英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

新型コロナウイルス その61「誤魔化しの“感染状況の4段階”」

2020-08-01 16:16:48 | 時事
(「その2」~「その14」までの記事はありません。今までにいろいろ書いてきましたし、書かずにきたものを含めると、このくらいにはなるだろうということで記事タイトルに付けています)


政府の分科会は感染状況を4つの段階に分け、状況が悪化する前に重症者数などの指標を踏まえ必要な対策を講じるべきだとする考え方をまとめた。
分科会(31日開催)の尾身会長は、感染者が増加する東京や大阪などは、医療提供体制への負荷が蓄積しつつある2段階目の「感染漸増段階」にあたるという認識を示した。
分科会のあと、西村経済再生担当大臣と尾身茂会長が記者会見し、新型コロナウイルスの感染状況を4つの段階に分け、必要な対策を検討していくとする考え方をまとめたことを明らかにした。

【分科会が示した4段階】
「感染ゼロ散発段階」……感染者が散発的に発生している状況
「感染漸増段階」……感染者が徐々に増加し、医療提供体制への負荷が蓄積しつつある状況
「感染急増段階」……感染者数が急増し、医療提供体制に支障が出ている状況
「感染爆発段階」……爆発的な感染拡大が起き、医療提供体制が機能不全に陥っている状況


《疑問点》
①最初の段階を“感染者が散発的に発生している”と定義しているが、散発的であるにせよ感染者が発生しているのに、“感染ゼロ散発段階”とわざわざ“ゼロ”をつけているのはおかしい
②第2段階から第4段階の段階判別要素に医療提供体制を加えている点に“作為的なもの”を感じる


★疑問②の“作為的なもの”について
 現在の感染拡大状況は、“非常事態宣言”が出されていた4月よりも拡大度は大きい(東京やその他都市部中心に、しかも全国的に、新たな感染者数が過去最高を更新か同程度の数値を示している)。
 その当時の尺度に当てはめると、“急増”か“爆発的な感染拡大”の手前と言える。
 なので、感染者の増加状況だけで判断すると少なくとも第3段階が該当する


 個人的には、「散髪段階」「漸増段階」「増加段階」「拡大段階」「爆発段階」の5段階としたい。これだと、現状は第4段階に相当する。

 それはさておき、
分科会(尾身会長)の巧妙なところは、段階判断の要素に“医療提供体制”を加えた点。
 
現在の医療提供体制は、重症患者がまだ少ないこと、以前より病床を増設されていることを考慮すると、「医療提供体制への負荷が蓄積しつつある状況」に該当する。
 よって、現状の東京都、大阪府に於いてさえ、「感染漸増段階」と言い張ることが可能になっている。とても、“漸増”とは言えないと思うが……


 この巧妙な画像(記事冒頭の画像)によって、《4段階のうち、現状はまだ第2段階じゃん》という印象を与え、《“Go To キャンペーン”も中止する段階ではない》と暗に主張しているのである。
 さらに、西村大臣と尾身会長が行った会見で、尾身氏が強い口調で
「(悪化の)予兆を早く見つけて、見つかったら、すぐに今の段階よりも強い対策を打ってもらいたい」と力説していた。
 非常に建設的な意見に聞こえるが、
“悪化の予兆を見つけて(見つかったら)”……現段階の状況はまだ緊迫していない
“今の段階よりも強い対策を採ってもらいたい”……現状は今の予防策でよいと暗示(しかも、強い対策とは具体的にはどのようなものなのか…もしかしたら、会見で述べているかもしれないが)。
  “採ってもらいたい”という表現も他人任せ。対策を決める権限はないが、具体策を提言するのが分科会の役目であろう。


 かなり、ごまかしの多い会見に思えるが、都道府県の首長は、既にひっ迫感を持っているので、あの会見をきっかけとして、飲食店などへの休業や時短要請へ動き始めた。

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