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生体肝移植手術に向かって PartⅡ

昨日、今日と北海道は一気に気温が下がった。

免疫抑制剤を服用している身にとってはこの季節、風邪などには特に
注意しなければならない。

自分でできる事といえば、手洗い、うがい、マスクの着用それに充分
な睡眠と栄養。
調子のあまり良くなかった頃は、結構適当だったりしたのだが、再手
術後、体調が回復してきてからは、逆に少し神経質な位、気にするよ
うになった。
そう、気持ちが守りに入っているのだ。

体のことを考えるとその位の方がいいのかとは思う。
今できる事はまだ限られている。思うようには体がついていかない。

でも、慎重に過ごしつつも、できる事はどんどんやっていきたい。
色々葛藤もあるけれど、悩みも不安もあるけれど、



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<・・・一年前>

・・・2005.9月20日

9月20日、K病院からH大病院に転院。

救急車が手配できないのと、日常の意識はまだはっきりしていたので
父の車でH大病院に向かった。
さすがにこの頃は体力的に相当きつくなっており、通常の入院手続き
をしている妻を待つ時間が、長く辛かったことを覚えている。


7階外科病棟の個室に入った。

K病院でも一ヶ月個室だったので個室には慣れていたが、それから向
かう現実を考えると、そこはかと無い不安感に駆られていた。

H大病院ではすぐ検査が始まり、毎日毎日検査の連続。
K病院でも考えられる検査は一通りしてきたが、やはりH大病院でも
一通りの検査。
MRI、CT、X線、脳波、心肺、呼吸器・・・
歯も手術に影響するので、歯科も受診した。

絶食ももちろん継続、点滴は24時間していたが、透析はやめていた
ので体調はどんどん悪くなっていった。
意識だけはそれまではっきりしていた(と自分では思っていた)が、
その意識もだんだん心細くなっていった。

移植手術日が10月4日に決まったのも、良く覚えていない。

妻は毎日来てくれて、身の廻りのことをやってくれていたが、今でも
良く思い出せない。

医師が何を言ったのか、看護士が何をしてくれたのか、顔さえも良く
覚えていない。

まったく自己判断ができぬまま、手術へと向かっていく。

あんなに移植手術を拒否していたのに、ドナーの姉に何も伝えられぬ
まま、妻に、家族に 「行ってくるよ」 とも言えぬまま、生体肝移植手
術の日を迎えることになる。
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