英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season17 第13話「10億分の1」

2019-01-31 23:21:37 | ドラマ・映画
冠城が声を掛けた思いつめた表情の女性が転落死
自殺と見られた死の真相は驚愕過ぎるものだった


【特命係の捜査過程】
1.自殺ではないようだ
≪右京たちが気になった点≫
・女性・橋本美由紀(大路恵美)は仰向けに転落
・両腕が胸の前にあり、不自然
・転落した部屋には脱ぎ捨てられた靴(「誰かに突き落とされたのでは」と冠城)
・窓の縁に手を掛けた跡がない
・その窓の縁には、何かが置かれていた跡があった
・清掃作業員(遺体発見者を含む)に聴取するが、特に気づいたことはなかったと
・通りがかりの宅配員も第一発見者の悲鳴を聞いて、目を向けたら倒れている女性を見ただけと
・右京、この宅配員の胸ボタンが取れているのと、赤い汚れを見つける(この時点で、犯人か事件に関与している線が強い)

2.美由紀の生活
・ネットカフェで寝泊まりしている割には身綺麗にしていた
・ネットカフェの部屋には「先日はありがとうございました。とても楽しい時間でした。ぜひまた覗いてください」という手紙が飾られていた
・フリマアプリで生計を立てていた
・“母の形見”という出品名の品だけが、不可解な高値だったが、即、売買が成立していた
・宝石は拳銃売買の隠れ蓑だった(宝石の箱の底に、拳銃を入れてあるコインロッカーの鍵を忍ばせる手法)
・美由紀は違法物取引に加担していたのではないかと右京は推理
・3日前に発送したはずの荷物が、なぜ届いていないのか?
・フリマアプリで頻繁にやり取りしていた中野絢子(大和田美帆)が捜査線に浮上

3.絢子への聴取
・美由紀とのフリマアプリでの出会いの経緯
・美由紀からフリマアプリでの違法仏売買を持ちかけられたと告白
・絢子は何かを隠しているという印象を持つ
・絢子と特命係との会話を物陰から観る怪しい男
・絢子の職場(パチンコ店)のビルの託児所で、絢子の息子・大樹君を見つける。体調が悪くてぐずるのに手を焼いた保育士が「何か変なものを食べちゃったのかな?この子、何でもすぐ口にしちゃうので」とわざとらしい愚痴

4.不審な取引をしている優良アカウントの分析
・年齢、性別、職業、住所に規則性は観られない
・不正取引アカウント者への取り調べると、相手に合わせて勧誘の仕方を変えていたらしい
・アカウント所有者の住所を勤務先所在地でつくり直した結果、時期によって3か所に集中していた(青木(浅利陽介)の分析)
・それらの地域に絢子の清掃しているビルは含まれていたが、美由紀のネットカフェは含まれていなかったことから、犯罪に関わっていたのは絢子の報だった
・絢子の出品リストには削除された出品物が多くあった(不正出品物の痕跡を消した)

5.連れ去られた絢子
・自殺で処理されたはずなのに、特命係が捜査を続けていることで、絢子が情報を漏らしたと組織(ネオゴースト)が考えた拉致した
・暇か課長に組織が潜伏していそうな場所を聞き、乗り込んだ冠城と捜一コンビが救出

6.綾子の供述
・生活に追われているうちに、他人との生活感のある会話がなくなっていて、孤独だった。
・フリマアプリでのやり取りが楽しかった
・自分の出品物は“生活感アリアリ”なのに対して、美由紀の出品物のファッショナブルで、嫉妬するようになった
・良い人風の柴田(組織の一員)に出会い、違法物取引に巻き込まれた
・犯罪行為から抜け出す為、美由紀を身代わりに差し出そうとした

7.美由紀の計画
・美由紀は、報復されずに犯罪から抜け出す方法を考えた(発送手続きを終えたあと、指輪の荷物だけ抜き取る。荷物(鍵)が買い手に届かないうちに、コインロッカーの期限が過ぎ、ロッカーが開けられ犯罪が明らかになる……はずだった
・自分のしたことで、絢子の身に危険が及ぶのではと心配して、絢子の清掃現場のビルに赴いたが、そのビルから転落死してしまった
・絢子が「ガラガラと何かを転がすような音がした」ことを思い出す
・「絢子の息子の吐いてしまった」と女性警官が報告。その嘔吐物の中にはボタンが…

8.真犯人は?
・転落した部屋で探し物(ボタン)をしている宅配員を発見
・違法物取引に利用された者の職場が、時期に伴って3地域に集中しており、それらが配達員の担当地域の移動と合致していた⇒宅配員が利用できる者の情報を組織に売っていた

9.驚愕の真相
・柴田と宅配員の会話を聞き、絢子に危険が迫っていることを知らせようと走り出す
・その様子に気づき、宅配員が美由紀を追い、絢子の息子のだいき君を人質に取り、鍵をよこすように命令する(その時、だいき君が配達員のボタンを毟り取る)
・美由紀がそれに応じようとしたのを見て、大樹君を窓の縁に置く
・大樹君が窓から転落しそうになるのを見た美由紀が駆け寄るが、間に合わずだいき君が窓から落ちる。それを追うように美由紀が窓の外にダイビング!
・ビルの下でだいき君を抱えた美由紀が、無事の様子のだいき君を見て微笑み、絶命
・大樹君、自力で元居た場所に戻る



