英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

新型コロナウイルスに関する疑問 その30「再生産数による接触8割減の理論」

2020-05-12 15:36:27 | 時事
(「その2」~「その14」までの記事はありません。今までにいろいろ書いてきましたし、書かずにきたものを含めると、このくらいにはなるだろうということで記事タイトルに付けています)

 ウイルスの感染力を示す指標に「再生産数」がある。
基本再生産数……ある感染症に対して、その感染症に対する免疫を持たない集団にその感染症を最初に持ち込んだ一人の感染者が、感染力を失うまでに(免疫の獲得もしくは死亡により)、何人に感染させるかを数値化した感染性の指標。
 病気の感染性が強いほど、患者が多くの人と接触するほど、感染症を有する期間が長いほど(今回のウイルスはこの期間が長いのが厄介)の基本再生産数が高くなり、感染が拡がりやすくなる。
実効再生産数……感染が拡がったことのない、もしくは全く免疫を持たない集団に感染が入り込んだ際の感染性を基本再生産数(R0)と呼ぶのに対し、その集団全員が必ずしも感受性ではない場合(感染が流行中である場合や、感染が拡がり、免疫を持つようになったひとが増えている段階やワクチン接種が拡がっている状況)での感染性の指標を実効再生産数(effective reproductive number: R)と呼びます。
R0とおなじく、R値が1未満であれば、感染は終息していく。
 (日本疫学会のサイトより引用、詳しくはこのページの項目3)

 この再生産数が2ならば、ひとりの感染者が2人に感染させる。さらに感染した2人がそれぞれ2人に感染させるので計4人に感染させる。感染者は倍倍に増えていく。
 再生産数が1ならば、現在の感染者数を維持していくことになり、1未満ならば終息していく。0.5ならば半減していくのでかなり急激に終息していく。

 今回の新型コロナウイルスの場合、基本再生産数は、1.4 から 6.49 (平均:3.28)であると言われている。今後の疫学調査結果により値が分かる可能性がある。
※その他の感染症のR0は、麻疹(はしか)が12~18,インフルエンザが2~3と言われている。

 ちなみに、2020年3月9日の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議による「新型コロナウイルス感染症対策の見解」においては、現在(3月9日)、の実効再生産数は、1程度で推移していると報告されている(3/11/2020掲載)。


 山中教授も再生産数を2.5として説明していた。
 この2.5の値は、“基本再生産数”なのか“実効再生産数”かは明言していなかったが、とにかく、ここ1か月の感染力を示しており、「他人との接触制限をしない場合は、2.5人に感染させる」と仮定していた。

 他人との接触を半分にすれば、感染の危険性も半分になり、感染させる人数も半分になり1.25になる。
 この数値を0.5にすればかなりの速度で終息に向かうことができる。
 0.5にするには接触機会を5分の1にすれば(8割減)よい。2.5×0.2=0.5。

 ちなみに、新規感染者のシミュレーショングラフでは、接触機会6割減(0.4倍)ならば新規感染者数は現状維持(グラフは横ばい状態)とされている。
 山中理論も2.5×0.4=1となり、合致する。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
わかりやすい解説ありがとうございます (安倍晴明)
2020-05-13 00:13:55
新規感染者のシミュレーショングラフでは、接触機会6割減(0.4倍)なら新規感染者数は 再生産数2.5×0.4=1となり、横ばいとなるというのは、わかりやすい解説です。ありがとうございます。
発熱や肺炎等のコロナが少しでも疑わしい症状のある人を徹底的にPCR検査して、再生産数2.5を1程度にできれば、1×0.4=0.4で、接触6割減でも早期に新規感染者数を抑えられることがわかります。接触8割減よりも少ない経済的損失で人的被害を抑えられる方法を選択しようとしてこなかった安倍政権の失敗は明白と思われます。
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安倍政権の多くの失敗 ()
2020-05-13 07:35:46
安倍晴明さん、こんにちは。

>わかりやすい解説です。ありがとうございます。

 いえいえ、山中教授の受け売りなので、お礼は山中教授にお願いします。

 政府の失策としては、
・クルーズ船の対応でのゴタゴタ。これにより、水際対策が疎かになった
・初期の頃、中国からの観光客を受け入れた
・さっぽろ雪まつりの開催を容認した
・K1開催を阻止しなかった
・民間や地方に丸投げの方針。世論の批判を受けて、休業要請&いきなりの休校要請
・緊急事態宣言における、政府と都道府県の主導権の曖昧さ。補償の遅れ
・アベノマスク
などが挙げられます。

 そして、PCR検査の実施の遅れ、少なさ。
 実施が少ないのは、医療崩壊の防止やベッド数の問題もありますが、PCR検査体制の不備を露見させたくない政府の意思があるのではと、勘繰りたくなります。
 2009年でしたか?新型インフルエンザの流行時に、PCR検査がなされたのですが、その当時、アメリカだったと思いますが、ドライブスルー方式を実施しており、その実施効率の良さが評価されていました。
 ドライブスルー方式はともかく、その時にPCR検査体制の充実を世界各国で図ってきたと思われます。しかし、日本はしなかった(←私の推測)。
 政府はその失策を浮き彫りにしたくない…そんな気がします。
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