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全館輻射熱冷暖房住宅システムの開発者・福地建装・代表取締役会長
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匠の技と時代の流れ…東京~松山~西条市~松山空港~羽田空港

2007年10月23日 22時21分45秒 | Weblog
全国に存在する多くの工務店は、大工職人から経営者になって現在に至るところが大半です。
特に戦後の家づくりは、大工さんが匠の技を競い合う風習が主流でした。
カンナの引き方で木肌の艶が異なります。当然、カンナの手入れを吟味する事が先決です。
大工さんは時間の合間を縫って、鋸の目立て、カンナやノミの磨ぎ作業に講じます。

腕の良い大工職人は、腕の良い磨ぎ師でもあります。
手入れの行き届いたカンナを木に当てて、腰を入れて肩の力を抜き、0.3ミリほどの紙状に、一気に引き出すカンナ殻の後に何とも艶っぽい木肌が現れます。
大工さんがここまで至るのに、墨付け作業、切り込み作業で出来るだけ金物や釘、ビスを使わずして、より強度が増すように技を吟味します。
このような匠の技が時代とともに忘れ去られるようになるのが気になります。

昨今は、コンピューターを用いたプレカットと言う装置で、墨付け、切り込みの作業が正確で短時間で出来上がります。
また、機械で磨がれたカンナ歯を用いた、超カンナと言われる装置で、木材が一瞬のうちに綺麗に仕上がってしまいます。
これを時代の流れと言うのでしょうか…
しかし、プレカットでは本物の和式の家屋は出来ませんし、金物を一切に用いないで耐震性を担保出来る構造体を作るのも無理なのです。
また、手カンナと超カンナでは、木肌の艶っぽさが微妙に異なります。

一定以上の品質が担保されると後はコスト…
然るにプレカットや超カンナがいまや当たり前の時代となり、手刻み、手カンナに拘っているほうがマイナーと言われる時代です。
しかし、先人達が何千年もの期間を経て培って来た、日本独自の家づくりの技法である、匠の技を決して放棄してはいけません。
人の魂を吹き込んだ木肌の艶っぽさ…この本物を求める機会が必ずあります。
世の中がこぞって能率主義を標榜する時代だからこそ、匠の技が生きてくるはずです。

コンピューターも超カンナも否定しましせんが、匠の技の魂を吹き込む心意気を失っては絶対にいけません。
我々は日本人なのですから…

今日は、完成間近い、純和風ファースの家の視察に愛媛県西条市を訪れました。
今日現在でも、木肌の艶にこだわりを持つ石川工務店さんの匠の技を見て、日本人で在る事に誇りを感じた一日でした。

明日は群馬県で講演のため、四国日帰り日程でした。
写真は西条市からの帰り道、四国高速道路の石鎚山付近から瀬戸内海に沈む夕日を撮りました。
夕方の5時30分でしたが北海道は40分も前に日暮れになると言うのに…
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