2022 備忘録

思いついたことを書き残す。

言葉のごまかし

2015年02月06日 | ひとりごと
シリアでの事件は収束するどころではなく拡大する一方だ。
ずっと以前からヨーロッパの空港は自動小銃を肩からかけた警察官が巡回していた。ミュンヘンオリンピックのときのテロをはじめ暴力の応酬がとどまるところを知らない。

「空爆」という言葉を初めてみたのはアメリカが当時の北ベトナムへ宣戦布告なしにB52爆撃機などを使って爆弾を投下したころだったと思う。戦争には正義などないのだが、大新聞はアメリカに遠慮したのか「空襲」という言葉を使わずにあえて空爆という言葉を使った。戦後まだ20年足らずの日本では多くの人たちがアメリカ軍のB29等を使った空襲の体験者だった。
おそらくこの感覚を遠ざけるためにあえて「空爆」という言葉を使ったのでは。

両親も祖父母もあの前橋空襲の夜、焼夷弾の雨の中を命からがら逃れた経験を持つ。
小さいときにはよくその晩の事を聞かされた。
空の上から街が焼け落ちていくのを飛行機の中から傍観する多くの兵隊。
地面を這いずり回る市民。
言葉を取り繕っても事実は事実。

法律用語にまで怪しげな外来語が侵食しつつある。
外来語を多用するのも煙に巻こうという魂胆がみえみえ。
日本語で表現できることは日本語で表現しよう。