にれっちのつれづれ日記

本州最北端の小児科医にれっちの独り言(^^)

前のめりの原子力行政に、司法が待った!

2015-04-15 07:31:04 | つれづれ
福井県にある関西電力高浜原発に対して、福井地方裁判所が「原子力規制委員会の新規制基準は『緩やかにすぎ、合理性がない』、基準に適合していても再稼働を認めない」との決定をしました。
今回の決定で最も重要な点は、世界最高と自画自賛している新基準が、昔の安全神話と同じく、基準を満たしていれば大きな事故は起きない前提の対策しか語られておらず、結局のところもし原発が暴走し始めたら止めようがない点ではこれまでと同じだということを指摘していることです。
実際に、原子炉が破裂しないよう圧力を抜くフィルター付きベント設備や、独立して冷却ができる第二制御室などは2018年7月までに整備すればよいとされ、作業員を地震や放射能から守る事故時の対策拠点も、完成するまでの間は代替施設で済ますことを認めているなど、天災はいつ起きるかわからないのを無視したかのような緩々の抜け道だらけです。
また、事故が起きた際の住民の避難対策について規制委員会は実効性を検証しないという無責任な発言を委員長自身が何度も語っています。

こうした前のめりな原発再稼働の動きの最大の要因は日本の政治の無責任性にあると言えます。
あれだけの事故が起き、4年たった今でも福島では復興の文字が見えてこない状態が続いているのに、官房長官が「国は当事者ではない」などと言うのは無責任以外の何物でもないでしょう。
国の経済も、地域経済も、もちろん大切ですが、人の命はそれ以上に大切です。
原発をどうするかは、一事業者や一部の自治体が決めることではなく、国策として全国民の責任で決めることだと思います。
私たちむつ市民(青森県民)も、原発・中間貯蔵施設・再処理工場と原子力関連施設を多数抱える下北半島(青森県)であるからこそ、一度立ち止まってしっかり考えてみませんか?