭窄とお粗末さを証明するものとなった」

「我が国の労働者は、今世紀に入ってから人口1人当たりの成長率で
 アメリカの2倍近い素晴らしく良好な数値を叩き出しており、
 BISは日本経済の低迷は急速な高齢化と人口減少要因と指摘している。
 (BISは我が国の豊かな高齢層への巨額バラ撒きを見落としているから、実態は更に悪い)
 そればかりか、遠回しに安倍政権とリフレ派が
 「根底にある原因と政策の効果」を理解していない
と示唆しているのだ」

「リフレ政策が自滅的なものでしかないこと、
 不可避の破局の後、外国人や金融業、マスメディアに敵意が向けられることは間違いない」

と当ウェブログは書いたが、警告した通りの展開と言えよう。

↓ 参考

BIS「デフレと経済成長の関連は薄い」、リフレ派を完全否定−日本の労働人口1人当たり成長率は米の2倍
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/fcbefc72634c8b035acc1b4b4acf35c1

物価目標2%達成で日銀に16兆円もの評価損、墓穴を掘った黒田日銀 − 無謀な金融緩和で自滅に向かう
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/3639b6e6b8e56ba54da94a6e2150ae6e

アベノミクスの帰結は1000兆円超の政府債務+金利上昇 − 財務省が財政危機を事実上認める試算発表
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d7d54acd2408cc63f24a9d86b0d67753

▽ 日本の高度成長は急速な人口増加のおかげであり、1人当たりGDPではドイツに劣っている

『イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る 雇用400万人、GDP8パーセント成長への提言』(デービッド・アトキンソン,講談社)


日経2万円:主因はグローバル金融緩和=三菱UFJMS証券(reuters)
http://jp.reuters.com/article/stocksNews/idJPL4N0X706I20150410
”日経平均が15年ぶりに2万円の大台を回復したことについて、三菱UFJモルガン・スタンレー証券・投資情報部長の藤戸則弘氏は、世界的な金融緩和の影響が大きいと話す。
 景気や企業業績の改善期待もあるが、緩和マネーによる世界的な株高が起きているという。
〔中略〕
 10日午前、ロイターのインタビューに答えた。

──日経2万円達成の原動力は。
グローバル金融緩和が背景だ。年初来の株価パフォーマンスをみれば、量的緩和を開始した欧州、追加緩和を示唆する中国、そして日本の順番となっている。利上げが視野に入る米国は小幅ながらプラスだ。緩和マネーが世界の株価を押し上げている」

──景気や企業業績への期待は。
「原油を輸入に頼る日本にとって今の原油安効果は大きい。年後半に向けて景気や企業業績が上向いてくるだろうとの期待も株高の一要因ではある、ただ、すでに2015年度の増益を相当程度、織り込んだ水準まで日本株は上昇している

──今年の上値めどは。
「日経平均で2万1000円程度だろう。企業業績がよほど上方修正されるような事態にならなければ、バリュエーション的にみて、それ以上の上値は難しい。ファンダメンタルズからかい離した株価形成が行われれば、いずれ急落するのは歴史が示している

──日経平均3万円の可能性は。
「現時点で見えていないような要素がなければ難しいだろう。一方、ドイツでは景気に過熱感も出始めている。経済が弱い国のために、ECB(欧州中央銀行)は緩和をやめることができないでいるが、いまの金融緩和環境がいつまでも続かないリスクも考慮に入れておくべきだ」 (伊賀大記)”

日経平均2万円の真因は、金融緩和である。つまりバブルだ。
藤戸氏は業界の利害が絡んでいるので語っていないが、
公的年金をはじめとする株価操作の影響も大きい。


甘利経財相、株2万円「市場は景気回復を次第に実感し始めた」(日本経済新聞)
http://jwww.nikkei.com/article/DGXLASFL10HL1_Q5A410C1000000/
”甘利明経済財政・再生相は10日の閣議後記者会見で、日経平均株価が同日、取引時間中としては約15年ぶりに一時2万円の大台を上回ったことについて「市場は景気回復を次第に実感し始めた」との見方を示した。その上で「企業収益が拡大しているので、好循環に与える期待値によって15年ぶりの株価をつけたのではないか」と話した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕”

能天気な安倍政権の閣僚は、全く市場メカニズムを理解しない言葉を吐いている。
所詮は日銀とGPIFに株を買わせて人為的な高値を演出しているだけに過ぎない。
市場メカニズムへの無知でなければ、意図的に「大本営発表」を行い愚民を欺いているのである。


投資家「日本経済は買い」判断=甘利経財相(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201504/2015041100231&g=eco
”甘利明経済財政担当相は11日、川崎市などの街頭演説で、日経平均株価が10日に2万円の大台を一時、回復したことについて「株価は経済の先行指標だ。『これからは日本経済は買い』と、国内外の投資家が厳しい目で分析した結果だ」と指摘した。
 また、株価上昇に伴う公的年金の運用改善、公的年金積立金の株式組み入れ比率拡大を挙げて「国民の資産が増えている。年金の見通しが明るくなっている」とアピールした。”

