撮影 斎部功
主宰している事務所の第27期が終わる。
15歳で建築で身を立てることを決心し、18歳で福島建築設計事務所に見習いで入所し、39歳で独立開業、今日に至る。
順調であったかといえば全くそのようなことはなく、特に前職ではいつも迷惑ばかりかけてきたにも関わらず引き立てていただいた所長も昨年現役のまま亡くなっってしまった。
撮影 斎部功
開業してからも文字とおり不徳のいたす所多々あり、それでも周りに助けられなんとか今日を迎えられた。
JIAに入会させていただいたのも前所長であった。ここでの様々な出会いがなければただただ建築業界の中に埋没してしまったであろう。ここで学んだことに共感し、行動の指針としてきた。建築の設計という仕事を通じて社会貢献しているのだという自負ともの作りのささやかな自己実現を心の支えとして苦しいながらも創造する仕事に携われたことを幸せに思う。
撮影 斎部功
建築主と京都に泊りがけで住宅見学に出かけその後の住宅設計の基礎を作っったこと、フランス料理店の仕事の縁でフランスのレストランをあちこち食べ歩いたこと、健康と建築について学ぶためドイツに旅行し現在も交流が続いている人たち、もちろん現場をきちんと仕上げてくれた施工会社の社員や職人さん、この仕事を選ばなければ出会うことのない機会や人たちだった。
そして直接支えてくれた歴代の所員の人たち、また構造設計や設備設計で足元を支えてくれた協同事務所に仲間たち、さらに極めて粗野な自分を励まし、時には叱責して見守ってくれた多くの知人友人に感謝の言葉もない。
現在も健康に恵まれ、まだまだいろいろなことができそうだ。今晩は「余市」でも飲みながらしみじみ振り返りたい。