波津浜に 異星のくらげが 仰天し
馬糞 Bafun
JR海老津から一時間1本の希少なバスに乗って30分、
玄界灘に面するハツの海水浴場に降りた。
盆すぎとはいえ、直下型の太陽が真砂にしみこむ真夏
である。
が、不思議なほどに人はいなかった。
はだしになって、小さな津波を股下に潜らせ、足をぬ
らした。
砂に線を描いて、クラウチングスタートに浜を駆ける
と、体が宙に浮いて、足が地につかない。
オリンピック陸上短距離選手は宙を駆けているのかも
しれない。
それにしても、海はまことに神秘である。
長い海岸線の波打ち際で、一面に刺青を刺したよう
な、巨大なくらげが仰天していた。
透明な蛸足を日に照らし、見るからに土星から落ちた、
異星人のようであった。
少し用心をして波を渡ってゆくと、恐るべし、猛毒の
刺細胞をもつ毒くらげ、青河童のようなイラが浮遊して
いるではないか。
海にばら撒かれた機雷のような、実に不気味な生命体
である。
浜の人に聞くと、これまでほとんど見かけたことのな
い種類だという。
玄界灘に異変あり!
実は、『玄界灘大津波』が予想されているのだ。
この夏の終わりか、それとも、もう少し先のことにな
るのか…。
天変地異の予感を乗せて、小さな津波が沖から打ち寄
せている。
大津波の形そっくりに、先触れしているかのようであ
る。
「悔い改めよ、自己中心!」
「省みよ、はた迷惑!」
「天変地異は、人類の罪である。」
2005.8.18 Don.
Bafun