ダイヤモンドの株特集は予想よりも良かった。
円高を想定している前提であるのは正しいし、
(円高で下方修正される銘柄一覧のリストもある)
何よりも著名投資家の片山氏がスタンスを大きく変えて
現下の株式市況を「かなり難しい状況」としたのは完璧に正しい。
当ウェブログも(念頭からだが)昨年より難しいと明言していたので
全く以て片山氏と同意見である。円安によって東証が
上げ底になっているのを決して忘れてはならないのだ。
メイン特集以外では27頁の長井滋人氏のコラムが良い。
米国ではコロナ後の労働供給の半分以上が海外生まれの移民とか。
矢張りトランプが大統領になれたのは米国衰退の証左なのだろう。
勿論、単純労働移民ばかり受け入れている日本とは状況が異なるが
人口動態の重要性を改めて確認できる話ではある。
今週のダイヤモンドで最も宜しくないのは佐藤優氏の連載。
ロシアがカネで釣って雇っている傭兵の話には全く触れない、
典型的なロシア・サイドの情報を伝えているだけである。
氏が根拠を示さず「ウクライナの傭兵」と呼んでいたのが
どうやら西側で言う「義勇兵」らしいことは白状したものの
(これはどちらが真相か分からないから検証を続けるのが当然だ)
ロシアで大勢の兵士が犠牲になったこと、新兵募集に苦労していること、
本来なら民生に回せる筈の巨額予算が軍事費に消えていること、
戦場から帰還した元ロシア軍兵士が凄惨な殺傷事件を起こしていること、
氏は何一つ説明しておらずウクライナに不利な情報ばかり並べている。
特に最後の件はあのアフガン侵攻と酷似しておりロシアにとって不吉なのに
氏はロシア・バイアスが露骨に強いのを自覚していないのだろうか。
果てはウクライナのクルスク占領がかつての太平洋戦争時の
アリューシャン列島での日本軍と同じという理解不能な説まで開陳している。
陸路で、しかも火砲の援護で撤退できるクルスクと、
制海権も制空権も失い兵站のない海上の列島が同じ訳がない。
氏は安全保障や軍事は不得手なのだから、蛇足を描くようなことは
慎重にした方が良いのではないだろうか?
はっきり言っておくが、東部戦線から兵力を割くのをケチったロシアは
クルスクで苦戦し、大きな打撃を受けることになろう。
氏はAERAでは完全にイスラエル側の立場で、
イスラエルによる電子デバイスの爆破工作を
大変な成功であると伝えているのがいかにも「らしい」言説だ。
一般市民も巻き込んで殺傷している現実を完全に無視しており、
都合の悪い情報には一切触れないのが氏の基本姿勢なのだろう。
◇ ◇ ◇ ◇
マーケット関連ではエコノミストも良い。
ダイヤモンド同様に内需シフトとなっている。
また、ピクテの塚本氏は米利下げ後に金価格が上昇するとしており、
円建てによる落とし穴にも触れており有益だ。
アイビー総研の関氏のREIT分析は日銀よりも寧ろ
米10年債利回りとの相関が強いとする分析をしており
今週のダイヤモンド誌と併せて読むのをお薦めする。
市岡繁男氏の連載も良い。
日銀の総資産と日本の大企業の経常益が正の相関であり
経営努力よりは異次元緩和によって儲かっているのが現実なのだ。
だからこそ大企業は人件費を抑制しているという、納得の説である。
◇ ◇ ◇ ◇
東洋経済の製薬業界特集は意外に良い内容。
株価で一目瞭然だが、第一三共が飛躍して
武田が苦戦している有様が鮮明である。
グローバル化への対処を迫られる日本企業の中でも
矢張り優勝劣敗が明らかになってきているのであろう。
佐藤優氏の連載は過去の回想が続いている。
氏は苦手な分野への言及を避けた方が
良い内容で書けるような気がしてならない。
◇ ◇ ◇ ◇
次週の注目は東洋経済、東洋経済はタイムリーな米国特集、「ハリス旋風」は日本企業にも確実に影響大だな。。
▽ 脱炭素関連分野に関しても刻々と状況が変化している
▽ いかにも売れそうなダイヤモンド合併号、生成AIについて練りに練った好特集と見た
▽ エコノミストは遠大工なテーマだが、米経済が「逆イールド解消後に景気後退」としっかり要点は外さない
ゴールドが25年間でテンバガーと化し(日経平均より優秀だ!)、日本は衰退して蓄電池で世界トップから転落という。。
円高を想定している前提であるのは正しいし、
(円高で下方修正される銘柄一覧のリストもある)
何よりも著名投資家の片山氏がスタンスを大きく変えて
