みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

「失敗したことがない」と豪語、自分の非を認めない・入社前から転職活動 - 若年労働者の質の低下が鮮明

2019-02-20 | いとすぎから見るこの社会-雇用と労働
矢張り恐れていた通りだ。若年労働者の劣化は、
(正確には彼ら自身のせいではなく、政治と社会の歪みによるものだが)
様々な側面において明確な形で証明されつつある。

更にこの劣化は、安倍による経済失政(=自国貧困化)のため
当事者には殆ど認識されておらず、それ故に深刻なものとなっている。

リーマンショック後には、新卒世代を労働市場から締め出して
自分達の雇用と賃金を守る為に狡賢くて人品劣悪な中高年が
若者を悪し様に罵るという反社会的な言動を公然と展開していたが、
当時の若者世代は決して劣ってなどいなかった。少なくとも
かつてのバブル世代と似てきた今の売り手市場世代より優れていた
と断言できる。

これは両世代の資質の優劣ではなく、置かれた環境の違いである。
だから、両世代とも「犠牲者」なのであるが、
社会に与える悪しき影響としては現在の売り手市場世代の方が
より深刻になるであろう。(既に組織の中に入り込んでいるから)

その証拠に、近年の新卒世代に関する耳を疑う話が次々と飛び込んでくる。
「自分の非を認めない」「失敗を恐れる」「積極性に乏しい」、
「少しでもむかつくと上司や会社を無視する」等々。

また、国民の安全を守る警察組織の若手にとんでもない不祥事が続発している。
少子化の影響はあるのだろうが、こちらも前代未聞のケースが目立つ。
警察組織ですらこの状況であれば、民間組織ではより深刻な筈である。

当ウェブログは、買い手市場でも売り手市場でも度が過ぎると害になると指摘した。
今まさに、売り手市場の害毒による人材劣化が起きていると言えよう。

勿論、同じ世代の中でも突出した人材は間違いなくいる。
彼らは自分を甘やかし駄目にする環境を捨て去って試練を選び、
(この衰退のぬるま湯に浸り切った日本を出てゆくかもしれない)
自己を成長させようとするだろうが、そうした偉材は常に少数派でしかない。

▽ 企業は大量採用が必要な際には新卒に媚び、不況では「使えない」「物足りない」と切り捨てる

『大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 知的現場主義の就職活動』(沢田健太,ソフトバンククリエイティブ)


「若者の弛緩した就業意識は、今まさにバブルが膨張し崩壊寸前であることを示唆する」
とした当ウェブログの警告は、残念ながら今まさに的中へと近付いている。
多くの企業も被害者のように自己弁護してはならない。利益誘導政策の「共犯」なのだから。

「「若者を見下す」輩は自己の低能さを認めたくないだけの悲しい欲望に囚われているのだ」

「採用側の企業は新卒人材の良し悪しについて無遠慮に評する癖に、
 優秀な人材を逃す自社の魅力の無さを反省することは殆どない。
 所詮は自らが批判する相手と同類である。
 経験値が上であるというだけで偉そうにしていられるに過ぎない」

「「幸福も繁栄も、他人から与えられるものではない」と
 入社式で訓示していた新日鐵が今は政府にゴネて
 「法人税下げろ、原発再稼働しろ、六重苦を何とかしろ」と叫んでいるのだから
 実に皮肉な話である。自社が実行できていないことを新入社員に要求している訳だ」

「目先のボールを追うだけの連中の滑稽さは、
 長期間じっと観察していると実によく分かる」

「新卒採用について報じるメディアの決定的なバイアスは、
 「広告主である企業に不都合な記事を極力載せない」である。
 他方、就活生は広告主ではないので平気でバッシング報道を出す」

「また、メディア人自身も企業の採用者側と同じく
 特権を握っている層に特有のメンタリティを持っているので
 つい若年層に説教がましい論調を選好する通弊がある。
 (社会の現状に対して自分は裁く側であり責任は他の連中にあると信じている)」

「本当に公平な報道を行うなら、
 新卒採用における企業のオポチュニズムを暴く筈であるし、
 就活生に対してと同じく「自己分析しろ」「手書きででも熱意を伝えろ」
 「選んで頂く立場と自覚しろ」と厳しく追及すべきであろう。
 「人不足で倒産」などと劣等企業の代弁がましい言説を弄するべきではない。
 (建設業の人不足に関して言えば明らかに「国土強靭化」で予算をバラまく安倍内閣の責任である)」

「今、企業は必死に優秀な人材を青田買いしようとしている。
 売り手市場になって競争が激化しているからである」

「数年前とは真逆で、企業の採用行動が新卒の質とは関係なく、
 経済状況と採用時の環境によって左右されているのは明白である」

「多くの企業人は、目先の問題ばかり必死に追いかける自分達のオポチュニズムの滑稽さや
 中長期的課題の重要性など忘れかけている健忘症を自覚している筈だ」

「通常、経済がバブルかどうかはその渦中にあっては分からないもので、
 バブルが崩壊して初めて「バブルだった」と判明するものである」

「だから、衆愚的な評論家が「中国はバブルだが、日本はバブルではない」と放言するのは
 何の不思議もない。ただ単に、自らの先見性のなさを自ら証明しているに過ぎないからだ」

「安倍政権が成立した当初は「日本経済は3年で復活」などという頓珍漢な
 権力に媚び諂う馬鹿らしい言説すら出ていたが、現時点でその嘘は完全に証明されている。
 成長率が低迷して株価だけ大幅に上昇しているのは、明白なバブルの証拠である。
 経済成長率の推移は、アベノミクスが日本経済の低迷に対し何ら効果を発揮しなかったことを立証している」