記者会見よりも街頭演説で景気の良い粉飾的な表現に改めていることから、
有権者を欺いて権力を維持しようとするあさはかな意図は明白である。

今の株価は経済の先行指標などではない。危険信号である。
経済成長の裏付けの希薄な株高はただのバブルでしかない。

公的年金の株式比率を高めるのは「ハイリスク運用」であり、
ホームカントリーバイアスが依然として高過ぎるばかりでなく
年金基金の資産増では国内消費への好影響も大きく減衰する。
つまり、この表現は経済政策リテラシーの低さを証明するものでしかない。


IMF:潜在成長率「2020年もリーマン以前に戻らず」(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20150408k0000m020113000c.html
”【ワシントン清水憲司】国際通貨基金(IMF)は7日、経済の実力を示す「潜在成長率」が、先進国・新興国ともに2020年になっても、08年のリーマン・ショック後の金融危機以前の水準には回復しないとする報告書をまとめた。
 先進国は危機前の01〜07年が平均年2.25%だったのに対し、15〜20年は平均1.6%にとどまるほか、新興国も6.7%から5.2%に減速する。危機後の民間投資の落ち込みに加え、高齢化や技術革新の停滞が先進国だけでなく新興国にも影を落とすと分析した。
 IMFの報告書によると、先進国の08〜14年の潜在成長率は1.3%。危機後に公共事業を増やした反動や、高齢化による労働力人口の減少がマイナスに働くため、20年まで投資は緩やかにしか回復しない見通しだ。
 新興国も、中国の成長鈍化の影響を受けたり、効率性向上のスピードが落ちたりして、08〜14年の6.5%から一段と成長力が弱まる。
 潜在成長率が鈍化すると、財政・金融政策で景気を刺激しようとしても効果は一時的なものにとどまってしまい、中長期的にははげ落ちてしまう可能性が高い。財政再建も一段と難しくなる。
 報告書は、潜在成長率を高めることこそ、先進国・新興国の共通の優先課題と強調。民間投資の呼び水が必要だとして、先進国には需要刺激策を続けることや研究開発支援を、新興国にはインフラ投資の拡大を求めた。
〔中略〕
◇潜在成長率
 消費動向や海外経済などの動きに左右される短期的な好況・不況の波とは別に、中期的にその国が達成できると見込まれる国内総生産(GDP)成長率の目安。生産設備(工場など)をはじめとした資本の伸び▽労働力人口の増加▽技術革新による生産性の向上−−からはじき出す。実際の成長率が、潜在成長率を下回った時は、政府・中央銀行に対し、財政・金融政策による景気刺激を求める声が高まることが多い。〔以下略〕”

安倍内閣の次元の低さは、IMFの報告書でも立証されている。
当ウェブログが何度も書いているように経済成長は資本・労働・イノベーションに基づく。
現下の病巣は労働投入の不足なのだから、アベノミクスは根本的に発想が間違っているのである。
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NT倍率は過去最高の12.74倍に迫る、昨冬の急落前の水準 − 外国人と官製マネーによる脆弱な高値

2015-04-12 | 注目投資対象・株価の推移
              ↑ USD/JPY(ZAI) ドルは何とか反発、レンジ圏の動き

耐久消費財・ADP・ISM・雇用統計と全てネガティブだったのに関わらず、
ここ暫く低調だった外国人買いが再開されたと報じられたこと、
ECBの量的緩和でドイツ市場がラリーに入ったこと、
香港市場が政策要因で突発高になっていること。

それらの外発要因と、安倍内閣の株価操作政策が相俟って
日経平均は一時、2000年以来の高値を付けることになった訳だから
全く豊かになっていない国民の冷然たる態度は至極当然である。

公的年金基金が過大なリスクを取って株価を無理に押し上げても
その分が消費に全く回らないのは明白だ。
冷厳な低成長の現実を変えることはできない。

今、バフェット・インディケーターがバブルを示唆しているばかりか
NT倍率も過去最高の水準へ接近しており東証の脆弱さは明白だ。

「官製市場が言われてきても小幅の調整は経ている訳だから、
 今年年初の下落と2月以降の急騰は外国人の売買なくして説明できない」

「日本では、金融緩和によるデフレ脱却という、
 歴史の教訓を完全無視した馬鹿馬鹿しい宗教が金融当局を蝕んでいる。

「黒田日銀の主張とは正反対にCPIは刻々と低下しており
 市場では4月30日の追加緩和を予想する向きが増える始末だ」

「黒田日銀は完全にリフレ・ドグマに浸潤されて、
 デフレ脱却という愚劣な目標が自滅的であることに全く気づいていない。
 特定層だけを潤し、日本経済を破局へ追い込む追加緩和に追い込まれるより他に道はないのだ」

と当ウェブログは書いてきたが、矢張り先週も外国いjん二持ち上げられた形だ。
また、依然として急反落への警戒が必要との見方も変わらない。

「そろそろ調整局面かと警戒する声が増えてきた。
 外国人が買い始めて2ヵ月ほど過ぎ、頃合いではある」

「逆指標としても東洋経済が派手な表紙の株式特集を組み、
 当たらないことで定評のある大衆週刊誌が「東証2万円」を掲げ、
 嫌が応にも不吉な予感が濃厚になりつつある」

