-写真の部屋-

奥野和彦

最終章 人の手

2021-09-24 15:38:08 | 写真


さて、初めて写真も撮ったし
初お目見えのイワトコナマズのズーちゃん。
ナマズのズをとってズーちゃん。
大体こうしてミニ土管の中に入っている。
来た時にはもっと小さくて体全体スッポリと収まっていたが
今はお尻半分は向こう側に飛び出している。

拾って来たと書いたが
川や池にいるものを採って来たのではなく
顔なじみのペットショップで残り1匹、弱々しく小さいし
お客さん飼わない?と言ってもらって来たものである。
イワトコナマズというのは琵琶湖に住んでいる種類で
どこにでもいるナマズでは無い。
ただのナマズより顔つきはかわいいと
飼い主は思っている。

ウチに来たその日の晩から
落ち着きなくひたすら水槽のガラス沿いに
よろよろと泳ぎ続けて三日三晩
落ち着ける場所をと土管を入れても近寄りもしない。
市販の淡水魚用、ナマズ用の餌は食べないし
お腹はペチャンコのまま。
なので餌用のメダカを買って来て与えたらこれは食べた。
でもこれは不便で不経済である。
で、冷凍のブロック赤虫をあげるようになった。

そのころは暑い盛りだったから
森永のハイソフト大の冷凍の赤虫ブロックを
いくらなんでも冷たいんじゃ無いの?
と思うくらいに平気でガブリと噛み付いて
口には入りきらなかったが
今は本当に丸呑みで
このままではすぐに水槽に入りきらない体になってしまう
腹は減るかもしれないが、狭い水槽で運動量も少ないし
日々の食事の量はそれぐらいに留めておきたい。
飼い始めて1週間ぐらい経って
やっと落ち着いて、土管にも入り
トントンと水槽の縁を叩いてから餌をあげる習慣にしたら
トントンで土管から出て上を向くようになった。
水を変える時も最初こそ逃げ惑って水槽から飛び出しかねなかったが
それにも慣れて土管の中から顔を半分出したまま
そのうち終わるんでしょぐらいなものでじっとしている。

さて、採って来たメダカや小魚を
さぞや追いかけ回して食うんだろうと
少し多めに水槽に入れてやったら
なんと、それを怖がって自分が砂利の中に潜り込んでしまった。
やはり、神経質でデリケートで難しい所がある。
一晩経っても小魚達は減っておらず
ナマズは頭隠して尻隠さずだったので
小魚達はまたそこから出されて
いずれ元の用水路に返して来ようと思う。

人の手によって運ばれて
売ったり買ったりされて
採ってこられてエサにされたり
その間エサを貰えたり、また自然に放されたり
その時は寒い冬の用水路かもしれないし。



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