都会の人も、また人なのです…北斗市～函館空港～東京

今日の午前、モノレールを降りて弊社、東京事務所に向うためエスカレーターの右側を、重い荷物を持ちなら歩いておりました。貿易センタービルに降りて更に階段を下りようとしたら若いサラリーマン風の方が追いかけてきて声をかけてくれました。手には私がモノレールで読んでいた本を持っているのです。
バッグのポケットに入れたつもりが、半端な入り方で持ち上げた拍子に落ちたのだそうです。

声をかけようと何回も思ったそうですが、大勢の人の前で大声を上げるのを躊躇い、追いかけてきてくれたと言うのです。
大勢の人々が一刻も先を争うように移動しているのが、いつも見る都会の人々の動向です。
彼も決して暇そうな人ではありませんでした。
拾った本の持ち主を解っていて、その人が見えるところにいれば渡して上げたいと思うのが人情なのでしょう。

私は、心臓のカテーテル手術で胸の発作は勿論、動悸や息切れもしなくなりました。
その手術までの期間はニトロクリセリン持参でゆっくりと移動せざるを得ませんでしたが、そのため足腰の筋肉がかなり弱っていたように思います。
調子の良さに合わせて出来るだけ階段を使用し、エスカレーターも歩いて利用しています。

本を持って来てくれた彼が私に追いついたのは、貿易センター1階の階段の中段付近でした。
恐縮している私に本を渡し、凛々しい笑顔を残し、来た階段を颯爽と駆け上って行きました。
隣は何をする人ぞ…無機質な人間ばかりが暮らしているように思われる都会ですが、都会の人もまた人なのですね。

今日は肌寒く感ずる北海道から、雲ひとつない東京に移動してきました。
秋晴れのすっきりした天気より、都会の若い青年の爽やかさが何倍も心に残りました。
今日は上場企業の本社を訪問し、技術的なヒアリングを行なってきましたが、朝の凛々しい青年のおかげでその後の企業訪問もすこぶる快調…

写真は、今日から３泊する東京のホテルの前から撮りましたが先を急ぐ車ばかりです。しかし、その車の中には人情を持つ人々が乗っているのでしょう…
明日は埼玉県まで足を伸ばします。
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