英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『軍師官兵衛』 第45話「秀吉の最期」

2014-11-11 21:16:44 | ドラマ・映画
秀吉、官兵衛、今生の別れ
 年老い、幼き秀頼の行く末を案じるが、床に伏しがちになる秀吉。
 夢うつつの区別がつかないが、頭に浮かぶのは官兵衛。朝鮮にいる官兵衛を呼びつける。

 官兵衛も秀吉もこれが今生の別れになることを覚悟。

 秀吉、高松城攻めの夜、官兵衛に起こされ、本能寺での異変を告げられた時のことを思い出し、
「“御運が開けましたぞ”…あの時、お主がそう言わなければ、わしの天下は…なかったかもしれぬ」
 天下を取れたのは官兵衛のおかげと礼を言っているように思えるが、そうではなかった。
「信長が討たれたことを聞いた時、わしは目の前が真っ暗になった。
 ところが…お主は違った。先の先まで見抜いておった」
 やはり、あの言葉が秀吉の心に引っかかっていたのだ。官兵衛の先見の明を恐れていたのだ。

「わしは天下が欲しかった。……わしは多くの者を殺した。…利休、秀次……」
「このわしは、間違っていたと思うか?」
≪官兵衛のあの言葉によって天下を取ったが、果たしてそれは正しい選択だったのか?≫
と聞いているのだが、
≪官兵衛の口車に乗らなければ、こんな修羅の道を歩まずに済んだ≫という恨みめいたことも思っていたように聞こえた。


「殿下は、信長公にこだわり過ぎたのです」
 間接的に間違っていたと宣告。
≪あなたは間違っていないです≫と言ってあげない正直な官兵衛。


「官兵衛、秀頼を、豊臣を頼む。わしが死んだら、秀頼を…この通りじゃ」
しかし、官兵衛、すがっていた秀吉の手をほどく!
 ≪ええっ!?嘘でも、“後はお任せください”と言ってやれよ!≫

「断ると申すか………………秀頼では、いかんと申すか?」
「天下とは、その器たるべき者が納めるべきと存じます」
「秀頼ではいかぬと…」
「そうは申しておりませぬ。されど秀頼ぎみは未だ6歳」
「官兵衛ぇ~、お主ぃぃ、天下を狙っておるな。わしが死んだら、豊臣を滅ぼすつもりであろう」
官兵衛、秀吉の問いに応えず、静かに秀吉を見つめる。
(秀吉、官兵衛に二心がないがないことを悟り)
「何故じゃ……お主ほどの男が、天下を狙わぬ」
「それがしは……それがしはただ……殿下の下で、世の乱れを治めたかっただけでございます」
「官兵衛……官兵衛は変わらんのぉ。いつまでたっても、お人よしじゃ」


立ち去る官兵衛に、
「すまなかった。………お主の思うような天下人にはなれなかった。
 すまなかった」
手をついて頭を下げる秀吉。
「殿下、……永らく軍師として御使い頂き……ありがとうございました」
官兵衛も居住まいを正して、手を付き深々と頭を下げる。
立ち去る官兵衛に、秀吉、バイバイをしながら
「官兵衛、さらばじゃ」
官兵衛、少し離れた場所で、嗚咽。


 最後に正気に戻った秀吉。
 官兵衛の意志……≪秀吉に仕えて、天下泰平≫ということだが、厳密に言えば「天下泰平」>「秀吉に仕える」である。
 しかし、天下を取るに足りる人物なら秀吉でなくても良いのだが、官兵衛は秀吉を天下人と認め、そして、やはり秀吉に天下を取ってほしかったのであろう。秀吉に惚れたのだ。
 秀吉はその官兵衛の思いを理解し「お主の思うような天下人にはなれなかった」と謝った。

 天下人となり、その地位に溺れてしまった秀吉。従順な三成に依存し、淀に狂ったが、最後に官兵衛に戻ってきた。
 ずっと鬱憤が溜まる状況が続いたが、最後(最期)は官兵衛、おねに看取られた。
 なかなか良い退場のさせ方だったと思う。



野心を解き放った家康
 「死んだか!」(あまりの言い様)という家臣の声に、ニヤリ
 “大魔神怒る”の如く、半分閉じていた目のチャックを開ける。
 封印していた野心を解き放ったのだ。
 でも、そこまでオーバーアクションを取らなくてもいいと思う。
 “ニヤリ”で充分。
 右目の開き具合で本性を表現したいのなら、さりげなく目を開かせた方が良かった。


家康対三成
 「何が起ころうとも、われら家臣一同、秀頼ぎみを盛り立ます故、豊臣家は盤石、太平の世は続きましょう」
 と言う家康に、重ねて「なにとぞ、なにとぞ秀頼のこと、豊臣のこと、お頼み申す」と秀吉は頭を下げる。
「それがし、できるだけのことはいたす所存、お任せ下さい」
 三成、淀は疑惑の視線。
 今さら、家康のことを恐れるのなら、なぜ、身内を排除したんだよと、視聴者の大半は思ったはず。

 三成は、「五大老・五奉行制」を設け家康対策は万全であると。
 家康は、「太閤は英雄であった。惜しむらくは、己が死んだ後の世をもっと考えておくべきであった」

 家康は秀吉が没した後のことを考えて準備を進めてきたのに対し、秀吉は秀頼の為、地位を脅かす可能性のある身内を排除し、真の敵のことを顧みなかった。三成は秀吉に仕える(機嫌を取る)ことばかり考え、皆に嫌われてしまっていた。勝負は明白だった。


熊之助、無念
 大局を観ず、目先のことしか考えられない熊之助。
 官兵衛は、独断で動くことが、いかに愚かなことかを教えていなかった。
 せめて、天気予報を教えておくべきだった。

 「心配するな、海を渡ってしまえば、こちらのものだ」
 難破して、海を渡れず!(あっけない)

現実逃避の光に、冷静な官兵衛
 熊之助をなくしたというのに、異常に明るい光。
「死んだのだぁ!熊之助は、もう帰ってこぬ」と官兵衛は死の宣告。
 有岡城に幽閉された官兵衛、人質として斬殺の命が下された松寿丸と奇跡に近い生還を体験している光、熊之助もと思うのは自然の成り行きのようにも思える。
 それに、あまりに悲しんでいては、熊之助を止められなかった糸を思いやっての素振りとも考えられる。

太兵衛、号泣
 熊之助、吉太夫遭難死の報に、
「申し訳ございませぬ。せがれ(吉太夫)が付いていながら、このようなことに!」
と、地面に頭をこすり付け謝る太兵衛。
「よせ、太兵衛。詫びるのはわしの方じゃ。家臣を巻き添えにするとは。頭を上げてくれ。太兵衛、すまぬ」
「うわぁぁぁぁぁ……」
太兵衛の怒号のような泣き声が響く……

 これ、現代なら、お互いを責め合うのではないだろうか。


くノ一?リラ
 糸のお産のため、白装束に身を包む女子衆。
 くノ一・お道(福島リラ)は流石、似合う(笑)
コメント (2)
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