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内定後に豹変して態度劣悪、内定辞退率も急上昇 - 悪しき売り手市場で果てしなく劣化してゆく新卒

2019-04-10 | いとすぎから見るこの社会-雇用と労働
最初に断っておくが、「新卒全員」が劣化しているのではない。
新卒の多くが「悪しき環境のせいで」劣化させられているのである。

もはや確信に近いものになってきたが、
ここ数年の売り手市場で採用された新卒世代の多くは
かつての「バブル世代」の二の舞になるであう。

言う迄もなく優秀な人材がどの世代にもいるが、
それはパレートの法則でも知られるように少数派である。

多くの一般的な労働者は、社会環境や時代の影響を受けて
風見鶏のように態度を変えるオポチュニストになってしまう。

新卒採用を絞っていた時期には偉そうな顔をして
新卒を見下していたサラリーマン人事が、
上から降りて来た数字通りの新卒を確保しようと四苦八苦しており、
「学生を恐れている」とまで囁かれるようになっている異常事態だ。

単なる人口動態の老化と安倍による「自国貧困化政策」、
そして世界経済の好調の恩恵でしかない偶然の売り手市場を勘違いし
思い上がった新卒が今まさに足元で急速に増えているのを感じる。

勿論、これは悪しきバブルだから崩壊は避けられない。
勘違いの頂点から転げ落ちた時の痛みは言語を絶するものとなろう。
更に悪いのは、バブル世代の再来は本人だけでなく「周囲」に被害を与えるということだ。

▽ 「使えない」「無能」と揶揄されるバブル入社組、現在の楽々入社新卒も同じ運命へ…

『バブル入社組の憂鬱(相原孝夫,日本経済新聞出版社,2017)


「若者の弛緩した就業意識は、今まさにバブルが膨張し崩壊寸前であることを示唆する」
とした当ウェブログの警告は、残念ながら今まさに的中へと近付いている。
多くの企業も被害者のように自己弁護してはならない。利益誘導政策の「共犯」だから。

「「若者を見下す」輩は自己の低能さを認めたくないだけの悲しい欲望に囚われているのだ」

「採用側の企業は新卒人材の良し悪しについて無遠慮に評する癖に、
 優秀な人材を逃す自社の魅力の無さを反省することは殆どない。
 所詮は自らが批判する相手と同類である。
 経験値が上であるというだけで偉そうにしていられるに過ぎない」

「「幸福も繁栄も、他人から与えられるものではない」と
 入社式で訓示していた新日鐵が今は政府にゴネて
 「法人税下げろ、原発再稼働しろ、六重苦を何とかしろ」と叫んでいるのだから
 実に皮肉な話である。自社が実行できていないことを新入社員に要求している訳だ」

「目先のボールを追うだけの連中の滑稽さは、
 長期間じっと観察していると実によく分かる」

「新卒採用について報じるメディアの決定的なバイアスは、
 「広告主である企業に不都合な記事を極力載せない」である。
 他方、就活生は広告主ではないので平気でバッシング報道を出す」

「また、メディア人自身も企業の採用者側と同じく
 特権を握っている層に特有のメンタリティを持っているので
 つい若年層に説教がましい論調を選好する通弊がある。
 (社会の現状に対して自分は裁く側であり責任は他の連中にあると信じている)」

「本当に公平な報道を行うなら、
 新卒採用における企業のオポチュニズムを暴く筈であるし、
 就活生に対してと同じく「自己分析しろ」「手書きででも熱意を伝えろ」
 「選んで頂く立場と自覚しろ」と厳しく追及すべきであろう。
 「人不足で倒産」などと劣等企業の代弁がましい言説を弄するべきではない。
 (建設業の人不足に関して言えば明らかに「国土強靭化」で予算をバラまく安倍内閣の責任である)」

「今、企業は必死に優秀な人材を青田買いしようとしている。
 売り手市場になって競争が激化しているからである」

「数年前とは真逆で、企業の採用行動が新卒の質とは関係なく、
 経済状況と採用時の環境によって左右されているのは明白である」

「多くの企業人は、目先の問題ばかり必死に追いかける自分達のオポチュニズムの滑稽さや
 中長期的課題の重要性など忘れかけている健忘症を自覚している筈だ」

「通常、経済がバブルかどうかはその渦中にあっては分からないもので、
 バブルが崩壊して初めて「バブルだった」と判明するものである」

「だから、衆愚的な評論家が「中国はバブルだが、日本はバブルではない」と放言するのは
 何の不思議もない。ただ単に、自らの先見性のなさを自ら証明しているに過ぎないからだ」

「安倍政権が成立した当初は「日本経済は3年で復活」などという頓珍漢な
 権力に媚び諂う馬鹿らしい言説すら出ていたが、現時点でその嘘は完全に証明されている。
 成長率が低迷して株価だけ大幅に上昇しているのは、明白なバブルの証拠である。
 経済成長率の推移は、アベノミクスが日本経済の低迷に対し何ら効果を発揮しなかったことを立証している」

「消費税引き上げに責任転嫁するリフレ派に至っては、
 我が国よりも間接税負担の重いドイツやスウェーデンより
 日本経済のパフォーマンスが明らかに劣っていて成長率でも生産性でも負けている事実すら理解していない」

「そして、雇用面においても明白なバブル崩壊の前兆が示されている。
 米経済が2012年から明らかに緩やかな基調にあった上に、
 円の切り下げによって労働コストをカットしたための失業率低下に過ぎないのだから、
 目先しか見ていない人々が勘違いするのも道理である」

「円安という上げ底によって誤摩化されているため、
 日本企業の競争力は全く向上していない。
 その証拠にIMD競争力ランキングで日本は順位を下げている」

「見せかけの「上げ底活況」に幻惑されて、
 少なからぬ若年労働者が勘違いし始めている」

「電通総研の調査は時系列で比較していないのが欠点だが、
 「できれば働きたくない」「仕事はお金のためと割り切りたい」という弛緩した意識が
 かなりの割合を占めていることが確認できる」

