英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2018箱根駅伝 東洋大が往路優勝

2018-01-02 21:09:22 | スポーツ
戦前予想
4連覇を狙う青山学院、出雲駅伝を制した東海、全日本大学駅伝を制した神奈川の3強に、東洋、駒澤、順天堂、中央学院、早稲田、日体大の6校が絡む争いと見られていた。

青山学院大学
 前大会区間4位以上のエース一色を含む4人が卒業したが、5000m13分台13人、10000m28分台7人を揃え、東海大学と並んで、他を寄せ付けない戦力を保持。
 鈴木(神奈川)、塩尻(順天)と並ぶ“学生長距離のエース”と呼べる田村、マラソン学生最高タイムの下田、前回4区2位、全日本4区3位の森田、山下りのスペシャリストで前回6区2位の小野田とタレントも豊富で、やはり優勝候補筆頭。
 今シーズンは出雲2位、全日本3位と優勝を逃しており、前年までの絶対的強さは感じず、他大学への威圧感も薄れているのが、気になるところ。

東海大学
 5000m13分台15人、10000m28分台9人と青学を上回る戦力(平均タイムも全チームを通して1位)。距離も短く要因も6人と少ない出雲1位だけでなく、距離・人数も増える全日本も2位と好調。箱根は更に距離も人数も増えるが、昨年10位に終わってしまった轍は踏まないであろう。ただ、トラックとは路面が硬く、単独走も多い駅伝では、トラックのタイムがそのまま反映されないのが、駅伝の難しいところ。
 しかし、鬼塚、關、館澤の最強2年生トリオに加え、阪口(2年)、三上(3年)など、不安を吹き飛ばす強力布陣。

神奈川大学
 大エースの鈴木が2区、安定感があり前回1区5位、出雲1区2位の山藤の1区起用が予想され、序盤で主導権を握り、波に乗って優勝という可能性も小さくない。他のメンバーはやや小粒(全日本5区1位の越川ぐらい)だが、5000m平均タイム3位、10000mタイム4位、昨年メンバーが7人残っているのも心強い。
 全日本の快勝した実績も無視できないが、監督の「往路優勝」という目標を聞くと、戦力が揃っていないのかもしれない。

東洋大学
 3強に迫る実力を保持している。過去9年で優勝4回、2位4回、3位1回と箱根では外していないという実績も侮れない。
 出雲3区2位、全日本4区2位のエース山本、出雲1区1位の相澤、スーパールーキーの西山らで全日本の終盤までトップを保持した走りは力強かったただ、最後で逆転された点では、駒不足と考えられる。
 「エントリーメンバーは低学年が多いが、3年、4年生が調子を落としているのではなく、力をつけてきたと考えてほしい」という監督の言葉は不気味だ。

駒澤大学
 ユニバーシアードのハーフマラソンの金銀の片西、工藤が爆発すればという期待はあるが、10000m28分台は2人のみで平均タイムも16位と、昨年メンバー4人が抜けた穴を埋めきれていない。全日本は4位であったが、箱根は厳しいレースとなりそう。

順天堂大学
 五輪代表選手で10000mタイムトップの大エース塩尻と10000m28分19秒の栃木がフル稼働し、前回山登りの5区5位の山田が経験を活かせば、3強に割って入る可能性はあるが、難しそう。
 
 他の有力チームは、10000m28分台6人、平均タイム3位の日本体育大学。前回6位のメンバーが8人残っていて、毎回安定した成績を残している中央学院大学。前回3位の早稲田大学は、3位以内の好成績の4人が抜けて戦力ダウンは否めない。

 上記以外のチームについては、『月刊陸上競技』の戦力分析・展望記事の見出しを引用。
「シードを巡る攻防……法大、山梨学大、帝京大、大東大
「シード圏内に食い込めるか……中大、拓大、國學院大
「1つでも上を目指せ……国士大、城西大、上武大、東京国際大、関東学生連合


