英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『すべてがFになる』 第5話&第6話「すべてがFになる」

2014-11-26 21:50:24 | ドラマ・映画
今回の最重要人物:真賀田四季………
………15年前、当時14歳だった四季は両親を殺害した容疑で裁判にかけられるが、心神喪失が認められ無罪となっていた。9歳でアメリカの大学に入学し11歳で博士号を取得、12歳でIT企業の主任エンジニアとなるなど、天才プログラマーとしてその名を馳せた四季の事件は、世間を大きく騒がせた。
 以来、四季は研究所に籠り(閉じ込められ)、一度も外出していない。
 ドラマ第1話の冒頭に登場し、モニター越しではあるが萌絵と会話し、「すべてがFになった時、会いましょう」という言葉を残している。


人間離れした頭脳と性格の四季が、再登場。
しかし、それは死体としてだった。しかも、両手足を切断された状態で。
侵入不可能な密室で殺人を犯し、
脱出不能な密室から、監視カメラモニターに映らず消えてしまった殺人者!


数多くの謎………
・「すべてがFになる」の示す意味は?
・なぜ、手足を切断されたのか?
・ウエディングドレスを着ていたのはなぜ?
・犯人はどうやって監視カメラに映らず脱出したのか?
・15年前、四季がつぶやいた「人形が殺した」という言葉の意味は?
・さらに続く殺人
・完璧なはずの管理コンピュータシステム「デボラ」のエラー


そして、最大の謎……
「1人しかいないはずの密室」=「存在できない殺人者」が
いかにして、犯行を行ったのか?


 こういう場合、通常(殺人という異常な状況で「通常」という表現はおかしいが)、自殺であることが多い。
 しかし、この事件の場合、手足が切り取られているので、自殺はあり得ない
 無理やり可能性を追求するとしたら、「運搬ロボットに乗ったまま、何らかの方法で手足を切断し、ミチル(ロボット)にダストシュートから手足を捨てさせた」となるが、不可能に近いし、そうする意味もない。
 死体の状況から、殺害した者がいなければならないが、部屋に侵入は不可能。
 最初は1人、犯行時は2人、しかし、外部から侵入はできない(1人を増やすことはできない)
 となると、「“最初は1人だった”という仮定が間違っている」、あるいは「部屋の中で、分裂して2人になった」ということになる………男性だと不可能、、
、。

 それにしても、14年間(15年間と言っていい)隠し通して、犯行を実行したとは、なんという遠大な計画!
 原作を読んだ時、私は全く考え付かず、確か、「四季は15年前に死んでいて、人工知能と映像で生きていると見せかけていただけ」とか「四季の妹の未来が協力した」とか「四季は初めから部屋にはいなくて、妹の未来を殺害し、妹に成りすまし、妹の遺体を自分の死体に見せかけた」などと、方向違いの推理を延々考えた挙句、降参してページをめくり、真相に衝撃を受けた。
 原作で未来はもう少し言動が多く、魅力的な女性だったように感じたような記憶がある。
 それで、≪あの未来が実は凶悪な姉が演じていた訳がない≫とか、葛藤していたような気もする。
 そのうえ、手足を切り落としたことも、運搬ロボットの積載重量以内にする目的の他に、意味があった(指紋照合を防ぐ、自殺ではないと断定させる)。さらに、死体を運搬ロボットに乗せて動かしたのも、脱出する細工であった。
 その他の防犯カメラの映像をごまかすトリックや、「すべてがFになる」の意味がラストで明かされ、こんがらがっていた糸が、綺麗に解けていく快感を味わえ、感動したのだった……


 それと、衝撃だったのは、
あの、「“人間離れした、何か、しでかしそうな四季”が、いきなり殺されてしまっていた」。しかも、衝撃的な死体で、とういことだ。たぶん、これで度肝を抜かれ、作者に翻弄されてしまったのかもしれない。

 ドラマでも、このシーンはなかなかシュールで衝撃的だったが、欲を言えば、もう少しインパクトが欲しかった。

 ラストで明かされる真の真相(変な表現)、最後も犀川を煙に巻いたのも面白かった。やっぱり、四季は犀川にキスをして欲しかったのかもしれない。


 ドラマ(映像)の辛いところは、肝心な部分も流れて行ってしまうこと。そして、粗が目についてしまうこと。
 いちいち、粗を取り上げなくてもいいように思うが、これも性分なもので……ご容赦を。

・国枝助教の浜中(修士課程2年生・ゼミ幹事)に対する暴力(キック)。これは不快
・室内に子供が住んでいる痕跡(ブロックおもちゃなど)が残っていたのは不自然(わざとかもしれないが)
・『ガリレオ』に対抗するような犀川の推理集中シーンは不要のような気がする。犀川に「必死」は似合わない。
・犀川の「あの部屋に入ることはできない。方法はもう、一つしかないんだよ」の言葉から、
 「そんな…………うそです。信じられません。もし、それが本当なら、悲しすぎます」と、犀川が必死に考えた真相を察してしまう萌絵に、むかつく。

・ドラマ中の「真賀田四季博士」という台詞のイントネーションが変で、「真賀田博士」と聞こえてしまう


【ストーリー】脚本・黒岩勉
『前編』
 西之園萌絵(武井咲)と犀川創平(綾野剛)は、ゼミ旅行と称して真賀田四季(早見あかり)の研究所がある島へやってくる。
 15年前、当時14歳だった四季は両親を殺害した容疑で裁判にかけられるが、心神喪失が認められ無罪となっていた。9歳でアメリカの大学に入学し11歳で博士号を取得、12歳でIT企業の主任エンジニアとなるなど、天才プログラマーとしてその名を馳せた四季の事件は、世間を大きく騒がせた。以来、四季は研究所に籠り、一度も外出していないという。