「消費税引き上げに責任転嫁するリフレ派に至っては、
 我が国よりも間接税負担の重いドイツやスウェーデンより
 日本経済のパフォーマンスが明らかに劣っていて成長率でも生産性でも負けている事実すら理解していない」

「そして、雇用面においても明白なバブル崩壊の前兆が示されている。
 米経済が2012年から明らかに緩やかな基調にあった上に、
 円の切り下げによって労働コストをカットしたための失業率低下に過ぎないのだから、
 目先しか見ていない人々が勘違いするのも道理である」

「円安という上げ底によって誤摩化されているため、
 日本企業の競争力は全く向上していない。
 その証拠にIMD競争力ランキングで日本は順位を下げている」

「見せかけの「上げ底活況」に幻惑されて、
 少なからぬ若年労働者が勘違いし始めている」

「電通総研の調査は時系列で比較していないのが欠点だが、
 「できれば働きたくない」「仕事はお金のためと割り切りたい」という弛緩した意識が
 かなりの割合を占めていることが確認できる」

「労働者は市場や職場で常に試されているため、
 少なくとも意識の上では「人並み以上でないと不利になる」と意識している筈なのだ。
 つまり、「人並み程度の働きでも問題ない」と油断している労働者が増えている訳である。
 そしてその「油断度」は、不吉にもあのバブル崩壊の時期に酷似している」

「若年労働者を対象とする二つの意識調査を見て、思わずぞっとした。
 経験が浅いから無理もないが、今の新卒市場がバブルなのを理解せず、
 企業から最大限の利益を得ようとする意識が極限まで高まっている」

「今、日本企業の中では所謂「ゆとりモンスター」のような連中が跋扈し、
 各職場や管理職の間で大問題になりつつある筈である」

「日本企業が新卒一括採用のために、新卒労働市場は常にオーバーシュートし易い。
 大量採用が続いたために、本来なら入社できないレベルの者でも採用され、
 それが自分の実力と勘違いしている者が大勢いるのだ」

「これは我が国が「失われた20年」に突入する直前に起きたことと酷似している。
 日本企業の中でだぶついているバブル世代同様の状況が、再来しつつあるのだ。
 若年労働層の中でプライベート重視の傾向が強まっているのがその証拠だ」

「しかも今回は、失業率低下と新卒労働市場の活況が「見せかけの偽り」であるため、
 すぐ近くまで忍び足で接近してくる経済危機はより深刻なものとなるだろう」

「見せかけの好況に幻惑されて大量採用した企業は、
 好況の幻が消滅するとパニックに陥り、
 採用抑制や陰湿なリストラに奔走するようになる」

「前回のバブル期の後には、企業の不祥事が次々と発覚した。
 今回も歴史は繰り返すであろう」

「頭脳が固化しかかっている中年や老人は若者を非難したり罵倒したりするが、
 実際にはスタンダールが語ったように若者は「社会の鏡」である。
 我々の社会が歪んだり濁っていたりする時、真っ先に若者にその影響が現れる」

「バラ撒きでも何でも行って目の前の選挙に勝つころしか考えていない安倍政権は、
 不況に備えて強化すべきだったセーフティネットを放置したままでいる。
 このツケは労働者に回され、安倍政権の失政のせいで塗炭の苦しみを受けるだろう」

「世代間ギャップはいつの世にもあるもので、
 今の団塊の世代も上の世代から教育が悪いだの扱い難いだの言われていたし、
 バブル世代には日本人の資質として挙げられる勤勉さは乏しかった」

「過去の記録を調べるとそうした不都合な事実が発覚する訳で、
 リーマンショック後に日本企業が「若者は使えない説」を
 メディアを通して撒き散らした悪質さは益々はっきりしてきた。
 (当時、そうした「若者ヘイト」の片棒を担いだ連中は謝罪すべきである)」

「企業は単に、目の前の状況に振り回されているだけなのである。
 定見などなく、「働きやすさ」は単なる客寄せチラシの文句に等しい」

「今、若者バッシングが目立たないのは企業が人手不足で困っているからであり、
 失業率が跳ね上がってリストラする必要性に迫られたら
 またメディアを使って「若者使えない」説を垂れ流すに違いない」

「さて、現代の若者を取り巻く状況を見ると、若者は矢張り良くも悪くも純粋で、
 日本社会の変化からいち早く影響を受けていることが分かる」

「企業は人手確保に奔走して平然と紳士協定を破り、
 本音を隠して「働きやすさ」を必至でアピールしている。
 (言う迄もなく、社内では「困った人材」が急増している筈だ)」

「だから企業の態度から影響を受ける若者が自己中心的になって
 「職があるのは当たり前、会社から最大限の利得を得たい」と考えるのは当然である」

「また、最近の高齢層は団塊の世代を中心に
 「シニアと呼ばれたくない」という意識が急速に強まっており、
 事実を無視して自己を甘く評価したがっていることが分かる。
 (しかも、自己の受け取る社会保障給付は当然視しているのであろう)」

「だから若者が自己客観化を回避して高い自己評価を求め、
 恩恵は当然視するとしても何ら不思議ではない。
 何故なら上の世代がそうしているからである」

「安倍政権支持率が高いのは、当然ながらドグマが強固で
 イデオロギー優先の厄介な層であるが、他にも強固な支持層がある」

「それは10代、20代の若年層である。世間知らずで騙されやすい
 というのがまず筆頭に挙げられるだろうが、それだけではない」

「彼ら彼女らはまず新卒で就職が楽かどうかで判断する。
 勿論、インチキ・アベノミクスの本性などどうでも良い。
 視野が狭くて思考が浅いから、安倍政権時に就職できれば安倍政権のお蔭と信じ込む。
 (迷信を信じる古代人がまさにそうであったように)」

