英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『臨場』 第4話「似顔絵」

2010-05-02 15:22:09 | ドラマ・映画
 今回のポイントは
①似すぎている似顔絵
②現場にあるべき物がなくなっている物……煙草のラップ(セロファン)とバスタオル
そして、
③女の復讐



①は第1容疑者(柳井の妻・香奈恵(宮本裕子))に嫌疑を向けたが、かえって、目撃者(証言者)のホテル・ハウスキーパーの三原あゆみ(奥貫薫)に疑惑が向けられることになってしまった。

 あれだけ似るのはおかしい。
 それも、もっともだが、いくら証言がしっかりしていても、証言だけで、あれだけ似るものなのか?
 実際に倉石検視官(内野聖陽)が、似顔絵屋さんに三原あゆみの似顔絵をかかせたが、あまり似ていなかった。(似顔絵屋さんは見て描くプロ、警察官は訊いて描くプロという違い。また、一方は怨念によるという証言者の脳裏に刻みつけ方が違う)
 まあ、それはさておき、「似すぎている」というポイントの他に、「実際と似顔絵とでは髪型が違う」という点。3年前の顔が脳裏に刻みつけられていた。怨念の深さですね。


②あるべきバスタオルが何故なくなっていたのか?
 職業習慣で、バスタオルを証拠隠滅に利用してしまった。そして、それが彼女専用のカートに殺害現場にあるべき煙草のラップに残っていた。
 種がわかれば、「な~んだ」というたぐいのものだが、視聴者側から観れば、謎で、それが解けて、スッキリ。

 その他、香奈恵が犯人だと不可解な殺害現場の状況の論理展開もおもしろかった。

 不満点は、首つり自殺未遂した後、絞め直して殺害した時は、その跡が2つ残るはず。確か、『臨場』で以前、現場で講釈していたはず。『相棒』かもしれないが。


③第1発見者の柳井と証言者のあゆみは深い因縁があった。

 あゆみは3年前の贈収賄事件の時の経理担当で、柳井は彼女に情報を提供させ、贈賄犯逮捕に漕ぎ着けた。彼女の女心を利用したのだ。
 そのせいで彼女は人とかかわり合うような職場にいられず、現在のホテルハウスキーパーをしていた。そして、柳井への復讐心で生きてきたという。

 このドラマの作りとして、彼女の復讐心の深さは、ドラマ後半まで語られることはない。そのせいかもしれないが、私には彼女の心情が理解できない。
 今回殺害された元議員秘書・中西(吉野正弘)とあゆみは直接かかわり合いはなく、恨みもないはず。それなのに、自殺しかけたところに居合わせたとはいえ、殺害してしまうのはひどい。「死にたかったのなら、手伝ってあげよう」という理由づけはできるが、ふつう、死にかけた状態の人を見かけたら、助けようとするのではないだろうか。
 その人が生きていては困るという状況なら理解できるが、直接的な恨みはない。他の方のブログでは、犯人の歩みには同情的である方も多かったように思うが、私は全く同情できない。私が男だからなのだろうか。
 この点、「それは違うわ」とお思いの女性の方で、私を諭してあげようという奇特な方がいらっしゃいましたらご指摘ください。

 また、「さようなら、いい人生を」と伝えて欲しいと言い残し、笑顔を見せたあゆみでしたが、あれの真意はどういうものだったのでしょうか?
 柳井への恨みを晴らし、落ちるところまで落としたので、もう「いい人生」は無理だから、皮肉を込めて言ったのか?それとも、恨みが晴れて、あるいは、倉石の説教に諭されて、心から幸せを願ったのか?真意はどうだったのでしょうか?あのシーン、ちょっと他の事に気を取られていました。

 実はくうふう3さんのブログで、この質問したところ、「皮肉」と答えてくださいました。くうさんがおっしゃるので、間違いないと思いますが(いつも信頼し同意して読んでいます。今回はごめんなさい)、他の方の分析・印象をお聞かせください。
コメント
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