「とうとう」というか、「もう」というか、紫陽花が街角に見られるようになった。6月の代表的な花である。やはり今年の夏は早い。夕方、広瀬川畔を歩いていたらもう満開だ。
少し気持ちが騒ぐ。
午後、JIA住宅部会のセミナー講師との打ち合わせで講師の自邸を訪問する。広瀬川のサイクリングロードに面して上毛三山(赤城、榛名、妙義)、谷川岳を始めとする上越国境の山々、浅間山など信州の山々が一望できる好立地。なんとも羨ましい。比較的広い敷地に塔状の船舶をも連想させるキリッとした直方体の造形。周辺の商品住宅とは一線を画するものだ。インテリアも自邸らしくご自身の趣味、関心事を存分に表現しているもの。建築家の自邸らしい住宅と言えよう。今回のセミナーでは住宅の本来建てる意味まで掘り下げたいと思う。表面的なスペックを競う無意味さを問いたい。