「これは、かつて起きた忌まわしい時期と酷似している。
 救国の英雄、高橋是清が景気回復をもたらしたのを、
 (高橋是清は今の愚かな日銀と違って市場で国債を売却しており、出口戦略も急いでいる)
 軍部の満州侵攻による景気回復と勘違いして熱狂した1930年代の日本だ」

「但し1930年代は若年層の数が極端に多く、世論がナショナリズムに狂い攻撃的だったので、
 その点では現代と同一ではない。老化した現代日本にはまた他の宿痾がある」

「経済政策の次元が低く、スウェーデンに成長率も生産性も惨敗しているだけでなく
 日本と同じ人口減少国であるドイツにすら大敗した「劣等生」の安倍政権を支持するのは、
 確実に未来に待ち受ける災厄を無視し「低成長と安定」を望む保守退嬰のためとしか考えられない。
 だからこそ安倍政権のもたらした低成長で満足していられるのだ」

「各調査により、現在の新卒世代が「プライベート重視」で向上心が低下しており、
 主体性に乏しく他者への依存度が高いことが明らかになっている。
 この視野狭窄と利己主義、意欲の低さが安倍政権の政策とぴったり合致しているのだ」

「この現象の根本にはより深刻な問題が隠れている。
 山口二郎教授は「生活保守主義」と名付けたが、
 自分の生活さえ良ければあとはどうでもいいとする無関心、
 変化を嫌い安定を望む保守退嬰である(決して保守主義ではない)」

「愚かな若年層は実質賃金切り下げと人口老化による失業率低下を
 安倍政権のお蔭であるかのように考えて喜んでいる。
 雨乞いの儀式で雨が降ったから大喜びする古代人と全く同じである。
 今、目先しか見えない安倍政権がいかにリスクの高い政策を行い、
 経済成長どころかバラ撒きと低成長をもたらす存在であるかも理解できない」

「かつて満州事変を支持したのがこうした視野の狭い大衆だった。
 今のあさはかな愚行が、近い将来の大災厄として戻ってきた際に、
 「騙された」「安倍が悪い」と袋叩きにするであろう。自らの不明を棚に上げて」

「安倍政権のバラ撒き政策はこうした主体性の欠如を生み、
 他者への依存を強め、「楽な道」を求める悪しき性質を助長するものだと判断できる」

「自己中心的で成長を望まない層の安倍政権支持率が高いということは、極めて不吉だ。
 安倍政権の政策が利己主義と怠惰を蔓延させているという事実が示唆されるからである」

「かつてマキャベリは、腐敗した組織の中では自分も腐敗しないと生き延びられないと指摘した。
 必ずしも安倍政権だから視野狭窄と利己主義、低意欲が蔓延ったのではない。
 社会の中で視野狭窄と利己主義、低意欲が蔓延っているから安倍政権が長期化できたのだ!」

「安倍政権への支持率の高い、つまり騙されやすい若年層は
 かつての高成長の日本経済を知らないためにこの程度の貧相な日本経済でも
 満足している、いわば「低温」の世代であると判明しつつある」

「何故なら、安倍政権の根本的に間違った政策で
 1%程度の(海外経済はもっと好況なのに日本はこの惨状)低成長の罠に陥っても
 無能で経済低迷を招く安倍政権の正体に全く気付かないばかりか、
 「給料より休日」「働きたくない」「自分重視」の傾向が
 調査ではっきりと確認されつつあるからである」

「これは、日本経済を歪めたバブル世代の再来であり、
 かつバブル世代よりも「低温」なので消費活性化にも繋がらない、
 他人には無関心で経済低迷を自己実現させる世代と言って良い」

「安倍政権の口だけ政策、保守退嬰を助長するインチキ政策の害毒は、
 遂に影響されやすい若年層労働者に悪影響を及ぼすに至っている」

「そうした保守退嬰、利己的で休暇を重視する世代こそが、
 安倍政権への支持率が高い世代だからだ」

「安倍政権が、日本経済を力強く前進させる存在では全くなく、
 労働者を利己的にさせ成長や向上より安逸と「現在志向バイアス」を強め、
 将来の災厄を最大化する最低の政権であることは、益々明らかになっている」

「「低温」の新しいバブル世代からは、かつてのバブル世代と同様に
 企業のお荷物になり、下の世代から白い目で見られる者が続出するだろう。
 必ずしも当人たちだけが悪い訳ではないのだが、だからと言って免責されることもあるまい」

「日本女性はジェンダーが強いのでワークライフバランスを主目的として転職するが、
 若年層も同様の傾向を示しつつあるから、勤労意識や向上心が後退しつつあると
 判断することができよう。(無論例外はあるが、平均値としてはそうなる)」

「日本国民は周囲に流される傾向がある。
 元々勤労意識は個々人によって大きく違い、
 所属組織に対するロイヤリティは世界的に見て低いことが知られているから、
 安倍政権は怠惰と利己主義を助長していると考えるのが適切である」

「はっきりと数値に出ているように、日本の人材の質も劣化が懸念される。
 これも安倍政権の貧困化・利益誘導政策の必然の帰結である」

「守秘法域という薄汚い裏技を使って豊かさを得ているルクセンブルクと
 安倍政権下の日本が同じように高度人材の不足に陥っているとの調査結果は重要だ。
 両者とも個々の工夫とイノベーションによってではなく、不公正な政策に依存しており、
 人材の質は一向に向上していないという「不都合な真実」が示唆されている」

