英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

よく分からない石橋女流棋士の処遇 その2

2013-09-12 22:38:14 | 将棋
 前回記事…と言っても、記事をアップしたのが8月21日で、その間、20以上の記事を挟んでしまいました。
 「その1」を書いた時には、すぐにでも書くつもりだったのですが、世界陸上、世界柔道、女子バレーなどが勃発(私の感覚です)し、『捜査一課9係』まで乱入(私の感覚です)してきました。
 正直、わたしも「その1」の内容を忘れてしまっているので、前回記事をおさらいして、対局放棄事件からの流れを整理します。

★1月30日 マイナビ女子オープン挑戦者決定トーナメント準決勝里見香奈女流四冠-石橋幸緒女流四段戦、石橋女流が対局放棄(当ブログ記事「残念な対局放棄」
 独立・分裂の末に発足したLPSAと将棋連盟の間には、いろいろ軋轢はあったが、対局放棄に至った直接原因は、渡部愛さんの女流プロ認定問題と、それにより拗れた現在行われている第7期におけるマイナビ社とLPSAとの契約打ち切り問題であったと考えられる。
 対局放棄を受けて将棋連盟は遺憾の意を表明したが、前会長を除いて、過激で性急な行動を好まないという棋風を反映して、表向きには大きな動きは見せなかった(裏でどういうことがあったかは、私には分かりません。何もなかったのかもしれません)。
 棋戦に関しては、決裂したマイナビ女子オープン(第7期)を除いては、LPSA所属棋士も従来通り対局が行われた。(契約が継続している棋戦に関しては従来通り、新規契約についてはLPSAとしてではなく「個人参加」という形だったらしい)

 一方で、世論の逆風を感じたLPSAは
★4月8日付の「日本将棋連盟による女流棋戦からの排除行為について」という声明文を出した
が、その主張は正当性を感じられない稚拙なものだった。(LPSA声明「日本将棋連盟による女流棋戦からの排除行為について」について」(5月17日記事)

 そして、ようやく
「株式会社マイナビ様への謝罪」(6月19日付、LPSAホームページ)を掲示。
 しかし、対局放棄に及んだことの言い訳と最低限の謝罪としか考えられないものだった。この謝罪文はマイナビ社に対するものなので、将棋連盟や将棋ファンに対する謝罪はないのは当然なのだが、LPSAから将棋連盟やファンに向けての発信はなかった。(「LPSA、ようやく謝罪したが……」(6月23日記事))

★7月12日、連盟が「LPSA、渡部愛さんへの対応について」を公表
 特例として渡部さんの女流3級を認め、女流棋士3級の資格を得る条件として現状の研修会C1クラス到達のほか、女流プロ公式戦でアマチュアが規定の成績をおさめた場合にもその資格を認めることを検討していることを表明した。
 また、これに加え、「連盟が2月22日記者会見で発表した『連盟は、石橋幸緒女流四段を、連盟の主催する棋戦における出場者として一切の推薦をしない』の項目に関して、発表通り1年間の処分を継続なお、対局放棄の再発防止策を講じないなど、今回の件に対し、日本女子プロ将棋協会の誠意ある行動が認められない場合、さらなる期間延長をする」と明示した。(前記事「その1」の文をそのまま引用)

 これに呼応してLPSAは、
★7月16日、「ご心配とご迷惑をおかけした皆様へ」(ご報告)を表明
(以下も前記事「その1」を引用します。引用ばかりになりますが、この部分は譲れないのです)
 しかし、表題の「ご報告」とあるように、
「先般来の一連の事態に対し、長きに渡り将棋界を応援して下さっているファンの皆様、多くのご関係の皆様にご心配をお掛け致しておりますことに、心よりお詫び申し上げます」(引用)
 と、謝罪の文はあるものの、渡部愛さん問題の一応の決着と感謝の意、本人のコメント(謝辞)、さらに、今後のLPSAの決意表明が主たるもので、「対局放棄」の謝罪は全くなかった。

