今年の2014「ぐんまの家」設計・建設コンクールでは事務所から応募した「ゆるまる家」、「ひかりの家」がそれぞれ優秀賞、住宅支援機構北関東支店長賞を受賞した。
建築主は共に30歳代半ばの方たちだ。少住宅ではあるがそれぞれテーマ性を評価していただいたようだ。
「ゆるまる家」は肩肘張らない家族がくつろぐことに徹した椅子式の生活が多い中では珍しい床座の生活。日本の住宅の歴史の中で続いた生活様式がDNAのごとく継承されていることに寄り添う素直な住まいで、古くて新しい住まい方の提案である。
「ひかりの家」は地方都市の中心部で光環境には恵まれない敷地条件の中でいかに快適に暮らせるかをトップライトの位置を工夫することで豊かな空間を生み出している。
また個室の在り方を問いなおす位置関係の提案で親子がどのように成長していくかを追求した平面計画である。
一方、デザイン優先に流されがちな住宅設計のなかで省エネルギー対策も怠りなく整備された住宅でもある。
住宅支援機構のフラット35Sの融資制度基準を満たした「省エネ」住宅はデザインだけでなく環境性能を追求したことで現代の住宅に求められる要求を満たした住まいとして完成度の高いものになっている。
事務所の担当者である横堀将之と建築主は同じ世代であり、世代感覚を同じくすることでよりテーマ性のはっきりした住宅となったものといえる。
今後の事務所の方向性を探る上でも重要な仕事であり、又受賞したことで外部の一定の評価を頂いたことは今後の励みとなうことでも有った。