このドラマ、取り上げるのは先週で終わりにしようと思ったのですが、今回は非常に強烈だったので、書かずにはいられませんでした。
今回のポイント
①純情男子3人組の誤った友情
②ひどい女
③後味の悪さ…情けない主人公
①バラバラだった天文学部に学園のマドンナで優等生の四之宮真紀(篠原真衣)が入部して、彼女を中心に、火浦忠広(遠藤雄弥)、水木丈太郎(金井勇太)、風間進(北条隆博)
は甘酸っぱい青春の日々を過ごしていた。
では、彼女の存在がなかったら、彼らに友情は生まれなかったのかと、ちょっと意地悪なことを思ってしまった。
時間に余裕があれば、仲良し3人組が彼女の出現により微妙な関係になり、一波乱後、堅い友情で結ばれるという流れもあったかもしれないが、それが主眼でないので、そこまで求めるのは無理だろう。
彼女が顧問教師の朝倉聡(中野英樹)に襲われたと知り、激昂し殺害、死体を埋めてしまう。その秘密を共有することによって、卒業後も友情で結ばれていた。もしかしたら、それがなくても、友情が続いていたかもしれないが、きっかけが彼女だとすると、そうは思えない(まあ、そんなことはどうでもいいのですが)。
ただ、罪悪感によって、夢を手放してしまった3人組、それとは対照的に、ニュースキャスターの夢を実現した彼女。その彼女を守ったという満足感が、彼らのよりどころだったのだろう。
しかし、真実は顧問教師が彼女を襲ったのは嘘で、万引きをしたのを顧問の教師に正されようとして、そのことを内密にしようと体を差し出したが、拒否され叱られた。切羽詰まった彼女は、教師に襲われたと嘘をついた。
その際、3人組からプレゼントされたペンダントも引きちぎって捨ててしまった。
悲しいことに、彼女にとっては友情ごっこだったのだ。
……あやふやな友情と、偽られた友情ごっこだった。
②保身のため、身体を売り、嘘をつく。
しかも、ペンダントを引きちぎったことを考えると、天文部での日々も、彼女にとっては単なる息抜きで、偽りだった。中学時代は純情だったが、世間に出てスレテしまったのではなかった。
彼らの犯罪も、純情な彼女を守ったというのなら救われるが、本当にくだらない嘘に起因したものだった。……救われない。
もっと救われないのは、命を奪われてしまった教師。そして、その家族。
あれだけいい先生だったら、失踪事件で済まないのではないだろうか。最後に会ったのが、天文学部の生徒だったのなら、もっと追及されるだろうし。(まあ、1時間枠だから見逃しましょう)
それにしても、ひどい女だ。
くだらない嘘で、ひとりの人間の命がなくなり、3人の人生が台無しになってしまった。にもかかわらず、
「私は悪くない。自分を守るために嘘をつくなんて誰だってすることじゃないですか。先生を殺したのは、あの人が勝手にやったことです。」
と開き直り。
さらに、「3人はあなたにとって、大切な友達だったんですよね」という桜木の問いに対して、
「今は、赤の他人です」
と、桜木の手を振り払い去っていく。
……ひどい女だ。
後味の悪い話だった。
この後味の悪さは、四之宮の最低ぶりだけではなく、手を振り払われ去っていく彼女に対して、桜木が呆然と見送るだけだったこと。
「自分を守るために嘘をつくなんて誰だってすることじゃないですか」
「嘘をつくことは自分を偽ることになる。そんな嘘で固めた人生なんて何の価値もない。しかも、あなたの「自分を守る」嘘によって、ひとりの人間が命を失い、3人の人生を台無しにした。法では捌かれないけれど、あなたはその重い罪を一生背負って生きなければいけないのよ」
ぐらい言い返したれ!
室長にぼやいて、慰めてもらうだけなんて、情けないぞ!
