英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『絶対零度~未解決事件特命捜査~』 第4話「秘密」

2010-05-05 23:50:23 | ドラマ・映画
 このドラマ、取り上げるのは先週で終わりにしようと思ったのですが、今回は非常に強烈だったので、書かずにはいられませんでした。

 今回のポイント
①純情男子3人組の誤った友情
②ひどい女
③後味の悪さ…情けない主人公


①バラバラだった天文学部に学園のマドンナで優等生の四之宮真紀(篠原真衣)が入部して、彼女を中心に、火浦忠広(遠藤雄弥)、水木丈太郎(金井勇太)、風間進(北条隆博)
は甘酸っぱい青春の日々を過ごしていた。
 では、彼女の存在がなかったら、彼らに友情は生まれなかったのかと、ちょっと意地悪なことを思ってしまった。
 時間に余裕があれば、仲良し3人組が彼女の出現により微妙な関係になり、一波乱後、堅い友情で結ばれるという流れもあったかもしれないが、それが主眼でないので、そこまで求めるのは無理だろう。

 彼女が顧問教師の朝倉聡(中野英樹)に襲われたと知り、激昂し殺害、死体を埋めてしまう。その秘密を共有することによって、卒業後も友情で結ばれていた。もしかしたら、それがなくても、友情が続いていたかもしれないが、きっかけが彼女だとすると、そうは思えない(まあ、そんなことはどうでもいいのですが)。
 ただ、罪悪感によって、夢を手放してしまった3人組、それとは対照的に、ニュースキャスターの夢を実現した彼女。その彼女を守ったという満足感が、彼らのよりどころだったのだろう。

 しかし、真実は顧問教師が彼女を襲ったのは嘘で、万引きをしたのを顧問の教師に正されようとして、そのことを内密にしようと体を差し出したが、拒否され叱られた。切羽詰まった彼女は、教師に襲われたと嘘をついた。
 その際、3人組からプレゼントされたペンダントも引きちぎって捨ててしまった。

 悲しいことに、彼女にとっては友情ごっこだったのだ。
 ……あやふやな友情と、偽られた友情ごっこだった。 

②保身のため、身体を売り、嘘をつく。
 しかも、ペンダントを引きちぎったことを考えると、天文部での日々も、彼女にとっては単なる息抜きで、偽りだった。中学時代は純情だったが、世間に出てスレテしまったのではなかった。
 彼らの犯罪も、純情な彼女を守ったというのなら救われるが、本当にくだらない嘘に起因したものだった。……救われない。
 もっと救われないのは、命を奪われてしまった教師。そして、その家族。
 あれだけいい先生だったら、失踪事件で済まないのではないだろうか。最後に会ったのが、天文学部の生徒だったのなら、もっと追及されるだろうし。(まあ、1時間枠だから見逃しましょう)

 それにしても、ひどい女だ。
 くだらない嘘で、ひとりの人間の命がなくなり、3人の人生が台無しになってしまった。にもかかわらず、
「私は悪くない。自分を守るために嘘をつくなんて誰だってすることじゃないですか。先生を殺したのは、あの人が勝手にやったことです。」
と開き直り。
 さらに、「3人はあなたにとって、大切な友達だったんですよね」という桜木の問いに対して、
「今は、赤の他人です」
と、桜木の手を振り払い去っていく。
 ……ひどい女だ。

 後味の悪い話だった。
 この後味の悪さは、四之宮の最低ぶりだけではなく、手を振り払われ去っていく彼女に対して、桜木が呆然と見送るだけだったこと。

「自分を守るために嘘をつくなんて誰だってすることじゃないですか」
「嘘をつくことは自分を偽ることになる。そんな嘘で固めた人生なんて何の価値もない。しかも、あなたの「自分を守る」嘘によって、ひとりの人間が命を失い、3人の人生を台無しにした。法では捌かれないけれど、あなたはその重い罪を一生背負って生きなければいけないのよ」
 ぐらい言い返したれ!
 室長にぼやいて、慰めてもらうだけなんて、情けないぞ!

