2022 備忘録

思いついたことを書き残す。

メモ003 木部のオイル仕上げ

2021年09月30日 | ひとりごと
JBLの50年前のスピーカを直しながら使っている。当時のオーディオ機器やTVのキャビネットはラッカー仕上げが殆どでパイオニアの機器がようやくオイル仕上げになってきた。JBLはパラゴンから小型機までオイル仕上げ。50年経ってもオイルの匂いがかすかに残る。



そんな記憶から建築の木部仕上げもオイル仕上げにしようとしていたがなかなか良いものがなく、リボスの亜麻仁油系の塗料と出会い、その後標準仕様としてきた。

今回自宅の両親のための部屋の改装の木部に自ら施工することにした。
今回は内装材に杉板を使用し塗料には「クノス」を選んだ。針葉樹はもともと油分を含んでいるから広葉樹のように油を吸いにくい。
刷毛ではなくタオルに含ませ刷り込む。一晩でだいたい乾く。ただ突板合板は表面材が薄いから油は染み込まない。
表面をサンドペーパーで磨くと光沢とともになめらかな表面が現れる。本来は塗装職人の仕事だが自分でやってみるのも悪くない。

その経験の中から学ぶのは直接施工に携わる職人の経験の尊さである。図面や文字で表せることと、実物との差の大きさを設計者を肝に銘じなくてはいけない。
僅かな経験から改めてそう思う。

メモ002 いわゆる公庫仕様書程度

2021年09月29日 | ひとりごと
住宅支援機構のWEBサイトに昭和26年度版木造新築工事共通仕様書が公開されている。https://www.sumai-info.com/spec/wooden.html
すでに使用されたものからスキャンしたようで記入された文字も在り生々しい。ちなみに自分の生まれた前年。


初期の公庫融資住宅の遺構「昭和のくらし博物館」東京都大田区南久が原2丁目26−19

住宅支援機構の前身である住宅金融公庫は文字とおり住宅金融のための組織であったが勤労者層が土地建物を担保に家を建てることを支援する、つまり持ち家制度を推進するための政策組織であった。
銀行金利が今よりずっと高かった時代、低利、長期で借り入れできるとあって戦後の地方出身者を含め首都圏の住宅不足解消に貢献した。
ただし公庫で言うところの仕様書は必ずしも高級住宅の仕様でないことはJASS11と比較してみるとよく分かる。

敗戦からまだ6年、朝鮮戦争の特需で経済が上向いてきたと言っても優秀な職人が我一で戦死したりで物不足、人手不足の中でなんとか担保期間は立っていてほしいというのが金を貸す立場。
状況が好転して経済が豊かになってもこの仕様書は固定化してしまった。



住宅を設計監理、施工する上でこの仕様書が建築基準法同様最低限の規格であり設計者現場ともどももっと上を目指さなくてはと思う。

メモ001 戦後の住宅生産の歴史

2021年09月28日 | ひとりごと
日本の木造を主体とする住宅は技術者であり技能者であった「大工」職によって室町期に完成したグリッドプランで作られてきた。この辺が組積造(石造やレンガ造を主体とする西欧の建築家と技能者との間の大きな違いと思われる)
この間洗練を重ねてきた技術体系があっという間に大壁構造、つまり柱梁が見えない工法により2x4も鉄骨プレハブも見分けのつかない状況に飲み込まれていった。

新建材と言われる合板建材や石膏ボードの登場も後押しをしたのであろう。大工もこれらの安直なものにすっかり慣らされてしまい、住宅メーカーの下請けの大工はかんなものみもいらないとまで言われている。(誤解があったら失礼)
大工は可能性からすればデザイナーにもなり得たし、とにかく建築に直接触れる仕事をしているリアリティーは当然設計図を書いて現場でチェックしているだけの建築士では到底かなわない世界があったと思う。

我々設計者は既製品に頼らずオリジナルはものを求めている。ここで障害となるのが優れた職人と出会う機会が少なくなってしまったことだ。
先般も少し複雑な構造の建築を見積もりに出したらプレカットができないから見積もれないという反応があった。こちらははなからプレカットを望んではいない。
そもそも単純な架構にすれば全体コストが下がるのは目に見えている。しかしコストダウンを目的に設計を行っているわけではない立場からすれば主客転倒である。
建築技能者の再興について建設業者側だけでは済まされない問題である。

