英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season17 第6話「ブラックパールの女」

2018-11-23 13:14:26 | ドラマ・映画
今回の脚本は山本むつみ氏
 先入観を持たないためにあらすじや脚本家が誰なのかは見ないで視聴しているが、途中から山本氏の脚本のような気がした。
 山本氏は私が勝手に認定している“要注意脚本家”のひとり(申し訳ありません)。

 山本氏については過去の記事で
「事件はカルト集団に取り込まれたサイバー課の谷崎の誘導による副総監襲撃ということのみでミステリー性は薄い」season16 第12話「暗数」
「薄っぺらでつまらないストーリー」season15 第11話「アンタッチャブル」
「人情的なドラマ性に重きを置いているようだが、今回はその部分が面白かっただけに、事件のミステリー度が低かったのが残念」season15 第4話「出来心」
「今回は面白かった。良かった」season14 第16話「右京の同級生」
「茶番さが充満」season13 第13話「人生最良の日」
「無理やりな世相設定、奇跡的偶然、理解困難な行動」season12 第15話「見知らぬ共犯者」
と評している。

 「アンタッチャブル」、「人生最良の日」、「見知らぬ共犯者」は非常に不満を感じた記憶がある。
 “社会派ドラマ的・心情的要素”に重点を置き、心情ドラマとしては面白いが、“ミステリー要素”は薄く、重点を置く心情的な要素も納得がいかないことが多いので、私の中の評価はかなり低い。(『遺留捜査』(2017・第4シリーズ)第8話、『八重の桜』でも低評価)


 さて、今回は“狡猾でしたたかな女詐欺師”(←番組サイトの表現)が登場
 “危うさをはらんだ拘禁中の連続殺人犯が特命係を翻弄”(←番組サイトの表現)が登場したらしい。

 確かに、遠峰小夜子(西田尚美)が特命係を誘導して、世界的なバイオ技術の研究者の風呂場での溺死の真相を暴かせた形にはなっているが、右京にとっては≪興味を持った事件の真相を追求し、犯罪を明らかにする≫といういつもの行動で、踊らされた感はない捜査も振り回されてもいない。
 もし、弁護士の連城(松尾諭)が特命係ではなく、伊丹たちに小夜子との面会を依頼したら、「何も不審な点はなかったぞ。ただの事故死だ」で終了してしまっただろう。

 小夜子が勝手に≪拘置所の中にいても人を思い通り動かせた≫と思い込んでいるだけにも思える
 このように多少≪ん?≫と思う点もあったが、心情ドラマとしては面白かった。

 この小夜子を演じたのは西田尚美さん。
 怪しげでしたたかな悪女振りはなかなかだった。
 この西田さんに関して私は、内村光良氏(ウッチャン)が主催?するNHKの『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』での“独自の世界観を持つ自己中心的でとぼけた味のある奇妙な女性”がだぶって見えてしまう。
 特に、「あの二人、使える 」とほくそ笑む姿は『LIFE!』そのものだった。

“相貌認識能力”(一度顔を見た人は忘れない)を強力な彼女の特殊能力と扱っていたが、それよりも、やはり人間観察力や話術などの“たらしこみ力”が強力だったのだろう。
 そういえば、脚本の山本氏はseason16 第9話「目撃しない女」では、「相貌失認」という認知機能障害を取り上げていた(今回の“相貌認識能力”とは対照的な症状)。
 
 ミステリー的には突っ込み処が多かった
・浴槽の点検口の蓋のズレやPCの履歴や手袋など殺害の痕跡を放置しすぎ
・長年の夫婦生活で鬱積した不満は他人にはわからず、それが他の女性へのネックレスの贈り物発覚で殺意に及ぶかどうかは判断できないが、問いたださず殺害に走るのは疑問
・賄賂性の高いブラックパールを大っぴらに身に着けるものなのだろうか?


 それはともかく、右京が冠城に「彼女にはうかつに近づかないように」「彼女は危険です」と忠告していたが、今後、冠城が特命係を去る予兆か?
 