「当ウェブログが最も警戒しているのは
 巨額の先物を買い込んで相場をリードしてきたスペックの動向だ。
 先週末の激しい日経先物の動きは、機を見るに敏な彼らが
 大きく売り崩すための仕掛けを始めている兆候とも見える」

「「バフェット指標」は東証が既にバブルに突入したか、
 或いはかなり接近している状態であることを示唆しており
 今の東証の水準がまともだと思ってはならない」

日経平均2万円は偶然と株価操作の産物に過ぎず、
決して日本経済や日本企業の強さを示すものでは全くない。

「GPIFの巨額買い支えも急ぎ過ぎて今年でほぼ弾切れの可能性があり、
 新規投入される三共済年金マネーもGPIFの4分の1弱の規模である。
 所詮は株価操作でしかなく、信用バブルと同様に持続的に市場を上昇させることはできない」

「GPIFの買い余力は5兆円強だから、
 三共済マネー3.5兆円との「連合軍」でも総計8.5兆円程度、
 2013年の外国人買い15兆円の半分強に過ぎない」

「官が株価操作している今の官製市場においては、
 見せかけの好況では成長率も1人当たりGDPも改善する訳がない」

「安倍政権の中には株価さえ上げておけば何とかなるとあさはかな了見を持つ者がいるのだろう。
 そうした近視眼の輩の愚行の報いで日本経済が危機に陥ることになる。
 歴史は真実を語っており、株価を操作しても実体経済を欺くことはできない」

「「東証がバブルに突入した」と判断した。
 カネ余りで急速にPERが上昇する現象は、2007年にも起きていた。
 業績に直結しないテーマで浮かれた上昇が続出していたのである。
 経験則では、こうした異常事態が起きると2年以内に景況が暗転する。
 2007年ばかりではなく、2000年もそうだった」

「アベノミクスの「三本の矢」は間違いなくインチキだが
 東証を支える株価操作の「三本の柱」は強固だ。
 この株価操作の報いで日本市場は遠からず塗炭の苦しみを味わうことになるだろう」

「米経済は矢張り減速感が強まってきており、楽観視できない。
 インデックスで東証にアウトパフォームされたのは
 日本経済が強い訳では全くない。米経済が想定外に弱いためだ」

「当ウェブログの懸念通り原油安でシェール産業が苦しくなり、
 アメリカの投資と雇用にも悪影響が生じつつある」

「結局ギリシャ問題は何とか峠を越えたものの、
 ウクライナ問題の余波とユーロ安誘導の困難で欧州経済の低迷は変わらないであろう。
 ユーロ円チャートはこの買い戻しも一時的なものに過ぎないと示唆している」

「今回の外国人買いはボリュームが乏しい。
 東証を大きく浮上させ得る確信を持った大口買いではなく、
 スペックの先物売り仕掛けも警戒すべきだろう」

「原油価格が再度急落し、例えばバレル40ドルを下回ると
 予想外のパニックが起きる可能性があることを警戒しておきたい」

「今の世界経済にはドル独歩高の負担は重過ぎる」

としてきた当ウェブログのスタンスは今週も維持する。

「RBA(豪中銀)が予想外の利下げを行い、
 資源国の苦境が改めて浮き彫りになっている。
 原油大幅安を受け、今後も資源国の景況下振れのリスクに注意が必要だ」

「外国人投資家からは「日銀緩和しか円安材料がない」との声が上がっており、
 当ウェブログが予想したように今年最大の材料は追加緩和ということになりそうだ。
 今年に限っては米利上げより大きなイベントになり得る」

「原油安にとって最も大きな打撃を受けるのがシェール業界である。
 アメリカ経済の回復に大きな貢献を果たしてきたシェール産業は、
 ハイイールド債市場で大きなプレゼンスを持っているため、
 シェールバブル崩壊の余波で米経済は更なる下振れも考えられる」

「ドルが停滞し、ユーロが量的緩和の圧力を受けるとなると、
 東証が続伸して上値を伸ばすのは非常に難しくなる」

「2015年は紛れもなく、我慢の年になりつつある」

としてきた当ウェブログの想定も依然として維持する。
直近では東証がダウをアウトパフォームしているが、
こうした期間は長続きしないと経験則は教えている。

「ECBもQEを実行することとなり、市場では効果が覿面に出ている。
 ロイター調査ではQEの効果に懐疑的な意見が多数を占め、
 ずるずると量的緩和策を続けざるを得ないとの見方が優勢である。
 (日銀についても間違いなく同様の結果となるだろう)」

「漸く日銀は、自らの掲げた物価目標が誤っていることを認める路線に軌道修正し始めている。
 物価目標は未達確実、成長率見通しも下方修正なのだから、
 黒田日銀のこれまでの政策そのものが間違っていた訳である」

「追加緩和を行っても日本経済が停滞から脱却する筈がない」

「失業率も雇用者数も市場予想を上回ったにも関わらず、ドルもダウも下落した。
 賃金下落のショックによるとも言われているが、それでだけでは説明できない。
 「買われ過ぎ」の水準にあると言わざるを得ないだろう」