 後味の悪さは、ドラマのシリアスさを出そうとしたのかもしれないが、後味悪過ぎ。

その他の疑問として
④7月25日の日誌の謎
 日誌をコピーしてまで、天文部の思い出を大切にしたかった日浦だが、7月25日の日誌のコピーだけはなかった。
 この日は、四之宮の誕生日で、彼女に3人でプレゼントを渡し、彼女を3人で守るという誓いをした日。
 確かに3人で「彼女を守るという誓い」は隠ぺいには邪魔かもしれないが、かたくなに隠すほどのものではないし、遺体と一緒に出てきたペンダントのことを伏せたかったということも考えられるが、被害者が自らペンダントをポケットにしまったので、知らなかったと考えられる。
 それよりも、彼にとってはその日は特別で大切な思い出で、その大切な日の日誌のコピーがないのはおかしい。

④の2 7月25日の日誌の謎の2 
 桜木がふと眼をやった机の中に日誌が覗いていたって、おい!と突っ込みたくなるような都合のよさ。
 その机、物置代わりに使われている部室、たぶん他の教室の不要な机なのでは?その机の中に、その時の日誌(かなり薄かった)だけがあるのは……


あと、気になるのは
⑤事件後の彼らの学校生活
 殺人を犯し、隠ぺいした後、彼らの学校生活はどうだったのだろう?
 少なくとも、日誌を書く心境にはなれなかったはず。桜木の捜査は、8月以降の日誌には何も触れなかったが、気になる。



 印象度は抜群の話でした。
  
【番組サイト あらすじ】
 4係に送付主不明の荷物が届いた。桜木泉(上戸彩)が開けると、そこには人骨が。検査の結果、人骨は11年前に捜索願が出されていた中学校教師で天文学部の顧問をしていた朝倉聡(中野英樹)で、死亡時期が失踪と同時期であること、骨に土が附着していたことから土に埋められていたことがわかった。
 4係は最後に朝倉を目撃した天文学部の4人の生徒を訪ねるが、水木丈太郎(金井勇太)、風間進(北条隆博)、四之宮真紀(篠原真衣)は朝倉の死にも、かつての仲間にも興味を示さない。
 一方、泉と倉田工(杉本哲太)が訪ねた火浦忠広(遠藤雄弥)は、マンションから転落した直後だった。意識不明の火浦だが、指紋から荷物の送り主であることがわかった。朝倉殺害に関わっている可能性があると、火浦の自宅から証拠品を押収。すると、天文部への思い入れの深さがうかがえる部員4人で写っている写真や日誌のコピーなどが出てきた。
 しかし、朝倉や火浦の件で警察に呼ばれた水木と風間は顔を合わせてもろくに会話もしない。泉は2人の様子に寂しさを感じつつ、天文部の日誌をチェックする。
 朝倉が埋められていた穴が発見され、残りの骨や衣類のほかにネックレスがみつかった。ネックレスが隕石アクセサリーであるとわかると、高峰涼子(山口紗弥加)は何かに気付き押収品を調べ始める。また、火浦のパソコンを調べた結果、火浦のブログにはプロキオンとベテルギウスと名乗る人物からのコメントが多いことと、転落する2日前にプラネタリウムで待ち合わせを示す記事が残っていた。プラネタリウムの防犯カメラには、火浦と水木と風間が会っていて、水木が火浦につかみかかっている映像が映っていた。
 改めて警察に呼ばれた水木と風間は、それぞれ朝倉殺害と火浦を突き落としたことを認めるが、それぞれ単独犯であると言い切る。一方、天文部の写真から隕石アクセサリーが真紀のものだとわかった高峰は、事情を聞くが、真紀は関連を一切認めない。
 天文部の7月25日の日誌だけが抜けていることに気付いた泉は、中学校を訪ねて原本をみつける。同じ頃、意識を取り戻した火浦が「死んで罪をつぐないます」という書置きを残して病院から姿を消した。そのことを水木と風間に告げると、2人は11年前に朝倉が3人のマドンナ的存在であった真紀を襲い、それを助けようとした3人がもみ合いになったはずみで殺してしまったことを自供した。自首しなかったのは犯罪が明るみになることで真紀を傷つけないよう3人で決めたことで、プラネタリウムでの一件は、火浦が今になって自首を申し出たことからの起きたことだった。
 火浦が1人で罪をかぶろうとしていることを察し、火浦を助けて欲しいと涙ながらに訴える水木と風間。倉田工から火浦がいなくなったと連絡を受けた泉は、中学校の屋上で飛び降りようとしている火浦を発見。水木や風間がすべてを話したことを告げ、なんとか火浦を止めた泉。
 火浦は、最近になって朝倉とのやりとりは万引きを親に話されることを恐れた真紀がついたウソだったことを知り、それを水木と風間に言えなかったと泣き崩れた。 泉は真紀に3人の逮捕と、最後まで真紀を守ろうとしていたことを告げる。
 しかし、「私は悪くない」と言い張り、3人を赤の他人だと言う真紀の言葉にやりきれない思いを抱える。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする