≪やはり、青山学院は強かった≫
多くの駅伝ファン、駅伝関係者が思ったことだろう。
往路の36秒差を、6区で“山下りのスペシャリスト”の小野田(区間1位)で逆に52秒差をつけ、7区・林(区間1位、区間新)、8区・下田(区間1位)で6分15秒にまで差を広げ、優勝を決定づけてしまった。
東洋は9区・小早川(区間2位)、10区・小笹(区間1位)で追いすがったが、先行する青山学院の姿を視界に捉えることもできなかった。
優勝 青山学院大学
すべての区間で100%の走りをしたわけではなかったが、悪くても85点の走りをすることができていた。もともと走力が高いので100%の出来でなくても高いレベルのタイムになる。区間1位が4区間、区間2位が2区間、区間3位1区間、区間5位2区間、5位以内に入れなかったのが1区間(9位)のみで、終わってみれば大差の圧勝だった。
毎年、3年生、4年生が強い印象がある。なので、≪来年はどうなのか?≫と大会終了直後は思うのだが、3年生の層が厚いので、4年生が卒業しても大きな戦力ダウンにならない。
≪では、再来年はどうなのか?≫という懸念が起こるが、1年経つと、強い3年生が揃っている。つまり、皆が学年を追うごとに順調に力を伸ばしてきてるのである。
層が厚いので、故障で不安のある選手を起用することもなく、選手状態の見極めも確かなのであろう。(昨年の田村が危なかったが)
来年も優勝候補の筆頭だろう。
2位 東洋大学
毎年、全員100%の走りを成し遂げる。今回も、区間1位が3区間、2位が1区間、3位が3区間、残り3区間も5位、7位、9位。これで10年連続3位以内を達成。
今年は1~4区に重点を置いた配置で往路優勝。総合優勝の期待もかかったが、最後は青山学院の総合力に屈した。
課題は山登り(9位)、山下り(5位)の特殊区間。昨年はさらに振るわず、5区・12位、6区13位だった。指導者としては、特殊区間に特化した選手を育てたくないのかもしれない。
3位 早稲田大学
3位は大健闘。往路3位で終えても、復路でズルズル後退すると見ていたが、9区清水が区間1位で機運を上げ(5位→4位)、最終区間もさらに1つ順位を上げ3位を獲得。
エース区間2区で太田が区間6位、3区で光延が区間4位の粘り強く走り、5区では安井が果敢な走り(区間2位)で往路を3位で終えたのが大きかった。やはり、駅伝は上位のポジションで走ることが大切なのだろう。
4位 日本体育大学
変動の激しいレースだった。
順位変動は、4位→8位→15位→12位→7位→11位→7位→6位→6位→4位
区間成績は、4位、9位、17位、8位、5位、15位、2位、3位、6位、3位
1区は4位と上々の滑り出しだったが、3区で15位に後退。4区、5区で踏ん張り、往路は7位。復路、山下りで11位まで下がったが、7位まで31秒の小差。7区以降は見事な走りで追い上げ4位。
もともと、走力(10000m平均タイム3位など)があるチームなので、距離や単独走に対応できれば上位入賞する力のあるチーム。ある程度のブレーキ区間があるのは仕方がなく(上位2校が異常?)、切らさず走力を発揮した。『月刊陸上競技』での評価は9番目だったが、その評価を上回る4位入賞。
5位 東海大学
三上、阪口、鬼塚(区間3位)を配して、3区終了時6位というのは想定内であったとしても、かなり下方の順位。ここで踏ん張りが期待されたが、4区、5区が区間12位と振るわず往路は9位で終了。エースのひとり關を欠くとは言え、チーム力はあるので、復路で挽回し3位に食い込む可能性はあると見ていた。
実際、6区中島と8区館澤が区間2位の走りで3位に浮上。9区も区間5位で3位を堅持。10区も3位でずっと走っていたのに、最終盤で大失速で5位に終わる(区間16位)。
持ちタイムのデータでは、青山学院をしのぐ走力を有していたが、“それ(走力)が大部分ではない”と感じさせるここ2年の東海大学だった。エースのひとり關を欠いたのが響いたのかもしれない。
6位 法政大学
昨年8位は侮れないとは言え、『月刊陸上競技』評価は10番目、さらに、1区が19位に沈んだので、ノーマークだった。
しかし、5区青木の激走(区間1位)で14位から5位にまで引き上げた。
復路も、6区佐藤が区間3位で4位に上がり、その後も堅実な走りで9区を終え5位。10区は区間12位と振るわず6位と順位を一つ下げたが、6位入賞は見事。
7位城西大学、8位拓殖大学、9位帝京大学、10位中央学院大学
7位城西大学は予選会8位(3年ぶり出場)、『月刊陸上競技』評価では最下層グループ(18位)だったが、それを見事に覆した。
8位拓殖大学は予選会5位(昨年14位)、『月刊陸上競技』評価では15番目だった。デレセが2区・区間5位の走りで、」12位から5位に引き上げたのが効いて、往路4位に食い込んだ。城西大学も往路6位で、この両チームは前半の流れをうまく引き継いだ。やはり、前半で上位を走る(下位に沈まない)事が肝心である。
9位帝京大学は、予選会1位(昨年11位)、『月刊陸上競技』評価では12番目。“ほぼ実力通り”と評するのは失礼か?
