英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『Answer 警視庁検証捜査官』 第1話

2012-04-20 23:20:25 | ドラマ・映画
 「Answer(答え)」……どうも、タイトルがしっくりきません。無理やり奇をてらっていると言うか……

 番組サイトのイントロダクションで
検証捜査官…自白誘導・誤認逮捕・冤罪など未然に防ぐため、送検する事件の捜査を「検証」する役割を担う
 とあり、

「送致書の中の小さな疑問から新事実を見つけだし、解決したはずの事件をひっくり返し、その裏に隠された本当の“答え”を見つけてしまう。
 たとえそれが悲劇をもたらす事実だとしても、人間の醜悪な心をさらけ出すものだとしても、彼女たちは追い続ける。今までの答えを覆す、もうひとつの答えを。
 なぜならそれが、正しいアンサーだから。」


 と、ビシッと決めているが、無理やり「答え(Answer)」にしなくても、「真実」でいいんじゃない?と、ひねくれて考えてしまう。
 それに、上記の「人間の醜悪な心をさらけ出すものだとしても」というのは、普通の捜査も、そうなのでは?


 と、相変わらず「重箱の隅をつついて」いますが、なんだか検証捜査官の設定自体に違和感を感じてしまい、最初から懐疑的になってしまいました。


 では、ドラマを「検証」していきます。

①いきなり、主人公の新海晶(観月ありさ)が、署長としての誤認逮捕の謝罪会見で、捜査の問題点を暴露してしまう。この件は、本題の事件とは関係ないが、晶の正義感にあふれたキャラクターを表す分かりやすいエピソードである。
 さらに、この件によって、エリートで高い官職である主人公が、窓際の職務についているという状況説明になっている。
 しかし、あの記者会見での暴露を簡単にするような人物ならば、署長という地位に就く前に、騒動を起こしてしまうのではないだろうか?

②非常に多くの事件を検証する職務と考えられるが、たった4人で詳細に検証していくのは不可能。

③送致書に疑問を持ったのは、放火犯の河島(波岡一喜)が遠くに車を停めた点と、被害者・塚田(並木史朗)が逃げずに焼死した点だが、再捜査する根拠としては弱い。

④捜査会議で晶の誤字が揶揄されたが、番組サイトの登場人物の設定では「敵なしの成績で高校を卒業後、東大法学部に入学。在学中に国家公務員Ⅰ種試験に合格しキャリアとして警察庁に入庁する」だそうだが……。
 それにしても「敵なしの成績で高校を卒業後」という表現も凄い(笑)。

⑤川島の元妻・雪実(小沢真珠)への事情聴取で、離婚の原因(会社の経営不振の借金と浮気)を話すが、そこまで明かすのなら、「子どもが病気なのに」と話すのが自然のように感じるが、私の思い込みかもしれない。重病すぎるせいかもしれない。
 ただ、この妻、事件解明後、「バカな人。そんなことに巻き込まれて」「(主人のやったことは)許されることじゃありません」「手術費用は私が何年経ってでも返します。この子が胸を張って生きられるように」って、心の中ではどう思っているか分からないけれど、浮気や離婚の真相など、元亭主の事を全く理解していなかったし、今回の事件も、子どもを助けたいという一心で起こしたことなのに、あんまりなんじゃない?

⑥被害者の妻・綾乃(高岡早紀)を追求する際、「この計画殺人を成功させるには、実行犯は川島ひとりに任せた方が、捜査をかく乱できたはずなんです。でも、あなたはそうはせずに、現場にまで出向いて、やけどを負うまで逃げようとしなかった。それは、ご主人が苦しむ姿を見たかったからなんじゃないですか」
 この、妻の心情は理解できるような気がするが、この論理はおかしい。空き工場を焼失した保険金詐欺の社長が、こんなリスクを追うはずはないし、川島も殺人は拒むであろう。現場に被害者を閉じ込める役は綾乃しかいない。

 かなり、残念な出来でした。
 もう一回だけ観てみようと思いますが、時間的余裕がないので観ないかもしれません。


【ストーリー】(番組サイトより)
郊外の警察署で誤認逮捕が明るみとなり、若き女性署長・新海晶(観月ありさ)の謝罪会見が行われた。型通りの原稿を読む晶。しかし、突然晶は「個人的な見解を」と口火を切り、強引な自白誘導があったことを暴露してしまう。女性署長の“内部告発”に世間は賛否両論。捜査一課長・武邑(田山涼成)と首席管理官・有富(風見しんご)は晶を署長に抜てきした警察庁長官官房教養担当主任・東出(遠藤憲一)の前で怒りも露に。「警視庁管内で仕事はさせられない」と人事権のある東出に詰め寄るが、東出にはある目論見があり…。

 結局、晶は警視庁捜査一課“検証捜査係”担当の管理官へと異動になった。
 容疑者逮捕から、検察が事件を起訴するまでの限られた時間の中で事件を再検証、現場の捜査官の暴走による冤罪を未然に防ぐという重要な任務を与えられている検証捜査係だったが、実際は送致書(捜査報告書)の誤字脱字を直して『検証済』のハンコを押し、検察へ送るだけ。係長の漢字マニア・薄井(松重豊)をはじめ、ベテラン刑事だった小暮(片岡鶴太郎)、そして若手の長谷部(五十嵐隼士)が送致書の“文字直し”を終えて夕方5時には帰宅する、という日々を送っていた。
 そんな検証捜査係へ突然やってきた晶を、3人はポカーンと見つめるだけ。いつも通りさっさと帰ってしまった小暮と薄井をよそに、晶は放火事件の送致書をチェックすると、嫌がる長谷部を連れて現場へと出かけるという。

 送致書によると、容疑者の河島(波岡一喜)は、会社経営に行き詰まり、それが原因で妻の雪実(小沢真珠)と離婚。ムシャクシャしてどこでもいいから燃やしてやろうと、不動産業者・峰岸(モト冬樹)が管理している空き家となっていた工場に火をつけたが、中から身元不明の焼死体が発見された。間もなく報道を見た被害者の妻・綾乃(高岡早紀)の問合せで身元は数日前から行方不明になっていた塚田(並木史朗)と判明するが、捜査一課強行犯係担当の管理官・永友(田辺誠一)らの捜査では河島と塚田の接点は見当たらず、河島は「過失致死」で逮捕されたのだった。しかし、現場を調べた晶は「どこでもよかった」という河島の自白に疑問を抱く。

 「河島には殺意があったのではないか」と、小暮ら検証捜査係のメンバーを集めて事件を「検証」しようとする晶。一課の刑事が立証できなかった河島の殺意を自分たちが立証するのか、と笑う小暮だったが、あくまでも真剣な晶に次第に動かされていく。それぞれに捜査を開始する検証捜査係。やがて小さな疑問が、単なる放火事件を意外な方向へと導いていく…。

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