「原油安が続くとの世銀の見通しも重要である。
 エネルギー投資は費用も労力もかかる。そう簡単にV字回復する状況にはない」

「更に悪いことに、投資家が皆ドルに対して強気であるため、
 その投機ポジションの重みでドル自体が沈んでしまいそうな需給になっている。
 たとえ見通しが正しくとも、市場には「多数派が間違う」という皮肉な真理がある」

「当ウェブログは、日本のGDPを20%近く切り下げて
 国民を大幅に貧しくした張本人である黒田日銀が
 今年前半に更なる追加緩和の愚行に走ると見ている」

「一部の層に収益機会を提供する点で「投資家の神」だが
 経済全体は成長せず「一般国民の疫病神」である黒い日銀は、
 マイナス成長を受けてもまだ目が覚めていない」

「最後には日本財政の救世主になるが、その代わりに経済危機の「A級戦犯」となる。
 概ねそのような結末しか残っていない。
 (因にジム・ロジャーズ氏は2016年から17年頃の危機を予想している)」

東証の「片肺飛行」でも官製マネーで内需関連は続伸した。
GPIFの買いは意想外に大きいことが明らかになり、「バブル」との判断は的中しつつある。

「焦点はエネルギー価格に景況が大きく左右されるロシアだ。
 ロシア経済のエネルギー依存体質は全く変わっていない。
 これほど急激かつ大幅に原油価格が下落すると、
 ロシア経済に甚大な打撃が与えられるのは間違いない」

「為替急落の後は実体経済の悪化が来るのが通例だ。
 原油急落は必ずしもOPEC減産見送り要因ばかりでなく、
 世界経済の減速による需要停滞観測も確実にあるものと言えよう。
 暗い影がかかっているのはロシア経済ばかりではない」

「経済悪化が鮮明になっているだけに
 特に内需関連の急反落を警戒しておかなければならない。
 (輸出関連は結局ドル円次第なので日本経済の好不況とはまた別である)」

「最悪の場合、鼠のレミングのように
 自滅的な集団行動へと向かっているとも考えられよう」

「当ウェブログは黒田総裁が異例の辞任に追い込まれると予想しているが、
 その見通しを補強する会合内容と言えよう。
 ここまで理のある反対意見を押し切って追加緩和を決断したからには、
 これから確実に生じる甚大な副作用の責は全て総裁に帰する以外にない」

「ここ数年、見たことのないような原油価格急落だった。
 OPECの減産見送りの背景には、OPEC内での多極化の進展だけでなく、
 サウジ等の大産出国がアメリカのシェールオイル採掘を牽制し、
 体力勝負に出た側面もあろう。
 それがもって回ってロシアを直撃しつつある状況、
 場合によってはロシア発の危機や地政学リスクの再燃もあり得る」

「今は恩恵が大きいように見える原油大幅安だが、
 デフレ脱却という愚かな宗教に感染した黒田日銀の追加緩和を招くだけでなく、
 コージェネをはじめとする省エネの努力を怠らせて電力利権を延命させる副作用もある。
 決して良い話ばかりではない」

と書いてきた当ウェブログのスタンスは今週も変わっていない。
ギリシャ問題を無事棚上げにできても欧州低迷は変わらず、
米経済減速も明確になってきている。

尚、昨年の追加緩和の時点では以下のように想定していた。

「追加緩和の決定は天災と同じような緊急速報で伝えられたが、
 日本国民に甚大な被害をもたらす点でも天災と似ている」

「黒田日銀総裁は市場の裏をかいて追加緩和を行った訳ではなく、
 異次元緩和の効果が出ていない失策を糊塗するために決断したようだ。
 これで任期途中の辞任の可能性が高まったと言える」

「勿論、「悪い円安」は確定である。
 1日で3%以上も円が急落することは、日本のGDPに換算すると
 ドル建てで15兆円以上も日本が貧しくなっていることになる」

「黒田バズーカ第2弾の害悪は、第1弾と比較にならないほど破滅的である。
 このように「発散」と呼ぶに相応しい急激な勢いで円が暴落している。
 120円に達する速度は予想できないほど速いと見ておいた方が良い」

「70年代や80年代の教訓から正しく学んでいれば、
 デフレ脱却で日本経済が好転するなどというカルト宗教の虚妄は明白である。
 資産価格バブルが健全な経済をもたらさないことも言う迄もない」

「実質的な円の切り下げは資産家を急速に豊かにし、
 ミドルクラスには資源・エネルギー・食料の悪性インフレをもたらす。
 アンダークラスにとっては最悪の状況で、エンゲル係数の高い家計が行き詰まる。
 軽犯罪が増え、日本の治安は悪化する可能性が高い」

「これから円安倒産が急増し「クロダ倒産」と呼ばれるようになり、
 愚劣な黒田バズーカ第2弾が、庶民の生活を破壊することが明らかになろう。
 昭和恐慌時の団琢磨と同様に、テロの標的とされる恐れすらある」

「投資家の稼ぎは日本が貧しくなった分の付け替えであり、特に為替は所得移転に過ぎない。
 人々の暮らしが苦しくなるのと引き換えに、一部の者に富が転がり込んだのである」

