鑑識の米沢がピンチに陥り、彼の鑑識に対する真摯な思いと、新たな決意を感じた話であった。
しかし、彼を窮地に追い込むための強引な設定や、罠を仕掛けた管理人の過去の遺恨があいまいだったため、
“モヤモヤ感”が強く残った。
強引な設定
①難易度が高い綿棒のすり替え
オープンな場所なので、人に見られずにすり替えるのは難しそう。それが3度となると、至難の業。
鑑識資材を分けて運ぶということだが、最初に綿棒を運び出す可能性も低くない。
②米沢のマンション
記憶違いかもしれないが、米沢さん、あんなハイカラなマンションではなく、庶民的なアパートに住んでいたような気がする。
今回、罠を掛けた犯人が、マンションの管理人であることが必須(鍵や盗聴器の細工)で、ストーリー上、玄関ホールのドアホンで右京と米沢の会話のシーンも不可欠であった。
このため、米沢は引越しさせられた?(部屋の中は、鉄道の備品、多数のDVD,恐竜の置物、プラモデルの箱などなど、米沢さんらしい部屋だった。小道具係さんが大変だっただろう)
③度重なる偶然
米沢がマンションから直行する4度目の現場で、“鑑識の鏡”と謳われている主任が、血痕を踏むというミスを犯したという偶然。
その血痕は、火災の被害者がゴミ捨ての際、たまたま捨てられていた蛍光灯で手に裂傷を負うという偶然。それを踏んでしまうというのも、かなりの偶然(この人も、手を怪我しなければ、死なずに済んだ)。
さらに火災の現場に、凶器の可能性のある鉄パイプが落ちていて、その火災もバックドラフトという特殊な爆発火災であった(特殊でないかもしれないが)。
そのうえ、この時米沢が、偶然にも風邪気味で、くしゃみによるDNA混入の可能性を否定できなかった。
管理人の過去の痴漢行為の冤罪の真偽
管理人の手に、痴漢被害者の繊維片が付着していたという鑑識結果が決定的な証拠となり、犯人と断定されてしまったことが、今回の米沢に罠を嵌めた動機。
当時の取り調べ中、痴漢行為を否定したが、鑑識係(かなり感じ悪かった)に見下すような目で断定されたことが直接の遺恨だった。
管理人の口からは、『冤罪に陥れられた』という表現はなく、『警察、特に鑑識に対して恨みを晴らしたかった』というような言葉を吐いている。
もし、冤罪だったら、その鑑識係や刑事たちに恨みの矛先が向かうはずである。
それに、冤罪にうるさい右京も、冤罪に対しての言及はしていない。
今回の動機は、逆恨みだったと考えられるが、この辺りの描写が非常にあいまいに感じた。
米沢さんは、逆恨みの“とばっちり”を受けたことになる。
米沢の鑑識魂
「許せるわけが、ないでしょう!
……私に(ミスを)押し付けたかどうかが、問題なんじゃない。
あなたがやったことは、ミス以上に、どんなことがあってもやってはならない事ではないですかっ!
“たった1つの物証が、善悪を決め、人の人生を変え、時に奪ってしまう。
鑑識はそういう仕事だ”と、あなた、あなたが私に言ったんじゃあ……
……もう、お会いすることはないと思います」
深々と礼をする米沢………(暗転)
特に、最後の言葉は厳しい。
師匠に“三行半”を突きつける(“三行半”は夫から妻への離縁状なのですが、適切な言葉が浮かびませんでした)と同時に、“鑑識を止めろ”と言っている。”
【ストーリー】番組サイトより
都内各地で同一犯による連続殺人と見られる事件が発生! 手掛かりは、3つの現場すべてに残されていた犯人と思しき人物のDNA。ところが、問題のDNAが、鑑識課の米沢(六角精児)のものであることが判明。鑑識がDNA採取用に使用している綿棒に、米沢の細胞が付着していたのだ。マスコミでも大々的に取り上げられている“連続殺人犯”が、警視庁内の鑑識にいたとなれば尋常ならざる事態。米沢は早々にクビを宣告される。右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)は、憔悴しきった米沢を放っておけず、独自の捜査を開始。米沢が師匠と仰ぐ鑑識課の係長・山崎(池田政典)も協力を申し出る。そんな中、右京たちは3つの現場から“共通の痕跡”を見つけ出すが、米沢は特命係に最後の挨拶にやってきて…!?
連続殺人と見られる事件の犯人は米沢だった!?
米沢は警察を去ることに…?
特命係が“米沢守、最後の挨拶”を見届ける!
