2022 備忘録

思いついたことを書き残す。

あさがおの種

2009年09月30日 | ひとりごと

今日は事務所の会計年度の末日。事務所のあさがおももう大きな種を作って来年にバトンタッチしようとしている。
今年もいくつかの作品を残すことが出来た。
いまも着工に向け着々と設計が進んでいる。

しみじみ地方(地域社会)で仕事をしているありがたみを感じている。
また怖さも感じている。
陽の家の建築主や現在設計中の医院や住宅はかつて設計させていただいた建築主とそれぞれ懇意にされているとか。これらの方からのそれぞれ良いアドバイスがなければご縁がなかったかもしれない。

決して派手な建築ではないがひとつひとつ着実に成し遂げてきた自負はある。
一方姉歯元建築士のように東京の大規模な組織の歯車に組み込まれ、良心を売り渡したように、もし東京に出て仕事をしていたとしたら地縁血縁のまったくないドライな世界でやはり良心を捨てていたかもしれない。

動き出したらなかなかとまらないのが大組織だ。
イベントをするための資金集めに利害関係がまったく対立する企業をスポンサー集めをしたりする。イベントを企画する中心にある人たちはその成功のみを考え本来の組織の理念さえ忘れてしまうことがあるようだ。「こんなに一生懸命やっているのだから一般会員も協力してよ」といいたい気持ちはわかる。

先日NHKで白州次郎を扱ったドラマがあった。
そのなかで閣議のなかで陸軍大臣と思われる役者が一言目には「戦地で戦っている兵隊に対して」と軍刀を持ちながら威圧するシーンが出てきた。
始めた戦争が負け戦とわかっていてもブレーキをかけるのは非常に難しいものなのだろう。結果日本は建国以来始めて外国の軍隊の占領を受ける羽目になるのである。
組織を守ることが組織を壊滅させることになる過程に、勇気ある後退が必要であったことを歴史の後つけの知識として記憶されるべきだ。



彼岸

2009年09月22日 | ひとりごと

この休み中、葬儀が二件あり。
両親のおばにあたり、高崎のおもちゃやさんだった夫人。94歳
関与先の母親65歳。生前の写真が女性らしくにこやかなのが痛い。
墓参りを済ます。もう両親が済ましたものと思い込みいったらまだだったようで花が手向けてない。こんな情景は寂しいものだ。反省。

とうとう、またはあっという間に秋

2009年09月17日 | ひとりごと
今朝は風に今年初めて指先が冷たさを感じる。
夏がやや消化不良で思ったほど走れなかった。それなのにもう季節はどんどん冬に向かっていく。昨年、天気予報で午前6時の気温と風向、風速をチェックし始めたのをつい最近のことのように思い出す。
しかし日中のロングランには最適な季節でもある。この秋を楽しもう。

陽の家

2009年09月07日 | ひとりごと

陽の家と名づけた日当りが抜群の住宅が仕上がる。昨日は日差しが痛いようだった。
オープンハウスということで二日間ここに詰める。改めて細部までじっくり観察する。設計で意図したことが何処まで実現できたか確認する貴重な機会でもある。
また観に来ていただいた方々に繰り返し説明を重ねることで改めて設計の意図を再確認していく。

この住宅は大変欲張りな住宅である。
十分デザイン面だけでも練ったつもりだが構造強度については木造ながら鉄骨造と同じ手法の強度計算によって耐震性能を検証してある。

温熱環境面も外張り断熱通気工法(プレハブ業者が小賢しく宣伝している)で屋根下地も通気層を設け断熱には十分な配慮がなされている。
さらに空気質を良好に保つために外気を排気の倍導入するシステムで常に室内空気圧を外気より高く保ち、安定した新鮮空気をとり込む工夫がなされている。外部のほこりや冷気の侵入を止める機能もあるが高気密工法によって初めて可能となるものだ。シックハウスは建材だけが原因ではなく入居後に持ち込まれる家具や電気製品によっても引き起こされるということがまだまだ注目されていない。
化学物質過敏症の家族のための住宅の設計の際の経験が活かされている。
仕上がってしまうと見えない部分だが住宅の設計には非常に大切なことだと思う。

建築の専門家、これから家を建てる方、様々なご意見を頂戴した。
住宅を建てる方は簡単に注文できる量販業者や少し小じゃれたプレハブ住宅を選ぶ方が大半だ。

一方設計者とともに家を建てる方はまだまだ少ない。
理由を尋ねた。
1.展示場で実物が見える。
2.設計者が勝手な住宅を押し付けそうだ。
3.コストが高い住宅になりそうだ。
4.設計料が余分にかかりそうだ。

設計者ともに家を建てる場合少なくとも二ヶ月以上毎週のように打ち合わせが必要になる。なぜならそれほど住宅は構成要素が多いからだ。
またこのようなオープンハウスで実際に住むための家をごらんいただくことも出来る。入居前の家を開放していただけるということは建築主との信頼関係の証でもある。
設計者が勝手に押し付けることなど少なくとも我々の事務所ではありえない。
コスト管理も我々の重要な仕事だ。
住宅の構成要素を自由に選べる体制ではあるが当然ご予算に応じて限度はある。
優先順位を話し合いながらより満足感に満ちた住宅に導くのが我々の仕事である。
そのための経費(設計料)は決して無駄ではないはずだ。

食品を買うときチラシを目を皿のようにして比べ10円単位で節約しようとしている主婦が住宅ローンの魔術でいとも簡単に何千万円かの住宅を内容を検証せずに簡単に契約してしまう現実はなかなか理解できないものである。