「はっきりと予言しておく。新卒に対し必死に媚び諂う日本企業が、
 掌を返して冷酷な批判を次々と繰り出し、社員を切り捨てて
 何とか企業だけは生き残ろうと醜態を見せる日が近付いている」

「二つの調査結果の不気味な一致が、日本経済に迫る暗雲の出現を示唆している。
 日本経済における人的資本の劣化の前兆が生じているのだ」

「人材会社ディスコのインターネット調査では、
 若年層が「ブラック企業」と認識する水準が急上昇しており、
 若年層の意識に決定的な変化が生じていることが分かった」

「これは来春卒業予定の新卒世代を対象としたものだが、
 前回調査の2014年と比較して新卒世代が「ブラック企業」と認識する率が
 10ポイントも急上昇しており、僅か3年でブラック企業が急増する訳がないから、
 売り手市場に気を良くして企業を非常に厳しく見る者が急増したことが分かる」

「また、博報堂生活総研の調査では、子供の海外志向の低下が示されており、
 外国の話をしたい、留学したい、外国人と友達になりたいと回答する比率が
 過去最低になったことが明らかになった。(つまり、過去最高に「内向き」な世代なのだ)」

「しかしこれは子供だけの傾向ではなく、大人も同様であるとのこと。
 「世界よりも日本を優先すべき」と回答する大人が過去最高になったのと一致している。
 従って、子供や新卒は「内向きで他者に厳しくなった」日本社会の変化を反映しているのだ」

「更に悪いことに、安倍政権の経済政策が日本人を怠惰で利己的にするものであるため、
 他力本願の悪弊を強化するという致命的な状況になりつつある」

「安倍政権をはじめとする自民党政権が日本経済を立ち枯れさせるような
 無能な経済政策を展開して国内経済の低迷を深刻化させている今、
 若年層の海外志向が低下し他者にばかり厳しくなる傾向は大きな弊害を伴う。
 海外市場へ果敢に挑戦する意思が弱まるばかりではない」

「現在の新卒世代はかつてのバブル世代と酷似しつつあり、
 自己を成長させるべき時期に安逸を求めるようになりつつある」

「しかしバブル世代ほど消費に前向きではないので、
 益々もって日本経済にとって悪影響だと言えよう」

「これは日本経済にとっても日本企業にとっても重大な打撃となる。
 何故なら、現在のバブル世代の多くが「能力の割に給料を貰い過ぎ」
 「仕事のできない人がいる」と他の世代から見られているにも関わらず、
 当事者はその自覚が乏しいという深刻な状況に陥っているからだ」

「最近、「志が低くなっている」「利己的で他者にばかり厳しい」傾向を感じて
 日本社会の先行きを憂えていたが、案の定である。
 若者だけが変わったのではない。日本社会が劣化して、それが若者に反映されているのだ」

「新卒の質が明らかに劣化している。
 正確に言えば、毎年新卒の質は個々で大きく違い、平均的には大差ないのだが、
 近年は質の低い勘違い労働者を大量に生み出す環境になっている」

「これは、いま企業内で悪評芬々、しかも当人に自覚の乏しい「バブル世代」の再来である。
 勿論、バブル世代も個々の違いは大きく卓越した人材も数多い。
 しかしいかなる世代でも、多数派は時代と環境に左右されるオポチュニストだ。
 時代にも環境にも動じず我が道を驀進するのは一部の変わり者に過ぎない」

「バブル世代の衆愚的な層が日本企業において悪影響を及ぼしているのであり、
 今の新卒世代も同様である。卓越した人材は他の世代と同じく少数派であり、
 少数派よりも衆愚的な多数派の方が圧倒的に「数の力」で勝る」

「今の新卒世代は自己中心的な意識でバブル世代とよく似ているが、
 消費志向は弱い。つまり「劣化版バブル世代」になりかねない危険がある」

「何しろ、かつての新卒と比べて給与・待遇を求める意識が急速に高まり、
 それなのに残業は嫌だ、転勤も嫌だ、営業は避けたいという我が儘ぶりだ」

「偶々生まれた時期が幸運だったばかりに良い条件で入社できた連中は、
 早くも勘違いして増長している。(この点でも偶然を実力と勘違いしている安倍とそっくりだ)」

「バブル世代が実社会に出てからの90年代後半と同じく、
 日本経済の衰退と人的資本の劣化はもはや避けられないと判断した」

「新卒の就職率は悪いのも問題だが、良過ぎるのも同様に問題だ。
 横並びの行動の多い日本企業が必ず質を下げて数を追い、
 会社の力を自分の力と錯覚する勘違い入社組が急増するからである」

「そうした愚行を助長したのが、選挙最優先で金権主義の
 安倍政権による公共事業バラ撒きと通貨切り下げ(企業の人的コスト削減)だ。
 目先の安逸を求めるばかりで、将来の災厄を極大化しているのである」

「前々から断言してきたことであるが、矢張り近年の新卒世代は
 企業社会で評判の宜しくない「バブル世代」に酷似してきつつある」

「所謂MARCHより上の大学の新卒は『40歳で年収1000万円の企業が前提』などと
 豪語しているそうだ。バブル期の拝金主義者も同じような怪気炎を吐いて
 無様に没落していったのだが、ごく最近の歴史すら知らない無知さである」

「この「プチバブル世代」又は「劣化版バブル世代」(消費力が格段に弱いため)は
 決して当人たちに責任があって劣化している訳ではない」

「若年層は社会からの影響を最も受けやすいので、
 愚昧で近視眼で噓つきの安倍や「ヒラメ」自民党議員から甚大な悪影響を受けているのだ。
 そして見境もなく大量採用するサラリーマン経営者とローテーション人事の採用担当が、
 愚かしい横並び意識に取り憑かれて若者をスポイルしているだけなのだ」