後味の悪さは、ドラマのシリアスさを出そうとしたのかもしれないが、後味悪過ぎ。
その他の疑問として
④7月25日の日誌の謎
日誌をコピーしてまで、天文部の思い出を大切にしたかった日浦だが、7月25日の日誌のコピーだけはなかった。
この日は、四之宮の誕生日で、彼女に3人でプレゼントを渡し、彼女を3人で守るという誓いをした日。
確かに3人で「彼女を守るという誓い」は隠ぺいには邪魔かもしれないが、かたくなに隠すほどのものではないし、遺体と一緒に出てきたペンダントのことを伏せたかったということも考えられるが、被害者が自らペンダントをポケットにしまったので、知らなかったと考えられる。
それよりも、彼にとってはその日は特別で大切な思い出で、その大切な日の日誌のコピーがないのはおかしい。
④の2 7月25日の日誌の謎の2
桜木がふと眼をやった机の中に日誌が覗いていたって、おい!と突っ込みたくなるような都合のよさ。
その机、物置代わりに使われている部室、たぶん他の教室の不要な机なのでは?その机の中に、その時の日誌(かなり薄かった)だけがあるのは……
あと、気になるのは
⑤事件後の彼らの学校生活
殺人を犯し、隠ぺいした後、彼らの学校生活はどうだったのだろう?
少なくとも、日誌を書く心境にはなれなかったはず。桜木の捜査は、8月以降の日誌には何も触れなかったが、気になる。
印象度は抜群の話でした。
【番組サイト あらすじ】
4係に送付主不明の荷物が届いた。桜木泉(上戸彩)が開けると、そこには人骨が。検査の結果、人骨は11年前に捜索願が出されていた中学校教師で天文学部の顧問をしていた朝倉聡(中野英樹)で、死亡時期が失踪と同時期であること、骨に土が附着していたことから土に埋められていたことがわかった。
4係は最後に朝倉を目撃した天文学部の4人の生徒を訪ねるが、水木丈太郎(金井勇太)、風間進(北条隆博)、四之宮真紀(篠原真衣)は朝倉の死にも、かつての仲間にも興味を示さない。
一方、泉と倉田工(杉本哲太)が訪ねた火浦忠広(遠藤雄弥)は、マンションから転落した直後だった。意識不明の火浦だが、指紋から荷物の送り主であることがわかった。朝倉殺害に関わっている可能性があると、火浦の自宅から証拠品を押収。すると、天文部への思い入れの深さがうかがえる部員4人で写っている写真や日誌のコピーなどが出てきた。
しかし、朝倉や火浦の件で警察に呼ばれた水木と風間は顔を合わせてもろくに会話もしない。泉は2人の様子に寂しさを感じつつ、天文部の日誌をチェックする。
朝倉が埋められていた穴が発見され、残りの骨や衣類のほかにネックレスがみつかった。ネックレスが隕石アクセサリーであるとわかると、高峰涼子(山口紗弥加)は何かに気付き押収品を調べ始める。また、火浦のパソコンを調べた結果、火浦のブログにはプロキオンとベテルギウスと名乗る人物からのコメントが多いことと、転落する2日前にプラネタリウムで待ち合わせを示す記事が残っていた。プラネタリウムの防犯カメラには、火浦と水木と風間が会っていて、水木が火浦につかみかかっている映像が映っていた。
改めて警察に呼ばれた水木と風間は、それぞれ朝倉殺害と火浦を突き落としたことを認めるが、それぞれ単独犯であると言い切る。一方、天文部の写真から隕石アクセサリーが真紀のものだとわかった高峰は、事情を聞くが、真紀は関連を一切認めない。
天文部の7月25日の日誌だけが抜けていることに気付いた泉は、中学校を訪ねて原本をみつける。同じ頃、意識を取り戻した火浦が「死んで罪をつぐないます」という書置きを残して病院から姿を消した。そのことを水木と風間に告げると、2人は11年前に朝倉が3人のマドンナ的存在であった真紀を襲い、それを助けようとした3人がもみ合いになったはずみで殺してしまったことを自供した。自首しなかったのは犯罪が明るみになることで真紀を傷つけないよう3人で決めたことで、プラネタリウムでの一件は、火浦が今になって自首を申し出たことからの起きたことだった。