「労働者は市場や職場で常に試されているため、
 少なくとも意識の上では「人並み以上でないと不利になる」と意識している筈なのだ。
 つまり、「人並み程度の働きでも問題ない」と油断している労働者が増えている訳である。
 そしてその「油断度」は、不吉にもあのバブル崩壊の時期に酷似している」

「若年労働者を対象とする二つの意識調査を見て、思わずぞっとした。
 経験が浅いから無理もないが、今の新卒市場がバブルなのを理解せず、
 企業から最大限の利益を得ようとする意識が極限まで高まっている」

「今、日本企業の中では所謂「ゆとりモンスター」のような連中が跋扈し、
 各職場や管理職の間で大問題になりつつある筈である」

「日本企業が新卒一括採用のために、新卒労働市場は常にオーバーシュートし易い。
 大量採用が続いたために、本来なら入社できないレベルの者でも採用され、
 それが自分の実力と勘違いしている者が大勢いるのだ」

「これは我が国が「失われた20年」に突入する直前に起きたことと酷似している。
 日本企業の中でだぶついているバブル世代同様の状況が、再来しつつあるのだ。
 若年労働層の中でプライベート重視の傾向が強まっているのがその証拠だ」

「しかも今回は、失業率低下と新卒労働市場の活況が「見せかけの偽り」であるため、
 すぐ近くまで忍び足で接近してくる経済危機はより深刻なものとなるだろう」

「見せかけの好況に幻惑されて大量採用した企業は、
 好況の幻が消滅するとパニックに陥り、
 採用抑制や陰湿なリストラに奔走するようになる」

「前回のバブル期の後には、企業の不祥事が次々と発覚した。
 今回も歴史は繰り返すであろう」

「頭脳が固化しかかっている中年や老人は若者を非難したり罵倒したりするが、
 実際にはスタンダールが語ったように若者は「社会の鏡」である。
 我々の社会が歪んだり濁っていたりする時、真っ先に若者にその影響が現れる」

「バラ撒きでも何でも行って目の前の選挙に勝つころしか考えていない安倍政権は、
 不況に備えて強化すべきだったセーフティネットを放置したままでいる。
 このツケは労働者に回され、安倍政権の失政のせいで塗炭の苦しみを受けるだろう」

「世代間ギャップはいつの世にもあるもので、
 今の団塊の世代も上の世代から教育が悪いだの扱い難いだの言われていたし、
 バブル世代には日本人の資質として挙げられる勤勉さは乏しかった」

「過去の記録を調べるとそうした不都合な事実が発覚する訳で、
 リーマンショック後に日本企業が「若者は使えない説」を
 メディアを通して撒き散らした悪質さは益々はっきりしてきた。
 (当時、そうした「若者ヘイト」の片棒を担いだ連中は謝罪すべきである)」

「企業は単に、目の前の状況に振り回されているだけなのである。
 定見などなく、「働きやすさ」は単なる客寄せチラシの文句に等しい」

「今、若者バッシングが目立たないのは企業が人手不足で困っているからであり、
 失業率が跳ね上がってリストラする必要性に迫られたら
 またメディアを使って「若者使えない」説を垂れ流すに違いない」

「さて、現代の若者を取り巻く状況を見ると、若者は矢張り良くも悪くも純粋で、
 日本社会の変化からいち早く影響を受けていることが分かる」

「企業は人手確保に奔走して平然と紳士協定を破り、
 本音を隠して「働きやすさ」を必至でアピールしている。
 (言う迄もなく、社内では「困った人材」が急増している筈だ)」

「だから企業の態度から影響を受ける若者が自己中心的になって
 「職があるのは当たり前、会社から最大限の利得を得たい」と考えるのは当然である」

「また、最近の高齢層は団塊の世代を中心に
 「シニアと呼ばれたくない」という意識が急速に強まっており、
 事実を無視して自己を甘く評価したがっていることが分かる。
 (しかも、自己の受け取る社会保障給付は当然視しているのであろう)」

「だから若者が自己客観化を回避して高い自己評価を求め、
 恩恵は当然視するとしても何ら不思議ではない。
 何故なら上の世代がそうしているからである」

「安倍政権支持率が高いのは、当然ながらドグマが強固で
 イデオロギー優先の厄介な層であるが、他にも強固な支持層がある」

「それは10代、20代の若年層である。世間知らずで騙されやすい
 というのがまず筆頭に挙げられるだろうが、それだけではない」

「彼ら彼女らはまず新卒で就職が楽かどうかで判断する。
 勿論、インチキ・アベノミクスの本性などどうでも良い。
 視野が狭くて思考が浅いから、安倍政権時に就職できれば安倍政権のお蔭と信じ込む。
 (迷信を信じる古代人がまさにそうであったように)」

「これは、かつて起きた忌まわしい時期と酷似している。
 救国の英雄、高橋是清が景気回復をもたらしたのを、
 (高橋是清は今の愚かな日銀と違って市場で国債を売却しており、出口戦略も急いでいる)
 軍部の満州侵攻による景気回復と勘違いして熱狂した1930年代の日本だ」

「但し1930年代は若年層の数が極端に多く、世論がナショナリズムに狂い攻撃的だったので、
 その点では現代と同一ではない。老化した現代日本にはまた他の宿痾がある」

「経済政策の次元が低く、スウェーデンに成長率も生産性も惨敗しているだけでなく
 日本と同じ人口減少国であるドイツにすら大敗した「劣等生」の安倍政権を支持するのは、
 確実に未来に待ち受ける災厄を無視し「低成長と安定」を望む保守退嬰のためとしか考えられない。
 だからこそ安倍政権のもたらした低成長で満足していられるのだ」

「各調査により、現在の新卒世代が「プライベート重視」で向上心が低下しており、
 主体性に乏しく他者への依存度が高いことが明らかになっている。
 この視野狭窄と利己主義、意欲の低さが安倍政権の政策とぴったり合致しているのだ」