往路経過
【第1区】
 有力ランナーは、栃木(順大)、山藤(神大)、西山(東洋)、片西(駒大)。青学は鈴木。その他の注目ランナーは舟津。昨年1年生で名門の主将を務めたものの連続出場を逃すというどん底からチームを牽引した中大のエース兼主将。
 東海は關をエントリーしていたが、三上に変更(關は故障がちだったという情報もあり)。
 レースは集団で推移したが、17km過ぎで青学・鈴木がスパートし、一気にペースが上がる。17.6kmで東洋・西山が鈴木に並ぶとそのまま前に出る。鈴木はついていけず、他のランナーも置いていかれる。
 西山は大迫(早大)を彷彿させる軽い走法で、まったくペースを落とさず独走で区間賞。14秒遅れの2位は國學院・浦野、トップと16秒差の3位は駒大・片西、4位日体・吉田(24秒差)、5位青学・鈴木(25秒差)、6位神大・山藤(28秒差)、7位東海・三上(32秒差)、順大・栃木は10位の36秒差、中大・舟津は12位で42秒差
 國學院の浦野は大健闘。東海は三上(出雲5区1位、全日本7区2位)投入は予定だったと思うが、7位は予定外だろう。となると、關が使えなかったことと合わせると少し痛いかもしれない。順天も1区栃木、2区鈴木でロケットスタートを目論んだはずだったが……


【第2区】
 鈴木(神大)、塩尻(順大)の大エースに加え、ニャイロ(山学)、デレセ(拓大)、森田(青学)、相澤(東洋)、阪口(東海)、畔上(帝京、予選会日本人1位)と各校エース、エース格が揃った。
 順大・塩尻はピッチが上がらず区間10位、チーム順位も10位で1区の栃木と合わせて大誤算。神大も1区山藤と2区の鈴木で先行する予定だったが、鈴木は区間4位に留まり、チームも3位(36秒差)と、これもかなりの誤算。
 相澤は快ペースで区間3位(区間1位と3秒差)、他のエースランナーの追撃を許さない見事な走りだった。
 青学・森田は鈴木と相澤を追い、鈴木を置き去りにした後、東洋との差を22秒差と3秒詰め、区間賞の走り。
 山学のニャイロも森田と同タイムの区間賞。チーム順位を17位から4位に引き上げた。
 デレセ(拓大)が区間5位、区間6位は太田(早大)、7位は阪口(東海)、畔上(帝京)は12位。

 2区を終え、
1位東洋、2位青学(22秒差)、3位神大(36秒差)、4位山梨学院(57秒差)、5位拓大(1分21秒差)、6位早大(1分22秒差)、7位東海(2分9秒差)、8位日体(2分11秒差)、9位中大(2分28秒差)、10位順大(2分44秒差)、11位駒大(2分56秒差)…



【第3区】
 青学は大エース田村(青学)、22秒差のトップで襷を引き継いだ東洋もエースの山本。山本はハイペースで進むが、田村がそれより早いペースで飛ばし8秒差まで詰め寄る。しかし、そこから縮まらないという状況が終盤まで続く。終盤になると田村が喘ぎ出し、前進力が鈍り、後退していく。結局、46秒差まで広がった。
 区間賞は山本(東洋)、田村(青学)は24秒差の2位。
 区間3位は鬼塚(東海)で順位を7位から6位に順位を上げ。区間4位は光延(早大)で6位から3位に浮上。区間5位は青木(國學院、18位→14位)、区間6位は中山(中大、9位→8位)。

 3区を終え、
1位東洋、2位青学(46秒差)、3位早大(2分38秒差)、4位神大(2分40秒差)、5位拓大(3分12秒差)、6位東海(3分21秒差)、7位山梨学院(3分45秒差)、8位中大(3分53秒差)、9位順大(4分21秒差)、10位駒大(4分37秒差)、11位城西(5分25秒差)…