火浦が1人で罪をかぶろうとしていることを察し、火浦を助けて欲しいと涙ながらに訴える水木と風間。倉田工から火浦がいなくなったと連絡を受けた泉は、中学校の屋上で飛び降りようとしている火浦を発見。水木や風間がすべてを話したことを告げ、なんとか火浦を止めた泉。
火浦は、最近になって朝倉とのやりとりは万引きを親に話されることを恐れた真紀がついたウソだったことを知り、それを水木と風間に言えなかったと泣き崩れた。 泉は真紀に3人の逮捕と、最後まで真紀を守ろうとしていたことを告げる。
しかし、「私は悪くない」と言い張り、3人を赤の他人だと言う真紀の言葉にやりきれない思いを抱える。
今回のポイント
①純情男子3人組の誤った友情
②ひどい女
③後味の悪さ…情けない主人公
①バラバラだった天文学部に学園のマドンナで優等生の四之宮真紀(篠原真衣)が入部して、彼女を中心に、火浦忠広(遠藤雄弥)、水木丈太郎(金井勇太)、風間進(北条隆博)
は甘酸っぱい青春の日々を過ごしていた。
では、彼女の存在がなかったら、彼らに友情は生まれなかったのかと、ちょっと意地悪なことを思ってしまった。
時間に余裕があれば、仲良し3人組が彼女の出現により微妙な関係になり、一波乱後、堅い友情で結ばれるという流れもあったかもしれないが、それが主眼でないので、そこまで求めるのは無理だろう。
彼女が顧問教師の朝倉聡(中野英樹)に襲われたと知り、激昂し殺害、死体を埋めてしまう。その秘密を共有することによって、卒業後も友情で結ばれていた。もしかしたら、それがなくても、友情が続いていたかもしれないが、きっかけが彼女だとすると、そうは思えない(まあ、そんなことはどうでもいいのですが)。
ただ、罪悪感によって、夢を手放してしまった3人組、それとは対照的に、ニュースキャスターの夢を実現した彼女。その彼女を守ったという満足感が、彼らのよりどころだったのだろう。
しかし、真実は顧問教師が彼女を襲ったのは嘘で、万引きをしたのを顧問の教師に正されようとして、そのことを内密にしようと体を差し出したが、拒否され叱られた。切羽詰まった彼女は、教師に襲われたと嘘をついた。
その際、3人組からプレゼントされたペンダントも引きちぎって捨ててしまった。
悲しいことに、彼女にとっては友情ごっこだったのだ。
……あやふやな友情と、偽られた友情ごっこだった。
②保身のため、身体を売り、嘘をつく。
しかも、ペンダントを引きちぎったことを考えると、天文部での日々も、彼女にとっては単なる息抜きで、偽りだった。中学時代は純情だったが、世間に出てスレテしまったのではなかった。
彼らの犯罪も、純情な彼女を守ったというのなら救われるが、本当にくだらない嘘に起因したものだった。……救われない。
もっと救われないのは、命を奪われてしまった教師。そして、その家族。
あれだけいい先生だったら、失踪事件で済まないのではないだろうか。最後に会ったのが、天文学部の生徒だったのなら、もっと追及されるだろうし。(まあ、1時間枠だから見逃しましょう)
それにしても、ひどい女だ。
くだらない嘘で、ひとりの人間の命がなくなり、3人の人生が台無しになってしまった。にもかかわらず、
「私は悪くない。自分を守るために嘘をつくなんて誰だってすることじゃないですか。先生を殺したのは、あの人が勝手にやったことです。」
と開き直り。
さらに、「3人はあなたにとって、大切な友達だったんですよね」という桜木の問いに対して、
「今は、赤の他人です」
と、桜木の手を振り払い去っていく。
……ひどい女だ。
後味の悪い話だった。
この後味の悪さは、四之宮の最低ぶりだけではなく、手を振り払われ去っていく彼女に対して、桜木が呆然と見送るだけだったこと。
「自分を守るために嘘をつくなんて誰だってすることじゃないですか」
「嘘をつくことは自分を偽ることになる。そんな嘘で固めた人生なんて何の価値もない。しかも、あなたの「自分を守る」嘘によって、ひとりの人間が命を失い、3人の人生を台無しにした。法では捌かれないけれど、あなたはその重い罪を一生背負って生きなければいけないのよ」
ぐらい言い返したれ!