 特別な許可を得て研究所を訪ねた萌絵と犀川は、不在の所長・新藤清二(冨家規政)に代わり副所長の山根幸宏(利重剛)から最新鋭の管理システムについて説明を受ける。そこへ、四季からの緊急コールが入った。地下にいる四季の部屋へと駆けだした山根に続き、萌絵と犀川も走り出した。
 四季の部屋の前室は、警報音が鳴り響きパニック状態に陥っていた。部屋に入りたいが、システムエラーで扉が開かないという。そこへ、清二の妻で四季の叔母の新藤裕見子(藤吉久美子)が現われる。扉を壊して進入するしかないと言うスタッフに、裕見子は清二の許可がいると躊躇する。
 そのとき、警報音が止んで照明が明滅し始める。主任プログラマーの島田文子(山田真歩)が確認するが原因はわからない。すると今度は、ロックが自動で解除されゆっくりと扉が開き始めた。暗闇の中、萌絵らが目を凝らすと、ウエディングドレスのような白い服を着た人影がいて…。

≪第五話 事件のおさらい≫
 萌絵(武井咲)と犀川(綾野剛)は、孤島にある真賀田四季(早見あかり)の研究所にやってくるが、そこで四季が両手足を切断された状態で発見される。四季は、15年前に研究所に籠って以来一度も外へ出ていないという。しかも、四季自身が開発した「デボラ」というシステムで管理された研究所のセキュリティーは完璧で、入退出の記録もすべて記録されている。この15年で、四季の居住スペースに入ったのは、四季の叔父で研究所所長の新藤清二(冨家規政)だけだった。
 ところが、その完璧なシステムにエラーが起り、通信機能が麻痺。事件のことを警察に連絡することもできずに、新藤の留守を預かる副所長の山根(利重剛)は動揺する。そんなところへ、アメリカにいる四季の妹の未来(早見あかり)が帰国。ヘリコプターで未来を迎えに行っていた新藤が戻ってくる。山根は、新藤に状況を説明し、ヘリの無線で警察に連絡してくれ、と頼む。それを了承した新藤は、山根に未来を託すと通信を試みるが、その新藤もヘリコプターのなかで刺殺されてしまう。
 入退出が監視されている要塞のような研究所のなかで、一体誰がふたりを殺害したのか。犯人はどこから来てどこへ隠れているのか。監視カメラの映像にも一切手がかりがないため、山根らは犯人が潜伏している可能性がある四季の居住スペースに入ることを決意。無機質な空間を見ていくが、そこには誰もいなかった。しかし、真賀田が使用していたパソコンを見ると、今日の予定のところに「すべてがFになる」というメッセージが表示された。
 するとその時、壁のなかから四季の声が聞こえてくる。萌絵が四季なのかと尋ねると、声の主は自分は「ミチル」だと答えた。それを聞いた所長の妻・裕見子(藤吉久美子)は恐怖に震え出す。隠し扉になっていたその壁を開けるとなかには…


『後編』
 萌絵(武井咲)と犀川(綾野剛)は、四季(早見あかり)を殺害した犯人が、コンピュータシステムで厳重に監視されている研究所の中にどうやって侵入し、どこへ消えたのか、手がかりを掴めずにいた。
 そんな折、主任プログラマーの島田(山田真歩)が、翌朝10時に記者が所長の新藤(冨家規政)を訪ねて来る約束になっていることを突き止める。記者は船で来るためその時間に港に行けば外部と連絡が取ることができる。しかし、副所長の山根(利重剛)は明日を待たずに、コンピュータのオペレーションを別のシステムに切り替え通信を復旧させることを決めた。そうすればすぐに警察にも通報できるのだが、山根は萌絵と犀川に四季が殺害されたことは黙っていてほしいと頼む。四季の死は研究所の死を意味するから、四季の妹の未来(早見あかり)を代役に仕立てることで、研究所を維持するつもりだと言う。
 その後、監視室のモニターで監視カメラの映像を見ていた萌絵があることに気づく。四季の遺体が台車ロボットに載って現われた時、エレベーターの階数表示は萌絵らがいた地下の「B1」になっていたが、その直後、システムの強制再起動が行われた時の映像では屋上を示す「R」になっていた。それはつまり、あの場にいた全員がパニックに陥るなか、誰かが四季の部屋を出て屋上へと向かった可能性を示していた。しかし、映像には誰も映っていない。そのことに萌絵は…。

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4 コメント

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ドラマの年代設定 (岡本哲)
2014-11-29 09:39:04
 ドラマをみのがしてしまいました。原作の年代設定は1996年なのでDNA鑑定がなくてトリックが成立しています。原作だと当時全盛のニフティとかでてきます。わたしはそこのシスオペとかやっていました。
 ドラマだと年代設定はどうなっているのでしょうか。
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設定はほぼ現代かと ()
2014-11-29 14:16:48
岡本さん、こんにちは。

 ドラマの年代設定は、特に具体的には示されていないようですが、現代と考えていいように思います。
 原作を詳しく覚えていないのですが、当時、近未来的な研究所の設備やシステムにわくわくした記憶がありますが、それが、現代では違和感を感じません。
 作者の先見の明と、時代が進んだことを感じます。
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年代が明確でないのは (岡本哲)
2014-11-30 04:43:21
「今はもうない」をどこかでやるつもりなのかもしれませんね。
返信する
Unknown ()
2014-11-30 12:37:38
岡本さん、こんにちは。

>「今はもうない」をどこかでやるつもりなのかもしれませんね

 通常、ドラマは10~13週なので、次週(次々週)の「数奇にして模型」を除くと、あと1話か2話です。
 「有限と微小のパン」が、原作では一応最終話と言うことになっているとのことなので、微妙なところですね。
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