刑事モノとしては、特に『相棒』としてはイマイチだった。犯人が初めから絞られていたので、動機、犯行現場など犯行の検証的なもので、推理としては物足りなかった。あとは冒頭で検視官の見逃しを指摘したことが右京さんの見せ場と言えば、見せ場か。
最もがっかりしたのは、最先端の研究をしている教授・栗田にしては、浅はかな犯行だったこと。
研究が海外に流出するのは避けたいという事情は理解できる。しかし、それでパートナーの教授を殺してしまう。そして、その犯行で自分が捕まってしまうという危険性を考えなかったのだろうか?
さらに、右京たちをも硫化水素で殺そうとしてしまう。もはや、硫化水素を使うことによって、他の者をも巻き込んでしまう危険性を考えることはできなかった。だいたい、硫化水素で二人を殺したら、滅茶苦茶怪しまれるだろう。
粟田は以前、青潮の対策を研究していたが、青潮で青潮を制すといったものだった。そういった発想をする栗田であったが、自らの浅はかな行為が、バクテクロリスの発生する硫化水素で、バクテクロリスを全滅させることになってしまった。まさにバクテクロリスでバクテクロリスを制してしまったのだ。この皮肉さを脚本家は描きたかったんだろうなあ。
さらに、栗田は「俄か科学は目的を見失う」というのを戒めにしていたが、栗田は知らず知らずのうちに逸脱していた。彼の最終目的は「バクテオイル(バクテクロリスによって得られるオイル)で世界中を豊かにする」が、「日本の技術で」というのが第一になっていた。
国会議員にツテがあるのなら、何とかならなかったのかな?
あんなに執着しているバクテクロリスを提出するのは変だなあと思ったら、その提出されたバクテクロリスが希望の種となるという結末に繋がるという伏線だったが、ちょっと、都合がいいような気がする。
という訳で、事件に関しては不満が残るストーリーだった。
それに対して、『相棒』のメンバーたちの掛け合いが面白かった
伊丹「どう言うつもりで我々の聴取を妨害するんです?」
右京「これは失礼、では責任を取って、聴取してまいりましょう」
伊丹「うん(うなづく)。ん?(首を捻る)」
伊丹「あのねえ」(尊に迫る)
尊「じゃあ僕も責任をとって」(逃げる)
伊丹、米沢ににじり寄る。
米沢「持ち場に戻らないとねえ、失礼」
伊丹、三浦に迫るが、憤まんをぶつけられない。
三浦さんは、うまく伊丹をリードしているなあ。捜査中止を命じられ、憤る伊丹に資料を見せ、捜査続行を促すシーン、かっこいい!
右京「おや、こんなに遅くまでどうしました?」
米沢「杉下警部に頼まれていたことを調べていました」
ムッとしながら答える米沢さん、これだけムッとした米沢さんは珍しい。その後も、こき使われる米沢さんは気の毒。
右京「おや、もうお帰りですか?こんなに早く」
米沢「ええ、昨日夜勤を代わったんで、今日はもう(帰宅)」
右京「では、今日はもう時間がたっぷりある」
米沢「はい?」………
右京「栗田教授の毛髪です」
米沢「お預かりします」
右京「どれくらいかかりますか?」
米沢「お急ぎでしょうか?」
右京「出来れば、朝までには」
米沢「ということは、必然的にまた、徹夜ですな」
右京「ほんとに、どうもありがとう」(機械的な言い回し)
米沢さん、『相棒』(鑑識ではない)を辞めちゃわないか心配
部長「無駄に察しの良いお前なら、何故、呼ばれたか分かるな」
右京「武井久美子議員は、元警察官僚でしたねえ」
部長「そんな話はしていない」
右京「そんなところから、抗議でもあったのかと」
………
…
右京「申し訳ありません」
参事官「謝るんだったら、最初から」
右京「いえ、ちょっと失礼いたします」
携帯を見せ、廊下に行く。
いい度胸というか、まったく、意に介していないですね。
【ストーリー】(番組サイトより)
大学の微生物学研究室で、教授の高松肇(酒向芳)が遺体で発見された。高松教授は、「バクテクロリス」という細菌から重油とほぼ同じ成分を作りだす画期的な研究を進めていた。
当初は病死と思われたが、遺体の臭いに疑問を抱いた右京(水谷豊)がにらんだ通り、硫化水素の吸引による窒息死であることが判明。
共同研究者の栗田(利重剛)によると、高松教授なら高濃度の硫化水素を作りだすことも可能だというが、現場の研究室に硫化水素の痕跡はなかった。
栗田は、「高松教授は資金集めがうまくいかないこと苦にして自殺したのではないか」、というが、研究室の職員によると、高松のもとには資金提供や共同研究の申し出が相次いでいたという。そのことをたずねられた栗田は、高松教授がその申し出を断っていたと話す。なぜ資金難の中、資金提供の話を断っていたのか?
高松教授が死んだのは事故なのか、自殺か、それとも殺されたのか!?
