にれっちのつれづれ日記

本州最北端の小児科医にれっちの独り言(^^)

ちょっと違うインフルエンザの話

2008-01-27 17:46:16 | 病気のはなし
インフルエンザの原因がまだわからなかった時代に、インフルエンザ患者さんから見つかったためその名が付いた細菌があります。(後にインフルエンザウイルスが見つかって全く関係がないことがわかりました)
正式名称をインフルエンザ桿菌といいますが、中でもb型(略称Hib、ヒブと読む)と呼ばれるタイプは、小児の細菌性髄膜炎の原因のトップで、罹ると1/3が死亡し、1/3は重篤な後遺症を残すといわれています。
これまで日本では、幼児1~2万人に1人が罹るといわれていましたが、抗生物質が本来必要ない上気道炎(いわゆるカゼ)に乱用されていることで年々耐性菌が増加し、幼児5千人~1万人に1人と数倍に増えてきています。
海外ではワクチンが使用されていて「Hibは過去の病気」とすら言われていますが、日本ではようやく春から自費での接種が予定になっているというお粗末な状況です。
医療費を削減することにばかり目を向けないで、もっと予防に力を入れるようにして欲しいものですね。