10位中央学院大学は、昨年6位、『月刊陸上競技』評価では7番目だったが、レース序盤が振るわず、4区終了時点で16位というのは痛かった。それでも、シード権を確保したのは流石である。
11位順天堂大学は、昨年4位、『月刊陸上競技』評価は6番目だったが、大エース塩尻を要し、昨年4区1位の栃木と山登りの5区・山田(昨年5位)が機能すれば3強に食い込めのではないかと言われていた。
しかし、1区・栃木、2区・塩尻共に区間10位と振るわず、2区終了時10位と想定外の位置。結局往路は8位で終えた(5区の山田は区間4位)。
復路も7区の区間18位で11位のシード圏外に落ちると、その順位が変わることなく11位で終了。シード権を失った。
13位神奈川大学は、3強の一角だったが、まさかのシード落ち!。
1区山藤、2区鈴木、3区越川を配し、“ロケットスタート”を目論んだが、1区6位は想定内としても、2区鈴木が区間4位に終わり、2区を終えて3位というのは想定外だったのではないだろうか?さらに越川が区間11位と振るわず、チーム順位は4位とは言え、トップとは2分40秒の差は、構想が破綻したといって良いだろう。
4区大塚が区間1位で望みをつないだが、山登りの5区が区間20位で往路15位に沈んだ。5区の区間10位と比較しても6分42秒差、大ブレーキだった。
しかし、シード権を失った原因は5区だけではない。復路の成績も9位と振るわなかった。仮に復路4位の東海大学と同タイムだったとしたら、10位の中央学院大学を上回っていたのである。やはり、走る位置というのは大事だ。
【総合順位】
優勝 青学大
2位 東洋大 +4分53
3位 早大 +11分29
4位 日体大 +11分48
5位 東海大 +12分29
6位 法大 +12分41
7位 城西大 +14分33
8位 拓大 +14分52
9位 帝京大 +15分46
10位 中央学院大 +16分46
[以上シード権]
11位 順大 +17分00
12位 駒大 +17分34
13位 神奈川大 +19分29
14位 国学院大 +20分26
15位 中大 +21分47
16位 大東文化大 +25分19
17位 東京国際大 +25分20
18位 山梨学院大 +25分45
19位 国士舘大 +29分03
20位 上武大 +35分02
21位 関東学生連合 +42分23 (オープン参加)
多くの駅伝ファン、駅伝関係者が思ったことだろう。
往路の36秒差を、6区で“山下りのスペシャリスト”の小野田(区間1位)で逆に52秒差をつけ、7区・林(区間1位、区間新)、8区・下田(区間1位)で6分15秒にまで差を広げ、優勝を決定づけてしまった。
東洋は9区・小早川(区間2位)、10区・小笹(区間1位)で追いすがったが、先行する青山学院の姿を視界に捉えることもできなかった。
優勝 青山学院大学
すべての区間で100%の走りをしたわけではなかったが、悪くても85点の走りをすることができていた。もともと走力が高いので100%の出来でなくても高いレベルのタイムになる。区間1位が4区間、区間2位が2区間、区間3位1区間、区間5位2区間、5位以内に入れなかったのが1区間(9位)のみで、終わってみれば大差の圧勝だった。
毎年、3年生、4年生が強い印象がある。なので、≪来年はどうなのか?≫と大会終了直後は思うのだが、3年生の層が厚いので、4年生が卒業しても大きな戦力ダウンにならない。
≪では、再来年はどうなのか?≫という懸念が起こるが、1年経つと、強い3年生が揃っている。つまり、皆が学年を追うごとに順調に力を伸ばしてきてるのである。
層が厚いので、故障で不安のある選手を起用することもなく、選手状態の見極めも確かなのであろう。(昨年の田村が危なかったが)
来年も優勝候補の筆頭だろう。
2位 東洋大学
毎年、全員100%の走りを成し遂げる。今回も、区間1位が3区間、2位が1区間、3位が3区間、残り3区間も5位、7位、9位。これで10年連続3位以内を達成。
今年は1~4区に重点を置いた配置で往路優勝。総合優勝の期待もかかったが、最後は青山学院の総合力に屈した。
課題は山登り(9位)、山下り(5位)の特殊区間。昨年はさらに振るわず、5区・12位、6区13位だった。指導者としては、特殊区間に特化した選手を育てたくないのかもしれない。
3位 早稲田大学
3位は大健闘。往路3位で終えても、復路でズルズル後退すると見ていたが、9区清水が区間1位で機運を上げ(5位→4位)、最終区間もさらに1つ順位を上げ3位を獲得。
エース区間2区で太田が区間6位、3区で光延が区間4位の粘り強く走り、5区では安井が果敢な走り(区間2位)で往路を3位で終えたのが大きかった。やはり、駅伝は上位のポジションで走ることが大切なのだろう。
4位 日本体育大学
変動の激しいレースだった。
順位変動は、4位→8位→15位→12位→7位→11位→7位→6位→6位→4位