「その証拠に、現在の新卒世代は急激に休暇や雇用の安定性を重視するようになっており、
 「内向き」の傾向は過去最高、「海外で活躍」を求める層は1割にも達していない。
 「国民全体の利益より個人の利益を大切にすべき」は過去最高の36.2%に達している」

「勿論これは、若者が最初からこうした体質だった訳ではなく、
 安倍のような程度の低い腐敗した政治家が国政を牛耳っているためであり、
 企業社会が若者を甘やかして媚び諂い、人的資本を劣化させているからだ」

「若年層は、こうした醜悪でみっともない大人に支配されてはならない。
 日本を蝕むバラ撒き政治家を権力の座から蹴り飛ばし、
 人材を劣化させるサラリーマン企業を捨てて起業・転職すべきである。
 そうしなければ、真の人材として成長することはできない」

「数年前には若者は使えないと偉そうに罵倒していた企業が、
 今は若年層に媚び諂って甘やかし、人材としての質を低下させている。
 「バブル世代」と同様に、当人の自己評価より周囲の評価の方が低い
 勘違い人材を大量に生み出すようになるであろう」

「財界が言い出した「就活指針廃止」は、本質的に言えば
 リーマンショック直後の内定取り消しと何ら変わらない」

「財界の利害と都合だけで言い出したものであり、
 その証拠に中小企業の多い商工会議所は懸念を強めている」

「世界経済の成長と人口動態上の理由で
 企業は新卒若年労働者の争奪戦を行っており、
 就活指針に縛られて自社が不利になっているとの焦りが主因だ。
 グローバル競争がどうのこうのというのは口実に過ぎない」

「本気でグローバル市場の勝者となろうとしているなら、
 メルカリのように外国人を大量に採用する筈だ」

「経営陣が「なんちゃってグローバル化」だから
 (ダイバーシティの進展度を見れば一目瞭然だ)
 採用も「なんちゃってグローバル化」なのである」

「おまけに「日本の学生は勉強しない」などと
 己の責任を忘却して天に唾する発言まで出る始末で、
 (「勉強しない」学生を企業が採用するからそうなるのだ)
 自社が先駆けて「勉強する」学生を採用してから口を開けば良かろう」

「日本の高等教育に全く問題がない訳ではないが、
 今の企業の見境ない採用が学生の主体性やアニマルスピリットを損なっているのは明らかで、
 他人に注文をつける前に自らが与えている悪影響を自覚すべきではなのか」

「また、中小企業はそもそも通年採用でないと人が足りない場合も多い。
 経済団体の「就活指針廃止」議論など単なる贅沢病にしか見えない」

「欧米型の通年採用になると間違いなく生じるのは
 「就活期間の長期化」「若年失業率の上昇」である。
 (欧米の失業率を見れば明白であろう)
 得するのは一部の学生にとどまり、大多数は「被害」を受けることになる」

「そもそも学生に文句を言う前に自社がグローバル市場で勝たなければならない。
 新卒の最優秀層が外資や海外に流れる現状は一貫して変わっていないのが現実で、
 自社で採用出来る人材はその企業の器を超えるものではないのだ」

「勉強しないかどうかよりも、企業が見境なく数を揃えようとするために
 新卒世代がスポイルされ、内向きで自己中心的になる方が遥かに問題である」

当ウェブログの予言通り、「社会の歪みは、常に若年層の意識の歪みへ顕著に反映される」ことになった。

▽ 「使えない」「無能」と揶揄されるバブル入社組、現在の楽々入社新卒も同じ運命か…

『バブル入社組の憂鬱(相原孝夫,日本経済新聞出版社,2017)


「企業のオポチュニズムを批判する時期は終わり、若年層が問題を生み出す時期に入った」
という当ウェブログの不吉な予見は完全に的中した。「崩壊」による正常化が迫ってきている。

「安倍政権下で脱税が増えた事実が数値で確認された訳だが、
 人的資本(人材の質)の面でも顕著な悪影響が見て取れる」

「人材会社の調査によれば、売り手市場で企業側の負担が重くなっているだけでなく、
 「内定者の質への不満」や「学生の質の低下」を指摘する声が増えている」

「これは決して今の新卒が劣化していることを証明するものではなく
 (勿論のこと、「可能性」としては否定できないが……)
 新卒人材を「劣化」させている日本企業の横並び行動と、
 また根本的には安倍による程度の低い経済政策がここでも悪影響を与えているのだ」

「当ウェブログは、ポテンシャルや元々の資質においては
 どの世代も大差なく、ただ世代内格差が大きいだけだと考えているが、
 当該世代が置かれた状況や環境によって多大な影響(若しくは悪影響)を受けるのもまた事実だ」

「今の新卒世代は、就職が楽である点では幸運であるが、それが決して自分の実力ではなく、
 謙虚な意識で自らを成長させなければと考えなくなる点で不幸だ。
 (生兵法の安倍の売国的政策で実質賃金がカットされているのに気付かないのも不幸だが)」

「安倍が実質的な通貨切り下げを行わず、建設業界に選挙目当ての巨額のカネを投入しなければ、
 もっとまともな労働市場になり、売り手市場も妥当な水準に緩和されたであろう」

「しかし、企業側も安倍の選挙目当ての利益誘導政策の恩恵で大した労もなくカネを儲けているので
 (日本企業の売上は大して増えていないのに利益ばかりが増えているのが何よりの証拠)
 良識派も「疾しい沈黙」、目先しか見ない拝金主義者は「無能な沈黙」に陥っているばかり。
 最も質の悪い層に至っては、外国人材受け入れを求めてリスクと負担を国民に押し付けようとしている」