現下の株式市況を「かなり難しい状況」としたのは完璧に正しい。
当ウェブログも(念頭からだが)昨年より難しいと明言していたので
全く以て片山氏と同意見である。円安によって東証が
上げ底になっているのを決して忘れてはならないのだ。
メイン特集以外では27頁の長井滋人氏のコラムが良い。
米国ではコロナ後の労働供給の半分以上が海外生まれの移民とか。
矢張りトランプが大統領になれたのは米国衰退の証左なのだろう。
勿論、単純労働移民ばかり受け入れている日本とは状況が異なるが
人口動態の重要性を改めて確認できる話ではある。
『週刊ダイヤモンド』2024年10/5号 (強い株) |
今週のダイヤモンドで最も宜しくないのは佐藤優氏の連載。
ロシアがカネで釣って雇っている傭兵の話には全く触れない、
典型的なロシア・サイドの情報を伝えているだけである。
氏が根拠を示さず「ウクライナの傭兵」と呼んでいたのが
どうやら西側で言う「義勇兵」らしいことは白状したものの
(これはどちらが真相か分からないから検証を続けるのが当然だ)
ロシアで大勢の兵士が犠牲になったこと、新兵募集に苦労していること、
本来なら民生に回せる筈の巨額予算が軍事費に消えていること、
戦場から帰還した元ロシア軍兵士が凄惨な殺傷事件を起こしていること、
氏は何一つ説明しておらずウクライナに不利な情報ばかり並べている。
特に最後の件はあのアフガン侵攻と酷似しておりロシアにとって不吉なのに
氏はロシア・バイアスが露骨に強いのを自覚していないのだろうか。
果てはウクライナのクルスク占領がかつての太平洋戦争時の
アリューシャン列島での日本軍と同じという理解不能な説まで開陳している。
陸路で、しかも火砲の援護で撤退できるクルスクと、
制海権も制空権も失い兵站のない海上の列島が同じ訳がない。
氏は安全保障や軍事は不得手なのだから、蛇足を描くようなことは
慎重にした方が良いのではないだろうか?
はっきり言っておくが、東部戦線から兵力を割くのをケチったロシアは
クルスクで苦戦し、大きな打撃を受けることになろう。
氏はAERAでは完全にイスラエル側の立場で、
イスラエルによる電子デバイスの爆破工作を
大変な成功であると伝えているのがいかにも「らしい」言説だ。
一般市民も巻き込んで殺傷している現実を完全に無視しており、
都合の悪い情報には一切触れないのが氏の基本姿勢なのだろう。
◇ ◇ ◇ ◇
マーケット関連ではエコノミストも良い。
ダイヤモンド同様に内需シフトとなっている。
また、ピクテの塚本氏は米利下げ後に金価格が上昇するとしており、
円建てによる落とし穴にも触れており有益だ。
アイビー総研の関氏のREIT分析は日銀よりも寧ろ
米10年債利回りとの相関が強いとする分析をしており
今週のダイヤモンド誌と併せて読むのをお薦めする。
『週刊エコノミスト』2024年10/8号 |
市岡繁男氏の連載も良い。
日銀の総資産と日本の大企業の経常益が正の相関であり
経営努力よりは異次元緩和によって儲かっているのが現実なのだ。
だからこそ大企業は人件費を抑制しているという、納得の説である。
◇ ◇ ◇ ◇
東洋経済の製薬業界特集は意外に良い内容。
株価で一目瞭然だが、第一三共が飛躍して
武田が苦戦している有様が鮮明である。
グローバル化への対処を迫られる日本企業の中でも
矢張り優勝劣敗が明らかになってきているのであろう。
『週刊東洋経済』2024/10/5号 (製薬サバイバル) |
佐藤優氏の連載は過去の回想が続いている。
氏は苦手な分野への言及を避けた方が
良い内容で書けるような気がしてならない。
◇ ◇ ◇ ◇
次週の注目は東洋経済、東洋経済はタイムリーな米国特集、「ハリス旋風」は日本企業にも確実に影響大だな。。
▽ 脱炭素関連分野に関しても刻々と状況が変化している
『週刊東洋経済』2024年10/12号 (米国動乱) |
▽ いかにも売れそうなダイヤモンド合併号、生成AIについて練りに練った好特集と見た
『週刊ダイヤモンド』2024年10/12・19合併特大号 (生成AI) |
▽ エコノミストは遠大工なテーマだが、米経済が「逆イールド解消後に景気後退」としっかり要点は外さない
『週刊エコノミスト』2024年10/15・22合併号【特集:歴史に学ぶ世界経済】 |
ゴールドが25年間でテンバガーと化し(日経平均より優秀だ!)、日本は衰退して蓄電池で世界トップから転落という。。