「2015年は安倍内閣が破滅の淵に叩き込まれるだけでなく、激動の修羅場となる。
 「円安=日本株高」という今世紀の常識がどこかで通用しなくなるだろう」

「当ウェブログは、これほど粗暴で破壊的な緩和策を全く予想していなかった。
 今迄の見方を全て転換し、「悪い円安」が急速に接近していると判断した。

「日本経済は危険な激動期に突入しつつある。
 マーケットのボラティリティが急激に拡大するなかで
 一部の者だけが豊かになり、足蹴にされた国民が憎しみの目で彼らを見る」

……当ウェブログが予想した事態は、より速く、より深刻な形で実現しつつある。

「ドル高円安が進行することで日本の輸入物価高・CPI上昇を招き、
 スペックの仕掛けによる自己実現的な円安トレンド定着の可能性も見えてきた。
 2013年前半にジョージ・ソロスが不吉な予言を行ったように、
 「円安が止まらなくなる可能性」を見ておくべきである」

「財務省の法人統計で衝撃的な数字が出た。
 米経済回復でドル高円安が進み輸出業に大きな恩恵が及んだにも関わらず、
 日本企業の自己資本比率は過去最高の水準となったのである。
 投資増の勢いは依然として弱く、人件費に至っては前年比で5%も減少している。
 自民党政権と経済界が結託して労働者の実質所得を減らしていると考えざるを得ない」

「このような内向きの日本企業を優遇したところで、
 日本経済が強く回復する筈がないのは火を見るよりも明らかである。

「成長率が低下しているにも関わらず政策に嘴を挟む大企業と癒着し、
 経営層や株主ばかりに恩恵を及ぼす自民党の旧態依然の体質が露見する。
 2014年に急落するのは間違いなく安倍政権の支持率である。
 2015年にはリフレ派への評価は地に墜ち、アベノミクスは嘲笑の対象となろう」

一方、余計な追加緩和によって「事実上のマネタイズ」との見方はほぼ的中した。

「目先の円安に幻惑され、日本の将来に不吉な影がかかっている」

「当ウェブログが予測していた「悪い円安」が、異様な速度で到来することになる。
 安倍・黒田コンビが市場を軽視したために、財政危機もほぼ確実に接近する。
 「剣によって立つ者は剣によって滅びる」との箴言と同じく、
 金融政策によって立つ者は金融政策によって滅びるのであろう」

「黒田総裁の「次元の違う」量的・質的緩和は、事実上のマネタイズである」

「日本の国債市場は再起不能になり、財政再建を果たす可能性はほぼ失われた」

「黒田バブルに便乗して億単位の稼ぎを得る者が続出するだろうが、
 今から警告しておく。決して調子に乗って騒いではならない。
 ツケを回された国民の強い怒りは決してそのような輩を許さないであろう」

「今年は苦難の始まりの年となるだろう」とした予言が、悲しいことに実現しかけている。
危険な「悪い円安」の時代は「もうすぐそこまで迫っている」のではなく、既に「迎えつつある」のだ。

↓ EUR/JPY(ZAI) 予想通りユーロ下抜け、パリティが射程圏内に入った


↓ GBP/JPY(ZAI) BOEは意図的にポンドを下げようとしているのかもしれない


先週は堅調なドルとは対照的に、クロス円の急落が目立った。
一方、主要市場の金融緩和により各国株価は堅調な動きである。
災いの種が徐々に膨らんでいるステージである。


ドル120円前半、上昇基調維持しつつも伸び悩み(reuters)
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL4N0X62OK20150409
”午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べドル高/円安の120円前半だった。前日海外時間からドル高基調を引き継ぎ、しっかりと推移。日経平均株価の上げ幅拡大も支援材料となり、正午にかけて120.39円まで上昇した。ただ、午後に入ると利益確定売りが優勢になり、伸び悩んだ。 
 実需筋の目立ったフローはなく、インターバンク主導の取引だったとみられている。「昨日は何回もドルの下方向が試されたが、底堅かった。株価が2万円に近づくなか円買いではないという判断で、ドル買いから入った感じだ」(邦銀)との声が出ていた。正午にかけて高値を付けた後、午後は伸び悩みの展開。
〔中略〕
 このところのドルは基調としての強さを保っているが、その背景には、新年度入りした機関投資家が対外証券投資を活発化させるとの期待もあるという。
 「海外投資については、公的資金がかなりの規模で買ってきているが、新年度入りし、月末にかけては(民間)機関投資家によるフローも期待され、ドルがジャンプアップする可能性もある」と、FXプライムbyGMO常務取締役の上田眞理人氏はみている。
 他方、日銀も米連邦公開市場委員会(FOMC)もサプライズなしの予想通りの結果となり、既に市場の材料ではなくなっているが、欧州については、ギリシャをめぐる情勢など、リスク要因があると同氏は指摘する。

 <アジア株高>
 日経平均は前場の取引で1万9957円付近まで上昇し、昨日つけた年初来高値を更新した。
 アジア市場では、香港のハンセン指数が前日比で一時3%以上の急騰をみせ、話題を呼んだ。「ハンセン指数はこれまでほぼボックス圏で推移してきたが、上海との相互接続制度や外国資金の投資上限撤廃を背景に、感謝祭休暇明けに、割安なハンセンに一気に資金が流入し、上海にキャッチアップしているようだ」(市場参加者)という。