室長にぼやいて、慰めてもらうだけなんて、情けないぞ!
後味の悪さは、ドラマのシリアスさを出そうとしたのかもしれないが、後味悪過ぎ。
その他の疑問として
④7月25日の日誌の謎
日誌をコピーしてまで、天文部の思い出を大切にしたかった日浦だが、7月25日の日誌のコピーだけはなかった。
この日は、四之宮の誕生日で、彼女に3人でプレゼントを渡し、彼女を3人で守るという誓いをした日。
確かに3人で「彼女を守るという誓い」は隠ぺいには邪魔かもしれないが、かたくなに隠すほどのものではないし、遺体と一緒に出てきたペンダントのことを伏せたかったということも考えられるが、被害者が自らペンダントをポケットにしまったので、知らなかったと考えられる。
それよりも、彼にとってはその日は特別で大切な思い出で、その大切な日の日誌のコピーがないのはおかしい。
④の2 7月25日の日誌の謎の2
桜木がふと眼をやった机の中に日誌が覗いていたって、おい!と突っ込みたくなるような都合のよさ。
その机、物置代わりに使われている部室、たぶん他の教室の不要な机なのでは?その机の中に、その時の日誌(かなり薄かった)だけがあるのは……
あと、気になるのは
⑤事件後の彼らの学校生活
殺人を犯し、隠ぺいした後、彼らの学校生活はどうだったのだろう?
少なくとも、日誌を書く心境にはなれなかったはず。桜木の捜査は、8月以降の日誌には何も触れなかったが、気になる。
印象度は抜群の話でした。
【番組サイト あらすじ】
4係に送付主不明の荷物が届いた。桜木泉(上戸彩)が開けると、そこには人骨が。検査の結果、人骨は11年前に捜索願が出されていた中学校教師で天文学部の顧問をしていた朝倉聡(中野英樹)で、死亡時期が失踪と同時期であること、骨に土が附着していたことから土に埋められていたことがわかった。
4係は最後に朝倉を目撃した天文学部の4人の生徒を訪ねるが、水木丈太郎(金井勇太)、風間進(北条隆博)、四之宮真紀(篠原真衣)は朝倉の死にも、かつての仲間にも興味を示さない。
一方、泉と倉田工(杉本哲太)が訪ねた火浦忠広(遠藤雄弥)は、マンションから転落した直後だった。意識不明の火浦だが、指紋から荷物の送り主であることがわかった。朝倉殺害に関わっている可能性があると、火浦の自宅から証拠品を押収。すると、天文部への思い入れの深さがうかがえる部員4人で写っている写真や日誌のコピーなどが出てきた。
しかし、朝倉や火浦の件で警察に呼ばれた水木と風間は顔を合わせてもろくに会話もしない。泉は2人の様子に寂しさを感じつつ、天文部の日誌をチェックする。
朝倉が埋められていた穴が発見され、残りの骨や衣類のほかにネックレスがみつかった。ネックレスが隕石アクセサリーであるとわかると、高峰涼子(山口紗弥加)は何かに気付き押収品を調べ始める。また、火浦のパソコンを調べた結果、火浦のブログにはプロキオンとベテルギウスと名乗る人物からのコメントが多いことと、転落する2日前にプラネタリウムで待ち合わせを示す記事が残っていた。プラネタリウムの防犯カメラには、火浦と水木と風間が会っていて、水木が火浦につかみかかっている映像が映っていた。
改めて警察に呼ばれた水木と風間は、それぞれ朝倉殺害と火浦を突き落としたことを認めるが、それぞれ単独犯であると言い切る。一方、天文部の写真から隕石アクセサリーが真紀のものだとわかった高峰は、事情を聞くが、真紀は関連を一切認めない。