ゲスト:池田政典 大高洋夫 奥田恵梨華 藤井宏之
脚本:徳永富彦
監督:橋本一
しかし、彼を窮地に追い込むための強引な設定や、罠を仕掛けた管理人の過去の遺恨があいまいだったため、
“モヤモヤ感”が強く残った。
強引な設定
①難易度が高い綿棒のすり替え
オープンな場所なので、人に見られずにすり替えるのは難しそう。それが3度となると、至難の業。
鑑識資材を分けて運ぶということだが、最初に綿棒を運び出す可能性も低くない。
②米沢のマンション
記憶違いかもしれないが、米沢さん、あんなハイカラなマンションではなく、庶民的なアパートに住んでいたような気がする。
今回、罠を掛けた犯人が、マンションの管理人であることが必須(鍵や盗聴器の細工)で、ストーリー上、玄関ホールのドアホンで右京と米沢の会話のシーンも不可欠であった。
このため、米沢は引越しさせられた?(部屋の中は、鉄道の備品、多数のDVD,恐竜の置物、プラモデルの箱などなど、米沢さんらしい部屋だった。小道具係さんが大変だっただろう)
③度重なる偶然
米沢がマンションから直行する4度目の現場で、“鑑識の鏡”と謳われている主任が、血痕を踏むというミスを犯したという偶然。
その血痕は、火災の被害者がゴミ捨ての際、たまたま捨てられていた蛍光灯で手に裂傷を負うという偶然。それを踏んでしまうというのも、かなりの偶然(この人も、手を怪我しなければ、死なずに済んだ)。
さらに火災の現場に、凶器の可能性のある鉄パイプが落ちていて、その火災もバックドラフトという特殊な爆発火災であった(特殊でないかもしれないが)。
そのうえ、この時米沢が、偶然にも風邪気味で、くしゃみによるDNA混入の可能性を否定できなかった。
管理人の過去の痴漢行為の冤罪の真偽
管理人の手に、痴漢被害者の繊維片が付着していたという鑑識結果が決定的な証拠となり、犯人と断定されてしまったことが、今回の米沢に罠を嵌めた動機。
当時の取り調べ中、痴漢行為を否定したが、鑑識係(かなり感じ悪かった)に見下すような目で断定されたことが直接の遺恨だった。
管理人の口からは、『冤罪に陥れられた』という表現はなく、『警察、特に鑑識に対して恨みを晴らしたかった』というような言葉を吐いている。
もし、冤罪だったら、その鑑識係や刑事たちに恨みの矛先が向かうはずである。
それに、冤罪にうるさい右京も、冤罪に対しての言及はしていない。
今回の動機は、逆恨みだったと考えられるが、この辺りの描写が非常にあいまいに感じた。
米沢さんは、逆恨みの“とばっちり”を受けたことになる。
米沢の鑑識魂
「許せるわけが、ないでしょう!
……私に(ミスを)押し付けたかどうかが、問題なんじゃない。
あなたがやったことは、ミス以上に、どんなことがあってもやってはならない事ではないですかっ!
“たった1つの物証が、善悪を決め、人の人生を変え、時に奪ってしまう。
鑑識はそういう仕事だ”と、あなた、あなたが私に言ったんじゃあ……
……もう、お会いすることはないと思います」
深々と礼をする米沢………(暗転)
特に、最後の言葉は厳しい。
師匠に“三行半”を突きつける(“三行半”は夫から妻への離縁状なのですが、適切な言葉が浮かびませんでした)と同時に、“鑑識を止めろ”と言っている。”
【ストーリー】番組サイトより
都内各地で同一犯による連続殺人と見られる事件が発生! 手掛かりは、3つの現場すべてに残されていた犯人と思しき人物のDNA。ところが、問題のDNAが、鑑識課の米沢(六角精児)のものであることが判明。鑑識がDNA採取用に使用している綿棒に、米沢の細胞が付着していたのだ。マスコミでも大々的に取り上げられている“連続殺人犯”が、警視庁内の鑑識にいたとなれば尋常ならざる事態。米沢は早々にクビを宣告される。右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)は、憔悴しきった米沢を放っておけず、独自の捜査を開始。米沢が師匠と仰ぐ鑑識課の係長・山崎(池田政典)も協力を申し出る。そんな中、右京たちは3つの現場から“共通の痕跡”を見つけ出すが、米沢は特命係に最後の挨拶にやってきて…!?
連続殺人と見られる事件の犯人は米沢だった!?
米沢は警察を去ることに…?
特命係が“米沢守、最後の挨拶”を見届ける!
ゲスト:池田政典 大高洋夫 奥田恵梨華 藤井宏之
脚本:徳永富彦
監督:橋本一