「この現象の根本にはより深刻な問題が隠れている。
 山口二郎教授は「生活保守主義」と名付けたが、
 自分の生活さえ良ければあとはどうでもいいとする無関心、
 変化を嫌い安定を望む保守退嬰である(決して保守主義ではない)」

「愚かな若年層は実質賃金切り下げと人口老化による失業率低下を
 安倍政権のお蔭であるかのように考えて喜んでいる。
 雨乞いの儀式で雨が降ったから大喜びする古代人と全く同じである。
 今、目先しか見えない安倍政権がいかにリスクの高い政策を行い、
 経済成長どころかバラ撒きと低成長をもたらす存在であるかも理解できない」

「かつて満州事変を支持したのがこうした視野の狭い大衆だった。
 今のあさはかな愚行が、近い将来の大災厄として戻ってきた際に、
 「騙された」「安倍が悪い」と袋叩きにするであろう。自らの不明を棚に上げて」

「安倍政権のバラ撒き政策はこうした主体性の欠如を生み、
 他者への依存を強め、「楽な道」を求める悪しき性質を助長するものだと判断できる」

「自己中心的で成長を望まない層の安倍政権支持率が高いということは、極めて不吉だ。
 安倍政権の政策が利己主義と怠惰を蔓延させているという事実が示唆されるからである」

「かつてマキャベリは、腐敗した組織の中では自分も腐敗しないと生き延びられないと指摘した。
 必ずしも安倍政権だから視野狭窄と利己主義、低意欲が蔓延ったのではない。
 社会の中で視野狭窄と利己主義、低意欲が蔓延っているから安倍政権が長期化できたのだ!」

「安倍政権への支持率の高い、つまり騙されやすい若年層は
 かつての高成長の日本経済を知らないためにこの程度の貧相な日本経済でも
 満足している、いわば「低温」の世代であると判明しつつある」

「何故なら、安倍政権の根本的に間違った政策で
 1%程度の(海外経済はもっと好況なのに日本はこの惨状)低成長の罠に陥っても
 無能で経済低迷を招く安倍政権の正体に全く気付かないばかりか、
 「給料より休日」「働きたくない」「自分重視」の傾向が
 調査ではっきりと確認されつつあるからである」

「これは、日本経済を歪めたバブル世代の再来であり、
 かつバブル世代よりも「低温」なので消費活性化にも繋がらない、
 他人には無関心で経済低迷を自己実現させる世代と言って良い」

「安倍政権の口だけ政策、保守退嬰を助長するインチキ政策の害毒は、
 遂に影響されやすい若年層労働者に悪影響を及ぼすに至っている」

「そうした保守退嬰、利己的で休暇を重視する世代こそが、
 安倍政権への支持率が高い世代だからだ」

「安倍政権が、日本経済を力強く前進させる存在では全くなく、
 労働者を利己的にさせ成長や向上より安逸と「現在志向バイアス」を強め、
 将来の災厄を最大化する最低の政権であることは、益々明らかになっている」

「「低温」の新しいバブル世代からは、かつてのバブル世代と同様に
 企業のお荷物になり、下の世代から白い目で見られる者が続出するだろう。
 必ずしも当人たちだけが悪い訳ではないのだが、だからと言って免責されることもあるまい」

「日本女性はジェンダーが強いのでワークライフバランスを主目的として転職するが、
 若年層も同様の傾向を示しつつあるから、勤労意識や向上心が後退しつつあると
 判断することができよう。(無論例外はあるが、平均値としてはそうなる)」

「日本国民は周囲に流される傾向がある。
 元々勤労意識は個々人によって大きく違い、
 所属組織に対するロイヤリティは世界的に見て低いことが知られているから、
 安倍政権は怠惰と利己主義を助長していると考えるのが適切である」

「はっきりと数値に出ているように、日本の人材の質も劣化が懸念される。
 これも安倍政権の貧困化・利益誘導政策の必然の帰結である」

「守秘法域という薄汚い裏技を使って豊かさを得ているルクセンブルクと
 安倍政権下の日本が同じように高度人材の不足に陥っているとの調査結果は重要だ。
 両者とも個々の工夫とイノベーションによってではなく、不公正な政策に依存しており、
 人材の質は一向に向上していないという「不都合な真実」が示唆されている」

「はっきりと予言しておく。新卒に対し必死に媚び諂う日本企業が、
 掌を返して冷酷な批判を次々と繰り出し、社員を切り捨てて
 何とか企業だけは生き残ろうと醜態を見せる日が近付いている」

「二つの調査結果の不気味な一致が、日本経済に迫る暗雲の出現を示唆している。
 日本経済における人的資本の劣化の前兆が生じているのだ」

「人材会社ディスコのインターネット調査では、
 若年層が「ブラック企業」と認識する水準が急上昇しており、
 若年層の意識に決定的な変化が生じていることが分かった」

「これは来春卒業予定の新卒世代を対象としたものだが、
 前回調査の2014年と比較して新卒世代が「ブラック企業」と認識する率が
 10ポイントも急上昇しており、僅か3年でブラック企業が急増する訳がないから、
 売り手市場に気を良くして企業を非常に厳しく見る者が急増したことが分かる」

「また、博報堂生活総研の調査では、子供の海外志向の低下が示されており、
 外国の話をしたい、留学したい、外国人と友達になりたいと回答する比率が
 過去最低になったことが明らかになった。(つまり、過去最高に「内向き」な世代なのだ)」

「しかしこれは子供だけの傾向ではなく、大人も同様であるとのこと。
 「世界よりも日本を優先すべき」と回答する大人が過去最高になったのと一致している。
 従って、子供や新卒は「内向きで他者に厳しくなった」日本社会の変化を反映しているのだ」