 いかなる理由があろうとも(今回の場合、理由の正当性も怪しい)、その行為が誤ったものであるなら、その謝罪と償いはしなければならない。しかし、LPSAは償いどころか謝罪も行わない。
 普通に考えて、棋士にあるまじき「対局放棄」をしたなら、何らかの処分を下すのが真っ当な組織であろう。さらに、対局放棄に続く記者会見や文書表明など名誉棄損とされても仕方がない行為を行ったことに対する「おとしまえ」も付けていない。
 「対局放棄」に関しては、上記の『連盟は、石橋幸緒女流四段を、連盟の主催する棋戦における出場者として一切の推薦をしない』ことで、決着したと考えているのかもしれないが、それでも、「出場停止」という処分を下すのが組織というものだろう。ましてやLPSAは公益社団法人である。
 結局、「今回の一連の騒動に関して、棋士・石橋幸緒も、組織・LPSAも謝罪・粛清するほどの行為は行っておらず、この騒動によって、渡辺愛さんの女流棋士の身分と、今後の女流棋士の待遇改善を勝ち取ったと考えている」と判断せざるを得ない。
【引用終わり】ようやく、復習終了です。

 ところで、LPSAのトップページからいつの間にか「株式会社マイナビ様への謝罪」と「ご心配とご迷惑をおかけした皆様へ」が消えています。よほど、謝るのが嫌いなようです。


 さて、記事タイトルは、(よく分からない)石橋女流棋士の処遇です。何故か「よく分からない」が括弧書きにしていますが……(笑)
 再掲になりますが「連盟が2月22日記者会見で発表した『連盟は、石橋幸緒女流四段を、連盟の主催する棋戦における出場者として一切の推薦をしない』の項目に関して、発表通り1年間の処分を継続なお、対局放棄の再発防止策を講じないなど、今回の件に対し、日本女子プロ将棋協会の誠意ある行動が認められない場合、さらなる期間延長をする」と明示している。
 この「一切の推薦をしない」を発令した2月22日以降も、石橋女流はマイナビ女子オープンを除いて女流最強戦、女流名人位戦、倉敷藤花戦では対局している(女流最強戦も対局している。これは2月22日連盟声明文第4項「2月24日(日)に延期されていた「大和証券杯ネット将棋・女流最強戦2回戦、中村真梨花女流二段対石橋幸緒女流四段」については、予定どおり行う」に即している)。

 実は、「その1」を書いた時点では、上記の通り、石橋女流は棋戦に参加していて、特に女流名人位戦挑戦リーグで4局(0勝4敗)も指していたので(現在は1勝5敗)、石橋女流棋戦不参加に気がつかなかった。
 この記事を書くために改めて調べてみると、他のLPSA所属女流棋士は参加しているが、女流王将戦、女流王座戦、そして、甲斐女流が復位し、新期に入った女流王位戦には石橋女流は不参加であった。
 女流王将戦に関しては、Stanleyさんが「LPSA、ようやく謝罪したが……」のコメントで指摘してくださり、連盟の「女流棋戦のお知らせ」のページまで教えて下さっていたというのに、石橋女流、棋戦不参加を見落としていたとは、何という不覚!
 さらに、石橋女流の棋戦に参加している(女流名人位戦、倉敷藤花)件について、「なぜ、対局を許しているのか?」という主旨のメールを7月末に送っていることも白状しておきます。(このメールへの連盟からの返信はなかった)

 「ルール(仁義)を破った石橋女流の棋戦参加を許すような、誤りを正さない姿勢は良くない」という主旨の記事を書くつもりだった。他の記事にかまけて、「その2」を放置してしまっていたことは、幸いだったかもしれない。
 あの勢いで書いていたら、この事実に気づかず、赤っ恥をかいていただろう。実際、この記事を書き始めた時は、この記事の最後は『ほぼ20日間も引き延ばした「その2」であるが、新たな記事(文章)はごくわずかである。「力尽きて、その2に続く」としたが、根性を出して書き上げるべきだった』で締めるつもりだった。……根性なしで良かった(笑)

 でも、「連盟の主催する棋戦における出場者として一切の推薦をしません」という表現も不正確である。女流棋戦の主催は連盟ではなく、新聞社などのスポンサーなのだから。
コメント (6)
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