「一般的な大企業が外国人材採用に努力もせず、
 しかも上から降りて来る数字に従って大量採用しているのは明白だ。
 その結果、横並びの採用活動による自業自得で人材の質が落ちるのである」

「大学教育にばかり注文をつける経済団体は保守退嬰であり、
 覇気のある成長企業ならつべこべ言わずに海外の優秀な人材を取りに行く筈だ。
 GAFA等に散々人材を奪われている企業だから大学に責任転嫁しているのではないのか」

「人材の質を上げたければ、通年採用で人数を絞れば良い。
 それだけの話であり、採用を絞れば人材の質が上がるのは氷河期世代が証明している」

「しかし、この世代は北欧型の正しい労働政策を自民党政権が行わなかったため
 多大な犠牲を払っており、つまり労働市場は売り手市場が過剰でも
 買い手市場が過剰でも悪影響を与えるということだ」

「今、売り手市場でのうのうと過ごしている者が、日本企業や社会のお荷物になる」
との警告も、新卒世代で次々と的中しつつある。。

 ↓ 参考

「内定者の質に不満」「学生の質の低下」、企業の横並びで劣化した新卒人材 - 暗愚なアベノミクスの帰結
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/f9c93024518a476d4f831cbc90b4714c

内向きで「国民全体の利益より個人の利益」が過去最高、果てしなく劣化する新卒 - 企業の採用が元凶
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/7a916eedeb12943501ba4401f8cc4ca9

若者は休日重視で「働きたくない」が世界最多、高度人材不足も深刻化 - 安倍政権が蔓延させた怠惰と劣化
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d24528dde1d8dd0ccb81cdeb22bd2d2f

団塊の世代も言われた「扱いにくい、教育が悪い」- 昔から変わらない新入社員バッシングと入社式の式辞
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/b239671d85ebb2f3c169c5e9d5a9b2e2

「仕事は人並み・プライベート重視」だったバブル世代、なぜか批判されない理由 - 単に数が多いから
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/ef42179f46284a90293d15c98bfc65dee

▽ 慧眼な中原圭介氏がいち早く見抜いた通り、失業率低下は人口減少要因であった

『中原圭介の経済はこう動く』〔2016年版〕


「もっといい会社あるかも…」 入社前から転職活動(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41019570X00C19A2000000/
”若者の転職活動が早まっている。中には内定してすぐ次の職場を探す学生も出てきた。職場や仕事への違和感ばかりが理由ではない。理想のキャリアや安定した生活を手にするには、早くから転職の可能性を考え備えておかなければ安心できない――。転職活動をする若手に共通するのは、そんな不安だ。
■内定直後、転職サイトに登録
「学生のうちに転職という選択肢を考えるのは当然です」。今春卒業予定で、大手商社への就職が内定し〔以下略〕”

この日経報道は「異変」の前兆だ。
異常な売り手市場バブルが崩壊するか、
日本社会に何らかの新しい問題が生じているか、
いずれもしても絶対に良い兆しではないことは間違いない。


ゆとり世代社員は小室圭さんにそっくりだ(日本経済新聞)
https://president.jp/articles/-/27706
”多くの企業が30歳以下の「ゆとり世代」とのコミュニケーションに悩んでいる。特徴は失敗することを極度に嫌い、失敗すると自分の非を認めたがらないこと。人事ジャーナリストの溝上憲文氏は「『人あたりがよくて真面目に見えるが、何を考えているかわからない。あの小室圭さんに似ている』という声を聞く」という――。

■ゆとり世代と上の世代とのトラブルが頻発している
 小中学校でゆとり教育を受けた「ゆとり世代」が、30歳以下の若手社員の大半を占めるようになった。小・中学生の期間のすべてをゆとり教育で過ごした1995~1996年生まれの筋金入りのゆとり世代も2018年から入社している。
 最近、企業取材の現場でゆとりと上の世代との間のトラブルをよく耳にする。そうした世代間のギャップは、かつても存在していたが、ゆとり世代の特徴はほかの世代より際立っているように感じる。
 たとえば、ある外資系企業がメディアを招いたイベントを開催した際、案内係を担当した広報の女性(25歳)が外国人記者に質問され、事実と異なる答えをしてしまった。上司の30代後半の女性はこう話す。
 「込み入った質問は必ず私につなぐように言っておいたのですが、本人は英語に自信を持っていて質問されるままに答えたのです。なぜ私を呼ばなかったのと注意すると『矢継ぎ早に質問されるので私も必死だったのです。質問を遮ると相手に迷惑をかけると思ったのです』と言う。自分が知らないことを話すこと自体がおかしく、軽く叱ると本人はムッとしていましたね。その後、間違いに気づいた記者がカンカンに怒って彼女に電話をしてきたのですが、彼女が『お詫びのメールを送りました』と言ってきました。メールには『お叱りありがとうございます。私への励みと思い、これからもがんばります』と書いている。驚くというより呆れました」
 ゆとり女子はおそらく自分なりに最善を尽くそうとしたのだろうが、結果的に間違いを起こした。だが、失敗してもなぜかそれを認めたくないという思いもある。実はこうした特性は他のゆとりにも共通する。小売業の40代の人事部長はこう分析する。
 「小さい頃から型にはまった勉強しかしていません。失敗しないように親の庇護の下で塾と学校を往復する生活を送り、大学進学の際も安全圏の大学に絞り、AO入試で入る。大学生活も楽なバイトしかやらず、サークル活動も和気藹々と過ごした温室育ちが多いように思えます。そういう彼ら・彼女らがミスをして『失敗したのは君の責任だ』と言っても、決して認めようとしませんね。失敗することを極端に恐れるところがある。昔は若い頃に失敗を重ねて成長していくパターンでしたが、ゆとりは失敗するかもしれない危ない橋は渡ろうとしません」

