まもなく改元で「令和」の時代となる。
平成3年3月に開業し、後継に平成29年に引き継いだ身にはまさに平成の時代とともに有ったとの実感が強い。
昭和天皇崩御から今上天皇の時代31年。現皇太子殿下は自分より年下でありいわば次の世代の君主である。
今上天皇陛下にはUIA東京大会2011で初めて身近にお姿を拝見できる機会があった。各国の建築家の代表が天皇陛下に対する最大限の礼をもって接していたのは日本国民として誇らしい気持ちにさせるものだった。
日本の近現代での大きな変節点はやはり昭和20年の敗戦によって歴史上初めて他国の占領下に7年間置かれたことであろう。
占領側は当然懲罰的施策を打ち出し日本を物心に渡って弱体化させようとした。一方で本国でもできなかった理想を実現させようともした。
昭和、平成時代はこれらをいかに乗り越えようとして頑張った時代だと思う。
ただし米国追従によって既得権益を確保しようとする一部政治家によって国民の間に断層ができつつあり、AIなど人間よりも優れた知能の存在が独り歩きし始めた薄気味悪い現代である。作り出されてきた秩序が不気味な奔流の中に投げ出されようとしている。「令和」の時代はまさに人間力が問われる時代であろう。個人の尊厳をいかに守ろうとするかに腐心する時代が待っている。