 青学は3区で田村が東洋を抜けなかったのは予定外だが、レース全体としては3区終了時でトップと46秒差というのは、想定内でまずまずと思っているのではないだろうか。
 3位早稲田、5位拓大は大健闘、4位神大は3区越川も期待を込めていたと思うが、この区間も11位と振るわず、3区終了時点で4位は大誤算と言えよう。同じ意味で9位の順大も苦しい。
 東海は鬼塚が何とか踏ん張り6位。層の厚さでこの後、挽回する可能性はある。


【第4区】
 トップの東洋は1年生の吉川。出雲は4区4位、全日本は8区4位とまずまず。10000mも28分台。監督の「1年生が伸びたから起用した」という言葉を信用すると、かなり走りそうな気がする。
 青学は梶谷。前回1区4位、出雲1区8位、全日本3区4位。追撃を期待されたが、思うようにペースが上がらず、区間9位でチーム順位は2位を維持したものの、区間2位で走った吉川(東洋)に、差を2分3秒まで広げられてしまった。
 
 区間賞は大塚(神大)で区間新。この4区は8位まで区間新。これは昨年のコース変更で、区間の歴史としては昨年の1回だけ。この場合、コンディションが良ければ、区間新続出することが多い。


 4区を終え、
1位東洋、2位青学(2分3秒差)、3位神大(2分49秒差、前区4位)、4位拓大(4分7秒差、前区5位)、5位早大(4分8秒差、前区3位)、6位東海(4分57秒差)、7位駒大(5分21秒差、前区10位)、8位中大(5分35秒差)、9位國學院(5分44秒差、前区14位)、10位城西(6分5秒差、前区11位)、11位帝京(6分25秒差、前区12位)…



【第5区】
 持ちタイムより、経験と適性がモノを言う山登り区間
 昨年の経験者は、中央学院・細谷が前回5区3位、早大・安井が前回4位、順大・山田が前回5位、山梨学院・上田が前回7位、拓大・戸部が前回11位。

 東洋の田中は1年生で当然経験はない。10000mのタイムは30分を超えているし、出雲も全日本も出場していない。ペースも早くなく、山道になっても小さいストライド。かと言ってピッチも早くない。
 対する青学は竹石。全日本は6区4位。積極的に飛ばし、着実に東洋との差を詰めていった。しかし、峠の頂上付近で足が痙攣し、立ち止まってストレッチ。この後の走り方は、こちらに先入観があるせいかもしれないが、ストライドが小さくなったような気がする。バランスも悪そう。5区終盤も、痙攣を起こしていた。
 5区は東洋が区間9位、青学が」区間5位で差は36秒にまで縮まった。
 区間1位は法政・青木、2位早大・安井、3位中央学院・細谷、4位順大・山田(以上区間新)、5位青学・竹石、5位(同タイム)日体大・小町、7位城西・服部、8位順大・山田、9位東海・松尾、10位中大・畝。やはり、経験が大きいようだ。

 順位変動は今年も大きかった。
 早大(5位→3位)、法大(14位→5位)、城西(10位→6位)、日体大(12位→7位)、順大(15位→8位)、中央学院(16位→11位)、
 東海(6位→9位)、駒大(7位→13位)、國學院(9位→14位)、神大(3位→15位)、山梨学院(13位→16位)

 2区終了時で15位の法大、同じく13位の城西は、それぞれ5位、6位と浮上。
 神大は5区だけで12も順位を下げてしまった。荻野は5000m13分48秒、出雲2区5位、全日本3区5位……山登り(5区)は難しい…


【往路成績】
(1)東洋大
(2)青学大       36秒差
(3)早大      1分55秒
(4)拓大      4分38秒
(5)法大      4分38秒
(6)城西大     4分50秒
(7)日体大     5分18秒
(8)順大      5分25秒
(9)東海大     5分40秒
(10)中大     5分49秒
(11)中央学院大  6分14秒
(12)帝京大    6分18秒
(13)駒大     7分32秒
(14)国学院大   8分29秒
(15)神奈川大   9分38秒
(16)山梨学院大  9分38秒
(17)大東大   11分10秒
(18)国士舘大  13分 9秒
(19)東京国際大 13分16秒
(20)上武大   13分53秒
(21)関東学生連合20分51秒
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