ドイツは電子も動力も機械加工もその技術力は一流で、勤勉且つ商売上手。戦後あっという間に欧州一の経済大国に上り詰めました。
商売上手というか売り込みも定期的に開催される見本市/展示会体制と首相が先導する経済ミッションセールスで、効率と上手さに感心しています。
近々メルケル首相、直々の経済ミッションが中国を訪問するという。今回の訪問は、商品の売買契約のほかに、企業買収・投資にかかる互恵主義の確認もあるといわれている。
中国企業による独ロボットメーカー・クーカと半導体プラントメーカー・アイクストロンの買収に対するドイツ国内の反対運動の背景説明と、今後の企業買収に対する基本姿勢の確認もあるようだ。中国での企業の立ち上げや企業買収に時間がかかり過ぎる問題も取り上げられるという。交渉次第では、両国にとって、一大交易国、投資国を失わせかねないものに発展する可能性もあるといわれている。
中国経済は工場という器であっという間に大きくなって、今、技術力という器で再拡大を図っるまでになりました。
2008年までの中国は、安い労働力で電機、機械、繊維、鉄鋼製品の工場を稼働させ、輸出力で成長を遂げてましたが、リーマンショックでは、中国も輸出を落としました。対策は、60兆円ほどの内国インフラ開発・整備で、これが功を奏し、2010年には GDPを前年比12%増までに発展します。しかし、中国国内投資は同時に、世界的な石油、鉄鉱石などのバブルを発生させ、景気対策一巡後には GDPの伸びが止まり、資材・素材の需要減退は、石油価格が暴落と同調し、資源全体の世界的な価格暴落となって表れました。
バブルの崩壊で人、設備、債務の整理・清算が急務となりましたが、経済の体裁を重んじる習派と、清算・整理の李派の対立が起き、余剰設備の後進国への輸出もままならず、整理はお預けとなり、現在の景気にも影を落としている といわれている。今、効いている乗用車減税も住宅購入支援も、期限付きで、且つ、住宅価格や鉄鉱石価格のバブルと、不安材料は尽きない状態という。
中国は、最終の経済策として、先進国の技術のコピーではなく、自前の技術で、後追いではない最先端商品を作り出し、新たな需要、新たな産業を作り上げることとした模様。出来るだけ早く産業構造の変革を成し遂げべく、中国企業の海外での企業買収は、中国政府の指導で目下進められている。米国のように外資による企業買収に政府/議会の審査部門がない欧州、とりわけドイツがいま中国に狙われている、といわれている。
日本では、技術流出にあまり頓着しないできた(気を付けていたのは三菱系ぐらいでしょうか)ため、また、中国へ進出には土産物感覚で、技術は無償との気前の良さで、日本は中国工場気付でへ、技術やノウハウを提供してきましたが、人件費高、従業員の低い定着率、部材の低品質、反日感情などで脱中国企業が増えて、日本企業も、中国の買収リストにちらほら出てきているという。
メルケルさんと中国との企業買収・投資にかかわる交渉は、日本にとっても貴重な物差しになるでしょう。