英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

みっともない相撲 日馬富士-貴景勝(2017年秋場所10日目)

2017-09-21 11:58:15 | スポーツ
 白鵬、稀勢の里、鶴竜の3横綱が休場、高安が3日目から、照ノ富士が6日目から途中休場と、巻物だけの寿司という寂しい秋場所となってしまった。
 その中で、カド番だった大関・豪栄道が10勝1敗と役力士の面目を保つような相撲を取っている。場所開始当初は、カド番脱出に囚われ、張り手など“何が何でも勝つ”という意識が強い相撲だったが、優勝した時のように真正面からぶつかり、押し、寄るの正攻法の相撲に徹している。
 ひとり横綱となってしまった日馬富士は、3日目の琴奨菊戦での待った不成立で不本意な敗北で躓き、そこから3連敗。それでも6日目から4連勝の6勝3敗で何とか優勝戦線に踏みとどまり迎えた10日目の貴景勝戦。


 低く頭からぶつかる鋭い立ち合いを見せた日馬富士だったが、貴景勝も強く踏み込んで受け止める。
 押し切れないと見た日馬富士は即座に右の張り手。貴景勝はこれを喰らったが、いなそうとしていた瞬間だったので、互いにベクトルがずれ、方向が変えてやや離れて向き合う形となった。
 そこから互いに軽くぶつかり合っては離れる動作を5回繰り返す。この際、日馬富士は4回張り手を繰り出す。通算3回目、4回目の張り手はほぼ空を切った形となり、最後のぶつかり合いでは左の張り手が貴景勝の頬を捉えたが、やや浅くずれた瞬間、貴景勝が肩透かしを繰り出す。それをまともに喰らった日馬富士は頭から土俵に突き伏した。顔面、肩、胸と砂まみれとなった日馬富士は痛い敗戦。

 日馬富士は一旦、受け止められると、張り手を出すことが多い。
 さらに、一旦張り手を出すと、相手の頬を捉えることに拘り、他のことには頭が回らなくなる。
 この相撲をまさにこのパターンで、徐々に棒立ちとなり、上体だけに力が入り、下半身は留守の状態。
 貴景勝の肩透かしに、なすすべもなく掛かり、柔道で言えば“一本”という程、掛かりっぷりだった。

 柔道では背中が付くと一本だが、それに匹敵する頭から突っ込み、手をついて庇うことさえできなかった。


 “みっともない”というのは敗者に鞭打つ表現だが、そう言われても仕方がない横綱としての取り口だった。

コメント
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