「更に悪いことに、安倍政権の経済政策が日本人を怠惰で利己的にするものであるため、
 他力本願の悪弊を強化するという致命的な状況になりつつある」

「安倍政権をはじめとする自民党政権が日本経済を立ち枯れさせるような
 無能な経済政策を展開して国内経済の低迷を深刻化させている今、
 若年層の海外志向が低下し他者にばかり厳しくなる傾向は大きな弊害を伴う。
 海外市場へ果敢に挑戦する意思が弱まるばかりではない」

「現在の新卒世代はかつてのバブル世代と酷似しつつあり、
 自己を成長させるべき時期に安逸を求めるようになりつつある」

「しかしバブル世代ほど消費に前向きではないので、
 益々もって日本経済にとって悪影響だと言えよう」

「これは日本経済にとっても日本企業にとっても重大な打撃となる。
 何故なら、現在のバブル世代の多くが「能力の割に給料を貰い過ぎ」
 「仕事のできない人がいる」と他の世代から見られているにも関わらず、
 当事者はその自覚が乏しいという深刻な状況に陥っているからだ」

「最近、「志が低くなっている」「利己的で他者にばかり厳しい」傾向を感じて
 日本社会の先行きを憂えていたが、案の定である。
 若者だけが変わったのではない。日本社会が劣化して、それが若者に反映されているのだ」

「新卒の質が明らかに劣化している。
 正確に言えば、毎年新卒の質は個々で大きく違い、平均的には大差ないのだが、
 近年は質の低い勘違い労働者を大量に生み出す環境になっている」

「これは、いま企業内で悪評芬々、しかも当人に自覚の乏しい「バブル世代」の再来である。
 勿論、バブル世代も個々の違いは大きく卓越した人材も数多い。
 しかしいかなる世代でも、多数派は時代と環境に左右されるオポチュニストだ。
 時代にも環境にも動じず我が道を驀進するのは一部の変わり者に過ぎない」

「バブル世代の衆愚的な層が日本企業において悪影響を及ぼしているのであり、
 今の新卒世代も同様である。卓越した人材は他の世代と同じく少数派であり、
 少数派よりも衆愚的な多数派の方が圧倒的に「数の力」で勝る」

「今の新卒世代は自己中心的な意識でバブル世代とよく似ているが、
 消費志向は弱い。つまり「劣化版バブル世代」になりかねない危険がある」

「何しろ、かつての新卒と比べて給与・待遇を求める意識が急速に高まり、
 それなのに残業は嫌だ、転勤も嫌だ、営業は避けたいという我が儘ぶりだ」

「偶々生まれた時期が幸運だったばかりに良い条件で入社できた連中は、
 早くも勘違いして増長している。(この点でも偶然を実力と勘違いしている安倍とそっくりだ)」

「バブル世代が実社会に出てからの90年代後半と同じく、
 日本経済の衰退と人的資本の劣化はもはや避けられないと判断した」

「新卒の就職率は悪いのも問題だが、良過ぎるのも同様に問題だ。
 横並びの行動の多い日本企業が必ず質を下げて数を追い、
 会社の力を自分の力と錯覚する勘違い入社組が急増するからである」

「そうした愚行を助長したのが、選挙最優先で金権主義の
 安倍政権による公共事業バラ撒きと通貨切り下げ(企業の人的コスト削減)だ。
 目先の安逸を求めるばかりで、将来の災厄を極大化しているのである」

「前々から断言してきたことであるが、矢張り近年の新卒世代は
 企業社会で評判の宜しくない「バブル世代」に酷似してきつつある」

「所謂MARCHより上の大学の新卒は『40歳で年収1000万円の企業が前提』などと
 豪語しているそうだ。バブル期の拝金主義者も同じような怪気炎を吐いて
 無様に没落していったのだが、ごく最近の歴史すら知らない無知さである」

「この「プチバブル世代」又は「劣化版バブル世代」(消費力が格段に弱いため)は
 決して当人たちに責任があって劣化している訳ではない」

「若年層は社会からの影響を最も受けやすいので、
 愚昧で近視眼で噓つきの安倍や「ヒラメ」自民党議員から甚大な悪影響を受けているのだ。
 そして見境もなく大量採用するサラリーマン経営者とローテーション人事の採用担当が、
 愚かしい横並び意識に取り憑かれて若者をスポイルしているだけなのだ」

「その証拠に、現在の新卒世代は急激に休暇や雇用の安定性を重視するようになっており、
 「内向き」の傾向は過去最高、「海外で活躍」を求める層は1割にも達していない。
 「国民全体の利益より個人の利益を大切にすべき」は過去最高の36.2%に達している」

「勿論これは、若者が最初からこうした体質だった訳ではなく、
 安倍のような程度の低い腐敗した政治家が国政を牛耳っているためであり、
 企業社会が若者を甘やかして媚び諂い、人的資本を劣化させているからだ」

「若年層は、こうした醜悪でみっともない大人に支配されてはならない。
 日本を蝕むバラ撒き政治家を権力の座から蹴り飛ばし、
 人材を劣化させるサラリーマン企業を捨てて起業・転職すべきである。
 そうしなければ、真の人材として成長することはできない」

「数年前には若者は使えないと偉そうに罵倒していた企業が、
 今は若年層に媚び諂って甘やかし、人材としての質を低下させている。
 「バブル世代」と同様に、当人の自己評価より周囲の評価の方が低い
 勘違い人材を大量に生み出すようになるであろう」

「財界が言い出した「就活指針廃止」は、本質的に言えば
 リーマンショック直後の内定取り消しと何ら変わらない」

「財界の利害と都合だけで言い出したものであり、
 その証拠に中小企業の多い商工会議所は懸念を強めている」

「世界経済の成長と人口動態上の理由で
 企業は新卒若年労働者の争奪戦を行っており、
 就活指針に縛られて自社が不利になっているとの焦りが主因だ。
 グローバル競争がどうのこうのというのは口実に過ぎない」