 <FOMC議事要旨、米国の年内利上げ示唆>
 前日海外時間、米連邦準備理事会(FRB)が3月17─18日分のFOMC議事要旨を公表すると、ドル/円は119.85円付近から120,31円まで上昇した。
 議事要旨では、FRB当局者が米経済が年明け以降弱含んでいることを認識しながらも、年後半の利上げに向け地ならしをする上で、景気回復に対する十分な自信を維持していることが分かった。「かなりタカ派的というわけではなかったが、年内に利上げをする可能性が高くなった印象だ」(外為アナリスト)という。
 ダドリー・ニューヨーク連銀総裁は8日、利上げ時期について「次回の雇用統計が力強く、第2・四半期の国内総生産(GDP)統計で経済が大きく上向いていることが示されれば、6月の利上げはなお可能な状況にあると考えている」と述べた。
 その一方、できるだけ多くの雇用が創出されることを確実にするため、利上げは早過ぎるよりも遅過ぎる方がよいと考える理由がなお存在しているとも指摘。第1・四半期の経済指標が軟調で、直近の雇用統計も弱かったことを踏まえると、6月の利上げは「ハードルは若干高い可能性がある」との見方を示した。
〔中略〕
 米企業決算は、同国の株式市場やドルの全般的なトレンドに与える影響という観点から市場で注目されている。
 市場では「非鉄セクターやエネルギーセクターが米景気の足を引っ張るとの懸念が出かねない。ドルについて頭を抑える要因になる可能性がある」(マネースクウェア・ジャパンのシニアアナリスト、山岸永幸氏)との見方が出ていた。
 アルコアの第1・四半期の売上高は、前年同期比約7%増の58億2000万ドルと増収となったがアナリスト予想には届かず、同社株は時間外取引で3%強下落した。〔中略〕 (為替マーケットチーム)”

FOMC議事要旨発表後の市況。そう意外な要因はなく、概ね想定内だろう。

先週話題になった香港市場の急伸についても触れられている。
長らくリードされていたムンバイに急速な勢いで
キャッチアップしつつある香港だが、実力かどうかは何とも言えない。
一時的な政策要因で今年の天井となる可能性もある。
成長率では遠からず中印逆転となるのは間違いないので「最後のあがき」かもしれない。


緩和マネーが押上げた日経2万円、ドル/円や金利とギャップ(reuters)
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL4N0X72V520150410
”日経平均が15年ぶりに2万円を回復したが、ドル/円や日本の長期金利は落ち着いた動きを続けている。一段の円安が増益期待を高めたり、インフレ期待が強まっていることによる株高ではないようだ。
 実体経済がさえないなかで、世界的な金融緩和が株価を急激に押し上げている構図の中に日本株もあり、経済や各市場間とのギャップには警戒感も広がりつつある。

 <バーナンキ前FRB議長のブログ>    
 バーナンキ前米連邦準備理事会(FRB)議長がブログを始め、市場関係者の間で話題になっている。そのなかで注目されている指摘の1つが、世界で広がる低金利についての記述だ。
 中央銀行(FRB)が、政策金利を低くしているから、世の中の金利が低くなっているわけではなく、世の中の金利(均衡する実質金利)の水準が低いから、政策金利が低くなるのだと指摘している。つまり景気や物価が上がらないから、もしくは近い将来上がるという期待が小さいから政策金利も自然と低くなるというわけだ。
 日本の低金利は、日銀が「異次元緩和」によって国債を大量に購入し、金利を人為的に低くしているからという見方は多い。しかし、それを可能にしているのが、バーナンキ前議長が言うように、低い均衡実質金利の水準、つまり日本の低成長や低物価が長引くとの予想であるとすれば、高値を更新し続ける日経平均には「違和感」が否めないことになる
 低金利はビジネスや投資活動を活発化させるほか、利回りの相対的な比較でも株高をもたらす材料になる。いわゆる不景気の株高だ。しかし、歴史的な金融緩和が、歴史的な低金利と歴史的な株高を「同居」させている現在の状況が、いつまでも続くと考えるにはリスクもある
〔中略〕
 株価を大きく構造分解すれば、企業業績とPER(株価収益率)だ。日本全体の景気が悪かろうと企業業績さえ良ければ株高は正当化される。日本企業のガバナンス改善や株主還元への積極的姿勢、ROE(株主資本収益率)の向上も好材料として、海外の長期投資家は日本株を買い続けている。 
 NNインベストメント・パートナーズ(旧:アイエヌジー投信)のマルチアセットブティック統括責任者のヴァレンタイン・ファン・ニューウェンハウゼン氏は「株価は直接的にはGDPではなく企業業績で決まる。日本企業の利益は伸びているし、日本株のPERはそれほど高いわけではない」と話す。
 しかし、日本企業の持続的な増益基調が見えたわけではない。2014年度の平均ドル/円レートは110円程度であり、120円程度の水準が15年度も続けば、10─15%増益程度は期待できる。
 しかし、16年度も円安が続くとは限らない。「円安効果を除いて本当に稼ぐ力を付けているかは、企業経営者自身もよくわかっていないようだ」とニッセイ基礎研究所・チーフエコノミストの矢嶋康次氏は指摘する。
 日経平均の予想PERはバブル期まではいかないが、歴史的に見てレンジの上限に近い17倍後半まで上昇。増益をかなり織り込んだ水準にある。
 また、一段の円安による企業利益の上積みは、期待しにくい状況だ。ドル/円も120円台半ばに上昇してきているものの、高値3月10日に付けた122.40円には及ばない。
 さらに07年6月22日に付けた124.14円や02年1月31日に付けた135.20円にはまだ遠い。
 米利上げ期待が後退していることもあるが、日本のインフレ期待が一向に強まらないことも、ドル/円の上値を押さえている。