第1話「ボディ」第2話「ボディ ~二重の罠」第3話「辞書の神様」第4話「バクハン」第5話「計算違いな男」

【ストーリー】番組サイトより
未決囚の女が世界的研究者の不審死に関与!?
特命係を惑わす妖艶な“平成の毒婦”の狙いとは?


 ある日、右京(水谷豊)は、弁護士の連城(松尾諭)から突然、奇妙な依頼を受ける。
 顧問弁護士を務めている出版社が、連続殺人事件の被告として拘禁中の遠峰小夜子(西田尚美)に、名誉毀損で訴えられているのだが、和解の条件として「有能な刑事と話がしたい」と不可解な要求をしてきたという。小夜子は、真珠養殖詐欺を行い、返金を迫った被害者を自殺や事故に見せかけて殺害した疑いを掛けられている人物。
 亘(反町隆史)と共に面会に出向いた右京は、小夜子から気になる話を聞く。海外に行く飛行機の中で知り合った谷岡という科学者に、若い女性向けの黒真珠のネックレスを紹介したという小夜子。谷岡は、数日前、風呂場で溺死したことが報じられた世界的なバイオ技術の研究者。小夜子がなぜ、わざわざ刑事を呼んでそんな話をしたのか、興味を抱いた右京は、事故死として処理されている谷岡の一件も調べ始める。

特命係を捜査に駆り出した
狡猾でしたたかな女詐欺師の目的とは…!?
危うさをはらんだ拘禁中の連続殺人犯が特命係を翻弄する!


ゲスト:西田尚美 松尾諭

脚本:山本むつみ
監督:権野元

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2 コメント

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人物描写は丁寧でしたが・・・。 (marumori)
2018-11-23 18:18:14
 英さん、こんばんは。

 今回は山本むつみ氏の脚本らしく、遠峰小夜子というキャラクターを丁寧に描いていたように思います。再登場を匂わせるエンディングでしたので、またどこかで出てくるのでしょうかね。

 相変わらず人物描写等に重きを置きすぎて、ミステリ要素を重要視していないのが残念ですね。それが山本氏のスタイルなのかもしれませんが。

 終盤になって相貌認識能力が持ち出されてきましたが、これも唐突感がありました。詐欺被害者たちの証言を序盤に出しておくだけで唐突感は薄れたように思うのですが。

 その他、例によって重箱の隅をつつきます(^-^;
〇予算が厳しいことを表現したかったのかもしれませんが、世界トップクラスの研究者の所属機関にしては、東都バイオラボの外観があまりにも貧相なのでは?
〇青木「この程度の女に色仕掛けで騙されて金を巻き上げられた上に殺される人の気が知れない」って、以前美人局に引っかかった君が言うのかw
〇秘書の女性研究員が気まぐれで見せてくれたインターネットの画像に、ブラックパールのネックレスを着けた女性が実に都合よく映っているw
〇賄賂としてブラックパールを受け取るような人物が役員を務める研究機関は信用できるのでしょうか?

 あと、おっしゃるとおり物証を残しすぎですよね。最初の現場検証で誰もおかしいと思わなかったのか、とも思いますけど。
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仰る通りですね ()
2018-11-23 19:39:22
marumoriさん、こんばんは。

>山本むつみ氏の脚本らしく、遠峰小夜子というキャラクターを丁寧に描いていたように思います。
>相変わらず人物描写等に重きを置きすぎて、ミステリ要素を重要視していないのが残念ですね。それが山本氏のスタイルなのかもしれませんが。

 ええ、そうですね。
 男性を詐欺に嵌める手口などの描写は巧みでした。

>終盤になって相貌認識能力が持ち出されてきましたが、これも唐突感がありました

 “相貌認識能力”“相貌失認”のような特殊症例を題材にするのが好きなのかもしれませんね。

 重箱の隅のつつき振りは流石です。
 世界トップクラスの研究者なら、移籍は容易のような気がします。優遇されると思うのですが。
 
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