「本気でグローバル市場の勝者となろうとしているなら、
 メルカリのように外国人を大量に採用する筈だ」

「経営陣が「なんちゃってグローバル化」だから
 (ダイバーシティの進展度を見れば一目瞭然だ)
 採用も「なんちゃってグローバル化」なのである」

「おまけに「日本の学生は勉強しない」などと
 己の責任を忘却して天に唾する発言まで出る始末で、
 (「勉強しない」学生を企業が採用するからそうなるのだ)
 自社が先駆けて「勉強する」学生を採用してから口を開けば良かろう」

「日本の高等教育に全く問題がない訳ではないが、
 今の企業の見境ない採用が学生の主体性やアニマルスピリットを損なっているのは明らかで、
 他人に注文をつける前に自らが与えている悪影響を自覚すべきではなのか」

「また、中小企業はそもそも通年採用でないと人が足りない場合も多い。
 経済団体の「就活指針廃止」議論など単なる贅沢病にしか見えない」

「欧米型の通年採用になると間違いなく生じるのは
 「就活期間の長期化」「若年失業率の上昇」である。
 (欧米の失業率を見れば明白であろう)
 得するのは一部の学生にとどまり、大多数は「被害」を受けることになる」

「そもそも学生に文句を言う前に自社がグローバル市場で勝たなければならない。
 新卒の最優秀層が外資や海外に流れる現状は一貫して変わっていないのが現実で、
 自社で採用出来る人材はその企業の器を超えるものではないのだ」

「勉強しないかどうかよりも、企業が見境なく数を揃えようとするために
 新卒世代がスポイルされ、内向きで自己中心的になる方が遥かに問題である」

「安倍政権下で脱税が増えた事実が数値で確認された訳だが、
 人的資本(人材の質)の面でも顕著な悪影響が見て取れる」

「人材会社の調査によれば、売り手市場で企業側の負担が重くなっているだけでなく、
 「内定者の質への不満」や「学生の質の低下」を指摘する声が増えている」

「これは決して今の新卒が劣化していることを証明するものではなく
 (勿論のこと、「可能性」としては否定できないが……)
 新卒人材を「劣化」させている日本企業の横並び行動と、
 また根本的には安倍による程度の低い経済政策がここでも悪影響を与えているのだ」

「当ウェブログは、ポテンシャルや元々の資質においては
 どの世代も大差なく、ただ世代内格差が大きいだけだと考えているが、
 当該世代が置かれた状況や環境によって多大な影響(若しくは悪影響)を受けるのもまた事実だ」

「今の新卒世代は、就職が楽である点では幸運であるが、それが決して自分の実力ではなく、
 謙虚な意識で自らを成長させなければと考えなくなる点で不幸だ。
 (生兵法の安倍の売国的政策で実質賃金がカットされているのに気付かないのも不幸だが)」

「安倍が実質的な通貨切り下げを行わず、建設業界に選挙目当ての巨額のカネを投入しなければ、
 もっとまともな労働市場になり、売り手市場も妥当な水準に緩和されたであろう」

「しかし、企業側も安倍の選挙目当ての利益誘導政策の恩恵で大した労もなくカネを儲けているので
 (日本企業の売上は大して増えていないのに利益ばかりが増えているのが何よりの証拠)
 良識派も「疾しい沈黙」、目先しか見ない拝金主義者は「無能な沈黙」に陥っているばかり。
 最も質の悪い層に至っては、外国人材受け入れを求めてリスクと負担を国民に押し付けようとしている」

「一般的な大企業が外国人材採用に努力もせず、
 しかも上から降りて来る数字に従って大量採用しているのは明白だ。
 その結果、横並びの採用活動による自業自得で人材の質が落ちるのである」

「大学教育にばかり注文をつける経済団体は保守退嬰であり、
 覇気のある成長企業ならつべこべ言わずに海外の優秀な人材を取りに行く筈だ。
 GAFA等に散々人材を奪われている企業だから大学に責任転嫁しているのではないのか」

「人材の質を上げたければ、通年採用で人数を絞れば良い。
 それだけの話であり、採用を絞れば人材の質が上がるのは氷河期世代が証明している」

「しかし、この世代は北欧型の正しい労働政策を自民党政権が行わなかったため
 多大な犠牲を払っており、つまり労働市場は売り手市場が過剰でも
 買い手市場が過剰でも悪影響を与えるということだ」

当ウェブログの予言通り、「社会の歪みは、常に若年層の意識の歪みへ顕著に反映される」のだ。

▽ 企業は大量採用が必要な際には新卒に媚び、不況では「使えない」「物足りない」と罵倒する

『大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 知的現場主義の就職活動』(沢田健太,ソフトバンククリエイティブ)


「企業のオポチュニズムを批判する時期は終わり、若年層が問題を生み出す時期に入った」
という当ウェブログの不吉な予見は完全に的中した。「崩壊」による正常化は避けられない。

「矢張り恐れていた通りだ。若年労働者の劣化は、
 (正確には彼ら自身のせいではなく、政治と社会の歪みによるものだが)
 様々な側面において明確な形で証明されつつある」

「更にこの劣化は、安倍による経済失政(=自国貧困化)のため
 当事者には殆ど認識されておらず、それ故に深刻なものとなっている」

「リーマンショック後には、新卒世代を労働市場から締め出して
 自分達の雇用と賃金を守る為に狡賢くて人品劣悪な中高年が
 若者を悪し様に罵るという反社会的な言動を公然と展開していたが、
 当時の若者世代は決して劣ってなどいなかった。少なくとも
 かつてのバブル世代と似てきた今の売り手市場世代より優れていたと断言できる」

「これは両世代の資質の優劣ではなく、置かれた環境の違いである。
 だから、両世代とも「犠牲者」なのであるが、
 社会に与える悪しき影響としては現在の売り手市場世代の方が
 より深刻になるであろう。(既に組織の中に入り込んでいるから)」

「その証拠に、近年の新卒世代に関する耳を疑う話が次々と飛び込んでくる。
 「自分の非を認めない」「失敗を恐れる」「積極性に乏しい」、
 「少しでもむかつくと上司や会社を無視する」等々」