■「私、失敗したことがありません」
 失敗というと、入社面接では「あなたの失敗経験を教えてください」という質問が定番だ。失敗を克服した経験を聞くことで、成長の可能性や伸びしろを確認するのが狙いだが、近年は「私、失敗したことがありません」と答える学生が珍しくないそうだ。
 不動産・住宅情報サイト運営会社のシンクタンク、オウチーノ総研がゆとり世代に自身の特徴を聞いた調査がある(対象は2016年に20~28歳の688人)。
 それによると1位が「打たれ弱い・失敗を恐れる」の17.0%。次いで「仕事上のつきあいよりプライベートを優先させる」(14.7%)、「スマホ・ケータイ依存」(14.0%)、「ストレス耐性が弱い」(13.7%)、「出世にこだわらない」(13.7%)、「受動的・積極性がない」(11.0%)となっている。
 ゆとり自ら「失敗を恐れる」と答えているのは興味深い。この特徴を見ても上の世代との価値観や行動の違いが大きいことがわかる。こうした違いが職場でのコミュニケーションギャップを引き起こしている。
 外資系製薬業の教育担当部長はこう語る。
 「昔は1を聞いて10を知れとか、先輩の行動をよく見て学べとか言われましたが、今の若い人には通用しません。わからないことがあれば先輩に聞けばいいと思うのですが、聞こうとしないし、聞き上手の若手も少なくなっています。『わからないことがあったら聞けよ』という上司がいますが、彼らはこっちが聞く前に(上司が自分に)教えるのが当然だと思っている。仮に聞いていないことで失敗しても『聞いていないんだからしょうがないですよ』というのが若い人の考え方なのです」

■ゆとり世代は「ひとことで言えば小室圭くんタイプ」
 ゆとり世代の特徴を凝縮しているのが、小・中学生期間のすべてをゆとり教育で過ごした「2018年新卒入社」の世代だ。
 複数の大学でキャリア教育を行っているキャリアコンサルタントは「ひとことで言えば小室圭くんタイプ。人あたりがすごくよく、真面目で感じもよさそうだが、本当は何をどうしたいのかよくわからない世代」と指摘する。口数が少なく、素直で真面目であるが、嫌なことがとあっても我慢する傾向があるという。
 「職場で嫌なことがあっても、(上司などに)おかしくないですかと批判的なことは言えないタイプが多い。それでいて溜め込むと破裂してしまいます。ただ、それも声を荒らげて怒るのではなく、少しでもむかつくと、上司や先輩の話を聞かなくなり、その存在を彼らの中で“消去”、つまり無視するようになります
〔中略〕
 こうしたゆとりの特徴は、上の世代から見れば理解に苦しむかもしれない。しかし、理解に苦しむのは自分たちと「同じ行動特性や価値観を持っている」と思っているからともいえる。彼らと自分たちとは違うのだと割り切ればコミュニケーションギャップを改善できるのだ。
 最近になって彼らの言い分を理解できるようになった、と語るのは広告会社の人事部長だ。
 「あるゆとり社員から、『上司がやるべきことを教えてくれない』という相談を受けました。『(上司の言動を見て)自然に覚えろ、と言うのですが意味がわかりません。上司がどのように教えるべきか、会社としてマニュアルを作り社員教育システムを改善すべきです』と要望されました。詳しく話を聞いていて、へんな理屈だとは思いましたが、彼らはそれで筋を通しているつもりなんです」
 それ以来、この人事部長は管理職研修でゆとりを想定した指導方法を話すことにしたそうだ。
〔中略〕
 前出のキャリアコンサルタントは上司世代に、ゆとり対策をこうアドバイスする。
 「部下が失敗しても批判的な言葉を決して言わないことです。そのうえで彼らの言い訳に対し『君は僕の意見を聞いていないよね』とか『そういう考え方もあるけど、こういう考え方もあるよね』というふうにお互いの意見や考えを絡ませる訓練をしたほうがよいと思います。また、部下と話が終わったら『すっきりしたね、今日はここまで、じゃ飲みに行こうか』と話題を変える。そうやって気持ちを切り替えるようにしてあげるほうがよいでしょう。飲みに付き合うかどうかは不明ですが……」
〔中略〕
 前出の教育コンサルタントもこう指摘する。
 「この世代がいけないとか、変わっているということではなく、育った環境が違うことを認識すべきです。お互いがその違いを理解しない限り、育成するにしても絶対にうまくいきません」
 若い社員は、生まれも育ちも文化も異なる「外国人」だと思えということなのだろう。”

労働・雇用関係のジャーナリストとして溝上氏は現実を鋭敏に察知し、
ドグマに歪むことのない冷静な目を持つ注目すべき取材者である。
小室似であるかどうかは別として、今の新卒世代が
これまでにはない多くの問題を生み出しつつあることが分かる。
(勿論、やみくもに大量採用した弊害もあろうが)