緻密に構成されたストーリーは面白かった
……………
…………奇跡的過ぎる!
5階から落下して無傷な大樹君
自ら元居た部屋に戻った大樹君……“奇跡”としか言いようがない

 更に、先に落下した大樹君を追っかけてダイビングした美由紀だが、先に落下したモノに追いつくのは物理的に不可能。
 ジャッキーチェンでも無理!
(スーパーマンなら可能、ルパンも空中を泳ぐシーンがあったが…)

 せめて、追いついて抱き上げたが、バランスを崩して抱えたまま落下ぐらいにした方が良かったと思うが、一瞬何がどうなったか分からないほど強烈な映像で、強烈な行為だった。
 それにしても、美由紀は何というすごい女性なのだろう!

 報復されない計画の実行、絢子を心配して清掃現場に向かい、だいき君を自分の命を省みずダイビング……
 それだけに、尺の関係もあったのだろうが、彼女の歩んできた人生やネットカフェでの生活をしている事情(「ネットカフェでの人とつながりを感じていたかったから」という絢子の言葉、「半年前にリストラされ身寄りもいない」という伊丹の説明はあったが)が語られなかったのは残念だった。

 ちなみに、タイトルの「10億分の1」は、フリマアプリの出品数が10億を超えた。その中の一つの出品が2人を引き合わせた奇跡という意味。
 でも、だいき君が「赤いクレヨンの証拠を残した」(右京)「助けてくれた美由紀へのお礼に、証拠のボタンを守り通したのかもしれません」(冠城)という言葉、さらに、美由紀がフリマアプリの購入の際添えてあった絢子のお礼のメッセージを大切に持っていた事を知らせ、「あなたの何気ない心配りが美由紀さんにとっては何よりも胸に沁みたのでしょうねえ」とか、出会いのエピソードでまとめ、“いい話”で片づけてしまったのは頷けない。

 別に“いい話”に持っていっても良いのだが、この結びの話の持っていき方だと、≪真相がわかったのはだいき君のおかげ≫、≪美由紀は絢子との出会いに感謝していた≫というイメージが強くなってしまう。
 美由紀を妬み、その上、犯罪行為に引きずり込もうとしておき、知らないとは言え、自分や大樹君を助けてくれた美由紀を悪人に仕立て上げたという非道な行為は棚上げにされてしまっていた。
 絢子の酷い行為を咎めることなく、

「あなたの一番の過ちは、手にしたもののありがたみを忘れてしまったことだと思いますがね」(右京)
「美由紀さんが命を懸けて守っただいき君のこと、これからも大切にしてあげてください」(冠城)
で結んでしまうとは、甘い!甘すぎるぞ!

 

【その他の突っ込み処】
①転落した5階の部屋は現場検証したのだろうか?あれだけ不自然な状況なのに、自殺と断定するのは無能すぎる。米沢さん帰ってきてくれないかなあ。
②違法物取引、多すぎ



第1話「ボディ」第2話「ボディ ~二重の罠」第3話「辞書の神様」第4話「バクハン」第5話「計算違いな男」第6話「ブラックパールの女」第7話「うさぎとかめ」第8話「微笑みの研究」第9話「刑事一人」元日スペシャル 第10話「ディーバ」
第11話「密着特命係24時」第12話「怖い家」


【ストーリー】番組サイトより
冠城亘が接触した女性が投身自殺!?
人気フリマアプリの裏に隠された謎に特命係が迫る!


 ある夜、亘(反町隆史)は、思い詰めた表情で橋の上にたたずむ女性に声を掛けるが、女性はすげなく立ち去る。
 数日後、橋本美由紀(大路恵美)というその女性がビルから転落死する事件が発生。警察は自殺と判断するが、右京(水谷豊)は遺体の状況に不審を覚え、彼女の死に責任を感じている亘と共に調べ始める。
 すると、美由紀は半年前から無職の状態で、ネットカフェで暮らしていたことが判明。フリマアプリで、日銭を稼いでいたことが分かる。取引履歴を見ると、彼女が行っていた売買の中で、“母の形見”という出品名の品だけが、不可解な高値がついていた。
 さらに調べを進めた右京と亘は、美由紀が転落死したビルで清掃作業をしていた中野絢子(大和田美帆)という女性が、フリマアプリを通じて美由紀と繋がりがあったことをつきとめる。追及された絢子は、「売買のやり取りをするうち、世間話をするようになっただけだ」と主張するが…!?

流行のツールで出会ったワケアリな女性たち
その背景には誰しもが抱える心の隙間が…!?
自殺か、他殺か…一件の転落事件が、底知れない闇をあぶりだす!!


ゲスト:大和田美帆 大路恵美

脚本:神森万里江
監督:片山修
コメント (2)
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