メモ000 IT、CADの弊害

2021年09月28日 | ひとりごと
9月があっという間に終わりそう。
8月同様ぱっとしないままだ。



せめてもの楽しみは山の中へのドライブと撮影行。同じようでまた新たな発見。
おおよそ植物というのは定まった形がない。人間もそうだったのだが。



大量生産の規格品の毒に当てられ感覚が鈍くなっている。
製図もすっかり3DCADの時代。
その弊害も多い。
立体を作るところまでは流石といったところだがテクスチャーをつける段になるといただけないことも起きる。
本来非常に重たい石もCGの世界ではかんたんに貼り付ける。レンガもそうだ。
先人が苦労して積み上げた苦労も水の泡。
それが現代風と言ってしまえばそれまでだが古城の石垣の圧倒的な重量感からくる迫力はない。
新国立競技場の木目フィルムを巻いた鉄柱しかり、角川武蔵野ミュージアムしかり。
前橋の街にもそんな輩が増えてきているような気がする。

E4系引退

2021年09月23日 | ひとりごと
ダブルデッカーE4系の引退。上京のたびに利用した。
JR東海の全く面白みのない700系にくらべJR東日本はなんと多種類のことか。
その中でもE1,E4と2階建ては際立っている。



せっかく2階建てなのにいつも下のフロアが定席だった。もっとも平屋席も捨てがたいがやや窮屈。



吉乃川の広告がいつも気にある車内。東京から新潟まで高崎を起点に移動。1997年デビューとあるから自分の現役時代と重なる。
また一つ時代が変わっていく。


引き渡し

2021年09月16日 | ひとりごと
1階のリフォームがほぼ終わる。まあまあの出来。津久井工務店だから過剰な期待もないわけではないがまあ半端仕事でもある。
若い現場監督の多賀さんもよく目を通してくれた。鵜川の小野くんより数段上。鵜川工業には義理はあるものの、新築のときのストレスを思うとやはり頼む気にはならなかった。
父親がいきなり土足で侵入。デリカシーの無さに呆れる。使い勝手をどう説明したら良いもの。
きれいな状態をどのように維持するか。こちらの負担で作ったのだから、掃除くらいきちんとやってほしいし、自分でやらざるを得ないか。
養生用のカーペットタイルや食器棚の中敷きを注文。
母親の容態が今ひとつはっきりしないのでベッドの注文には二の足を踏む。食卓、椅子も同様。
仮設のテーブルを持ち込みインターネットは1階は開通。やはり机があると落ち着く。

ついついサボリ気味

2021年09月05日 | ひとりごと
今日、スマホを母に届ける。ドコモの携帯がカケんでもないことなのだがつあえればなn放題になっていないためとんでもない請求額。
ただこちらからはつながるのだがむこうからは設定がおかしくないできない。ちょくせつ会えれば何でもないことなのだが。

政治屋と政治家

2021年09月03日 | ひとりごと
菅義偉自民党総裁が事実上の辞任。昨日のネット情報でも出ていた。とかく独善的な行動が目立った首相だったがむしろ不器用さがそうさせたのかもしれない。権力の中枢の座をえたといっても呉越同舟、魑魅魍魎の自民党の中にあって孤独だったのではと思う。
自民党も合同以来半世紀以上が経ち、世襲議員が多すぎる現状である。3代に渡る家柄の議員も少なくない。企業に目を移せば資本金の保有は別にして創業家がそのまま経営にあたっている例は少ない。サラリーマン社長がほとんど。新興勢力には元気な人達がいるが成熟した歴史のある企業ではトヨタぐらいしか自分の知識にはない。
地盤看板といわれ利権を引き継ぐ器として周囲も手放さない。そういった環境が富に強くなっている。家柄が良くとも苦労知らずのボンボンには先を見通す知力など保証の限りにあらずだ。
その点地方の有力者の子弟とはいえ政治家の世界とは縁遠い位置から首相にまで上り詰めた菅義偉は大変な努力家だったことには間違いない。ただ上昇志向は空回りに終わった。ただなんのために政治の世界にいるのかわからなくなって政治屋に成り下がっていたのではないか。政治家としてのポリシーがとうとう見えないままだった。もちろん彼だけのことではないが。そのことが周囲の人材に欠くことにもなったようだ。本来優秀な官僚を手足のように使ってきたはずなのに。ともあれ判官びいきではないがなにか寂しい思いもある。



9月に入る

2021年09月01日 | ひとりごと

コロナ禍と介護に翻弄されるさえない8月が終わった。もっとも9月も状況は。好転しそうもない。海外では政治状況がますます混迷喉を深めている。こんな田舎まで及ぶのではと不安が募る。
ただ悲観的になっていても時間の浪費。今できることをやろう。