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『週刊エコノミスト』12月19日号 - 中国の生産年齢人口シェアが急減、既に衰退が始まっている!

2023-12-14 | 『週刊エコノミスト』より
今週のエコノミスト特集は左程期待していなかったが、
(先週書いた通り、「例年、次号の世界経済特集の方が精度の高い」のだ。。)
良い記事が複数あって評価出来る内容だった。

まず懸念していた「アベノミクス総括」(30頁)は良識的で
企業部門が改善しても個人消費はマイナスで家計部門の弱さが鮮明、
その理由は輸出増加への依存(←円切り下げによる安売り)と判断できる。
名目の雇用者報酬が多少伸びても実質賃金が下落していては
アベノミクスは所詮、口だけであり日本を衰退させたという結論が妥当である。

特集後半には期待の全個体電池やペロブスカイト太陽電池の記事もあるが
かなり的確な内容で、どちらもすぐに成果に繋がるものではなさそうだ。。

『週刊エコノミスト』2023年 12/19号【特集:日本経済総予測2024】


さてエントリーのサブタイトルは市岡繁男氏の連載から。
世界におけるGDPや生産年齢人口の各国シェアを分析した内容で、
中国経済と日本経済のシェア比が逆相関となっているのは予想通りとして、
中国の生産年齢人口の世界シェアが90年代に既に低下に転じており
2020年代からシェア低下が加速してインドに抜かれる有様が分かる。
矢張り、2020年代は中国斜陽・インド躍進の時代となるのは間違いない。

    ◇     ◇     ◇     ◇

ダイヤモンド特集はいまひとつという印象。
ホンダもソニーも大なり小なり大企業病の気味があるのは的確として、
事業分析としては今週号は弱いのではないか。
個人的にはソニーのEVに期待しているので、続報を待ちたい。


他に興味深いのは23頁の「数字は語る」。
日本は金利上昇に注意とされているが、
FRBが利下げ必至で来年は確実に円高となるのに
金利上昇・インフレに向かうと考えるのは無理があろう。

『週刊ダイヤモンド』2023年12/16号 ( ソニー・ホンダの逆襲)


佐藤優氏の書評は今週は特に奇妙ではなかったが、
AERAでは突然、前原氏の教育無償化を支持し始めた。

教育無償化は少子化対策としては極めて非効率的であるし、
貧困対策としても有効性がかなり低いことも実証研究で判明しつつある。
日本では高等教育の投資収益率が低いこともOECDの統計で鮮明であるし、
(つまり経済成長に繋がっていない点で諸先進国に劣っている)
よく知らないし調べていない分野で軽躁に断定するのは止めてはどうか。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済の四季報特集は様々な投資家に登場させて工夫はしている。
ただ来年は確実に円高になるのでそれを念頭に置かないと。。
先週書いた「円高ショックで早くも逆指標になる気配濃厚」という懸念は拭えなかった。

メイン特集より価値が高いのは巻頭コラム「ニュースの核心」。
小型原子炉SMRは計画中止、次世代軽水炉は建設費膨張と
米国で新型原発が全滅に近い状況に陥っている!
これは核燃料サイクルで日本でも「いつか来た道」であり、
核エネルギー開発は総じて未熟で信用できないという
当ウェブログの一貫した見方を裏付けるものであろう。

『週刊東洋経済』2023年12/16特大号 (株の道場 新NISA時代に勝てる株)


佐藤優氏の連載は過去の回想が続く。
これはこれで、精度に問題のあるウクライナ情勢の分析より良い。
但し、かつて「新聞のつまらぬ裏取りをさせるな」と注文をつけた氏が
今や、北朝鮮はロシアに弾薬を送っていないと謎の断定をしてしまい
様々なメディア報道によりその真実性を否定されているのだから皮肉なものだ。
韓国メディアに至っては質の低い北朝鮮の砲弾がロシア軍に損害を与えていると報道。。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週の注目もダイヤモンド、例年の傾向として東洋経済より鋭い記事が多い印象。

▽ 焦点は「もしトラ」だろう、トッドより精度が数段勝るイアン・ブレマーの見解が重要

『週刊ダイヤモンド』2023年12/23・30合併号 (総予測2024)


▽ インタビュー依存が東洋経済の弱点、「ザイム真理教」と中傷する煽動勢力はリフレ派の二の舞になろう

『週刊東洋経済』2023年12/23・12/30新春合併特大号 (2024大予測)


▽ 意外なことにインドもウクライナ関連も出てなさそうなエコノミスト、世界経済特集

『週刊エコノミスト』2023年 12/26・2024年1/2 合併号【特集:世界経済総予測2024】

米国経済ソフトランディング前提と云うのは油断し過ぎと思うが。。
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