-写真の部屋-

奥野和彦

集合写真

2020-06-09 21:10:27 | 写真


集合写真屋さんが頑張っている。
同業者として見る事はあまりなかった。
観光地に行けば、名所のお土産屋付近にいて
木刀やフジカラーのベンチと並んで記憶されている風景。

写真を売ろうと思ったら
集合写真は大体写っている人数分注文があるのだから
食いっぱぐれが無いのだ、とか
写真の会社の上司から昔聞かされた事があるけれど
さて、今 どうかしら。

売れる写真の意味をどう捉えるかだけど
私の仕事は写真を売っているというよりは
必要な写真を切り取って残すための
経験と労働力を売っているようなもので…

と、たぶん
この後その上司たちと
ひな壇に並んで社員旅行の写真を撮られながら
ぶつぶつ考えていたと思う。
この時の写真に限らず、この手の集合写真は
一切手元に無い。
翌年あたりから
写真の会社の社員旅行なのだから
これは自分たちで撮ればいいのだと何方かが言い出して
そうだよね、俺が担ぐんだよねー
と三脚に中判カメラが載ったものと脚立を担いで
昼食だろうがお土産屋だろうがその姿で歩いて
何方か達がバスから降りて見学する先々で
先回りをしてスタン張ってなきゃいけない変な役目だった。

世が世なら、歴としたパワハラである。