「また、国民の安全を守る警察組織の若手にとんでもない不祥事が続発している。
 少子化の影響はあるのだろうが、こちらも前代未聞のケースが目立つ。
 警察組織ですらこの状況であれば、民間組織ではより深刻な筈である」

「当ウェブログは、買い手市場でも売り手市場でも度が過ぎると害になると指摘した。
 今まさに、売り手市場の害毒による人材劣化が起きていると言えよう」

「勿論、同じ世代の中でも突出した人材は間違いなくいる。
 彼らは自分を甘やかし駄目にする環境を捨て去って試練を選び、
 (この衰退のぬるま湯に浸り切った日本を出てゆくかもしれない)
 自己を成長させようとするだろうが、そうした偉材は常に少数派でしかない」

「今、売り手市場でのうのうと過ごしている者が、日本企業や社会のお荷物になる」
との警告も、新卒世代で次々と的中しつつあるのだ。。

 ↓ 参考

「失敗したことがない」と豪語、自分の非を認めない・入社前から転職活動 - 若年労働者の質の低下が鮮明
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/6c6cb6f461e0f9fb8a6dad6ea1fb07a0

内向きで「国民全体の利益より個人の利益」が過去最高、果てしなく劣化する新卒 - 企業の採用が元凶
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/7a916eedeb12943501ba4401f8cc4ca9

若者は休日重視で「働きたくない」が世界最多、高度人材不足も深刻化 - 安倍政権が蔓延させた怠惰と劣化
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d24528dde1d8dd0ccb81cdeb22bd2d2f

団塊の世代も言われた「扱いにくい、教育が悪い」- 昔から変わらない新入社員バッシングと入社式の式辞
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/b239671d85ebb2f3c169c5e9d5a9b2e2

「仕事は人並み・プライベート重視」だったバブル世代、なぜか批判されない理由 - 単に数が多いから
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/ef42179f46284a90293d15c98bfc65dee

▽ 慧眼な中原圭介氏がいち早く見抜いた通り、失業率低下は人口減少要因だった。。

『中原圭介の経済はこう動く』〔2016年版〕


就活解禁でも「レベルの高い学生が全然いない」 ある大手企業人事部のため息(文春)
https://bunshun.jp/articles/-/11005
”あなたは、次の就活生の質問をどう評価するだろうか。

質問(1)「御社の年間休日は何日ですか?」
質問(2)「TOEICは何点取っていれば大丈夫ですか?」
質問(3)「もし面接で、御社とライバル企業の違いを聞かれたら、私は何と答えるべきですか?」

 これは就活解禁日、3月1日の大型合同企業説明会(幕張メッセ)で、就活生が人気企業A社へ質問した実例だ。
 ちなみに就活解禁日とは、経団連による就活ルール「採用選考に関する指針」に決められた、会社説明会などが解禁される3月1日のこと。例年この日から、一気に意欲の高まった就活生たちで会場はヒートアップし、入場制限がかかることもあった。

「まるで消化試合の雰囲気だった」
 ところが今年は様相が違う。まず来場する就活生が昨年より少ない。
「今年は解禁日という感覚がなかった。まるで消化試合のような雰囲気だった
 私の知人のB社人事はこう嘆いた。そしてこれらの質問である。もちろん、これらは就活生にとって大切な質問だ。しかし人事の前で聞いたら不利になるし、立場上、人事は本音を伝えられない。それをわかっている用意周到な就活生はOBOGに聞き、人事には聞かない。それがいわば“就活の常識”だ。 
 このA社ブースを訪問した、意欲の高い私の知人学生はこう感想をもらした。
質問の半分ほどは、このようにレベルが低いか、非常識な質問でした。びっくりしました
 どうやら会場の半分ほどは意識の低い学生で占められていたようだ。これには人事も驚いたことだろう。

冒頭の「3つの質問」はなぜダメなのか
 さて冒頭の質問だが、就活生が聞くと、人事は次のように考えることがほとんどだ。
質問(1)「御社の年間休日は何日ですか?」→仕事の中身より先に、休むことばかり考えている。仕事のやる気はあるのだろうか?
質問(2)「TOEICは何点取っていれば大丈夫ですか?」→TOEICの目標点数はサイトに出ているのに、事前に見てないんだな……。
質問(3)「面接で、御社とライバル企業の違いを聞かれたら、私は何と答えるべきですか?」→なぜ、それを教えてもらえると思うのだろう? 自分自身でリサーチし、考えるべきことでしょう。
 つまり、このような質問をすること自体、逆アピールになってしまう。
それに気づかないことが残念である。

就活解禁日なのに、学生の意識が低い理由
 前述のように、例年なら就活解禁日には意欲が高い学生が多かったが、今年はそうではない。その理由を考える上で、B社の人事のコメントが参考になる。
「大学3年生向けに、昨年6月にインターンシップ合説(合同企業説明会)に参加しました。そこでは、優秀な学生が多数でした。その後の10月では普通の学生が増え、1月になったら意識の低い学生が多数になってしまいました。来年度は、遅い時期の合説の参加をやめるかもしれません」
 つまり優秀な学生ほど動きが早く、インターンシップ(就労体験)で企業と接触し、水面下で選考が始まり、一部はすでに内定を得ている。あるいは面接が始まっており、就活解禁後の合説には来なくなる。ゆえに3月1日の時点で意識の低い学生ばかりが目立ってしまったのだ。
 またこの数年、インターンシップに参加する学生が増加し続けていることも、夏から冬にかけて全体のレベル感が下がっていく要因の一つだろう。


解禁1ヶ月前の段階で、40%の就活生が選考を受けている
 この傾向はデータでも確認できる。
「キャリタス就活 2020 学生モニター調査結果」(2018 年12 月)によれば、大学3年の11月下旬の時点で「自分の中ですでに就職活動は始まっている」と回答した学生はなんと85.8%だ。始まった時期は「3年生の6月」という回答が多い。
 つまり実質的に就活は昨年6月から始まっていたのだ。すでに半年以上経っていることを考えれば、消化試合の雰囲気になるのも自然な流れだ。