天文部の7月25日の日誌だけが抜けていることに気付いた泉は、中学校を訪ねて原本をみつける。同じ頃、意識を取り戻した火浦が「死んで罪をつぐないます」という書置きを残して病院から姿を消した。そのことを水木と風間に告げると、2人は11年前に朝倉が3人のマドンナ的存在であった真紀を襲い、それを助けようとした3人がもみ合いになったはずみで殺してしまったことを自供した。自首しなかったのは犯罪が明るみになることで真紀を傷つけないよう3人で決めたことで、プラネタリウムでの一件は、火浦が今になって自首を申し出たことからの起きたことだった。
火浦が1人で罪をかぶろうとしていることを察し、火浦を助けて欲しいと涙ながらに訴える水木と風間。倉田工から火浦がいなくなったと連絡を受けた泉は、中学校の屋上で飛び降りようとしている火浦を発見。水木や風間がすべてを話したことを告げ、なんとか火浦を止めた泉。
火浦は、最近になって朝倉とのやりとりは万引きを親に話されることを恐れた真紀がついたウソだったことを知り、それを水木と風間に言えなかったと泣き崩れた。 泉は真紀に3人の逮捕と、最後まで真紀を守ろうとしていたことを告げる。
しかし、「私は悪くない」と言い張り、3人を赤の他人だと言う真紀の言葉にやりきれない思いを抱える。
深いですね。しかも、シリーズを通しての構成とは、恐れ入ります。そこまで、深いと納得とも思いましたが、ちょっとだけ抵抗。いえ、そんな意地悪なものではなく、かみしろさんの脚本も大いに認めた上での、私の考えだとご理解下さい。
自殺するという行為は、他人が推し量れないほどのものを抱えた上での行為(結論)なので、簡単に否定するものではないかもしれませんが、事件関係者4人がすべてその行為に至るというのは、ドラマの公共性、影響力を考えると、私は否定的にならざるを得ません。
青臭いと思われるかもしれませんが、そう考えたいです。
それと、4人がすべて自殺に至る…そこまで、人間は弱くないんじゃないかなという希望的観測もあります。
あと、これはかみしろさんとは離れてしまいますが、今回の事件で主人公・桜木はかなりへこみますし、ひどい女に対して反論できない弱さ(ヘナチョコぶり)を見せました。
それが、今後、事件を経るにしたがって、成長していくのではないかと予想されますが、1話完結の形式を取っている以上、あの女に天誅を加えないと完結しません(たぶん、あの女はもう登場しないので)。
私は単純・感情型の視聴者なのです。(少し前にNHKがやっていた『外事警察』は重過ぎてみるのをやめました)
>この女生徒役を引き受けるのは勇気が必要だったろうなあ
これは、まったくの同感です。よく引き受けましたね。成人しキャスターになった役者さんも。
上のシナリオは、次の回に主人公が苦悩(全体の流れの中でテンション下げる、ための回。だれないようにためられるだけためる)、先輩や上司などの過去の挫折話、自分なりの答を見つけて主人公復活、というお決まりコンボにつなげるとかですね。
お決まりコンボを楽しませるには説得力がないといけないので、まずその導入回の、強引に悲惨すぎる結末にする過程にどう説得力を持たせるか、が本来脚本家の腕の見せ所だと思います。
普通に考えれば、年月が経ち大人になった男子には、事実を隠蔽という独善的な愛情友情ではなく事実を打ち明けるでしょうし、女性になった女生徒もそれを受け止めるでしょうから、これをみんな自殺の結末にするには、ちょっとした不運の積み重ね、ボタンの掛け違いなど、わざとらしさを感じさせないように細心の注意を払わねばなりません。
このように、ストーリーありきの場合細部を煮詰めないと、あざとい話になり、突っ込みどころ満載になってしまいます。