ゲスト:利重剛
▲脚本・監督
脚本:櫻井武晴 監督:安養寺工
最もがっかりしたのは、最先端の研究をしている教授・栗田にしては、浅はかな犯行だったこと。
研究が海外に流出するのは避けたいという事情は理解できる。しかし、それでパートナーの教授を殺してしまう。そして、その犯行で自分が捕まってしまうという危険性を考えなかったのだろうか?
さらに、右京たちをも硫化水素で殺そうとしてしまう。もはや、硫化水素を使うことによって、他の者をも巻き込んでしまう危険性を考えることはできなかった。だいたい、硫化水素で二人を殺したら、滅茶苦茶怪しまれるだろう。
粟田は以前、青潮の対策を研究していたが、青潮で青潮を制すといったものだった。そういった発想をする栗田であったが、自らの浅はかな行為が、バクテクロリスの発生する硫化水素で、バクテクロリスを全滅させることになってしまった。まさにバクテクロリスでバクテクロリスを制してしまったのだ。この皮肉さを脚本家は描きたかったんだろうなあ。
さらに、栗田は「俄か科学は目的を見失う」というのを戒めにしていたが、栗田は知らず知らずのうちに逸脱していた。彼の最終目的は「バクテオイル(バクテクロリスによって得られるオイル)で世界中を豊かにする」が、「日本の技術で」というのが第一になっていた。
国会議員にツテがあるのなら、何とかならなかったのかな?
あんなに執着しているバクテクロリスを提出するのは変だなあと思ったら、その提出されたバクテクロリスが希望の種となるという結末に繋がるという伏線だったが、ちょっと、都合がいいような気がする。
という訳で、事件に関しては不満が残るストーリーだった。
それに対して、『相棒』のメンバーたちの掛け合いが面白かった
伊丹「どう言うつもりで我々の聴取を妨害するんです?」
右京「これは失礼、では責任を取って、聴取してまいりましょう」
伊丹「うん(うなづく)。ん?(首を捻る)」
伊丹「あのねえ」(尊に迫る)
尊「じゃあ僕も責任をとって」(逃げる)
伊丹、米沢ににじり寄る。
米沢「持ち場に戻らないとねえ、失礼」
伊丹、三浦に迫るが、憤まんをぶつけられない。
三浦さんは、うまく伊丹をリードしているなあ。捜査中止を命じられ、憤る伊丹に資料を見せ、捜査続行を促すシーン、かっこいい!
右京「おや、こんなに遅くまでどうしました?」
米沢「杉下警部に頼まれていたことを調べていました」
ムッとしながら答える米沢さん、これだけムッとした米沢さんは珍しい。その後も、こき使われる米沢さんは気の毒。
右京「おや、もうお帰りですか?こんなに早く」
米沢「ええ、昨日夜勤を代わったんで、今日はもう(帰宅)」
右京「では、今日はもう時間がたっぷりある」
米沢「はい?」………
右京「栗田教授の毛髪です」
米沢「お預かりします」
右京「どれくらいかかりますか?」
米沢「お急ぎでしょうか?」
右京「出来れば、朝までには」
米沢「ということは、必然的にまた、徹夜ですな」
右京「ほんとに、どうもありがとう」(機械的な言い回し)
米沢さん、『相棒』(鑑識ではない)を辞めちゃわないか心配
部長「無駄に察しの良いお前なら、何故、呼ばれたか分かるな」
右京「武井久美子議員は、元警察官僚でしたねえ」
部長「そんな話はしていない」
右京「そんなところから、抗議でもあったのかと」
………
…
右京「申し訳ありません」
参事官「謝るんだったら、最初から」
右京「いえ、ちょっと失礼いたします」
携帯を見せ、廊下に行く。
いい度胸というか、まったく、意に介していないですね。
【ストーリー】(番組サイトより)
大学の微生物学研究室で、教授の高松肇(酒向芳)が遺体で発見された。高松教授は、「バクテクロリス」という細菌から重油とほぼ同じ成分を作りだす画期的な研究を進めていた。
当初は病死と思われたが、遺体の臭いに疑問を抱いた右京(水谷豊)がにらんだ通り、硫化水素の吸引による窒息死であることが判明。
共同研究者の栗田(利重剛)によると、高松教授なら高濃度の硫化水素を作りだすことも可能だというが、現場の研究室に硫化水素の痕跡はなかった。
栗田は、「高松教授は資金集めがうまくいかないこと苦にして自殺したのではないか」、というが、研究室の職員によると、高松のもとには資金提供や共同研究の申し出が相次いでいたという。そのことをたずねられた栗田は、高松教授がその申し出を断っていたと話す。なぜ資金難の中、資金提供の話を断っていたのか?
高松教授が死んだのは事故なのか、自殺か、それとも殺されたのか!?
ゲスト:利重剛
▲脚本・監督
脚本:櫻井武晴 監督:安養寺工
硫化水素は悪臭がするので、完全犯罪には使いにくいと思うのですが…。
>硫化水素は悪臭がするので、完全犯罪には使いにくいと思うのですが…
そうなんですか。計画を変更せねば(笑)。