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『週刊エコノミスト』2月21日号-「2015年にも経常赤字転落、金利上昇へ」JPモルガン・菅野雅明氏

2012-02-17 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』の特集は「不都合な経常赤字」でした。
まだまだ先の話ですが蒸し返されそうなテーマです。

特集での白眉はJPモルガン証券の菅野雅明氏の論考(P26)で、
日本の経常赤字転落は新興国が台頭するグローバル経済の必然であり、
ドイツのような自国通貨を巧みに減価させる輸出立国と
イギリスのような海外資金流入を優遇する資本輸入国と
2つの選択肢の存在が示唆されている。

イギリス路線を選ぶには、三角合併には反対だがTPPなら大賛成という
利己的な二重基準むき出しの財界の老人たちをパージしなければならない。
(TPPより対日投資優遇の方が遥かに経済効果が大きいのは明らかである)

ドイツ路線を選ぶには原田泰氏の提唱されている円のウォンペッグという
高度な通貨政策が近道だが「民度」の低い日本にはかなり難しい。

どっちつかずで確実に衰退してゆく「立ち枯れ路線」の危険性があろう。

『エコノミスト』2012年 2/21号


P32では最近メディアへの露出が増えた第一生命・永濱利廣氏が
「実質GDP5.4兆円が消えて 21.5万人が失業する」
と恐ろしいタイトルで分析されていますが
よくよく読んでみると
経常黒字消滅で17円の円安効果、
そのため実質GDPも輸出も時間当たり賃金も増加し
失業率が押し下げられる
とある。実際はメリットも大きい可能性あり。

    ◇     ◇     ◇     ◇

巻末には最新情勢を踏まえたロシア特集があり、
P94では伊藤忠経済研究所の三輪裕範所長が
ロシア経済の現況を分析されており大変参考になります。

原油高とエネルギー資源輸出で昨年も好況が続くが
高所得者ばかりが潤って所得格差が拡大、
国営企業のトップがシロビキばかりで国民の不満も根強い。

ユーロ圏との結びつきが強いので今度は不透明、
WTO加盟で経済構造改革ができるかが分岐点であるようです。

…あのマフィアだらけ経済がWTOに加盟するとしたら大変なことだ。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の週刊東洋経済は「東京電力 偽りの延命」。
かなり質の高い特集です。

一橋大学の橘川武郎教授の「高い現場力、低い経営力」の一言が鋭い。
(序でに言うと「異様な政治力」を加えるのが適切)
でもこの方は発送電分離できていないのは先進国で日本だけであること、
送電網分離しないと電気事業者が隠している情報が出ないことを忘れている。

『週刊東洋経済』2012年 2/18号


P66の「どうする東電」など読み応えのある記事が多いです。
これから大阪市と東京都の追及で新しい事実が明らかになるでしょう。

P58「火力はもっと安くなる」が直近では焦点で、
共同調達の拡大・新興国など調達先多様化など有効策がある。
ただ「サハリンからのパイプライン」は甘過ぎる。
サハリン2のゴタゴタを見てまともに敷設できると思う方がおかしい。

ガス火力で無駄遣いするのではなく、何度も当ウェブログで書いたように
コージェネ・ヒートポンプ・太陽電池を全力で普及させて
ガス輸入量を極限まで削減する方が遥かに賢明であり、
ひいてはガス調達交渉でも有利になる。
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