区間成績は、4位、9位、17位、8位、5位、15位、2位、3位、6位、3位
1区は4位と上々の滑り出しだったが、3区で15位に後退。4区、5区で踏ん張り、往路は7位。復路、山下りで11位まで下がったが、7位まで31秒の小差。7区以降は見事な走りで追い上げ4位。
もともと、走力(10000m平均タイム3位など)があるチームなので、距離や単独走に対応できれば上位入賞する力のあるチーム。ある程度のブレーキ区間があるのは仕方がなく(上位2校が異常?)、切らさず走力を発揮した。『月刊陸上競技』での評価は9番目だったが、その評価を上回る4位入賞。
5位 東海大学
三上、阪口、鬼塚(区間3位)を配して、3区終了時6位というのは想定内であったとしても、かなり下方の順位。ここで踏ん張りが期待されたが、4区、5区が区間12位と振るわず往路は9位で終了。エースのひとり關を欠くとは言え、チーム力はあるので、復路で挽回し3位に食い込む可能性はあると見ていた。
実際、6区中島と8区館澤が区間2位の走りで3位に浮上。9区も区間5位で3位を堅持。10区も3位でずっと走っていたのに、最終盤で大失速で5位に終わる(区間16位)。
持ちタイムのデータでは、青山学院をしのぐ走力を有していたが、“それ(走力)が大部分ではない”と感じさせるここ2年の東海大学だった。エースのひとり關を欠いたのが響いたのかもしれない。
6位 法政大学
昨年8位は侮れないとは言え、『月刊陸上競技』評価は10番目、さらに、1区が19位に沈んだので、ノーマークだった。
しかし、5区青木の激走(区間1位)で14位から5位にまで引き上げた。
復路も、6区佐藤が区間3位で4位に上がり、その後も堅実な走りで9区を終え5位。10区は区間12位と振るわず6位と順位を一つ下げたが、6位入賞は見事。
7位城西大学、8位拓殖大学、9位帝京大学、10位中央学院大学
7位城西大学は予選会8位(3年ぶり出場)、『月刊陸上競技』評価では最下層グループ(18位)だったが、それを見事に覆した。
8位拓殖大学は予選会5位(昨年14位)、『月刊陸上競技』評価では15番目だった。デレセが2区・区間5位の走りで、」12位から5位に引き上げたのが効いて、往路4位に食い込んだ。城西大学も往路6位で、この両チームは前半の流れをうまく引き継いだ。やはり、前半で上位を走る(下位に沈まない)事が肝心である。
9位帝京大学は、予選会1位(昨年11位)、『月刊陸上競技』評価では12番目。“ほぼ実力通り”と評するのは失礼か?
10位中央学院大学は、昨年6位、『月刊陸上競技』評価では7番目だったが、レース序盤が振るわず、4区終了時点で16位というのは痛かった。それでも、シード権を確保したのは流石である。
11位順天堂大学は、昨年4位、『月刊陸上競技』評価は6番目だったが、大エース塩尻を要し、昨年4区1位の栃木と山登りの5区・山田(昨年5位)が機能すれば3強に食い込めのではないかと言われていた。
しかし、1区・栃木、2区・塩尻共に区間10位と振るわず、2区終了時10位と想定外の位置。結局往路は8位で終えた(5区の山田は区間4位)。
復路も7区の区間18位で11位のシード圏外に落ちると、その順位が変わることなく11位で終了。シード権を失った。
13位神奈川大学は、3強の一角だったが、まさかのシード落ち!。
1区山藤、2区鈴木、3区越川を配し、“ロケットスタート”を目論んだが、1区6位は想定内としても、2区鈴木が区間4位に終わり、2区を終えて3位というのは想定外だったのではないだろうか?さらに越川が区間11位と振るわず、チーム順位は4位とは言え、トップとは2分40秒の差は、構想が破綻したといって良いだろう。
4区大塚が区間1位で望みをつないだが、山登りの5区が区間20位で往路15位に沈んだ。5区の区間10位と比較しても6分42秒差、大ブレーキだった。
しかし、シード権を失った原因は5区だけではない。復路の成績も9位と振るわなかった。仮に復路4位の東海大学と同タイムだったとしたら、10位の中央学院大学を上回っていたのである。やはり、走る位置というのは大事だ。
【総合順位】
優勝 青学大
2位 東洋大 +4分53
3位 早大 +11分29
4位 日体大 +11分48
5位 東海大 +12分29
6位 法大 +12分41
7位 城西大 +14分33
8位 拓大 +14分52
9位 帝京大 +15分46
10位 中央学院大 +16分46
[以上シード権]
11位 順大 +17分00
12位 駒大 +17分34
13位 神奈川大 +19分29
14位 国学院大 +20分26
15位 中大 +21分47
16位 大東文化大 +25分19
17位 東京国際大 +25分20
18位 山梨学院大 +25分45
19位 国士舘大 +29分03
20位 上武大 +35分02
21位 関東学生連合 +42分23 (オープン参加)