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劇症肝炎という病気

まもなく、身体障害者1級の身となる。

移植から4年半、ここ2年は入院など重篤な状況になる事もなく、体力低下はある
にせよ、とりあえず仕事もし、あれ程大変だった事さえ忘れつつあるところ、自分
の置かれている状況を再認識させられる一つの機会でもある。


もちろん、手帳をひけらかし、なんでもかんでも要求するつもりは毛頭無いが、一
見他人から普通に思われる事で閉口してしまう事も少なくはないので、「困った時
の黄門様の印籠」のようで精神的には大変助かる。





手帳1級もそうだけど、「特定疾患受給者証」も無くてはならないもの。

っていうかコレが無いと、今頃路頭に迷っている。

そもそも今生きていないかもしれない。(これからもだけど)



肝炎の中でも劇症肝炎という病気、急性肝炎になる人の約1%の数というからごく
まれだ。

そして45種の特定疾患の内の一つで、これが為に医療費的には最大限に守られて
いる。




最近TVで癌患者さんの治療費の問題が盛んに取り上げられている。

その報道を見る度、いつも複雑な気持ちになる。


そして同じ肝炎でも、その種類によっては常に高額医療費を負担しながら、いつ
訪れるかもしれない「死」と闘っている人がたくさんいる。



自分はまだ恵まれている方なのか、同じ闘病者として「運」が良かった方なのか。





劇症肝炎と告げられた時、自分も家族も余命は告げられなかった。

「・・・をしなかった場合、あなたの命は、もったとして・・・です。」と。





妻に言わせれば、

「当たり前でしょ。そういう次元じゃないんだから。次の日に死んだっておかしく
なかったんだから」と。




そもそも肝炎から劇症化する過程すら分かっていないこの病気、治療法が確立され
ていないこの病気、そこから移植を経て今を生きる自分は、やっぱり運がいいんだ
ろうな。




年間400人といわれる劇症肝炎を患う事、すぐ逝かなかった事、移植出来た事、
V字回復しなかった事、長期入院した事、再手術した事、入院中家族みんな元気
だった事、いろいろあった。

さて、この先の運命やいかに。





コメント ( 4 ) | Trackback ( )
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コメント
 
 
 
Unknown (junseok)
2010-03-25 21:00:08
こんにちは。

なんか劇症肝炎って結構なぞですよね。

僕の場合発症率は2%~3%と言われました。


僕は急性肝炎で入院した時は、
「劇症化した場合、ドナー次第で移植手術に移りますが、それでも数日後の命の保証はお約束できません。」ときっちり言われてしまいました。

その時に母親から「もしもの時お母さんの臓器をあげるから」なんて言われた時は本当に表現しがたかったですね。自分こそ心臓を移植してもらいたいほどの身分なのに。

僕は劇症化しませんでしたが、
かんぞうさんの劇症肝炎の話を見るたびに、
改めて病気への意識を持つ事が出来ます。

ありがたいです。

それとto youなら中島みゆきの「糸」もお好きでは?
 
 
 
Unknown (プラム)
2010-03-25 22:45:54
かんぞうさんおひさしぶりです。
骨の痛みは落ち着いてきましたか?
うちの息子も無事に中1を終え
春休みに入っています。丸3年前の
今は移植手術から2ヶ月過ぎたあたりで
ビリルビンが思うように下がってくれず
なかなか退院許可が下りず病室でぼーっと
過ごしていましたから
あれから3年無事に過ごせていることに
感謝です。

「移植しなければ、もったとしても・・・・」
と私たちも言われました。
もう今思い出そうにもあまりに記憶がとんでいて
先生がたが当時どういう説明をされていたのかも
覚えていません。
ただ、他の肝臓の難病を患っている方々よりは
何百何千倍のスピードで命の期限があったこと
だけは確かですね。
今でも思うのは息子があの時、最悪の結果になっていたら私も後を追っただろうな・・・と。
病気に限らず事故や自殺などで突然に大事な人が
いなくなる悲しみに普通の精神を持った人が
どのようにして耐えて生きて行く術を身に付ける
のか私にはまだわかりません。
息子もかんぞうさんも劇症肝炎を患ったことは
不運だったのでしょうが
大事な人の前で元気に生活出来る今があることは
やっぱり運がよかったのです。
息子にいつも言うことは
「あの痛み、苦しみを乗り越えたあんたは、
これからの人生においてあれ以上の痛み、苦しみは
ないよ」と。
もし、受験に失敗しても将来リストラにあうことに
なっても命を無くすことはないんですからね。
そう私が言うと「それとこれとは別!」と息子は
あきれたように言いますがね(笑)


 
 
 
なぞだらけ (かんぞう)
2010-03-26 15:03:40
junseokさん、こんにちは。

謎だらけですね、劇症肝炎。
そもそもなんで自分がB型に感染したか、なんで劇症化したのか、いまだに不明で???です。

劇症化するかしないかも紙一重ですから、そういう意味ではjunseokさんは強運の持ち主だったのかもしれませんよ。

あと、持って生まれた生命力とか。

Bank Bandのto Youは、今一番好きな歌かもしれません。
「糸」、大好きです。
ミスチルVer.でのど自慢の選曲の候補にもしてました。難しいので無理でしたが・・・
 
 
 
経験 (かんぞう)
2010-03-26 15:26:45
プラムさん、こんにちは。
息子さん、順調なようで良かったです。

わたしもそうなのですが、「あれだけの思いをしたのだから」という大前提の前では、なんでも平気で、なんでもできちゃうような気になるのは確かです。

ところが、人間、都合良くできてるもので、その時、その場の状況に慣らさされて、辛いものは辛い、となってしまっています。
きっと息子さん、これからの長い長い人生の中で喜びと同じ量の辛さを味わうと思いますが、言葉で体で辛いと表現しても、絶対心のどこかで、あの究極の辛さを乗り越えた魂で生きぬいていくのだろうと、自分と重ね合わせて思ってしまいます。


プラムさん、劇症肝炎からの復活って、「不幸中の幸わい」の最上級のような気がしませんか。

劇症肝炎になる事は最悪で、でもそこから脱出できるのは最良で。


そう考えるとこれからの人生が楽しくなります。

息子さんの復活はプラムさんの最大の喜びだったと思いますし、それがひしひしとこちらにも伝わってきます。
言い換えれば、わたしの復活も、たくさんの人達の喜びでもあったのかと、再認識させてもらえます。

感謝です。


将来、歳を取り、寿命が尽きる時、この病気が「いい経験だった」と笑って言えるような人生を、お互い送りたいですね。
 
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