〔中略〕
 さらに日本株もしくは日経平均にも「歪み」が目立つ。特に「官製相場」といわれるように公的マネーの買いが日本株の需給に大きな影響を与えている。
 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2014年12月末時点の国内株式の運用比率は19.80%と、9月末の17.79%から2ポイント上昇。運用資産額と収益額を用いて試算した買い入れ額は3カ月間で約1兆7000億円に上った。日銀も年間3兆円のETF(上場投資信託)買いを予定している。
 今年に入っては再び海外勢が買いの主役に戻ってきたが、海外勢も「日銀やGPIFの公的マネーの買いへの期待が大きい」(外資系証券エコノミスト)という。公的マネーを「売らない主体」と目した思惑が相場を歪めている可能性は小さくない。
 またTOPIXに対する日経平均の「独走」ぶりも目立つ。日経平均は15年ぶりの水準に達したが、TOPIXはまだ約8年前の水準を回復したにすぎない。
 日経平均とTOPIXの比率であるNT倍率は10日、一時12.55倍まで上昇し、昨年2度止められた節目水準を突破し、2013年12月以来の高水準となってきた。当時は過去最高の12.74倍まで上昇したが、その後は、日経平均が約2300円下げる大きな調整が待っていた。
 日経平均の大台突破で達成感も出ている。こうした「歪み」の修正には十分注意が必要だろう。 (伊賀大記 編集:田巻一彦)”

先週の市況分析ではこちらが最も優れている。
日経平均2万円を含む各国株高の原動力が「緩和マネー」であること、
外国人買いも公的資金をあてにしたものであること、
そして東証のNT倍率が「危険水域」に入っていること。
どれも重要で、元記事を含め熟読しておきたい。


ユーロ下落、利回り格差でドルや円の選好継続=NY外為(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/CRBKBN0N127C.html‎‎‎
”10日のニューヨーク外為市場では、ユーロがドルに対し5日連続で下落し、3週間半ぶりの安値をつけた。利回り格差からドルや円への選好が続いている。
 EBSによると、ユーロは0.54%安の1.06005ドル。一時3月17日以来の安値となる1.05670ドルをつけた。週間では3.38%値下がりし、2011年9月以来、約3年7カ月ぶりの大幅な下げを記録した。
 ノムラ(ニューヨーク)の国際通貨戦略部長、イェンズ・ノルビック氏は「ユーロ圏では利回りがマイナスとなっており、長期債利回りも日本と比較してかなり低く、(債券の)資産配分においてユーロ圏資産を手じまう動きが継続している」と述べた。
 ユーロ/円の下げもきつく、一時1.28%安の127.22円と、4週間ぶりの安値をつけた。その後は下げ渋り、0.86%安の127.43円。週間では2.35%下落した。
〔中略〕
 英ポンドも軟調。一時約5年ぶりの安値となる1.4585ドルをつけ、その後は0.51%安の1.4637ドル近辺で推移した。市場では5月7日に行われる英総選挙が注目されている。英調査会社コムレスが実施した世論調査ではキャメロン首相率いる与党・保守党の支持率が34%、ミリバンド党首率いる野党・労働党が33%と接戦を繰り広げているが、両党とも単独過半数が獲得できず、選挙後の連立協議で政党間の駆け引きが長引く恐れがある。〔以下略〕”

為替ではユーロの歴史的な下落が顕著だった。
ユーロが対円よりも対ドルでより大きく下落するのは珍しい。
このロイター報道ではポンド軟調の政治要因にも触れている。
(当ウェブログとしては交易条件悪化へのBOEの懸念が主因と考えているが)

    ◇     ◇     ◇     ◇

注目銘柄、食品関連のロングポジションは再び分散させた。
PF組み入れ比率は ‥豕建物、▲汽ぅ璽螢筺↓マツダの順で、ショートの比率は2分の1以下。
ロックFが権利取り前に下がるようであれば、インテリックス(8940)にシフトする予定。

 ↓ 食品関連(Yahoo.finance) 食品バブルは部分継続、7581が上昇再開



 サイゼリヤ(東証一部 7581) 2,014

 カルビー(東証一部 2229) 4,855 

 ロックF(東証一部 2910) 2,439

 マツダ(東証一部 7261)  232 → 306 / 178 → 275 / 87 → 217 / 130
               298 → 314 / 332 → 425 / 380 → 522
                (以降、5→1の株式併合)
                2,497 → 2,772 / 2,266 → 2,989 / 2,989(ショート)

