カンボジア経済

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中央銀行 外貨建て預金の法定準備預金への金利をゼロに

2018年09月20日 | 経済
 新聞報道によりますと、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)の金融政策委員会は、9月4日に、これまで外貨建て預金の法定準備の一部に付していた金利をゼロにすると決定したとしています。カンボジアにも預金準備制度があり、預金準備率は、リエル建て預金については8%、ドル等の外貨建て預金については12.5%となっています。法定準備金は、中央銀行に預託する必要がありますが、リエル建て預金の法定準備には金利が付きません。外貨建て預金の法定準備についても12.5%のうち8%部分については金利が付きませんが、残りの4.5%部分については、1.08%/年(2018年9月18日現在)の金利が付与されています。今回の決定は、この外貨建て預金の4.5%部分に付与されていた金利を撤廃するものです。
 カンボジアは、高度にドル化された経済であるため、中央銀行の金融政策・金融調整手段は限られたものとならざるを得ず、預金準備率操作は、数少ない政策手段の一つとなっています。これまでの動きを見ると、1997年以降リエル建て・外貨建て共に8%とした後、動かしていませんでしたが、2008年のリーマンショック時に外貨建て預金の準備率を一気に16%に引き上げて金融引き締めを行い、2009年に12%に戻し、2012年に12.5%に変更した後は、全く変動させていませんでした。この間も、リエル建て預金の準備率は8%で、変動なしでした。
 法定準備には、通常、付利しないことが多いのですが、リーマンショック時の大幅引き上げの際の金融機関の不満を緩和する目的もあって、8%超部分については、これまで低金利ですが付利していました。これまで金融機関が受け取っていた金利の額は大きくないため、金融機関には特段の影響はないものと見られます。中央銀行としては、準備率の変動が若干容易になるといった効果はあるものと見られます。今回の決定は、準備率を変動させるものではありませんが、法定準備制度の正常化の流れに沿ったものと思われます。

カンボジア国立銀行の預金準備に関するページ
https://www.nbc.org.kh/english/monetary_policy/reserve_requirements.php

同 当日の金利
https://www.nbc.org.kh/english/economic_research/interest_rate.php


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