 また19年2月の同調査では、2月1日時点で「本選考を受けた」学生は39.9%であり、「内定を得た」学生は8.1%(前年同期4.6%)と昨年比で倍増している。就活解禁の1ヶ月前の段階で、4割の就活生が面接などの選考を受けており、8%は内定を得ているのだ。3月1日解禁という就活ルールはすでに形骸化していることがわかる。

経団連の就活ルール廃止で「もう何でもありだ」
 今年、就活がここまで前倒しされたのは理由がある。昨年9月、経団連の中西宏明会長が就活ルール廃止の意向を示し大きな話題になった(私もニュースサイトやBS番組など、複数メディアで批判的なコメントをした)。
 この就活ルール廃止は来年度(2021年3月卒)から適用されるが、人事の多くは「1年早く、今年(20年卒)から前倒ししてもいいだろう。もう何でもありだ」と認識したと私は推測する。
〔中略〕
 想像以上に厳しい解禁日の就活生を見て、多くの人事は次のような感想を抱いている。
「ここまでレベルが下がるとは思っていなかった。困った」
「3月1日からの採用活動スタートでは優秀な学生は絶対に採用できない。大学3年向けの夏期インターンシップから早期選考するしかない」
「早ければ早いほど優秀な学生と会える」

〔中略〕
 今年は大手企業ですら大胆な行動に出るかもしれない。就活ルール廃止の初年度となる、新3年生(21年卒)向けのインターンシップは今年の夏から始まる。それをきっかけとして堂々と選考が行われ、3年の秋から冬にかけて内定が出るのではないか。私はそう予測する。
 今まで、このような早期選考は外資系企業や一部ベンチャー企業がおこなっていたが、日本の大手企業も追随するだろう。大手は、GAFAや戦略コンサル、外資系投資銀行に優秀な人材を奪われてきた。それだけ現場の人事の危機感は強いのだ。
福島 直樹”

インターン乱発のせいで解禁日は完全に消化試合になってしまったようだ。
上からの無理難題でサラリーマン人事が苦心惨憺していること、
相変わらず日本の大企業が外資に大敗している実情も分かる良い記事だ。


人事部も恐怖!今どきの就活生「メールに絵文字」「研修4日目で退職」(bizSPA!)
https://bizspa.jp/post-129298/
”売り手市場で「就活生有利」と騒がれている新卒採用。学生にとっては企業の採用枠が増えるのは有り難い限りだが、採用する側は人材が集まらないと悩んでいる。
 マイナビが昨年10月に発表した調査「2018年度マイナビ既卒者の就職活動に関する調査」では「既卒・第二新卒」は前年比21.2ポイントも増加、54.1%と半数を超えている。
 第二新卒というのは、明確な定義があるわけではないが、おおむね「新卒で入社して3年未満で離職・転職を行う」人材を指すことが多い。

今の人事は学生を恐れている
 HRテックを駆使してこれまで1000社以上の人事課題の解決を行ってきた、EDGE株式会社代表取締役の佐原資寛さんは「今の人事は学生を恐れている」と語る。
「この厳しい売り手市場で、採用担当者は、経営が決めた採用計画に則って学生を確保しなくてはならない。
 優秀な学生を確保しようとも、大手・人気企業に取られれしまうし、何か不手際があればSNSで悪い評判がすぐ広がってしまう。学生の気持ちが離れないよう、企業はかなり気を遣っています」
 実際、上場企業では内定辞退率3割以上が昨年に比べて10ポイント近く増加している(2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査、2018年9月)。採用数にもよるが、従業員規模では従業員数の少ない企業、業界別では小売業界や建設業界の辞退率がやや高くなる傾向にある。

就職活動でリクルーターが重宝される理由
 そんな状況下、現場の社員がリクルーターとして就活生や内定者との窓口になる企業も増えた。
「結局、就活生も疑心暗鬼になっていて、人事担当者が言っていることをなかなか素直に信じてくれない。現場を知っていて、年齢ギャップの少ない若手社員が、リクルーターとして重宝されるのはそのためです。
 ともすれば自分の会社を志望していなくても、あえて就活相談に乗るリクルーターもいます。親身に学生の相談に乗ることで『就活で困ったことがあったら、この人に教えてもらえるよ!』と、良い評判が後輩に広まって来年以降の採用につながることを期待しています」
〔中略〕
内定を与えた途端に就活生の態度が激変
採用担当者からよく聞くのは、優秀で、面接時の印象がとても良かった学生が、内定を与えた途端、『書類の提出期限を守らない』『不在着信しても折り返えさない』など最低限のマナーを守らなくなったという話です
 学生は「内定さえもらえばこっちのもの」かもしれないが、当然ながら、こうしたふるまいは内定後、デメリットになる。
「ちょっと考えればわかることですが、採用担当者は入社後のあなたの人事権を握る人たちです。もちろん学生の本分は学業。それを毀損してまで、企業に媚びる必要はありませんが、こうしたふるまいが配属先の決定に悪影響を与えてしまうことは理解すべきです」
 逆に言えば、社会人として当たり前のことをすれば、内定先には好印象を残せる。そのほかにもこんな、困った内定者がいるという。

メールのやり取りに慣れていない学生が多い
 学生のなかには、「メールで顔文字を使ったり、宛名を書かない、文末に自分の名前を書かない学生も意外と多い」と、佐原さんは言う。
〔中略〕
 だが、本当に怖いのはここから。企業がもっとも恐れるのが入社してすぐ、学生がつまづく「採用のミスマッチ」だ。
「今の新入社員の世代はさとり世代で、感受性が高いと言われている。職場の先輩から『このくらいできるだろう』と振られた仕事ができなくても、周囲の目が気になってしまう。聞けばすぐわかるのに、職場の上司や同僚に相談できないまま、次第に仕事がわからないことだらけになります」

