にれっちのつれづれ日記

本州最北端の小児科医にれっちの独り言(^^)

麻疹で苦しむ子どものない国に

2005-10-23 08:59:07 | つれづれ
昨日のつぶやきにコメントをいただきました。
お子さんが紫麻疹(命にかかわることもある重症型で麻疹の内攻とも言う)に罹ったが、医師が診断できなかったため大変苦労した、とのことでした。
医師として反省するところが多々あるご意見、と考えさせられました。
麻疹はワクチン接種で感染を高率に防ぐことができる病気で、事実昔のような大流行は少なくなりました。そのため、紫麻疹はおろか、典型的な麻疹すら見たことのない小児科医も増えてきています。
一方で予防接種制度の不十分さのため、すでに麻疹排除(国内からの発生なし)に到達している国が途上国と言われる国を含めて多数出ている中で、日本はまだ年間数十万に上る発生と数十人におよぶ死亡者を出しているのも事実です。
ようやく来年度からMR(麻疹+風疹)ワクチンの2回接種が導入されることになりましたが、蓋をあけてみたら年齢や過去の接種歴から対象者がきわめて制限されていて、麻疹撲滅はまだまだ先になりそうな内容です。
小児科医が反対(改正)の声を上げてはいますが、効率と財政削減優先の風潮の中では、なかなか届かないのが実情で、そんな中で少しでも広く訴えようと、今回マリンスタジアムに小児科有志で広告を出しました。
麻疹で苦しむ子どものない国をめざして、これからも頑張って行きたいと思います。
応援よろしくお願いします。