彦根警官射殺 「厳しい処罰求める」 被害者の妻が意見陳述(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20190205/k00/00m/040/031000c.html
”「何のために警察官になったのか。何の権利があって夫の命を奪ったのか」。昨年4月、滋賀県彦根市の交番で起きた警察官射殺事件の裁判員裁判で、射殺された井本光(あきら)巡査部長(当時41歳)=警部に2階級特進=の妻は4日、大津地裁(伊藤寛樹裁判長)での意見陳述に声を詰まらせながら語った。巡査部長の部下で、殺人と銃刀法違反(発射・加重所持)の罪で起訴された元巡査の男(20)=当時19歳、懲戒免職=はうつむいたまま、妻の言葉に耳を傾けた。【諸隈美紗稀、小西雄介】
 妻は巡査部長と同期の警察官で2児の母。初公判から検察官の隣で傍聴していた。妻は意見陳述で「高い倫理観と順法精神を持っていなければならない警察官が、県民の命どころか、自尊心を守るために事件を起こした」と元巡査を批判。「警察官である自分が冷静であらねば」と気丈な様子を見せていたが、幼い長男が「最後に父親の姿を見た葬儀場でなら父親に会える、と思い『葬儀場に行きたい』とせがんでくる」と語ると、思わず涙を落とした。
 また、巡査部長が書類を再三訂正させ、元巡査が「嫌がらせ」と感じた事について、妻は「仕事は適当にしていいものはない。自分も泣いたことがある」と述べた。元巡査が巡査部長から親をけなされたことで感情が爆発し、発砲に至ったと説明したことには「夫は人を愚弄(ぐろう)するような人ではない」と反論した。
 妻が「厳しい処罰を求めます」と語ると、深く頭を下げた元巡査。最終陳述の途中でも、立ち上がって妻に向かい、「本当に申し訳ございませんでした」と深々と頭を下げ、公判で初めて妻に謝罪の言葉を述べた。
〔中略〕
 事件について振り返るよう弁護側に尋ねられた元巡査は、巡査部長の元部下の調書を以前、目にしたことで「厳しい指導を嫌がらせと感じていたが、成長させるためだったと気が付き、(巡査部長に)申し訳ない気持ちがあふれた」と述べた。”

若年層の「異変」は、まず警察組織の中で表面化している。
以前だったら精神疾患以外に考えられないケースだが、
どうもこれは違う。人材劣化とした方が適切だろう。

罪の全くない2人の幼い子の父親を射殺して「申し訳ない気持ち」というのは
一般的な人間の感覚として到底考えられない。
警察ではこの深刻な採用の失敗を受け、危険因子の洗い出しを迫られるだろう。


傷害容疑:和歌山県警巡査を逮捕 「盗撮ばれ」男性に軽傷(毎日新聞)
https://mainichi.jp/mainichi.jp/articles/20180923/k00/00m/040/018000c.html
”大阪府警南署は22日、路上で男性ともみ合いになってけがをさせたとして、和歌山県警巡査、成瀬×××容疑者(22)=和歌山市木ノ本=を傷害容疑で逮捕した。「盗撮がばれて逃げるためにやった」と容疑を認めている。
 逮捕容疑は9日午後5時45分ごろ、大阪市中央区日本橋1の路上で、府内の男性(29)ともみ合いになり、右ひざなどに軽傷を負わせたとしている。
 南署によると、男性は大阪メトロ日本橋駅の階段で、成瀬容疑者が女性のスカートの中をスマートフォンで盗撮しているのに気付き、駅の外などで取り押さえようとしてもみ合いになった。成瀬容疑者はリュックを置いて逃走。リュック内に「教官」「交番」などと書かれたメモや銀行の利用明細書があり、身元が特定された。
〔中略〕
 成瀬容疑者は4月から警察学校に通っており、事件当日は休みだった。県警の徳田太志首席監察官は「誠に遺憾。厳正に対処する」とコメントしている。【竹田迅岐】”

警察組織だと、おかしな事件があるとすぐ新聞に出る。
こちらも以前には考えられなかったケースであり、
矢張り「人材劣化」と捉えるべきなのかもしれない。


他人の携帯盗む、巡査を書類送検…ストーカーも(読売新聞)
https://news.livedoor.com/article/detail/15246236/
”他人の携帯電話を盗んだり、元交際相手にストーカー行為をしたりしたとして、三重県警が20歳代の男性巡査を窃盗容疑で書類送検し、減給3か月(10分の1)の懲戒処分にしていたことが分かった。
〔中略〕
 巡査は同日付で依願退職した。
 県警によると、元巡査は在職中の6月28日、同県紀宝町の体育施設で、他の男性の携帯電話1台を盗んだ疑い。7月には、元交際相手の20歳代の女性を中傷するメッセージを自身のタブレット端末から複数回送り、県公安委員会からストーカー規制法に基づく禁止命令を受けた
 元巡査は4月下旬頃から病気を理由に休んでおり、他人になりすましてメッセージを送ろうとして携帯電話を盗んだと説明したという。”

こちらも20代である。ストーカー行為はない訳ではなかろうが、
ストーカー行為のため窃盗を行うという点が現代的だ。


巡査が風俗店でバイト、懲戒処分 8万円「生活費に…」(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASM103JH7M10TZNB007.html‎
”山口県警下関署の女性巡査が風俗店でアルバイトをして報酬を得ていたとして、減給10分の1(1カ月)の懲戒処分を受けていたことが分かった。巡査は、処分が出た昨年12月18日に依願退職した。
 県警監察官室によると、女性巡査は昨年9〜11月、福岡県内でアルバイトをして約8万円の報酬を得ていた。
〔中略〕
 昨年11月に県警に情報提供があり、女性巡査が「生活費の足しにしたかった」と認めた。県警は「再発防止に向け、指導を徹底したい」としている。”

こちらも若手である。何を考えて警察に志したのか、全く理解出来ない。
唖然とするような事件、理解に苦しむ行動が世代として広がっているのだろうか。
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