話変わって、この女生徒役を引き受けるのは勇気が必要だったろうなあ、と思います。
切ない話ですね。かみしろさん、脚本家になれるんじゃあないですか。
教師の死の真相は、その方が良いです。ただ、後半部分の実行者の自殺、さらに、共謀者の自殺や女性の自殺未遂は少し同意しにくいですが。(代替案は今のところ浮かびません。すみません)
多分、ドラマを観た多くの方は、「ひどい女」だと思い、「天誅を下してほしかった」と思い、「被害者の教師と3人組の悲惨さに、やるせなさ」を感じたことでしょう。
タイトルが「絶対零度」ですから、未解決事件による心や時間の停止(凍りつき)を強調したいのでしょうね。それが、今回の場合は「やるせなさ」「後味の悪さ」なのでしょう。
(かみしろさんの脚本の場合は「やるせなさ」「せつなさ」でしょうか)
現実にはもっとあるんですよね、憎まれっ子世にはばかるという事例は。
見ていないのですが、煮え切らない、カタルシスに欠けた話だったようですね。
この手の筋なら、悪人をつくらずに。
女生徒は普通に教師に恋をしていて、女生徒含めた顧問と部員の関係も良好に描いて、そうですねえ。
女生徒が意を決して告白するも懸命な教師によって断られ、そのショックで1週間程学校を休む。
その様子の一部を三人のうち一人が見かける。残りの二人にも話して、顧問と女生徒の間に起こったことを想像するが、この時点ではレイプは冗談程度にでてくるだけで、女生徒の顧問に対する好意を察して色々な意味でじたばたするだけ。
ところが女生徒が何日も登校しないことで疑念が強まり、勇気を出して三人で女生徒の家を訪ねるも部屋に閉じこもり誰にも会いたくないと言っている等と聞き、冗談が冗談でなくなってしまう。
部活動中に、当日女生徒との間になにがあったのかを三人は詰問するが、女生徒のことを思って本当のことを言うのを躊躇った顧問は口ごもり、それだけで完全に誤解した一人が顧問を殴り、打ち所が悪く殺してしまう。
我に返って自首しようとした加害者を、残った二人が押しとどめる。三人ともこの時は顧問が女生徒をレイプしていたと思い込んでいて、自首すればレイプまで公になる、天誅であるなど自分たちの行為を正当化する材料があった。また殴ったといっても一度だけで殺意がなかったこと、押しとどめた二人にも自首をすすめるべきかどうかの葛藤があったことを描写しておく。
隠蔽工作。
失恋から立ち直った女生徒から三人はレイプは全くの勘違いだったことを知る。
時間経過。
天文部員の友情は高校卒業後も続いたが、顧問を殴って殺してしまった者が自殺すると、自主を止めたことでそこまで追い詰めたのだと残りの二人も真剣に自殺を考え始める。
で、この辺りから話を始めて、主人公捜査開始。
殺人の線で捜査していくうちに、自殺を考えていた二人は、女生徒に事実を知られないように講師殺害の別のストーリーを描き、偽の証拠を幾つも残し、仲間割れを装って死んでいく。
なんやかんやで真相が明らかになり、残った女性も四人の死を背負いきれずに自殺を試み、未遂に終わるも精神病院に。
てな感じのパターンの話なら、どんな演技をするか見たいです。
ああいうひどい女もドラマ的には「あり」なのでしょう。
後味の悪さも、ドラマ的には「あり」なんでしょうね。
個人的には、手を振り払われ見送るだけの主人公のヘナチョコぶりに、欲求不満になりました。
この女ぁ!!ってひどい女でしたね。
あれじゃぁ殺人まで犯した3人(鈍器でなぐることはないと思うけど・・)も
万引きを注意してくれた優しいいい先生も・・かわいそう過ぎでした。