 森精機製作所(東証一部 6141) 1,335・1,122(ショート)→ 1,289 / 1,550(ショート)

 東京建物(東証一部 8804) 298 → 312 / 277 → 413 / 541 → 615 / 857 → 923
              1,128 / 890 → 801(ショート)/ 945

 ケネディクス(東証一部 4321) 604 →

 ユナイテッドアローズ(東証一部 7606) 1,044 → 1,215 / 1,087 → 1,284
                     1,146 → 1,526 / 1,341 → 1,752
                     1,906 → 3,160 / 3,410 → 3,650
                     4,025 → 3,345 / 3,780(ショート) / 3,110(ショート)

 ユナイテッド(東証マザーズ 2497)   2,800 / 1,696

 サンフロンティア(東証一部 8934) 61,600 → 114,600 / 77,700 → 154,100 / 88,300 → 154,100 /
                   132,300 (比較のため分割前の換算)

 トーセイ(東証一部 8923) 25,170 → 59,300 / 83,600 → 102,100 / 67,200 → 79,100 /
              82,100 → 64,200 / 75,600 (比較のため分割前の換算)

SMBC日興がマツダの目標株価を大きく引き下げたが、遅きに失したと思う。
ECBの量的緩和決定で即刻レーティングを下げるべきだったのだ。

 ↓ 輸出関連(Yahoo.finance) 竹内は決算の内容が漏れたのかも、マツダと富士重工は下方向




街角景気、「企業」とねじれ さえぬ短観・生産統計(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS08H2K_Y5A400C1EA2000/
”景気指標に強弱が入り乱れ、景況感の判断が難しくなっている。内閣府が8日発表した3月の景気ウオッチャー調査によると、足元の景気実感を示す現状判断指数は4カ月連続で改善した。賃上げや原油安で消費者の心理が前向きになっている。一方、企業の景況感はやや力強さを欠き、先行きの見通しも慎重だ。
 景気ウオッチャー調査は、小売店などで働く約2千人に景況感を聞いている。現状判断指数は2月と比べ2.1ポイント上昇し52.2 だった。景況感の分かれ目となる50を2カ月連続で超えた。2〜3カ月後の景気を占う先行き判断指数も4カ月連続の改善だった。
〔中略〕
 「株高や賃金増で消費マインドはわずかながら上がりつつある」(四国の商店街)、「受注が多く入っている状況で人手が足りない」(東北の電機器具製造業)との声が出ている。増税の影響が一服したところに原油安や賃上げが重なり、消費者心理が上向いた。
 企業部門の景況感はいまひとつだ。3月の日銀短観は、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数がプラス12で2014年12月調査と同水準。3カ月後の見通しはプラス10と先行きはやや鈍る。
 足元の企業の生産活動を示す統計ともねじれがある。2月の鉱工業生産指数は1月に比べ3.4%下がり、3月も減産の見通しだった。自動車や家電の国内販売がまだ弱く、生産に結びついていない状況だ。消費者心理の好転が実際の消費増につながり、企業の生産や投資が増えるかが景気の先行きを左右する。”

このように、2015年も2%に満たない低成長は確定である。
次元の低い安倍政権が真の成長政策を全く行っていないので当然の話だ。
消費マインドの改善もごく僅か、日経報道が示唆するように
「実際の消費増」は殆ど見られていないのが実態である。

『日経会社情報』2015・春号 2015年 04月号


    ◇     ◇     ◇     ◇

  【 いとすぎの為替ポジション 】

ドル急反発を受けショート決済、雇用統計で急落したので無駄な取引だった。
ユーロショートは維持、反発しても売り直しの局面が来ると見ている。

 2015/02/09 134.91 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)

    現在 > 130.57 ユーロ/円(損益116%)← 今年の損益率
         177.48 ポンド/円
         118.94 米ドル/円

 ◎ 2014年の損益率(手数料等除外)> 128%
 ◎ 2013年の損益率(手数料等除外)> 164%
 ◎ 2012年の損益率(手数料等除外)> 142%
 ◎ 2011年の損益率(手数料等除外)> 138%
 ◎ 2010年の損益率(手数料等除外)> 147%
 ◎ 2008年秋〜09年末の損益率(手数料等除外)> 353%

  ▼ ポジション解消済み
 2015/03/20 119.97 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2015/02/20 182.89 GBP/JPY Lev ×1.5
 2015/01/22 135.05 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/12/10 187.06 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/10/30 174.99 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/10/24 136.70 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/10/02 175.54 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/09/26 138.76 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/09/19 177.76 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)

 …以下省略…

「ドル100円割れ」はなくなったと判断している。
120円に達する速度が異様に速く、「ドル150円時代」が接近している。
黒い日銀が円を切り下げ、格差が急激に拡大するステージに入った。

しかし今はリスク要因が多く、リスクオフを警戒すべき局面と見ている。
愚かな黒田日銀の追加緩和による「悪い円安」はひとまず速度減速の局面。

当ウェブログの予想通り、ドル上昇の「モメンタムは充分ではない」局面だった。
ドル円よりもクロス円の下抜けの可能性が高まりつつある。

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
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  (当ウェブログのこちらのカテゴリーも御覧下さい。)
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