会社に入社しても…配属先でトラブル発生
 やがて自己嫌悪の末、「自分はダメだ」と会社をやめてしまうとか。
「それ以外にも入社して1か月で『朝出社するのがしんどい』『4日間で研修がツラい』と言って、やめてしまうパターンもあります。こうしたケースは、内定者が20人程度の企業では、毎年1、2人いると聞きます。不人気企業だともっと多いかもしれませんが、採用担当者は諦めがちです
 新入社員は数か月の研修期間を経てそれぞれの部署に「配属」されるが、ここでもトラブルが発生するという。
「大事なのは、入社後のフローをブラックボックス化しないこと。新人の教育担当者は、現場の先輩社員やトレーナーになることが多いですが、彼らはまだ部下を持った歴が浅いので新卒1年目の扱いに慣れていなません。
 後輩への接し方を間違えて、つい怒鳴ったり、ネチネチ絡んだりして、『上司と反りが合わない』『職場環境が嫌』と、1年以内でやめてしまう新入社員が多いようです」
〔中略〕
 重要なことは、新卒採用において、企業側がコストを支払って、採用ツールやナビサイトを契約している以上は、企業の良い側面しか書かれておらず、実態と乖離(かいり)しているケースもあるということを認識しておくことだ。
多くの就活生が意外と気づいていないのが、就活サイトに出てくる情報は基本、広告・プロモーションであること。会社の雰囲気や先輩社員インタビューなども、良い側面しか書かれていないと思ったほうがよいでしょう。学生がフラットな視点で情報を捉えるのは実はすごく難しいです
 佐原さんは「採用に真摯に向き合っている会社は人材育成に投資している」という。
 採用のミスマッチを避けるためには、学生、人事どちらも歩み寄る必要があるのかもしれない。とりわけ学生側はもっと素直になって良いかも!?
<取材・文/シルバー井荻>”

こちらは文春より読者層が若いので新卒にやや媚びが見られる。
しかし、企業の採用における「本音と建前」すら理解していない新卒がいるというのは
驚くと言うより寧ろ恐ろしいものがある(ミスマッチ以前の問題だ)。


鳥取県警、採用に民間適性試験「SPI」導入へ 都道府県警で初(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20190225/k00/00m/040/097000c.html
”就職活動の学生に有利な「売り手市場」が続く就職戦線で、鳥取県警が人材確保に躍起だ。景気回復や人手不足を背景に民間企業が採用を増やす反面、公務員の志望者は近年低迷。県警は2019年度の警察官採用試験で、民間で広く活用されている総合適性検査(SPI3)を導入し、受験者の増加を狙う。県警によると、都道府県警では初めての試みという。
 県警警務課によると、同採用試験の受験者数は、リーマン・ショック直後の2009年度370人(競争倍率4.4倍)だったが、17年度170人(同2.5倍)と半減。18年度も174人(同3.1倍)だった。“不人気”の理由は「厳しい」「危険」などのイメージが先行しているためとみられる。
 今回、試験区分に「チャレンジコース」を新設した。1次試験で必須だった「教養試験」に代わり、SPIによる受験が可能になる。受験者からすると、従来の公務員試験対策が不要になり、民間との併願がしやすくなる利点もあるという。
 SPIを開発したリクルートマネジメントソリューションズ(東京)によると、官公庁でもSPIの導入が進んでいるという。マーケティング営業部の山田りほ部長は「行政も新しい市民サービスを提供しなければいけない。(民間企業が求めるような)企画力やリーダーシップのある学生や社会人を採用したいという意向があるのでは」と分析する。
 更に県警は、受験年齢の上限を「34歳未満」から「36歳未満」(20年4月1日時点)に引き上げた。〔中略〕
 受け付けは4月5~22日。【阿部絢美】”

警察が採用に苦労している現状から見ても、
矢張り今回の売り手市場は経済活況によるものでは全くないことが分かる。
単純に、退職者が増えて新卒人口が減っているのだ。


「バイトテロ」目撃、学生アルバイトの1割超に 民間調べ(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43075620Z20C19A3000000/‎
”アルバイト店員が業務中に悪ふざけした動画を交流サイト(SNS)に投稿し問題になる「バイトテロ」が相次いでいる。マクロミルが29日発表した10~20代の学生バイトを対象に実施した調査によると約12%がバイト先で「バイトテロ」現場に遭遇したことがあると回答した。対策を巡り、バイト先にルールがある割合は約3割にとどまった。
〔中略〕
 調査は3月24~25日に関東や関西地方の8都府県の15~29歳の学生を対象にインターネット上で実施した。有効回答数は770人。
「バイトテロ」に相当する行為を「見かけたことがある」とした人は11.9%だった。全体の1.6%は「(『バイトテロ』を)自分自身がしたことがある」と認めた。
「バイトテロ」行為を禁止するルールやマニュアルがバイト先に「ある」との回答は34.0%。34.9%は存在の有無を「わからない」としている。現場スタッフが把握していない可能性も明らかになった。
 正社員不在の時間については43.4%が「ある」と回答。アルバイトを監督する目が届きにくいようだ。バイト先で禁じられているにもかかわらず、勤務中に個人のスマートフォン(スマホ)や携帯電話を操作している人は「よくある」「たまにある」を合わせて14.8%にのぼった。
 不適切動画の投稿発覚を受け、大戸屋ホールディングス(HD)は12日、従業員教育などを理由に、定食店「大戸屋ごはん処」の国内の大半の店舗を休業した。「バイトテロ」が企業に与える影響が大きくなってきている。”

このように、売り手市場がバイトテロを増やしているのも明白で
簡単に採用するから思い上がったバイトが碌でもない行為に走るのだ。

新卒採用でも、数を取り過ぎたため、鄭重に扱われて勘違いした新卒が
現場で前代未聞の事件をこれでもかと起こしている最中に違いない。
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